○五十嵐
委員 議事録にきちんと残っているんですからね。「その都度
監査法人あるいは弁護士さんに、これでいいんですかというようなことを確認していくということで、」そして牽制をしていくと。これは、主語は私
ども金融庁あるいは
金融担当大臣であって、ちゃんとここに書いて、
答弁しているとおりですよ。そんなでたらめな
答弁をしちゃいけない。
それから、
竹中大臣がおっしゃるけれ
ども、幾らおっしゃっても信用はされないでしょうね、多分。それは、先ほどから議論が出ているように、余りにも
繰り延べ税金資産の
取り扱いが恣意的に極端に行われているという実態があるからなんです。常に混同が意図的に、
竹中さんは私は非常に頭がいいと思いますが、だれかが鬼平さんと言っていたけれ
ども、ずる平さんじゃないかなと思っているんですが、意図的に混同されているんですね。
皆さんの立場は、何度も同僚議員が申し上げていますように、
金融機関を
健全化するという観点からチェックが行われなければならない。それは、
会計基準に対してもそういう目で立ち向かわなければならないはずなんです。いわば、
自己資本のほとんどがいまだに、現時点でも中核的
自己資本の七六%が
繰り延べ税金資産だなんという地方
銀行があるわけですよ。それは明らかに健全じゃないでしょう、健全じゃないんですよ。ですから、そういう面から、それは
金融庁としてはチェックをしていく必要があったのではないですか、こう言っているわけです。
要するに、
アメリカでもやられているように、
自己資本に算入できる税効果に制限を設けるということをもっと早くからやっていなきゃいけなかったということなんですよ。それとは別に、
会計基準は専門家にお任せして、その専門家は専門家の方で、今
金融審でおやりになっていると言っていたけれ
ども、
繰り延べ税金資産の回収
可能性をどのように厳格に
査定するかという問題は別途あるんですよ。二つの問題がある。
意図的に
竹中さんはその両方を無視して、両面があるということを無視して、これは公認会計士の独占的な権限の範疇だから自分
たちは関係ないんです、それは従わざるを得ないんですというふうにごまかしになられている。だけれ
ども、実際には、
金融機関の
健全性という面から、もっと早くから、今すぐにでも、それは制限を設けておくべきだったし、やらなければいけないことなんではないですか。それは何回も私
どもが
指摘をしてきたことなんですよ。要するに、余りにも異常な実態が起きている。
私は、前の
通常国会でも
指摘をいたしました。このときは、
足利銀行に風評リスクが起きてはいけないと思って実名を挙げませんでした。「りそな」が問題になったときでしたので、これは二つの見方があると言いましたけれ
ども、過去の平均
業務純益に法定の税率、四〇%なら四〇%と置いて、そして
繰り延べ税金資産をそれで割ってみれば、想定課税所得で何年分その償却にかかるかというのは計算が出てきます。
それで、
会計基準では、実務指針では最大限五年と言っていたんだけれ
ども、実は旧大和
銀行は、これは二〇〇二年三月末ですから一年前になりますけれ
ども、八・九年分じゃないかという
指摘をさせていただきました。だから、五年分をとっくに超えているじゃないかと。だけれ
ども、皆さんは、これから先の収益見通しはもっと高いんだから、それは五年の中にはおさまっているんだとおっしゃるんだけれ
ども、実は
会計基準というのは保守的に見なきゃいけないわけですね。V字回復なんというのを想定して収益見通しなんというのは、会計家の立場からしたら、してはいけないことなんですよ。
ですから、保守的に見るんだったら、過去の
業務純益の平均をとって、それに法定税率を掛けて、それで何年分以内かというのは一つの
基準になってしかるべきではないかということを私申し上げました。
それで、
足利銀行は、そのとき私は言わなかった、風評が起きるといけないから。十二・三年分なんですよ。これはやはり非常に悪い状態だった。二〇〇二年三月末ですから前々期末になりますけれ
ども、そういうひどい状態だったので、ですからこれは余りにもひどいじゃありませんかと。つまり、
繰り延べ税金資産を
監査法人が認めたからといって、野方図に放置していて
金融機関の
健全性が保たれるとは思えないじゃないですかというお話をずうっとしているんですよ。
だから、これは二つのことを分けて考えて、私は、やはり何らかの制限を
金融監督の立場からは設けるべきだ、こう思っているんですが、いかがですか。