運営者
Bitlet
姉妹サービス
kokalog - 国会
yonalog - 47都道府県議会
nisalog - 東京23区議会
serelog - 政令指定都市議会
hokkaidolog - 北海道内市区町村議会
aomorilog - 青森県内市区町村議会
iwatelog - 岩手県内市区町村議会
miyagilog - 宮城県内市区町村議会
akitalog - 秋田県内市区町村議会
yamagatalog - 山形県内市区町村議会
fukushimalog - 福島県内市区町村議会
ibarakilog - 茨城県内市区町村議会
tochigilog - 栃木県内市区町村議会
gunmalog - 群馬県内市区町村議会
saitamalog - 埼玉県内市区町村議会
chibalog - 千葉県内市区町村議会
tokyolog - 東京都内市区町村議会
kanagawalog - 神奈川県内市区町村議会
nigatalog - 新潟県内市区町村議会
toyamalog - 富山県内市区町村議会
ishikawalog - 石川県内市区町村議会
fukuilog - 福井県内市区町村議会
yamanashilog - 山梨県内市区町村議会
naganolog - 長野県内市区町村議会
gifulog - 岐阜県内市区町村議会
sizuokalog - 静岡県内市区町村議会
aichilog - 愛知県内市区町村議会
mielog - 三重県内市区町村議会
shigalog - 滋賀県内市区町村議会
kyotolog - 京都府内市区町村議会
osakalog - 大阪府内市区町村議会
hyogolog - 兵庫県内市区町村議会
naralog - 奈良県内市区町村議会
wakayamalog - 和歌山県内市区町村議会
tottorilog - 鳥取県内市区町村議会
shimanelog - 島根県内市区町村議会
okayamalog - 岡山県内市区町村議会
hiroshimalog - 広島県内市区町村議会
yamaguchilog - 山口県内市区町村議会
tokushimalog - 徳島県内市区町村議会
kagawalog - 香川県内市区町村議会
ehimelog - 愛媛県内市区町村議会
kochilog - 高知県内市区町村議会
fukuokalog - 福岡県内市区町村議会
sagalog - 佐賀県内市区町村議会
nagasakilog - 長崎県内市区町村議会
kumamotolog - 熊本県内市区町村議会
oitalog - 大分県内市区町村議会
miyazakilog - 宮崎県内市区町村議会
kagoshimalog - 鹿児島県内市区町村議会
okinawalog - 沖縄県内市区町村議会
使い方
FAQ
このサイトについて
|
login
×
kokalog - 国会議事録検索
2003-12-03 第158回国会 参議院 憲法調査会 閉会後第1号
公式Web版
会議録情報
0
平成十五年十二月三日(水曜日) 午後二時開会 ─────────────
委員
の異動 十一月二十八日
辞任
補欠選任
鈴木
政二君
藤野
公孝
君 十二月二日
辞任
補欠選任
椎名 一保君
市川
一朗
君 福山 哲郎君
本田
良一
君 ─────────────
出席者
は左のとおり。 会 長
上杉
光弘
君 幹 事 武見 敬三君 保坂 三蔵君 吉田 博美君
若林
正俊君
鈴木
寛君 ツルネン
マルテイ
君
若林
秀樹君
魚住裕一郎
君 小泉 親司君 委 員 阿南 一成君
市川
一朗
君 岩井
國臣
君 亀井 郁夫君 常田
享詳君
中曽根弘文
君
藤野
公孝
君 舛添 要一君 松村 龍二君 松山 政司君 森田 次夫君 山崎 力君 江田 五月君 大渕 絹子君
川橋
幸子君 小林 元君 角田 義一君 中島 章夫君 平野 貞夫君 堀 利和君
本田
良一
君 松井 孝治君 白浜 一良君
山口那津男
君
山本
保君 宮本 岳志君 吉岡
吉典
君 吉川 春子君 大脇 雅子君
松岡滿壽男
君
事務局側
憲法調査会事務
局長
桐山 正敏君 ───────────── 本日の会議に付した
案件
○
日本国憲法
に関する
調査
─────────────
上杉光弘
1
○会長(
上杉光弘
君) ただいまから
憲法調査会
を開会いたします。
日本国憲法
に関する
調査
を議題といたします。 先般、
憲法事情
に関する
実情調査
のため、本院より
コスタリカ共和国
、
アメリカ合衆国
及び
カナダ
に
議員団
が
派遣
されました。 この際、本
調査会
において、
海外派遣議員
から
報告
を聴取することといたします。 なお、御発言は着席のままでお願いいたします。 まず、
派遣議員団
の団長を務められました
市川一朗
君から総括的な
報告
を聴取いたします。
市川一朗
君。
市川一朗
2
○
市川一朗
君 本年九月三日から十三日にかけて行われました
特定事項調査
第五班、
憲法調査
の概要を御報告いたします。 本班の
調査目的
は、
コスタリカ共和国
及び
カナダ
の
憲法事情
につきその実情を調査し、あわせて、これらの国の
政治経済事情等
を視察すること、並びに
平和主義
と
安全保障
の実情について
国際連合本部
及び
国連開発計画
の
動向等
を
実情調査
することでありまして、本
憲法調査会
の調査に資する観点から御報告させていただきます。
憲法事情
に関する具体的な
調査項目
といたしましては、ちょっと時間の関係でこの辺省略いたしますが、一、
コスタリカ共和国
、二、
国際連合
、三、
カナダ
と、それぞれに多くの課題を掲げまして調査をいたしました。 以下、
調査内容
につきまして、その概要を
調査日程
に従って御報告いたします。 一九四九年に制定されました
コスタリカ憲法
は、第十二条で「
恒久的制度
としての軍隊は禁止する」と定め、一九八三年には「積極的・永世・非
武装中立
」を宣言し、その
平和主義
への取組が
我が国
からも注目されているところであります。また、憲法の
基本的人権規定
におきましては、
普遍的人権
のほか、
環境権
を定めて
環境保護
を図り、また、
公教育
の充実を定めるなど、先駆的かつ充実した内容を有しております。さらに、
司法機関等
による
人権救済制度
が充実しておりまして、選挙の公正を確保するために
選挙最高裁判所
が設置されているのも特色の一つと言えます。 九月四日午前、まず、
コスタリカ共和国議会
を訪ねました。議会では、
国際関係委員会
、
環境委員会
、
社会問題委員会等
の委員に、議会の
平和憲法
への姿勢、
平和主義
・
安全保障
の実際、
人権保障
の
確立等
をお伺いいたしました。
チンチージャ国際関係委員
、前
公安大臣
でございますが、らから、戦争は相手があって可能であり、非軍備で戦争の意思がないことを示すことが
抑止力
になっている、軍の廃止によって浮いた
軍事予算
を教育、
福祉等
に回し、中米一の高い
教育水準
、
経済水準
を達成できた、
ニカラグア
から過去に
侵略行為
があったが、
米州相互援助条約
、
リオ条約
及び
国際世論
に訴えることによって対処した、軍を持たないことは国民のコンセンサスとしても定着しており、再軍備の意思は国にも国民にもないこと、この
平和憲法
を世界に輸出したい旨の見解が述べられました。 また、憲法における
環境権
の明記は、長い
環境保護
に対する努力の結果であることなどの意見が述べられました。 続いて、
議会事務局
より、昨年の
国民投票制
の導入を例に、
コスタリカ憲法
の
改正手続
についての説明を受けました。 同日午後は、
最高裁判所
を訪ねまして、
ソラノ憲法法廷長
と会談しました。
コスタリカ最高裁判所
は四つの法廷を有していますが、その一つである
憲法法廷
は、
憲法裁判所
としての権限を有し、一、法律の
合憲性
の判断、二、
庇護申請
、三、立法に関するコンサルティング、四、国の諸機関の権限の
調整等
、多岐にわたる任務を担っております。 また、
人身保護
、
人権擁護
に関する
護民官的役割
を負っているため、扱う
事件数
は
最高裁係属事件
の八三%にも上ること、そして国民も身近な存在として深い信頼を寄せているとのことでありました。 続いて、
環境エネルギー省
の
ロドリゲス大臣
と会談いたしました。 大臣は、
コスタリカ
では、憲法で
環境権
を定めて
環境保護
を積極的に図り、また実際に、
生物多様性
や
熱帯雨林
の
保護等
に努め、その
環境保護
の取組に対して世界から高い評価を受けている。その豊かで貴重な資源を持続可能な形で有効利用し、
国立公園
や
エコシステム
を整備するとともに、
森林破壊
を止めることにも成功したと言える。この
環境保護
を根付かせるために特に重要と心掛けているのは、
市場原理
を導入して経済的にもメリットあるものにし、
森林所有者
に森林を守る意義とメリットを知ってもらうことである旨を述べられました。また、
環境権
は権利と義務が表裏一体であり、常に責任を伴うことを強調されました。
コスタリカ
はまだ
開発途上国
でありますが、これらの環境への取組は、
我が国
の今後の
国際協力
にも参考になる点が多いと思います。 さらに続いて、
選挙最高裁判所フォンセカ長官
と会談いたしました。
コスタリカ
では、
選挙最高裁判所
を設置し、強い
独立性
と権限を与えて、選挙に対する国民の信頼を守っており、その大きな役割は第四権力と称されるほどであります。 長官から、
選挙最高裁判所
は単なる
選挙裁判所
ではなく、
選挙過程
について、組織し、管理し、監視し、解決するという選挙についての独占的な権限を有し、
コスタリカ
の
民主主義
を守る上で極めて大きな働きを担っている旨が述べられました。 翌日は、
常備軍
のない
コスタリカ
にあって
治安維持
の役割を担っている
公安警察
の実情を知るため、
公安警察学校
を訪問いたしました。 公安といいましても、一般の
刑事警察
と独立しているわけではなく、通常の
警察機構
の名称が
公安警察
であり、ほかに軍に類似するような特殊な
警察機構
があるわけではありません。この
警察学校
には
コスタリカ
全地域から生徒が集まり、警察官として必要な訓練を受けており、その訓練の一部も視察いたしました。私は、訓辞もさせていただきました。
オバンド校長
は、
公安警察
は主権を守ること及び国民を保護することの二つの役割を担っている。戦車や
戦闘機
はもちろん、軍に相当するような武器は一切なく、
国境警備
や
森林パトロール
において、麻薬の
密輸等
を防ぐため、
自動小銃
やヘリコプターを備えている程度である。
公安警察
としても再軍備の意思は全くない。
ニカラグア
からの
不法入国者
の増大について、侵略ではなく
経済的理由
からと見ている。ただ、治安の悪化は我々が直面している課題であると述べられました。 続いて、
国家緊急事態委員会
の
モラレス委員長
と会談いたしました。
委員長
からは、
コスタリカ
