○梶原
委員 そういった一つ一つの施策というのは重要かと思いますけれ
ども、また、国土経営上、やはり地方都市、拠点都市というのを、しっかりとその
経済基盤というのを支えていかないと、ある
地域がもう全く人口が流出してしまって、それこそおじいちゃん、おばあちゃんしかいないというような
状況になってしまうのではないか。拠点都市というのを、いかにその
経済基盤を充実させるかということがこれから大きな政策課題だと思っています。
また、従来の金太郎あめみたいなことじゃなくて、本当に、
地域の独自の産業であるとか文化であるとか、そういったものをしっかりと支えていく、そういった
地域づくりをするということが必要であって、私は、
会議所なり商工会というのが、その中核部隊というか作戦本部というか、そういう役割を担っていかなくちゃいけないんだろうというふうに思っております。
ただ、現実に、実際に地方の
中小企業というのは、もちろん貸し渋り、貸しはがしというのもあるんですけれ
ども、
金融機関からは借り手がいないという話も同時にあって、何に投資したらいいのかわからない、何をやってもだめだというような現状もあるわけですし、また、
中小企業の経営者というのは、私もそうでしたが、自分で先頭になって働かないと食っていけないわけですよね。ですから、新しい事業に挑戦をするとか、そのノウハウとか情報を得るといったってなかなかできない、そういった
状況にあるんじゃないか。
ただ、見方を変えれば、少子高齢化の進展であるとか地方の実情とか、いろいろな厳しい、苦しい環境の中でこそまた新しい商売も生まれてくる
可能性がある、そういうふうに思っておりまして、ぜひそういうものを支援していくということになるんだろうと思うんですが、今、新しい業種、業態であるとかサービスであるとか、あるいは新しい価値をいかに創造していくかというところなんだろうというふうに思います。
先ほどの
大臣の話にもあったかもしれませんが、地方の場合、巨額の資金を投じて大きな施設をつくるなんということは多分期待していないというか、そうでなくて、僕はやはり
知恵と心だと思うんですよね。いかに
知恵を出して、また心で、例えばお客さんをもてなすとか、そういう
気持ちというのがすごく大切であろうと思うんですが、今、
経済性ばかり、
経済合理性ばかり追求する社会で、地方なんというのは当然東京に負けてしまうわけですよね。その今の社会というのが
経済的な合理性、生産性ばかり追求していくというところに僕は大きな問題があるんじゃないかな。もっと
知恵とか、特に心というところですよね、それをどうやって形にしていくか。ここはやはり人材だと思うんですよ。そのところが僕は今の
行政の中で欠けているんじゃないかなというふうに思っています。
それから、もう一つ。商工会の方でちょっと言えば、今、商工会のいろいろな事業
内容の中に海外の話がないんですよね。商工
会議所には海外との何だという交流を促進してというのがあるけれ
ども、商工会はそういうものがないんですよ。これから、FTA、当然、東南
アジア中心に注目されていくというか締結されていくと、僕は、東南
アジアというのは、もう西
日本の特に地方というのが出番だなと思っているんですよね。東京中心というんじゃなくて、そういった地方の出番をもっとつくっていかなくちゃいけないんじゃないかというふうに思っております。
そういう
意味では、さっきの、新しい価値を創造するとかなんとかというのは、今まで
経済合理性ばかり追求してきた
日本の社会の中にあっては、むしろ地方が
日本を変えるんじゃないか、変えていかなきゃいけないと僕は思っているんですよ。もう何でもかんでも大きければいい、安ければいい、こういうことでは絶対ないんだろうと私は思っているので、そういう
意味で、僕は少し
考え方をやはり変えていかなくちゃいけないんじゃないかなと思っています。そういうときに、先ほど申し上げたみたいに、
会議所とか商工会がもっと中核的な役割を果たしていかなきゃいけない、現場を一番よく知っている人たちなんだから。
ただ、今の性格を自分なりに言えば、会社に例えれば、今の
会議所とか商工会というのは総務部門になっちゃっているんですよ。それぞれの会社の企画開発とか営業という部分がないんだよね。本当に総務の仕事だけやっているだけ。私
ども、
地域の商工会の副会長というのを長くさせてもらっているんですが、もう全くお
役所的、事務的。そういうことであって、ただ、いろいろな面で手足縛っちゃっているところがあるわけで、自分らの仲間のことを悪く言うわけじゃないけれ
ども、ただ、余りにも会社の総務になっちゃって、新しい商売をつくり上げていく、そういった発想が全くないわけです。
そういう
意味で、もっと専門家、エキスパートを育てていくとか、あるいは、そういった目的を明確にするとか、組織の
体制を変えていくとか、そういったことが必要ではないかなというふうに思っておりますが、いかがお考えでしょうか。