○
久間委員 私の周りでも、かつての
イラクで発電所をつくったり、あるいはまた
病院建設をしたり、そういう会社が結構あります。そういう社長さんあるいはまた会社の人に、あなたのところも、もう
戦争が終わったんだから、
病院も古くなってもおるし、そういうのに建設に行ったらどうですか、あるいは発電所についても、自分のところで昔つくったんだからメンテナンスを兼ねて行ったらどうですかと言いますと、今みたいな状態で行くと、向こうに行って、まず宿泊地をどうするか、食糧をどうするか、水をどうするか、また運搬手段、要するに内部で動き回る手段をどうするか、そういうことを考えると、なかなか民間会社としてはやりたいけれ
どもやれないんですよという話でございます。
そういう点は、やはり
自衛隊の場合だったら、みずから宿営地もつくれるし、水も食糧も
確保できるし、また運搬手段としての車両もみずから持っている。やはりここは
自衛隊が
活動する以外に今の時点ではやむを得ないんじゃないかな、そういうふうに思っておりましたので、今総理がおっしゃられるように、まさに時宜に適した決定だったんだろうと
思います。
ただ、そのときに、非常に
治安状態が悪い、
戦闘地域になっているんじゃないか、
アメリカの司令官は
イラクは全体が
戦闘地域なんだというふうなことを言っているというふうなことで、盛んにそういう心配をして言われる方もいらっしゃいます。米軍の司令官の場合は、これはまたほかの人とちょっと違いまして、客観的というよりも主観的な要素、やはり占領を続けているわけですから、
戦闘地域でなかったら引き揚げろという話にもなるわけですから、その辺は割り引くにしても、かなりやはり危険な状態であることは間違いないと思うんです。
幸いにして、きのう
フセイン元
大統領が身柄を
拘束されたということで、これによって若干またこれから先変わってくるということが
期待されまして、そういう点では非常によかったと
思いますけれ
ども、しかし、これとても、そうなったから本当に安全と言い切るにはまだまだいろいろな要素があるんじゃないか、ちょっと心配じゃないかと思うわけなんです。その辺の認識については、また総理から機会があったら答弁していただいて結構ですけれ
ども、私は、
フセイン元
大統領が身柄を
拘束されたからといって、そう簡単にはいかないんじゃないかと。
というのは、あの
テロを行っている連中が果たして
イラクの残党と言い切れるのか、海外から、国外から入り込んでいるそういう組織もあるんじゃないかなというふうに思っておりますだけに、ここしばらくはやはりこういう危険な状態は続くんじゃないかと
思いますので、そういう
意味で、
自衛隊の
派遣はやむを得なかったと。
そうしますと、
自衛隊をそういう危ないところに出していいのかというようなことを盛んに言われる方がいらっしゃいます。そして、それについては、わざわざテレビ局なんか、私の周りでもそうですけれ
ども、
自衛隊の家族のところまで行って、御主人が行かれるのは心配でしょう、不安でしょうとマイクを突きつけるわけですね。それはだれだって不安ですよ。しかし、
外務省の職員の奥さんにしてもこの間の井ノ上さんにしても、そういう危険も顧みず、
外務省の職員としてやはり行くべしだ、
日本の国家のためにここは行かなきゃならない、そういう
仕事を与えられた場合には敢然と行っているわけでありますから、本人さんたちはどうかというと、
自衛隊に、今度行かれる
人たちのみんなの話を聞いてみても、もう手を挙げて、私は行きますということで、りりしく、みんな希望を述べて、志願というわけじゃございませんけれ
ども、行きますということを決意して言っておられるわけですから、家族の人に一々突きつけること自体が非常におかしな話だ、私はそういうふうに
思いますが、いずれにしましても、そういう形で
自衛隊が出ていくことになってきたわけです。
そこで、
一つは、
戦闘地域と非
戦闘地域というのが盛んに
議論されております。私は、この法律をつくりましたときから、
戦闘地域という言葉がまだなれていない点があるからどうかなという気はしておりましたけれ
ども、わかりやすく言いますと、
戦争状態にあるところとそうでないところ、そういうふうにわかりやすく割り切った方がいいと思うんです。そうすると、
イラクの中で今度
自衛隊が行く南の
地域がそういう
戦争状態になっているかというと、
テロは確かにあるかもしれません、あるいはバグダッドの空港の中も、
テロがないとは言いませんけれ
ども、
戦争状態じゃないわけですよ。だから、そこは非
戦闘地域だと言い切っていいと思うんです。
よく例として私は言うんですが、パレスチナとイスラエルとがたがたやっていますね。イスラエルのエルサレムで
自爆テロが頻発しているわけです。ところが、エルサレムは
戦闘地域でも何でもないわけですよ。むしろ、
戦闘地域というのは逆にパレスチナ側のガザ地区、あそこの方が
戦闘地域で、イスラエルが時々攻撃していますから。
こういうふうに国と国、あるいは国と国に準ずるそういう組織、そういうのが敵対関係にあって、組織的、計画的に攻撃がなされる
地域、それが
戦闘地域であって、
テロがたまたま起きたからといってそこは
戦闘地域でないわけですから、明らかに
イラクの中でも非
戦闘地域はたくさんあるわけですよね。そういうことを区別しながら皆さん方にわかってもらうにはどうすればいいのかと
思いますけれ
ども、私のこのような
考え方が間違っているかどうか、
防衛庁長官でもいいし、総理でも結構ですから、答えていただきたいと
思います。