では、人的、自然的とを問わず、一切の
緊急事態
に対処するため、
関係省庁
がシステマチックに対応できる体制を整えており、その調整や
基本計画作成
に当たるのが
国家緊急事態委員会
である。
コスタリカ
では戦争はなく、また軍備もないため、
自然災害
や
事故等
の
人為的災害
の対処が中心になっているという旨の説明がありました。 その夜は、
国際開発事業団等
、
コスタリカ
で
国際協力
のために働く
日本人
の方々と懇談いたしまして、
国際協力
の
重要性
、現地での苦労などのお話を伺いました。 六日になりましてニューヨークに移動いたしまして、七日午前、グラウンド・ゼロを視察いたしました。あの九・一一
同時多発テロ
から二年、外観はさながら再開発の大きな
工事現場
のようでしたが、二周年も近いためでございましょうか、弔意に訪れる
アメリカ人
の姿も多く、改めてテロの残忍さ、その被害と傷跡の深さを実感いたしました。 翌八日及び九日は、
国際連合
及び
国連専門機関
の一つである
国連開発計画
(
UNDP
)を訪れました。 ちょっと飛ばさせていただきます。 八日午前は、まず、
アメリカ合衆国国連代表部カニングハム次席大使
と会談いたしました。今回の
イラク戦争
において
アメリカ合衆国
と
国際連合
とが対立し、国連の役割の一定の限界を指摘する声が
我が国
にもあったことから、国際的な平和・
安全保障
の構築における
国際連合
の位置付けと課題、
PKO活動等
に向けての努力、今後の
国連改革等
に関する
アメリカ合衆国
の立場をお伺いしようとしたものです。 折しも、その前日、
ブッシュ大統領
から
イラク
の
復興支援
に関して国連に大きな役割を求める演説があり、
安全保障理事会
に
決議案
を提出するとのことから、大使との話題もその問題が中心になりました。 大使は、米国は日本を国連における主要なパートナーとして位置付けてきたし、互いに共通する立場から幅広く国連の諸問題に対処してきた。米国は日本が
安全保障理事会
の
常任理事国
になることを支持している。昨日の
ブッシュ演説
は、米国が今後も
イラク
の平和と安全を回復していくこと、また
国際社会
が一致団結してテロリストに付け込むすきを与えないようにすることを訴えるものであり、米国の
政策変更
ではなく、現実に起きている諸問題に応じた展開をしていこうというものである。北朝鮮問題については、米朝二国間だけではなく
関係国
と連携して対処したい。国連への
財政的貢献
は世界の平和と安全を確保するための良い投資であり、日本その他の国と協力しながら予算が賢明かつ有効に使用されるよう、していくようにしたいという旨が述べられました。 その後、昼食を挟みまして、国連及び
国連専門機関
で働く
日本人職員
の方々と
懇談会
を行いました。国連での様々な経験を伺いながら、
日本人職員
の数、特に
幹部職員
の数が絶対的に少ないこと、
我が国政府
も努力しているが、
語学力
と
専門知識
の点で
志望者
の層が薄く、またキャリア途中で転職する者も多く、更なる応援が
必要等
の話がありました。 午後は、国連で
安全保障理事会
を担当する
プレンダガスト政務担当国連事務次長
と会談いたしました。
事務次長
は、
安保理
の拡大については過去十年にわたって議論しているが依然として合意には至っていない、ただ日本が
有力候補
であることはどの国も認めている。テロや
核拡散等
の新たな課題について国連は
集団的対応
を取るべきと考えている。
イラク
問題について国連が重要な役割を果たすためには米国の
政策変更
が必要であり、
軍事力
の拡大のみで対処できるとは思わない。米英は
イラク
の
主権回復
、
憲法制定
の
プロセス
・
方向性
を
イラク人
にきちんと明示すべき旨を述べました。 その後、
フレシェット国連
副
事務総長
と会談いたしました。副
事務総長ポスト
は、一九九七年末の総会で新たに設けることが決議され、
フレシェット
氏はその初代として就任した女性の方でございます。 副
事務総長
は、国連の評価について国によって分かれるのは確かであるが、すべての責任を国連に負わせるのは問題がある。国連は
加盟国
の組織であり、それ以上のものではないからであって、重要なのは
加盟国
が結束を重視していくことである。
国連改革
については、今次総会でも
ミレニアム宣言
及びそれに基づく今月提出の
事務総長報告
をベースに議論されるだろう。
イラク
問題に関する米国の新
決議案
について、
安保理理事国
の多くが国連としての結束について議論する用意ができている。
イラク
での国連の最大の目標は
イラク人
の
主権回復
であるが、その
プロセス
の合意はまだできていないと述べられました。 翌日は、
国連開発計画
(
UNDP
)マロック=
ブラウン総裁
と会談いたしました。また、
西本政務局長
にも御同席いただいて話を伺いました。 同総裁は、日本は
財政面
での貢献だけでなく、
UNDP
には二名の
事務次長補
を始め
日本人職員
も多い、
日本国憲法
が示す平和、発展、
人道的観点
からの
安全保障
は
UNDP
でも高い価値として評価されている、世界には
貧困等
の多くの問題があり、今後とも日本に期待するところは大きいと述べました。 また、
西本局長
は、若手を中心に
日本人職員数
は増えているが
意思決定過程
に関与できる
幹部職員
の数はまだまだ少なく、高いポストであればあるほど
本国政府
のバックアップが必要、現在世界には紛争中又は紛争中に近い状態の国が四十か国を超えており、紛争に関連する支援に力を入れていると述べました。 国連及び
国連関係機関
の環境・貧困・健康・
教育等
、人間の生存とその権利に果たしている役割は極めて大きいものがあり、
我が国
が唱える人間の
安全保障
の観点からも極めて重要であることから、今後とも多くの
日本人職員
が進出していくことを願ってやみません。 午後は、
ゲーノPKO局長
と会談いたしました。 同局長は、
PKO
は万能ではなく、成功するための条件として、一、
紛争当事者
間に
停戦合意
があること、二、様々な状況・課題に対応し得る部隊の派遣であることの二点が挙げられるといたしまして、この観点からDDR(
武装解除
、
動員解除
、
社会復帰
)は極めて重要であり、単純に部隊を派遣するだけでなく、人道的な
支援活動
を含め、文民による統治へ戻すための包括的な戦略を構築することが必要とされていると。
国連そのもの
が
暫定政府
を構成したのは
東チモール
と
コソボ
の二つだけであるが、シエラレオネ、コンゴ、リベリアなど弱い現政権を様々な場面で支援することは復興において極めて重要な意味を持つ。
イラク
については様々な困難が予想されるが、
透明性
の高い包括的な
プロセス
を樹立することが長期的な
平和構築
のための最良の道である。いずれにしても、
PKO
は、
国際環境
の変化を反映して、
軍事部門
と非
軍事部門
が互いに協力し、統合された戦略の下で実施されることが重要である旨を述べられました。 ちょっと飛ばします。 その後、
日本人
として
軍縮担当国連事務次長
の要職にある
阿部次長
と会談いたしました。
阿部次長
からは、国連にとって軍縮は重要な柱であるはずだが、残念ながら現在は
優先課題
とされていないと言わざるを得ない。実際、
軍縮局
の
専門職員
は約四十名、巨大な
国連事務局機構
の中では小さな部局にすぎない。
冷戦崩壊
後に平和が訪れるという安心感から軍縮に対する関心が失われたこと、一方で、最近の動向からテロや
大量破壊兵器
への
対応策
に関心が移っており、軍縮は向かい風の時代にあると考えている。その打開のためには、草の根の
市民レベル
での取組、軍縮に関する意識の共有、特に教育が重要である。
国連憲章
には
内政不干渉
の原則があるが、時代とともに干渉の解釈も変遷しており、
大量破壊兵器
もその一つである。個別の
軍縮案件
として、
化学兵器禁止条約
は
査察制度
もきちんとしており、隠れて廃棄処理しようとしても原子が残り発見することができるが、他方、
生物兵器
は遺伝子なので熱処理や塩素処理すると何であったか分からないことになるためどう査察できるか難しい問題である。北朝鮮の核保有は軍縮の観点からは核不拡散の問題に入る。
安保理
が決めれば国連として乗り出す。日本は地雷問題や日本が提案して成立した
通常兵器
の
登録制度
など、率先して軍縮の個別問題にも取り組んでいるなどの説明がありました。 なお、
日本人職員
の増強については、各国とも自国の職員を採用してもらえるよう強力に押しているわけでございまして、
職員募集
は原則全部公表しコンピューターで管理して
透明性
を高めている。
日本人職員
が増加しない背景に、明石元次長など第一世代は定年退職し、それに続く第二世代は
経済成長等
の影響で途中退職する者が多く層が薄いということがある。今後、
帰国子女等
が増加し競争に参加できるようになれば期待できると思うという話がありました。 同日夕刻、
カナダ
・オタワに移動しました。
カナダ憲法
は、一八六七年憲法、その
修正法
及び一九八二年憲法から成り立っております。一八六七年憲法は、英国型の
統治機構
と
連邦制
を定めておりますが、一般的な
人権保障規定
は存在せず、またこの
改正権
も
英国議会
にあったため、一九八二年に、新たに権利と自由の章典を置くとともに、
憲法制定権
を英国から移管するなどして、全体を再構成した一九八二年憲法を制定したものでありました。ただ、
英国国王
が
カナダ
の
国家元首
であり、その代理として総督が置かれているという点は変わっておりません。 十日午前は、
カナダ上院
を訪れ、
ロバート上院事務総長補
から説明を受けました。
事務総長補
は、
カナダ憲法
について、一八六七年憲法が制定された当時は
国自体
も政府の役割も小さかったが、その後の時代の変遷、社会の複雑化に伴って連邦、
州とも
に政府の役割が拡大し、これを反映し、かつ
基本的人権
を明確にした権利と自由の章典である一九八二年憲法が成立した。
カナダ議会
は
二院制
であるが、上院が
任命制
であることから両院のダイナミックな関係が余り知られていないのは残念である、しかし、上院の承認なくして法案は成立できないなど上院は下院とほぼ同等の権限を有するとともに、第二院としての
補完的機能
もよく果たしている。上院を
任命制
にしたのは、
母国英国
の議会を模範としておるわけでございますが、上院を
公選制
にすると下院及び
議院内閣制
を弱めかねないという思想によるものであるという説明がありました。
上院議員数
は百五名で、
カナダ
の元首・
英国女王
の代理人である総督によって任命され、定年である七十五歳まで務めることができます。任命に際して
カナダ
を四つの地域に分け(東部・沿海、ケベック、オンタリオ、西部)そのそれぞれに分布した形で議席を配分しておりまして、その中で裕福で
社会的影響力
のある人が選ばれやすい、
上院改革
として
州代表
