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青木政府参考人 大変
法律用語が難解であるということ、私も
個人的には同感でございます。ただ、
法律である以上どうしても、いろいろな事象をまとめて、できるだけ抜けがないように規定をしなきゃいかぬ、こういったこともございまして、なかなか抽象的になっているというのはそのとおりでございます。
まず、販売目的の明示ということでございますけれ
ども、これは
委員も御
指摘のように、例えば、水道の点検に来たと言って、うその口実でとにかく住宅の中に上がり込んでしまう。特に、核家族化した
高齢者のところにそういう悪徳
業者が来ますと、当初の
段階で拒否をするのはなかなか難しいということもございます。こうした観点から、私
ども、
勧誘に先立って販売目的の明示をするというのを規定したところでございます。
これは時点的に言いますと、基本的には、住居を
訪問し、戸口で
消費者と会った最初の時点でということでございますし、それから販売目的の明示というのは、どのような
商品を販売に来たんだということを訪れた
消費者に十分認識をしてもらうという程度に
説明をするということでございます。
それから、アポイントメントセールスにおきます公衆の出入りしない個室ということでございますが、これは例えば、海外旅行の懸賞に当たった、そういったうそを言って、本来は
商品販売の
勧誘目的であることを告げずに、そういうところに、いわば
消費者が契約から離脱をしにくいような場所に引き込んで、その上で
勧誘をするという趣旨でございます。
したがいまして、公衆の出入りをするという点につきましては、当然これは、当初の
段階で
消費者が拒絶をするという重要な機会をまず奪ってしまうというのが第一点でございます。第二点は、
勧誘を受けることについて心の準備がない
消費者、これが冷静に
判断することが非常に難しくなるというのがこの個室の特色の一つでございます。第三点目は、これも同じようなことでございますが、その場から逃げようとしても、自発的に立ち去ることが現実にはなかなか困難だといったようなことも特色でございます。
したがいまして、どういうところが公衆が出入りする場所以外の場所なのかといった点については、以上のような趣旨から
判断されるべきだろうと思います。
具体的には、
事業者がそもそも管理する場所なのかどうか。やはり管理する場所ですと、非常に巧みなトークをするための準備工作がいろいろできやすいわけでございまして、それが一点でございます。それから第二に、現実に不特定多数の者が出入りをしているのかどうかといった点も
判断基準になろうかと思います。
いずれにいたしましても、先ほど、たまたま喫茶店というお話が出ました。通常、これは入らないと思いますけれ
ども、御
指摘のように、若者あるいはお年寄りの方が非常にねらわれる商法である、こういうこともございますので、本
法案が成立いたしましたならば、できるだけ早急に、詳細な通達あるいはコンメンタール、そういうもので明確化したいと思いますし、例えば成人式、あるいは高等学校の学習
指導要領、あるいは敬老会といったようなところでこうした
被害者の層に重点的に普及啓発を図っていきたいというふうに
考えております。
それから、少し長くなりましたが、最後に、契約の締結を必要とする事情ということでございます。
これは、通常、いろいろな
法律で重要事項と言う場合に、契約の
内容そのものを指している
ケースがございます。それについて虚偽の
説明があったとか、あるいは重要なことについてわざと言わないといったような点が議論されるわけでございます。
私
どもの
特定商取引法では、さらに範囲を広げて、契約そのものの
内容ではなくて、契約に至るための事情、先ほど言いました点検商法で、床下が腐ってもいないのに腐っているといったような点についても、虚偽の
説明をした場合にはこれを罰則の対象としようという趣旨でございます。