○古本
分科員 それはぜひ、省庁横断的にやっていただきたい
部分でありますし、何より、一生のうちめったにないことだという話がありましたが、実は、おもしろいことに、私に事前にそういう
質問取りに来てくださる御省御局の御担当の方に、土地建物を買ったことがありますかと聞いたら、ないと言いますね。いやいや、それは給料を上げましょうなんということを言っているわけじゃありませんよ。要するに、
現場をわかっていないと登録免許税の痛みがわからないんですよ。
あるいは、どうして今、国が地価公示を引き続きやっていく必要性があるんだろうかとか、あるいは、八億もの金を使って、一生に一度のことなら、それぐらい法務局に行ってやればいいじゃないですか、それをパソコンでなぜE申請しなきゃいけないんですかということになったときに、私は、行政の効率化ということが、ぜひ、省庁の
皆さんも、官僚の
方々も我が身で
現場を体験していただいてという中で、どこに問題が内在しているかというのをぜひ省庁横断的に議論を進めていただきたい。
きょうは、そういう意味じゃ、
法務省が所管なさっている中で、私は、キーワードを、次の二枚目の理念に、コピーをとっていただいている
部分ですが、「リソーセスの重点投入」ということが大変大事だと思っています。今、
法務省が所管なさっている業務の中で、少なくとも、登記は、先ほど申し上げたとおり、九七年は、登記官、登記所の職員、いわゆる法務局の職員一人頭年間で二千百九十五件処理していたのが、少なくとも
平成十四年で計算すれば、一人頭千九百八十一件処理に減っているんですよ。そんな中で八億も使って電子化していかなきゃいけないという、今そのニーズが本当にあるのか。
一方で、出入国管理の
部分で少し申し上げたいと思うんですが、実は、六四年、四十年前にさかのぼって、当時の入国
審査官は一人頭入国処理件数は年間七百八十三人でした。ところが、〇三年の実績で見れば、
審査官の年間処理件数は四千五百二人です。さらに、あのSARSで体温をはかったり何だでもう大変ですよ。当時の入国といったら、私は当時知りませんが、想像するに、今の方がより高度な、かつ、いろいろな国からの言語に対応したり、大変なことを非常に効率的に対応しているんです、こう言われるのか、なけなしの中で大変な苦労をしながらやっているととらえるか、これは私は分かれるところだと思いますね。
一方、外国人犯罪と思われる犯罪も今ふえています。ですから、入国
審査官そして警備官の一人頭処理件数、単純にパー割りできるものじゃないかもしれませんが、世の中の国民の不安等々、ピッキング等々、車上荒らし等々、どれをとっても、私は、今、国民のニーズがどこにあるかというと、登記を電子化したいというニーズよりも、よっぽどそういうことに対してお金、人、物を投入してほしいというニーズがあるんじゃないですか。
であれば、このイメージ図を見ていただきますと、既存業務で新たなニーズがふえたところに、単純にふえますと、それに要するコストというのは、これは単純にふえちゃいます。ここで、まさしく電子化したり、あるいは人手を省いていく中で、この「効率化シロ」をもってして新たなニーズに対応していけば、
法務省、よくやった、こういう話になるわけです。私は、こういう中で、リソーセス、人、物、金を重点投入していく範囲の対象の一つに、大きくは、この出入国管理業務というのは私は大きいと思っています。
加えて、青少年の法律知識の欠落による事件、
事故が多いと思っています。いわゆるクレジットカード系あるいはQ2系、いろいろな問題があると思っています。
聞けば、司法書士連盟の
方々が、無償で、十八歳、要するに、成人になっちゃうと法的責任を負わなきゃいけなくなりますから、成人になるのを待たずに、未成年のうちに何とかそういう教育をしていこうということで、無償で、まさにボランティアで、各高校を回ってそういう教育をしているという話も聞いています。
これは、業界
団体である司法書士連盟さんが、ある意味、御努力なさってやるというよりも、むしろ、
法務省として、未然防止ですよ。犯罪なり事件なりに巻き込まれて、その後の更生のためにお金を使っていくという、そのための保護観察官を構えていく、それは大事です。未然に防止していくというのが、子供
たちに、高校生
たちに、いかに社会に出る前にそういう
方々に事前の教育をしていくかというようなことも含めまして、少しきょうは
大臣のお考えを伺いたいと思いますが、くれぐれも、議論の、これは最後残り少なくなってきましたので、もう一度私が申し上げたいことをおさらいをしておきます。
今、世の中で国民は何に怒っているかというと、行政の無理、むだ、むだ遣いと思われることに怒っているんですよ。それは、
自分たちのかゆいところに手の届く行政をしてもらえれば、多少税金が上がったって多分怒らないと思います、多少の範囲は別としまして。要したコストが本当にいいことに使われているということであれば、何も文句は出ないと思うんですね。
その意味では、私は、新たな守備範囲がふえる入国
審査官をふやすにはまたお金がかかりますし、そういうプラスアルファの思考ではなくて、ニーズが減っているところをいかにそうやっていくかということが私は大事だと思っていますので、ぜひそういった観点から
大臣の御見解をお伺いしたいと思います。