にすべきとの意見もあるが、国・連邦の制度や政府の在り方を大幅に変えることになるため多数意見には至っていない。余り注目されていないが、上院の特色として下院に比べより政党から独立している点が挙げられる、確かに任命のときは
与党側
から選ばれることが多いが、だんだん政府の立場から独立的になっていく傾向があるからであるというような話がありました。 同日午後は、
最高裁判所
を訪れ、まず
マクラクラン長官
を表敬いたしました。同長官は、世界でもまだ珍しい女性の
最高裁判所長官
であり、日本の
司法制度改革
についても大きな興味を持っていると述べられました。
最高裁判所
の具体的な説明は、
バスタラシェ判事
から受けました。一九八二年憲法の
制定目的
は、一、それまで
英国議会
で決められていた
カナダ憲法
を
カナダ議会
で決めることによって
カナダ
化すること、二、
憲法改正権
を完全に
カナダ
に移して
カナダ各州
の意向も反映できるようにすること、三、
法律レベル
ではなく憲法として
基本的人権
を保障することにあった。包括的に
基本的人権
を保障した第一章権利と自由の章典は、議会、政府、
裁判所
、州すべてに大きな影響を与えている。
裁判所
は訴訟を通して法規に憲法に反する内容がないか解釈、判断する。同憲法の条文は州により
基本的人権適用
の違いを認めているように見えるが、それは誤解であって、だれにでも公平に適用される。州も憲法を制定しているから州により保障される権利もあるが、その
最終的解釈
はすべてこの
最高裁判所
が行う。同
憲法制定
当初は従来の法律でこれに合致していないものが多数あったため非常に多くの
違憲訴訟
があったが、現在は落ち着いている。
基本的人権
における
平等原則
については、米国と異なり、個人のみならず言語や宗教など集団の権利としても見ているのが特徴である。
カナダ
はマイノリティーの
権利保護
にも力を入れているが、差別的な法律を違憲とし又は適用制限することによって、更に能動的な
差別是正措置
によって実現している旨が述べられました。 続いて、
カナダ国防省
で
PKO
を担当している
国際安全保障局
を訪れました。
カナダ
は、世界の中でも最も早く積極的に
国連PKO
に参加した国であり、また
世界唯一
の
国連PKO訓練センター
として
ピアソン・PKOセンター
を設置し便宜を図るなど、その
PKO活動
への熱心な取組は世界的にも大きく注目されているところであります。
ロバーソン局長
及びそのスタッフであるキーラー氏から、
カナダ
の
PKO
について説明を受けました。
PKO
は、
カナダ人
にとって身近な存在であり歴史的にもその初期から深く関与している。
PKO
のルーツは
外交政策
であり、より安定した世界の
枠組み
を目指して一国ではなく多国間で行うこと及び国連は重要だがすべてではないというポリシーの下に進められている。現在は
カナダ軍
六万名のうち三千七百名を海外に出しており、それは
国連指揮下
の派兵と国連からの委任を受けた多
国籍軍
への参加とに分けられる。特に、
冷戦崩壊
後、
世界各地
で
地域紛争
が頻発し紛争の形態も多様化していて、アフガニスタンや
コソボ
のように国連だけでは対応し切れないものがあり、軍と文民を併せて派遣するなど、より複雑な形での派遣が増えている。
PKO
を決定するに際しては、一九九四年
国防省
の定めた
ガイドライン
に従って、
透明性
、
確実性
を期するようにしている。
ガイドライン
は
戦闘状況
にあっては必ずしも役立つものではないが、重要なのは一つの共通した
枠組み
であり、それを基に政府内で議論できることであるとの見解でした。 翌日午前は、
重要インフラ防御
・
緊急事態対応庁
を訪問しました。
カナダ
は、きめ細かく緊急・
非常事態
に備えた
各種対処法
を制定するとともに、
重要インフラ防御
・
緊急事態対応庁
を設置して、充実し入念な
制度作り
を行っています。
フィリップス対外局長
及び
ソシエ同局戦略担当課長
は、同庁は
国防省
の一機関であるが、現場に急行するのではなく緊急・
非常事態
に備えた
体制作り
・調整・
援助等
を行うことを主たる目的としており、またこれらの準備は
民間等
との連携も必要なため文民だけで組織されている。対象は、
サイバー面
を含む
インフラ
、山火事・地震等の天災、テロや化学工場
事故等
の人災、人・家畜・農作物の伝染病・疫病等幅広い。ただし侵略戦争に対処するのは軍である。米国の連邦
緊急事態
管理庁(FEMA)との相違についてこちらがお尋ねしましたので、その相違については、
カナダ
では現場における対応能力はなく、また一次的には州が対応するという点で異なっているということでありました。人権の保護とのバランスを考えなければならないことは十分承知しており、権限が与えられる場合を限定するとともに、期限も設ける、権限を付与する議会の権限にも制限があるなどの形で調整しているとのことでありました。 引き続いて、午後は、キングストン市にある
カナダ
政府
PKO
訓練センターを視察いたしました。 説明に当たったボアソナール副所長は、このセンターは派遣前に
PKO
の特性に応じた事前訓練を行うことを目的としており、一九九六年に設置され、これまで約五千人が受講し修了している。紛争の形態は特に九〇年以降多様化しており、善意だけで割り切れるものではなくなった。したがって、派遣地がどのようなところか、そこで何が起きているのか等の背景情報をしっかり教え込むことが特に重要になっている。特に人種、宗教を問わず、人はだれもが同じ権利を持っているとの認識が重要である。もちろん、
PKO
に必要な救急医療や武器の使用方法のほか、地雷の知識、捕虜になった場合の対処、ストレス管理等も教えている。国連やピアソン・センターとも連絡を取り合い、世界水準の内容を目指していると述べられました。 また、紛争地でよく用いられるカラシニコフ銃などの武器の安全な解除方法、地雷原の見分け方の訓練方法等も視察いたしましたが、実践的で合理的な
PKO
に対する考え方に感銘いたしました。 以上が報告でありますが、今回の調査におきましては、数多くの要職にある方々と親しく意見を交換することができました。多忙の中、快く会談に応じていただいた方々、また仲介の労をお取りいただいた在外公館等の関係者の皆様に改めて感謝申し上げます。 報告書は既に議院運営委員会会議録に掲載されていますが、このほかに、別途、詳細な冊子を作成し、配付いたしますので、ごらんいただきたいと思います。 以上、御報告申し上げます。 ありがとうございました。(拍手)
上杉光弘
3
○会長(
上杉光弘
君) ありがとうございました。 引き続き、他の
派遣
議員の
方々
から御発言いただきたいと存じます。
本田
良一
君。
本田良一
4
○
本田
良一
君
本田
良一
です。 私は民主党の
憲法調査会
のメンバーではございませんでしたけれども、党の方から、ほかの方の希望がなかったのか何か知りませんが、私が行くようになりましたので、
報告
をいたします。 しかし、本当に私は有意義な、
市川
団長とともに、また他の政党の皆さんとともにすばらしい経験を、また考え方を与えていただいたと感謝をしております。 まず、議事録に大体ありますから、その点は省略をして、感想を述べさせていただきます。 まず、
コスタリカ
。 これは私どもは、私は特に過去
社会
党の政治家でございましたので、非常にある面
関心
がありました。ところが、行ってみましたら、まずチンチージャさんが、政治家としてこの
憲法
を輸出をしたいと、こういうことを言われました。だから、政治家だから、そういう
憲法
の下にある
コスタリカ
としては当然そういう理念で言われるだろうと。しかし、その理念の定着がどういうものか。これが非常に
関心
がありましたから、オバンド警察
長官
、
現場
に行きまして驚いたのは、この方が非常に信念を持ってこの
憲法
を推進をしている、このことに
関心
を持ちました。 それで、特にこの中で、三十一ページで私が聞いた中と、それから、三十三ページにありますが、猪又
大使
がイデオロギーというのを使っておりますが、難民とかそういう人たちが富める
コスタリカ
を目指して、この貧しき国の周辺が攻撃をしないか、そういうことを聞きましたら、決してそれはないと。 それから、あくまでも、犯罪者であっても
コスタリカ
としては受け入れる、しかしその基本はイデオロギーを持っていないことだということを強調をしました。 それで、私は、これ、朝日新聞の、その後日、帰国しまして、この取材がありましたからここでも答えましたが、それでは、
本田
さんは
社会
党だったのに、なぜ、その
社会
党が言う護憲が、
憲法
のこの護憲の理論が
国民
に浸透をして政権を取れなかったのかと、こう聞かれましたから、私は、
社会
党、旧
社会
党はイデオロギーを持って、これを前面に出し過ぎたために、
国民
からの理解が得られずに政権を取ることができなかったと、こういうことを言いました。これは、私は信念でもありましたからそういうふうに言ったんですが、私の考えと、ここで、
コスタリカ
で得たイデオロギーの考え方はある面一致していたなと、こう思いまして、そういうふうな報道に対する取材で答えております。 それから、
国連
に行きまして、
国連
の中で聞きましたのは、特に安全なところが今の
イラク
にはあるかということを聞きました。ところが、安全なところがあったら私どもが教えてもらいたいと、こういう言葉が返ってきました。これには非常に私も納得をするとともに、確かにそうだろうと。 それからもう
一つ
、この中で私がこういうことを聞いたわけですね。六十七ページに、私は、国が崩壊を、
戦争
とかそういうことで崩壊をしたときに、
イラク
には
中心
的な人物、その崩壊をした後
復興
をしていくために
中心
的な人物がいないようだと。
日本
には天皇がいたし、あるいはカンボジアにはシアヌーク殿下がいたし、アフガニスタンではカイザル、それから前の国王がいたし、
東チモール
ではグスマンがいたし、これには書いておりませんが、もう
一つ
は、南アフリカではマンデラがいたと。そういう
中心
的な人物がいたんだが、
イラク
でいないのに、
国連
、
イラク
の
復興
が非常に障害となってはいないかと、こう聞きましたら、正にそのとおりであって、そのことが残念だと。その中で、特にフセイン政権を支えていたバース党、このバース党を余りにも早く追い散らし過ぎたと、こういう面もなきにしもあらずだという答えが返ってきたことですね。これにちょっと私も驚き、なるほどと思いました。 それから、
PKO
で、この
カナダ軍
の
PKO
の
訓練
所、この
訓練
所は非常にやっぱりすばらしいと。今、団長の
報告
の中で、それぞれ地雷の見方とか、こうありましたが、例えば、
機関
銃が少し壊れて放置されている、その
機関
