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広中和歌子君 民主党の
広中和歌子でございます。
テロ特措法の二年間延長問題についての審議、既に今日で三日目に入りました。
私は、今日一時間の時間をいただいたわけですけれども、既に多くの
質疑がなされ、問題提起がなされているわけでございます。そういう中での
質問でございますから多少の重なりがあるとは思いますが、私なりの
質問をさせていただきたいと思います。
テロというのは、これまで世界じゅう、いつの時代でも、どこでも存在したわけでございます。それぞれの国の警察が
処理をしていた、取り締まっていた。しかし、世界がグローバル化するにつれて警察が、世界の警察がそれぞれに連携を取り合いながら取り締まるという形がしばらく続いている。そのための
テロ防止の国際条約というのも十本ぐらいあるということも知っておりますし、
日本はその条約に署名し批准もしていると。
そういう中で、今回なぜこの
テロ特別措置法を作って対応しているのかといえば、私がわざわざ申し上げるまでもなく、
アメリカの九・一一同時多発
テロがきっかけでございます。世界が
協力して国際的な
テロ組織アルカイーダと対決しましょうと、そういう方向で、
日本もできることは何かということで参加したんだろうと思います。しかし、二年たち、
アメリカのやり方にただ従うだけでいいのかと、そういうことが問題になっているんではないかと思います。
国連を
中心としてこうした
テロ問題に対決するというよりは、どちらかというと
アメリカの単独主義的なところが非常に目立っている、そういうことを感じている人は
日本だけでなくヨーロッパにも、そして他の、
アメリカの中にでもあるんではないかなと、そのように思います。
個人的なことになりますけれども、私と
アメリカとの
関係でございますけれども、二十代に
アメリカに留学いたしまして約二十年近く、学生として、また主婦として母親として普通の
アメリカ人の中に交じって暮らしてまいりました。しかし、私は決して
アメリカをすべて知っているなどということは申しません。つまり、
アメリカは非常に多様です。地理的にも多様ですし、人種のバックグラウンドによっても違う、そしてまた年齢層によっても違う、そして時代によっても違うわけです。
私たち多くの
日本人が
アメリカに対して持っているイメージ、そして
アメリカ人自身も自分たちに持っている理想のイメージというのは、
アメリカには非常に多くのチャンスがある、民主主義である、自由経済である、能力主義であると、そういうようなポジティブなイメージがございます。それは確かにそうしたイメージは正しい部分は多々あると思いますけれども、同時に
アメリカにはマッカーシズムがあり、その前には奴隷制度というのがございました。そしてベトナム戦争があり、ウォーターゲートがあり、最近では経済に絡んでエンロン疑惑などもございます。
そしてまた同時に、ケネディのとき、私もそのころ住んでおりましたけれども、公民権運動が人種や性や年齢、そうした差別をなくそうという、本当に私たちの心が揺さぶられるような感激も味わったわけでございます。差別をなくす公正な国というイメージを出したのはケネディの時代でございました。
つまり、私が申し上げたいのは、国のリーダーによって、リーダーシップによって
国民の暮らしも人々の考え方も大きく影響を受ける国、それが
アメリカではないかと思います。
その
アメリカを少しは知る者として、そしてまた、私は大変
アメリカの批判はいたしますけれども、
アメリカは私にとっては第二の故郷だと思っております。その私が、今の
アメリカはブッシュの
アメリカであるということを申し上げたいと思います。ブッシュ
政権は永遠ではございません。
九・一一は、すべての
アメリカ人にとって当然衝撃的な事件でございました。そして、すべての
アメリカ人がブッシュ大統領の下に
一つになってこの
テロと戦おうというふうな誓いをしたとして当然でございますし、また諸外国も
協力すべきであるということで私どもも同じ思いをしたわけでございます。
日本人の多くもこの
テロで殺されたということがございます。
九月十一日、二〇〇一年の九月十一日から二年たちまして、今、ブッシュ大統領の人気は落ちております。あの当時非常に高かったブッシュの人気は、多くの
アメリカ人にとっても、ブッシュ大統領の
テロへの対応、やり方に疑問を持ち始めていると、そういうことがあります。つまり、チェイニー、ウォルフビッツ等のネオコンに支配される今の
政権に対して。
私は
アメリカの政治に対してここで批判するつもりはないんですけれども、そのような感覚が、感情が出たかもしれませんけれども、それはよその国のことでございますから、私の立場としてはどうしろということではないと思いますけれども。ただ、
日本がいつも
アメリカの言いなりになることが果たして正しいのか、
日本の将来のために良いのか疑問に思っているということを申し上げたいと思うんで、是非、
官房長官、そしてまたお三方、すべてコメントをいただけたらと思う次第でございます。