銃に何げなくビニールが巻き付いている、それを取ればそれが爆発するということですね。だから、そういうふうなことが、非常にいろいろな経験の中から、そういう爆発物の見分け方とか、そういうのは様々ありましたね。 それで、私はここで聞いたのは、この
PKO
の
訓練
を、軍隊であっても
カナダ
では一般人も
訓練
をしてこの
PKO
参加の国にやっていると。
PKO
といえばそういう
紛争
国に
派遣
していると。だから、
日本
でもこういう
訓練
所があって、一般の人やジャーナリストや、この間、毎日新聞が爆弾で、を拾ってくるようなことがないような、いわゆるジャーナリスト、官僚、一般の人、それからNPO、そういう人たちもこういう
日本
の、やっぱり
訓練
の場所でやった後で、そういうそれぞれ行ってもらうと。そういうことが常時恒久化することが重要だなと思いました。 それからもう
一つ
、九十五ページにありますが、この
緊急事態
の中で、
日本
は過去の
戦争
も、これは団長と行く前から話しておったんですが、例えばWTOの農業交渉にしたって、過去の
日本
軍にしたって、撤退という言葉が
日本
にはないですね。しかし、この
カナダ
の
PKO
には必ず撤退を、いつ撤退するという理念をちゃんと盛り込んでそれを指導していると。だから、ここに書いてありますから読んでいただきますと、この撤退の理論というのをぴしゃっと書いて明記しておりますね。だから、この撤退ということをこれからの重要な
一つ
の位置付けにしなければならないということを感じました。 以上です。
上杉光弘
5
○会長(
上杉光弘
君) 次に、小泉親司君。
小泉親司
6
○小泉親司君 私は、
憲法調査会
の代表として、
コスタリカ
、
国連
、
カナダ
への
海外
派遣
に参加させていただきました。既に団長から口頭の基本的な御
報告
がございましたので、私は、私自身の感想的な
意見
を述べて発言とさせていただきたいと思います。 まず第一は、
コスタリカ
の経験でありますが、私は
コスタリカ
へ行きまして、
コスタリカ
の
憲法
が
コスタリカ
国民
の生活の隅々に大変強く生かされているということを痛感をいたしました。
コスタリカ
は、皆さんも御承知のとおり、
憲法
十二条で
常備軍
は持たないと、
侵略行為
があった場合については他国との
集団
防衛とともに
軍備
を保持するということを明記しております。 私は、モラレス
国家緊急事態委員会
委員長
に、じゃ、もし
緊急事態
の場合に軍隊を保有するということになったときに、どういうふうな
権限
でだれがどのように組織するのかということを質問いたしました。そのときに
委員長
は、もう一度軍を構成するためには
憲法制定
議会
を作ってそこで行わなければならない、今の
憲法
では軍隊を再編することはできない、もし国の
安全保障
が脅かされた場合、
コスタリカ
は米州機構に助けを求め、米州機構を通じて
国連
の助けをかりることになるということを語っておりました。 それから、国会議員との懇談では、先ほども
本田
委員
からもお話がありましたように、国際
関係
委員
の元
公安大臣
のチンチージャ議員、
女性
の方ですが、大変理論的な方で、私が
コスタリカ
が六十回も
憲法
改正をやっているのになぜ十二条は改正しないのかというところを尋ねたところ、同議員は、
国民
は
憲法
十二条を支持している、そればかりかそのコンセプトが
国民
の中に根付いているんだと。
軍備
の廃止によってその費用を
国民
の他の部門に利用できるようになった、その結果、
コスタリカ
は中米の中では経済的に安定した国になっているということを語っていたことが私は大変印象的でありました。 この
立場
は、私は、国会議員の、政治家だけかなというふうに思っておりましたが、それだけじゃなくて、実際に
治安
警察を担当している警察においても徹底していると。私どもが敵国から守るには武力が必要ではないかと幾ら質問しても、オバンド
警察学校
長は、敵というのは、攻撃を受けるかもしれないという国と、いわゆる
二つ
の
立場
があるんだと、よって、
コスタリカ
は決して
戦争
をしないと言っているんだから、一方の
立場
が成り立たなくなれば当然
戦争
ということができないんだというような極めて積極的な中立宣言の
立場
を表明したことに、私は非常にこの国の
憲法
に基づく方針が警察
部隊
にも徹底しているなということを強く感じました。
コスタリカ
のこの
立場
は、
憲法
十二条ばかりじゃなくて、
国民
主権
を徹底させるという点でも大変優れたものがあると思います。
最高裁判所
の
憲法法廷
長と会見をいたしましたが、
法廷
長は、
国民
が
憲法
に明記されている
教育
を受ける
権利
、健康に過ごす
権利
、労働の
権利
、そして国際法の
権利
に基づく
権利
が侵害された場合については
庇護申請
というのがあるんだと。 この
庇護申請
というのはどういうことかといいますと、二十四時間、
最高裁判所
の玄関先に
庇護申請
を受け付ける場所がありまして、そこで労働基本権を侵されたということを訴えると、すぐに直ちに
最高裁判所
が動けるようになっていると。この点は、例えば読み書きができない方についても、当然のこととして、その代理人が直ちにこの申請を受け付けられるような、非常に優れた
制度
が私はできているのがこの点でも印象的でありました。私は、二年、失礼、一年前だったかな、にスペインにも行かせていただきましたが、スペインでは護民官という
制度
がありましたが、同じような大変積極的な
制度
で、この点も私は
コスタリカ
の
憲法
を見る上でも大変重要かなというふうに思いました。 以上のように、
コスタリカ
での活動の印象は、
憲法
で明記された理想を議員や行政官や
国民
がこぞって具体化を進めているという事実でありまして、やはり
憲法
を暮らしの中に生かしているという点で大変私は感動を受けました。
二つ
目にお話ししたい問題は、
国連
で特に
日本
がより積極的な活動を行う
重要性
があるということであります。
国連
の
調査
では、ちょうど八月の下旬に
イラク
の
国連
事務所が攻撃されまして、御承知のとおりデメロ代表が亡くなり、ちょうど
国連
が
国連
中心
の
復興
計画に切り替える
努力
を開始した下で
調査
が行われたというので、大変タイムリーだったというふうに思います。
国連
ではアメリカが提案した
国連
決議が大変問題になっておりまして、
イラク戦争
で傷付いた
国連
の権威をどうやって取り戻すかという点で、
国連
の大変な事務当局を始め多くの国々が大変頑張っている姿を大変かいま見ることができました。 先ほども団長からもお話がありましたように、昼に、
国連
で働く
日本人
の
職員
の
方々
と昼食懇談をする場を持たせていただきました。これらの
方々
が異口同音に語っていたのは、やはり
日本
が
国連
においてもっと大きな
影響
力を持つべきなんだと。例えば、もっとトップの
機関
を
日本人
が持って、より
日本
の
国連
中心
の外交と言われているものがより具体化できるようなことを実践すべきだということが強調されたと、このことをやはり特筆すべきなんじゃないかというふうに思います。確かに外務省の資料を見ましても、
国連
の
日本人職員
は、
国連
本部では要請される人員に比べて四三%、ユネスコが六二・七%、WHOが二八・三%という
状況
でありますので、これは単なる
職員
の数という問題にとどまらないで、
日本
が
国際社会
の中でこれからどういう重要な
役割
を果たしていけるかという指標でもあると思いますので、これらの点の改善を進める必要性を大変実感をいたしました。
コスタリカ
、
国連
とともに
カナダ
にも参りましたが、包括的には
調査
団長の
報告
にゆだねたいというふうに思います。 以上で
報告
に関する発言といたしたいと思います。どうもありがとうございました。
上杉光弘
7
○会長(
上杉光弘
君) ありがとうございました。 大脇雅子君。
大脇雅子
8
○大脇雅子君 私も、四人の、ほかの三人の
方々
と本当に実のある視察ができたことをとても幸せだと思いました。
コスタリカ
というのは地球の裏側にあって、私たちのように
戦争
放棄条項は持たないけれども、
常備軍
を持たないという
憲法
を持っている国であります。そうした中で、先ほども他の議員の方がおっしゃったように、我々の
憲法
を
世界
に輸出したいんだと、知らしめたいんだというチンチージャ議員の言葉とか、あるいは
警察学校
長の
常備軍
のないことこそ最大の防衛なのであるという言葉をじかに聞きますと、正にそうした平和の、
常備軍
を持たないという
憲法
が実践され、生活と政治の原理として国のコンセプトにしっかりとなっているということに私は感動しました。その平穏な生活、そして
憲法
に対する誇り、そしてそこで維持されている平和というのは、私は実際文章で読むよりも正に目で見てそれを痛感いたしました。 とりわけ、私は、
コスタリカ
には、先ほど小泉議員がおっしゃいましたように、
憲法法廷
という、二十四時間ファクスでも電話でも何でも受け付けて弁護士も何も要らない
憲法
に基づく
庇護申請
という、
国民
の生活と
憲法
との
関係
の異議申立て
制度
というものがあることを思いまして、ああ、私どもで
憲法
を生かすと言いながらこうした
制度
やシステムを作ってこなかったということを残念なこととして反省をいたしました。 そして、
コスタリカ
の
憲法
は亡命者をすべて受け入れるということが
憲法
上明記されておりまして、実は、これは
リオ条約
の米州機構や多国間の条約、それから
国連
における平和外交と相まって
コスタリカ
の
存在
というものを安定させているのではないかというふうに思いました。 それから、今議論中だったのですが、市民の五%が発案権を持つことによって
法律
を制定したり
憲法
を改正したりするというシステムが議論されておりまして、やはり立法というのは私は市民のイニシアチブでどう動かしていくかということが
民主主義
の
制度
の中で大事だというふうに思っておりましたので、このシステムについて大変大きな興味を持って帰りました。まだこれは議論中のことでございます。 そして、団長が
警察学校
で講演というか
演説
をされましたが、私は大変感動いたしました。 そしてそれから、私どもはニューヨークへ、
カナダ
は行ったんですけれども、すべて
国連
大使
始め、なぜ視察団が
コスタリカ
に行ったのかとお尋ねになるのであります。コーヒーがおいしいからでしょうか、あるいはカメが卵を産むという有名な
地域
だからでしょうかということで、
コスタリカ
が
国連
で
軍縮
外交を展開をし、なおかつ
軍備
、
常備軍
を持たない国であるということをそのトップの外交官が御存じでないということに私はショックを受けました。阿部
軍縮
大使
はもちろん御存じでございましたが、それ以外の人はもう
カナダ
に至るまで、防衛庁から出てきている武官も含めて、もうなぞなぞで全然解けなかったということで、私は、やはり
日本
の外交というのは結構アメリカ向きというか大国主義だなということを肌で痛感して帰りました。
カナダ
では、ポジティブアクションなど、マイノリティーの政策というのが
世界
で最も進んでおるところでございまして、人権もそうしたマイノリティーのグループとして重視されているという特徴を質問をして深く理解いたしました。 そして、
PKO
の研修センターで一番感銘を受けましたのは、
PKO
研修センターでの
訓練
、危険の
訓練
のほかに教えていることは、その
派遣
地の人たちのために、人はだれでも同じように人権があるんだと、そして文化や伝統についてきっちりと研修を受けて危機対応をしっかり勉強して
派遣
されていると。軍隊と違って、また
PKO
のそうした
訓練
というものが恒常的であり、そこを経ないと
派遣
しないというこの徹底ぶりに学ぶものがあって帰りました。 以上です。
上杉光弘
9
○会長(
上杉光弘
君) 以上で
海外派遣議員
の
報告
は終了いたしました。 これより、ただいまの
海外派遣議員
の
報告
を踏まえ、
委員
相互間の
意見
交換を行いたいと存じます。 まず、各会派を一巡してそれぞれ五分程度御
意見
をお述べいただきたいと存じます。 それでは、御
意見
のある方は順次御発言願います。吉田博美君。
吉田博美
10
○吉田博美君 自由民主党の吉田博美でございます。私から発言をさせていただきます。 参議院
憲法調査会
では、現在、
憲法
における最重要
課題
の
一つ
である
平和主義
と
安全保障
のテーマに精力的に取り組んでおるところでございますが、今回の
派遣
で
コスタリカ
、
国連
、
カナダ
と、このテーマに関連の深い国あるいは国際
機関
を視察されましたことは誠に時宜を得たものではないかと思うところでございます。 そこで、私は二点について団長にお伺いしたいと思います。 まず、
コスタリカ
と
安全保障
の
関係
についてでございますが、
コスタリカ
は軍隊のない国として
我が国
でも有名でございますが、参考資料の
コスタリカ
議会
チンチージャ
委員
の発言によりますと、
米州相互援助条約
があることによって第十二条が改正されることなく存続し続けていると私は考えているということでございますが、
コスタリカ
の領土が
ニカラグア
から
侵略
を受けた際、
コスタリカ
国内で軍隊を作るのではなく米州機構に助けを求め、すぐに反応があったと。それによって第十二条が今も改正されることなく継続しているとのことでありますが、
コスタリカ
の軍隊を廃止した
憲法
規定は
日本国憲法
第九条と共通するところが多いと思いますが、
憲法
九条も、日米
安全保障
条約があることにより
憲法
九条もそのまま存続できたと思うのですが、団長の御感想はいかがでしょうか。 二点についてお伺いしますから。 参議院
憲法調査会
において
平和主義
と
安全保障
と並んで重要な
課題
が、
二院制
あるいは参議院の在り方という問題であります。
カナダ
の
上院
におきまして、その
特色
の
一つ
として
上院
議員の方が
下院
議員より政党から独立しているということが述べられています。また、
上院
には独自の
議会
文化があり、そのために
下院
をよりよく補完をしているとも述べられております。私も、国会におきまして参議院が独自性を保ちそれを発揮してこそ参議院の意義であるチェック・アンド・バランスの機能をよりよく発揮できると思いますが、いかがでしょうか。 二点でございます。
市川一朗
11
○
市川一朗
君 まず最初の部分でございますが、同行した
委員
からもいろいろ感想の中でお話がございましたが、私も
コスタリカ
に関しましては、初めに予期していた以上に
コスタリカ
という国あるいは
国民
の皆さんが、
コスタリカ
の
平和主義
とか
安全保障
の在り方について、
コスタリカ
方式と言っていいんでしょうか、非常によく考え、そして実行しているなということを感じました。全く、先ほどもお話ございましたように、最初チンチージャ議員からの話のときはあの方はプロかなと思って聞いたんですが、
公安警察
の学校長、
警察学校
長に会ってもより強い意向がございまして、
ニカラグア
から
侵略
されるおそれはないのかと、そういう国から
侵略
されるおそれはないのかと再三再四みんなが聞いたんですが、いろいろ見るところ、自分としては、むしろあの連中は最後の亡命先として
コスタリカ
を考えているんじゃないかと、だから
コスタリカ
は
侵略
されることはないというようなところまで、我々が何回も聞いたからでございましょうが言い切っておりまして、私はそういう考え方に理解できるなと思いましたので、
コスタリカ
は
コスタリカ
なりによく考えているから、
コスタリカ
の平和と
安全保障
に関してはそういう考え方でいかれたらどうですかと、この
体制
で頑張りなさいというようなことを、訓辞を求められましたので生徒さんに申し上げたところ、大脇先生から感動したという感想をいただきまして恐縮に存じているところでございます。 ただ、朝日新聞の取材を受けたときに申し上げたんですが、私は、それはやはり
日本
の場合に
コスタリカ
方式が当てはまるとは思えないと。
選挙
制度
も
コスタリカ
方式と称しておりますが、実は
コスタリカ
にああいう
制度
はございませんで、
コスタリカ
らしい部分が若干あるんですが、再選禁止なんですね。だから、次は出れないというところで
コスタリカ
方式が
日本
でも適用されておりますが、やはり
コスタリカ
の考え方を、この
日本
のような経済大国であり、そして貿易立国であり、そしてアジアの現状なり、いろんなことを考えますと、やはりそれは非常に難しいと。
日本
には
日本
なりの考え方で
対処
せざるを得ないのではないかということを、また改めて深くそういう確認をして帰ってきたところでございます。 それから、
二院制
の問題についてのお話でございますが、これはやはり、詳しく実態を調べたわけじゃなくて事務局の方からお聞きしましたので、
議会
そのものを傍聴できればもっとよかったんですが、かなり専門的な
立場
の議員が多くて、そして
独立性
の強い、議員としての
存在
感を持った御発言をする議員が多いのが
上院
であるという印象は私も強く受けました。 これを
日本
にどういうふうに当てはめられるかということで考えてみますと、やはり行き着くところは、
カナダ
は
上院
は
任命制
なんですね。
日本
は
公選制
を取っていると。この
任命制
である
カナダ
の
上院
の特徴と、
公選制
である
日本
の
上院
である参議院議員との在り方といったようなことでは、やはり基本的に異なる部分ございますので、いずれにいたしましても、私はこの
憲法調査会
、参議院の
憲法調査会
が
二院制
の在り方についてしっかりとした
見解
を述べる、まとめることが極めて重要であると確信しておりますので、どうぞ皆さんよろしくお願いしたいと思う次第でございます。
上杉光弘
12
○会長(
上杉光弘
君) ありがとうございました。 じゃ、吉田さん、いいですね。
吉田博美
13
○吉田博美君 はい。
上杉光弘
14
○会長(
上杉光弘
君) 次に、
若林
秀樹君。
若林秀樹
15
○
若林
秀樹君 民主党の
若林
でございます。 まず、このたびの
イラク
の二人の
日本人
外交官の殺害、訃報に接し、本当に心からお悔やみ申し上げたいというふうに思います。奥参事官、井ノ上書記官、正に
日本
外交の最前線で頑張られた人であります。非常に残念であり、憤りを禁じ得ません。
国際社会
の平和と安定にどう
貢献
していくのか、その
国際社会
の在り方を規定するこの
憲法
ですが、その
憲法
の在り方をこれから議論するわけで、改めて、その
重要性
というんでしょうか、気を引き締めてここで頑張っていきたいなという思いで一杯でございます。 その上で、三点について感想を申し上げたいというふうに思います。 まず、
コスタリカ
の
憲法
でございますが、先ほど来話題になっている恒久的な軍隊の禁止それから非
武装中立
ということで、正に一九四九年というこの冷戦の真っただ中の始まりだったと思いますが、このような先進的な考えでの
憲法
を導入したということを非常に驚いております。 それ以上にびっくりしたのは、ずっとこの間、五十年以上それを守り続けてきたということであります。私は、それはやはり
憲法
の効果もありますけれども、やっぱり政治的な安定があったんではないかなというふうに思います。 なぜそういうふうに思ったのかは、実は今年、私、
ニカラグア
へ訪問いたしまして、
コスタリカ
のすぐ上で、先ほど来話が出ていた場所ですけれども、ここは、七九年だったと思いますけれども、内乱が起きて、勃発して、正に七〇年代は本当に国家
予算
の七〇%を軍事に使っていたという国であります。そういう意味で、やはりこの当時、七〇年代の半ばは、
ニカラグア
というのはすごい経済大国だったんですね。結果的には、民生にお金が使えず、
社会
は混乱した結果今日に至って、今ではハイチに次ぐ最貧国になりました。 そういう意味では、どんなにいい
憲法
も絵にかいたもちであってはいけないんですが、そういう意味では、政治的な安定、
統治
能力というものが非常に併せて重要だなということを御
報告
を聞いて感じたところであります。 そして二番目に、
国連
とある意味での
日本
との
関係
、アメリカとの対立の問題であります。
日本国憲法
が掲げる
平和主義
、国際協調主義というのは、正にこの
国連
の制定、
国連憲章
との非常にかかわり合いがあるという意味で、
我が国
が外交の基軸が
国連
を
中心
に置くというのは、非常に意義あることではないかなというふうに思っております。
報告
の中で、副
事務総長
が、
国連
は
加盟国
の組織でありそれ以上のものではないという発言がありました。非常にこれは、私はこれは重いと思います。生かすも殺すも
加盟国
次第であるという意味において
常任理事国
の
責任
は非常に大きいわけですし、とりわけやはりナンバーワンの拠出国のアメリカの
責任
は私は大きいと思います。その拠出国二番目である
日本
がやっぱり協調して、特にアメリカが
常任理事国
としてここの
国連
を生かしていく
立場
で働いてもらうということを
日本
が働き掛けるというのも重要ではないかと、そんなことを感じたところであります。 そして最後に、三点目ですが、やはり
カナダ
における
二院制
の在り方に非常に興味を持ちました。
連邦
国家であるということはもちろんありますが、
任命制
であり、人口比ではなく
地域
ごとに割り当てているこの人数比等々ありましたが、興味を引いたのは、
下院
に比べ政党から独立している点でありまして、時間がたつにつれて
政府
の
立場
から独立的になっていくという傾向があるという
報告
がありました。 私は、やはりこの中で、特に議案が
上院
を通過できなくても政権が倒れることはないとか、
上院
の修正がまた
下院
で修正されて議決していくというような、このような
議会
文化、
上院
文化というのは、私は非常に参考になる点があるんではないかなというふうに思います。 先ほど団長がおっしゃられたように、正にこの
二院制
の在り方を議論するというのは、ここの参議院の
憲法調査会
が非常にある意味での独自
課題
として
重要性
を帯びているんではないかなというふうに思いますので、是非とも来年は、参議院、
二院制
の在り方について積極的に議論にかかわっていきたいと思います。 以上です。
上杉光弘
16
○会長(
上杉光弘
君) ありがとうございました。質問はありませんね、団長に。
魚住裕一郎
君。
魚住裕一郎
17
○
魚住裕一郎
君 公明党の
魚住裕一郎
でございます。 参議院の
憲法調査会
が
平和主義
と
安全保障
のテーマに取り組んでいる最中でございますが、
関係
の深い国や国際
機関
を
調査
されたことは正に時宜にかなったものというふうに考えます。 二、三感想と、また質問をさせていただきたいと思いますが、
国連
とまず
イラク
の問題でございますが、先般、
日本人
外交官が殺害されるという悲惨な事件がございました。心からお悔やみ申し上げるものでございますが、このように
イラク
情勢は一層混迷を増しているというふうに思います。 今、団長
報告
を聞き、また参考資料のインタビューを拝見いたしますと、
国連
における
調査
ではこの
イラク
問題が大きなポイントであったように思われます。この九月時点でもかなり
国連
側の憂慮が感じられる発言がありましたが、残念ながら、それから三か月後、事態は好転していないというふうに言わざるを得ません。ただ、
国連
側も、
イラク
情勢打開のための
役割
をしっかり担おうというような、積極的になったなというふうに思います。 例えば、
フレシェット
副
事務総長
、
国連
の最大の目標は
イラク
の
主権回復
であり、
加盟国
の一致した
意見
でもあると。問題はどのような
プロセス
によるのが一番良いか、このような御発言があったというふうにございましたし、またプレンダガスト
安全保障
担当
事務次長
も、重要なのは
イラク人
が何を望んでいるかであるというような
意見
も述べられております。 私も、
イラク
の
復興支援
につきましては、
国連
が明確な
役割
を担い、また各国が協力をしていくということが大事ではないかと考える一人でございますが、実際に
国連
でお話を聞かれた御感想というものは、団長で結構でございますが、
市川
先生、どのような御感想だったでしょうか。これが一点目です。 二点目は
カナダ
の
関係
でございますが、私は、
日本
は二十一世紀、人権大国を目指すべきであるというふうに考えておりましたし、また、議論に参加をさせていただいておりましたが、
カナダ
においては一九八二年の
憲法
で
権利
章典
が明確になったといいますか、制定されたと聞いて、ある意味ではびっくりをしているものでございますが、特に、この
調査
の中で、最高裁判事のコメントとして、平等の
権利
についてございました。この平等については、アメリカは個人の
権利
として見ているが、平等は個人のみならず
集団
の
権利
でもあるというようなことで、この
集団
の
権利
として宗教上の
教育
とか言語とか先住民についてのものがあるというようなお話だということでございます。 元々、人権というのは少数派のためにあるわけでありますが、このマイノリティーの人権確保という点について、個々人のみではなくて、個々人の集合体である団体といいますか、そういうものにも人権の主体性を認めていくということが大事ではないかなというふうに感ずるものでございます。弁護士でもある大脇先生にその点について御感想があればお伺いをしたいと思っております。 あと一点、感想でございますが、この
憲法
を論ずる際に、例えば
環境権
というのがかなり大きくクローズアップされました。この
コスタリカ
での
環境権
についてのいろいろなコメントがございましたけれども、ロドリゲス
環境
省
大臣
の、
森林
の持ち主の八〇%は、
森林
の
存在
意義、そしてその保護が国際的
責任
であることを知っているというようなこと、あるいは哲学やコンセプトがバックにないと
環境権
の議論には、最初が大事であるというような御発言があったというふうに伺っているところでございますが、それに対する、
環境権
に対する
国民
の意識あるいは共感というものは極めて大事だなというふうに思っております。
環境権
を議論する本当に大事な視点がこの際得られたんではないかということを一言感想として申し上げるものであります。 以上です。
上杉光弘
18
○会長(
上杉光弘
君) それでは、
市川
団長。
市川一朗
19
○
市川一朗
君 第一点の御質問といいますか、感想を言えということだと思いますが。 いろいろお話も出ておりますように、ちょうどたまたま前の日に
ブッシュ大統領
の
演説
があったときに行ったものですから、非常に生々しいやり取りをお聞きすることができたように思いました。 私自身が一番印象に残った言葉が、
フレシェット
さんが言った言葉だったと思いますが、ツーレート、ツースモール。ツーリトルだったですかね、どっちだ。ツーレートは間違いないです。ツースモール、ツーリトル。(「ツーリトル」と呼ぶ者あり)ツーリトル、そう。ツーレート・ツーリトルというのを言って、要するに、アメリカの話はちょっと遅過ぎると、まあ遅かったということと、それから話が細か過ぎると。こういうことでございまして、つまり、
国連
の皆さんは、やはり基本的には
イラク
における
国民
の
主権回復
、それが重要であるということでは一致しているけれども、その
プロセス
についてなかなか
意見
がまとまっていないというところが
国連
としての悩みであるということですが、逆に、やっぱりそういう問題についてしっかりとした議論を
米英
とやる必要があるし、
米英
もそれについてはしっかりとした議論をする用意をしてほしいと。 だから、
ブッシュ大統領
が発言をして、それは
政策変更
ではないと。私どもも
大使
に、代理
大使
に会ったらそういう発言があったことを確認しておりますが、そういうことではなくて、もう
政策変更
だと言ったっていいじゃないかということで、そういうもっと根本的な議論をきちっと
国連
加盟国
間で話す必要があるのが
イラク
問題ではないかと。
イラク
の問題について
国連
は逃げる気はないんだというようなことをいろいろ述べられておられまして、私は、
国連
の今の苦悩みたいなものを御一緒に行きました四人の先生方と共々感じながら、余り突っ込んだ、それ以上の議論はできませんでしたので、感想としては貴重なお話だったなという印象で帰ってまいりました。 以上でございます。
上杉光弘
20
○会長(
上杉光弘
君) 人権問題について、個人と
集団
を
中心
に。大脇君。
大脇雅子
21
○大脇雅子君
カナダ
の場合は歴史的になお
権利
の受入れ方において
アメリカ合衆国
と異なるのだという
説明
でございました。
権利
章典
というものがあるわけですが、それは、時の
時代
の
状況
と価値観を反映して、正に
カナダ
では、個人の
権利
だけではなくて、グループの
権利
、
集団
的な
権利
も保障するのだということでした。宗教
教育
の保障とか、
二つ
の言語の保障とか、先住民の
権利
の保障とか、そうしたものが平等権の
内容
であるということでございました。
カナダ
では、アファーマティブアクションといいまして、積極的な差別是正政策というような方策がかなり前から進んでおりまして、差別を解消するために同じ能力のある者であればその差別を受けているグループの方からその人たちを採用したりしていくということで、例えば、男性と
女性
なら
女性
、それからマジョリティーとマイノリティーで先住民だったら先住民からとかというふうに、そうした、それから年齢差別をしないとか、様々な、それから障害者と健常者なら障害者の方を同じ能力ならその人を採るとかいう、そういうアファーマティブアクションというのは進んでおりまして、ほとんどそれが
カナダ
では実現を見たという
報告
もありますので、私はそのアファーマティブアクションの効果はどうなのかと、差別は今あるんでしょうかという質問をいたしました。 そうしましたら、差別を受けている人に融通性を持つ、不利を受けている人や不利を受けそうな人を優遇していくというのは、その差別解消で、ポジティブアクションとして
法律
の運用がされているということで、しかし依然として差別は残っているんだ、
法律
によって市民の態度を変えるのは時間が掛かると。例えば先住民差別は、面と向かった差別はないけれども分からないような差別というものが現にありますと。それから、新たな問題として、移民に対しては、移民の中に
テロ
リストが含んでいるのではないかということで、今、トロントやモントリオールでは五千人の
テロ
リストの
報告
などもあって、実は特定のグループの人たちに対して危惧が今発生をしているという
二つ
の深刻な問題点があるのだという
報告
でありました。 しかし、
カナダ
は、そういう意味では
人権保障
というのは、どの人種にも平等に
権利
章典
を適用するということは国の施策として貫徹しているように思いました。
上杉光弘
22
○会長(
上杉光弘
君) ありがとうございました。
市川
君。
市川一朗
23
○
市川一朗
君 感想とか質問は求められていないんですが、
環境
の問題について魚住先生がお触れになりましたので一言だけ言っておきたいと思いますが。
ロドリゲス大臣
は大変しっかりとした
意見
を持っておりますが、
憲法
で
環境権
を設けるかどうか、私は
権利
と義務とがあるから難しい問題もいろいろあるというようなことを申し上げましたら、御発言がありまして、議事録には載っておりますけれども、
コスタリカ
もいろいろ
環境
に関する
法律
を決めたけれども、作ってきたけれども、その場その場でやってきたので、私としてはちょっと失敗だったんじゃないかと思うと。やっぱり
環境
については、先生も言われているように、哲学とかそういった点をはっきり背景に持って、本来どうあるべきかという原理
原則
論をしっかり議論をすると。そのしっかり議論する場はあるいは
憲法
かなと。その上で個別の
法律
を作っていくというやり方をしないとなかなか成功はしないというようなことも言われましたので、
憲法調査会
にふさわしい話題でございますので追加的に御
報告
させていただきます。
上杉光弘
24
○会長(
上杉光弘
君) ありがとうございました。 吉岡
吉典
君。
吉岡吉典
25
○吉岡
吉典
君
日本
共産党の吉岡です。 団長始め各
委員
の
報告
、大変勉強になりました。先にいただきました
調査
資料と併せていろいろ
実情
が分かって、非常に良い
調査
だったと思います。 私は、まず最初に感じましたことは、この団長
報告
の中に、
日本国憲法
制定は、制定の背景に
国際連合
設立及びその憲章の精神が大きな
影響
を与えていますと指摘されていることです。私も全く同感であり、そういう
国際連合
憲章を受けての今の
日本国憲法
があると思いました。同時に、私は九条を持つ
日本国憲法
に誇りを持っている者の一人ですので、
コスタリカ
の
憲法
に特別に
関心
を持ちました。 私が今、団長
報告
と併せて
コスタリカ
の
憲法
について触れるのは、
日本国憲法
第九条というのは、いろいろ論議がありますけれども、制定経過がどうあろうと、やはりそれは、
戦争
のない
世界
を目指す
世界
が長い間の
努力
を続けてきたその
努力
の到達点が、
日本
では
憲法
九条を持つ
憲法
という形で現われたと思っているからであります。 この
委員
会でかつて宮本岳志議員も触れたことがございますが、早くも二百十二年前のフランス革命の際に作られたフランス
憲法
では
戦争
放棄をうたっていたということがここで述べられたことがあると私は記憶しております。
戦争
違法化というのは、第一次
世界
大戦後本格化し、国際連盟規約が
戦争
に訴えざることを義務付けたのに始まり、国際連盟の、私いろいろな記録を調べてみますと、国際連盟の
総会
あるいはその当時いろいろな国際会議や二国間、多国間の取決めの中で、
戦争
の違法化あるいは
戦争
の犯罪化ということが繰り返し強調されており、一九二八年には不戦条約が作られ、そして第二次
世界
大戦を経て
国連憲章
、さらに、それをより一層発展させたものとして
日本国憲法
九条があり、また今問題の
コスタリカ
の
憲法
というような流れの中で
日本国憲法
九条も
コスタリカ
の
憲法
も見るのがやっぱり正確な見方ではないかという気がするからでございます。
日本国憲法
九条はGHQに押し付けられたものだという議論がありますけれども、やはりそれは皮相な見方ではないかというのが私の考えであります。
選挙
中のことですけれども、
憲法
九条をめぐる議論、各党の論争の中で、
世界
じゅうで軍隊を持たない
憲法
を持っているような国は
日本
だけだと、これはとんでもない
憲法
であり云々というような議論が行われていたのを私聞いて、やはり、今の議論の中でもちょっとありましたけれども、
世界
には、
日本
だけでなく、軍隊を持たない
憲法
があるんだということが
日本
でも余りにも知られていないんだなという感じを持ちました。 その軍隊を持たない
憲法
というのは、
日本
の
憲法
、
コスタリカ
だけでなく、学者の研究書によりますと、アイスランド、リヒテンシュタイン、サンマリノ、モナコ、バチカン、モルディブ、西サモア、ナウル、ガンビア、モーリシャス等の小さい国にはありますが、現在では十一か国に上ると、私、手元に持っているこの本にも書かれておりますし、さらに別の資料を読んでみますと、軍隊を実際に持っていない国が現在では十七か国に上るという記録もありました。 ですから、私は、それらは小国の特殊な事情ということもあるかと思いますが、やはり
世界
が長い間
戦争
のない
世界
を目指してきた
努力
というのは、そういう形で地球上のかなりの、十七というのは私は決して小さい数字ではないと思います。そういう国々に実際に軍隊を持たないという実態が生まれている。 私は、そういう中で、先ほどの
報告
の中で、
コスタリカ
では再び軍隊を持つことはないということを言ったということも非常に興味深く聞きました。というのは、やはり軍隊を持たない国がもう一度軍隊を持ち直すというところへの後返りというのはないのが今の
世界
の大きな流れではないかと思うからであります。 そういう意味で、私は、今、ヨーロッパではEUの
憲法
草案の中に
戦争
放棄条項を織り込もうという運動が広がっているという報道とも併せて、
世界
の目指す方向というのがだんだん明らかになりつつあるという気がしております。 私は、そういう
世界
の歴史的な
憲法
の歩みを見る中で、やはり
憲法
九条というのは
戦争
のない
世界
を目指す先駆的な
憲法
であったという感じを更に強めるものでございます。
憲法制定
議会
の際に、吉田首相は、
世界
にこの
憲法
九条を広める先頭に立つということを当時言っていましたけれども、私は、そういうことが今こそ大事なときに来ているんだなという感じを持ちました。 私のような
コスタリカ憲法
やら
日本国憲法
の受取方は違っているのかどうなのか、団長と小泉議員とに一言ずつ述べていただきたいと思います。
上杉光弘
26
○会長(
上杉光弘
君) じゃ、皆さんにですか、メンバーみんなですか。
吉岡吉典
27
○吉岡
吉典
君 いやいや、団長と小泉議員と。
上杉光弘
28
○会長(
上杉光弘
君) 分かりました。じゃ、
市川
団長から。
市川一朗
29
○
市川一朗
君
コスタリカ
の
憲法
の問題については先ほど来いろいろお話があったわけでございますが、その
コスタリカ
の
憲法
の在り方という意味においては非常によく考えた
一つ
の
憲法
であると、そういうふうに思いました。 我々
日本
の
憲法
についてはどう考えるかということについては、やはり
日本人
として
日本
の国をどういうふうに持っていくかという基本的理念の中で
憲法
を作っていくということが必要だと思いますし、先ほどお話ありましたように、それが今ある
憲法
は押し付けられたものであるかどうかということは大した問題ではないというお話もございましたが、そういったようなことについての
意見
も分かれる部分はあると思いますが、いずれにしても、
日本
の国の
憲法
というのはどういうことが規定され、そしてどういう国の形を持っていくことが大事なのかということについて、
コスタリカ
の人に負けないようによく勉強した方がいいんじゃないかなと。
日本
にふさわしいものは何だという議論を、やっぱり我々
日本人
はしっかりと議論する必要があると。 そういう意味で、
憲法調査会
が今機能しているということは非常に大事なことであるというふうに思いましたし、そして、私ども四人でございますので、もう御想像できますように、考え方は全くいろいろと分かれるわけでございますが、しかし考え方が違っても議論はしっかりとできたわけでございますので、そういう議論の過程の中で
一つ
の結論を出していく必要性があると思っております。 そして、やはり
日本
の国の在り方として、今後、平和な
国際社会
を築き、
日本
が平和と
安全保障
の点で問題ない国をしっかりと
構築
できるためにはどうしたらいいかという議論をやっていく必要があると思いますが、まあ今日のお話の流れとしてしかちょっと今日は受け止めることができませんが、吉岡議員と私とでは相当基本的なところでは
意見
の食い違いがあるかなと。しかし、それはそれでいいんじゃないかなというふうに思っているところでございます。 以上、お許しいただきたいと思います。
上杉光弘
30
○会長(
上杉光弘
君)
魚住裕一郎
君。
吉岡吉典
31
○吉岡
吉典
君 いや、小泉議員。
上杉光弘
32
○会長(
上杉光弘
君) 失礼しました。小泉君。
小泉親司
33
○小泉親司君 私、
二つ
の点だけお話をさせていただきたいと思います。 主に感想的な
意見
でありますが、私は、
コスタリカ
に行く前に、
一つ
は、
コスタリカ
のいわゆる
常備軍
を持たないという
憲法
がどういうふうに具体的に実践されているのかということが
一つ
、それからもう
一つ
は、
日本国憲法
との違いは一体具体的にはどこにあるんだろうかと、この
二つ
の点が大変興味がありましたので、質問でもその点を大変強く聞きただしました。 何遍もしつこいほど聞きましたが、私、そこで感じたのは
二つ
ありまして、
一つ
は、
コスタリカ
という国は脅威対応型というのを取っていないと。つまり、幾ら脅威があるじゃないか、武力でそれは
対処
しなくちゃいけないじゃないかと幾ら言っても、そういう考え方そのものがありませんので、それはやはり平和志向型で、大変強く
憲法
のものが生かされているなということが
一つ
と。 それからもう
一つ
、
日本国憲法
との違いでは、
戦争
放棄という条項がないわけですが、
コスタリカ憲法
の方には。なぜないのかということを私は先ほど話題になっています
チンチージャ国際関係委員
にお尋ねしましたところ、その
委員
が言うには、それは
日本
との大きな違いは、例えば
日本
の場合は
戦争
の惨禍に遭っている、それから原爆という被害に遭っている、だからやはり
戦争
放棄ということをきちんと明記して、それを実践しているんだろうと。ただ、
コスタリカ
の場合は非常にひどい
戦争
被害というのが
存在
しなかったと。しかし、我々は
日本
と戦力、
戦争
放棄条項とほぼ同じようなことを具体的に実践しているというふうな趣旨の御発言がございました。 この点では私は大変、
コスタリカ
に行きまして、単なる十二条の条文では、
常備軍
を持つけれども、有事の際は軍隊を持つということは規定されているけれども、実際的には事実上戦力不保持、
戦争
放棄というふうな
我が国
の
日本国憲法
と大変近い
関係
がやはり具体的には実践されているなということを私は感じたわけです。 もう
一つ
だけ、ちょっと簡単なことだけ発言させていただきますと、通訳の方が大変コンセプト、先ほども
委員
の中からいろいろな御
意見
が出て、コンセプト、コンセプトということを非常に使うんですね。この
報告
の中でもコンセプトという言葉がたくさん出てまいります。私、通訳に、コンセプトという意味はどういう意味で向こうの人は使っているんだと。向こうの通訳の
説明
は、理想とか精神とか、いわゆる概念とかという言葉で使っているんだと。そのコンセプトをいかに具体化するかという点では、私は非常に優れているのは、私、
コスタリカ
の
憲法
とその具体的な政治の在り方じゃないかなと。ですから、特に十二条の
常備軍
の問題についても、単なるコンセプトばかりじゃなくて、それを、理想を実践しているというところが私大変重要な
内容
としてあるんじゃないかなということを感じました。 以上でございます。
上杉光弘
34
○会長(
上杉光弘
君) 各会派を一巡して御発言をいただきましたが、他に御
意見
のある方は挙手をお願いいたします。
山崎力
35
○山崎力君 自民党の山崎でございます。 今、
コスタリカ
の
憲法
のことでいろいろお話ございましたけれども、その具体的な中身のところについて考え方をお聞きになっていれば、どなたでも行かれた方結構でございますので、御回答願えればと思います。 と申しますのは、このいわば武力、
戦争
放棄の条項というのが
日本
の九条においても一種の自衛権の放棄ではないかと。すなわち、自然権的正当防衛権の国家としての放棄ではないかという考え方があるわけです。ですから、そこのところについての法理
解釈
をどのように
コスタリカ
では取っているのかという点が一点。 それから二点目は、武力
紛争
になったときに抵抗はしないという考え方なのか。すなわち、占領は許すと、こういう覚悟を決めてこの政策を取っているのかどうか。特に警察の場合、
戦争
状態といいますか、違法な侵入があった場合、住民の保護とかそういった面で人権侵害があったときにどうしてもその擁護者としての
立場
があるわけですが、そういった点でも他国の軍隊に対して警察として抵抗しないという覚悟でやっているのかどうかという点。 それから第三点は、米州機構を頼むという話が、
国連
も含めてですが、ありましたけれども、この場合の米州機構に協力を得るといった場合に武力援助を想定しているのかどうか。 以上三点について、お聞きになったのかどうかを含めて、教えていただければと思います。
上杉光弘
36
○会長(
上杉光弘
君) それじゃ、団長から。
市川
君。
市川一朗
37
○
市川一朗
君 じゃ、まず私が答えて、あとを補っていただきたいんですが、一番目はちょっと私は聞いていないんですが、何かほかの
委員
さんから話があったらお願いしたいと思います。 それから二番目は、
公安警察
で何回も確認したんですが、これで守れるという考え方です、基本的には、考え方。だから、やむを得ないということではなくて、これで守れると。それで、この
体制
でいく限りは、例えば
ニカラグア
の将軍とも会って云々なんという話もいろいろ、議事録にもあるように、出ていますが、周りの国は
コスタリカ
を
侵略
してくることはないと。難民がいろいろ来たりしてもそれはあくまで経済的な問題だということですね。 この程度の軍隊で強い外国から襲われて、場合によっては負けて占領されてしまう、そういう覚悟はちゃんとできた上での
憲法
なのかという御質問と一応受け止めますと、いや、そういうことじゃなくて、そもそもそこが、コンセプトが違うんですね、理念が違うと。これで十分守れるという考え方で、信じているという考え方でございます。 それから三番目は、やはりそういう条約は軍事的な面も含めて機能するというふうに理解していると私はちょっと思っていますけれども。
山崎力
38
○山崎力君 済みません、それでちょっと質問なんですが、
公安警察
が対外的な武力
侵略
に対して対抗できると、法的に対抗できるということになれば、国際法上これは警察軍の扱いで、軍隊ではないかというのが私の感想なんです。ですから、
コスタリカ
は軍隊は持っていないけれども、対外的な
侵略行為
に対抗できる武装組織、これは一般国際法では軍というわけですが、警察がその分を担っているという
解釈
になるのではないかなと思うんですが、その辺のところのことを含めて、ほかの方で御回答できる方があればお願いしたいんですが。
上杉光弘
39
○会長(
上杉光弘
君) どなたかありますか。
本田良一
40
○
本田
良一
君 もう団長言われたとおりですけれども、非常に強調、我々もそこのところを聞いたときに、本当にあそこに行って、警察、校長の話を聞くと分かるんですけれども、二人で、何人で言ってもこれは実感がわかない、それは。言ったときに、まず攻めてこない、これをはっきりもう堂々と言われる。だから、
ニカラグア
の時の首相に聞いたと。あのときあんたたちは攻めてくるつもりがあったのかと。攻めないと言ったと、それを信じている。それと、米州機構に頼るのかと、よって
憲法
が、あの
憲法
がちゃんと定着をしているのかというとそうでもない。米州機構に頼るというのは、ただ条約上あるだけであって、本当に頼ろうとする気持ちは、私はなかったと思うんです。それくらい本当にコンセプトね、これが全然違う。
上杉光弘
41
○会長(
上杉光弘
君) いいですか、山崎君。
山崎力
42
○山崎力君 よく分からない。
大脇雅子
43
○大脇雅子君 確かに、
常備軍
がなくて警察力があって、警察力が軍隊組織なのではないかということは
日本
でもよく言われているんです。それで、私たちもかなりしつこくその点を聞きましたけれども、兵士には敵があるけれども、警察には市民を守るという義務があるんだと。で、軍隊がなくても双方とも警察が担うことが可能で、敵というコンセプトが要らないというか、ないというようなことであります。したがって、沿岸警備とか空の警備ということはやって、
国境警備
隊の武装については特別の
訓練
をしているけれども、武器は市民の、最高でもM16ぐらいであって、
国境警備
隊の
役割
は麻薬や野生動物の密輸であるということで、軍隊がないということが正に最大の防衛であるというふうに
説明
を堂々となさいます。私どももそういう考えというものを新鮮に受け止めました。 将来的には
国連
協力を見据えながら
訓練
というものも行わなければならないということも考えているけれども、そういう警察組織であるということで、一貫してそういう答弁でした。
上杉光弘
44
○会長(
上杉光弘
君) はい、ありがとうございました。
中島章夫
45
○中島章夫君 民主党の中島でございます。 団長始め、皆さん貴重な御
報告
ありがとうございました。私は一点御
意見
をいただきたいと思います。
国連
及びUNCTAD等を御訪問になりまして、
職員
、
幹部職員
、絶対的に少ないというお話がございました。これは、実はもう
我が国
の長い懸案でございますが、これに対応した
体制
が
我が国
ではなお取られていないと私はかねがね思っております。 大体、一九八五年ごろからこちら、
世界
の動きに
我が国
は対応し切れていないと思っておりますが、これは我々政治家の
責任
でもあるわけですが、官庁も二年ないし三年、大体そういう任期で
局長
等が替わっていくという
体制
では、ほとんどそのころからそれまでの経緯を覆してくるような、システムを変えてくるような案は
一つ
も出てきておりません、私が見る限り。 私はこのことに関連をして、若い間はいろんな経験を各省庁で積んでくるのは結構ですが、四十歳以上ぐらいになりますと、各省庁との情報の連絡は取っておきながらも中央でこれを集めまして、四年ないし六年の任期で
ポスト
に付けると、そしてその結果を見て信賞必罰でやると。その中に国際
職員
も考えるという
体制
を私は組むべきだと思っておりまして、実は
大使
の
任命
も外務省に任せておくというのは私はおかしいと思っておりまして、そういう
体制
を私たちとしては組むべきだと思っておるんですが。 関連をしまして、アメリカあるいは
カナダ
等おいでになったわけですが、これらの国々は
国連
等へも我々のようにアンダーリプレゼンテーションではないわけで、そういうところで何かそういうことへの対応で参考になるようなことを見聞されたのかどうか、それについてもし何かございましたら教えていただきたいと思います。
上杉光弘
46
○会長(
上杉光弘
君) それはオールメンバーの中でですか、団長ですか。
中島章夫
47
○中島章夫君 いいえ、団長さんで結構でございます。
上杉光弘
48
○会長(
上杉光弘
君) じゃ、
市川
団長から。
市川一朗
49
○
市川一朗
君 まず結論から申し上げますが、私は、アメリカ、
カナダ
あるいは
コスタリカ
があるんだと思いますが、そういう
日本人
と
国連
との
関係
みたいな話を直接は聞きませんでした。あるいはほかの
委員
さんでそういう感想の方あると思いますが。 ただ、感じましたのは、明石さんみたいな第一
世代
から第二
世代
に入って、ちょうど
日本
の経済成長とかバブルとかいうのが重なったせいだと思いますが、かなり有能な人が途中で辞めていった例が非常に多くて、その層はもうほとんど薄い状態になっているということを言われましたので、今後の対策はなかなか難しいと思いますが、やはりもうこれは長期的に、もう今埋めるということよりも長期的に取り組んでいくと。 先ほど
報告
でも言いましたように、
帰国子女等
が増えることも想定して、これは
日本
政府
といいますか、先ほど外務省に任せては駄目だということでございましたが、何らかの形で
日本
、国挙げて取り組んでいく重要なテーマではないかという感想を持ちました。
上杉光弘
50
○会長(
上杉光弘
君) いいですか。 時間が大体四十分までに日程がなっていますが、吉川春子君、最後にいたしたいと思います。
吉川春子
51
○吉川春子君 はい、済みません。じゃ、短く伺います。 団長
報告
の十五ページに
カナダ
の
二院制
について
報告
がありますが、
上院
が、
二院制
であるということについて
国民
の
意思
を正確に反映するための仕組みがあるのか、それが機能しているのかという点を第一点。第二点は、
任命制
にしたのは
議院内閣制
を弱めかねないという思想によると書かれていますが、これは、
議院内閣制
を弱めるというのはどういうことなんでしょうか。
日本
は大変省庁再編で内閣が強固になってきておりますが、昨今ですね、
カナダ
は内閣が非常に強力に、国会より強力になっているという、そういう傾向はあるのかどうか、その二点お願いします。
上杉光弘
52
○会長(
上杉光弘
君) 団長からお答えいただけますか。
市川一朗
53
○
市川一朗
君
カナダ
の
制度
というのはイギリスの
制度
を模範にして作ったという点はありまして、いろいろ議論していくと、イギリスがそういう
制度
を作ったときの考え方はこういう考え方だというところまで行くような議論ですので、いまいちすっきりした部分はありませんが、私ども感じておりましたのは、要するに、
下院
が庶民を代表する
議会
であって、その
下院
が
中心
になって代議制でもって作られる
議院内閣制
が本来の
議院内閣制
であるというようなことのようなんですね、考え方として。そして、それを
上院
がチェックすると、そういう考え方なので、
上院
も
下院
と同じような構成にしてしまうとその辺のところが非常にごちゃごちゃしちゃって逆に
下院
の力も弱めるし、それから
下院
によって構成される
議院内閣制
も弱められると、そういうような
説明
だったというのが私なり事務局の理解でありまして、今日、実は私その辺について、必ずしも腑に落ちない部分もありましたので、ちょっと発表のときは少しそこをデフォルメして話したんですが、ちょっとその辺のところは正に核心をついた御指摘だと思います。私は、
上院
を
任命制
にしていることが非常に優れているというふうには実は理解していないんですが、向こうの事務局の
説明
はそういう
説明
だったというふうに受け止めていただきたいと思います。 したがいまして、
下院
制を
中心
に
国民
の
意思
が国家活動としては反映されるという考え方がイギリスの場合には非常に強くあって、それでイギリスの場合、
上院
は御存じのとおり貴族院でございますので、そこはあくまで
国民
の代表というよりはチェック機能を果たしている、その考え方が
カナダ
にも来ていると、そういうことなのかなという程度の理解で帰ってまいりました。
吉川春子
54
○吉川春子君 はい、了解しました。
上杉光弘
55
○会長(
上杉光弘
君) はい、ありがとうございました。 それでは、時間が参りましたので、本日の
意見
交換はこの程度といたします。 本日はこれにて散会いたします。 午後三時四十一分散会