運営者 Bitlet 姉妹サービス
使い方 FAQ このサイトについて | login

2003-10-06 第157回国会 参議院 国際テロリズムの防止及び我が国の協力支援活動等に関する特別委員会 第2号 公式Web版

  1. 会議録情報

    平成十五年十月六日(月曜日)    午後一時開会     ─────────────    委員異動  十月三日     辞任         補欠選任      田  英夫君     大脇 雅子君     ─────────────   出席者は左のとおり。     委員長         若林 正俊君     理 事                 愛知 治郎君                 常田 享詳君                 中川 義雄君                 森山  裕君                 齋藤  勁君                 榛葉賀津也君                 荒木 清寛君                 小泉 親司君     委 員                 加治屋義人君                 木村  仁君                 近藤  剛君                 椎名 一保君                 田村耕太郎君                 武見 敬三君                 月原 茂皓君                 橋本 聖子君                 福島啓史郎君                 舛添 要一君                 松山 政司君                 山下 善彦君                 吉田 博美君                 池口 修次君                 岩本  司君                 岡崎トミ子君                 川橋 幸子君                 佐藤 雄平君                 谷林 正昭君                 広中和歌子君                 広野ただし君                 松井 孝治君                 若林 秀樹君                 高野 博師君                 遠山 清彦君                 森本 晃司君                 井上 哲士君                 吉岡 吉典君                 大脇 雅子君                 島袋 宗康君    国務大臣        内閣総理大臣   小泉純一郎君        外務大臣     川口 順子君        国務大臣        (内閣官房長官) 福田 康夫君        国務大臣        (防衛庁長官)  石破  茂君    内閣官房長官        内閣官房長官  山崎 正昭君    副大臣        防衛庁長官   浜田 靖一君        外務大臣    阿部 正俊君        国土交通大臣  佐藤 泰三君    大臣政務官        防衛庁長官政務        官        中島 啓雄君        外務大臣政務官  荒井 正吾君    事務局側        常任委員会専門        員        田中 信明君    政府参考人        外務省総合外交        政策局長     西田 恒夫君        外務省中東アフ        リカ局長     堂道 秀明君     ─────────────   本日の会議に付した案件 ○政府参考人出席要求に関する件 ○平成十三年九月十一日のアメリカ合衆国におい  て発生したテロリストによる攻撃等に対応して  行われる国際連合憲章目的達成のための諸外  国の活動に対して我が国が実施する措置及び関  連する国際連合決議等に基づく人道的措置に関  する特別措置法の一部を改正する法律案(第百  五十六回国会内閣提出、第百五十七回国会衆議  院送付)     ─────────────
  2. 若林正俊

    委員長若林正俊君) ただいまから国際テロリズム防止及び我が国協力支援活動等に関する特別委員会を開会いたします。  まず、委員異動について御報告いたします。  去る三日、田英夫君が委員を辞任され、その補欠として大脇雅子君が選任されました。     ─────────────
  3. 若林正俊

    委員長若林正俊君) 次に、政府参考人出席要求に関する件についてお諮りいたします。  平成十三年九月十一日のアメリカ合衆国において発生したテロリストによる攻撃等に対応して行われる国際連合憲章目的達成のための諸外国活動に対して我が国が実施する措置及び関連する国際連合決議等に基づく人道的措置に関する特別措置法の一部を改正する法律案の審査のため、必要に応じ政府参考人出席を求めることとし、その手続につきましては、これを委員長に御一任願いたいと存じますが、御異議ございませんか。    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
  4. 若林正俊

    委員長若林正俊君) 御異議ないと認め、さよう取り計らいます。     ─────────────
  5. 若林正俊

    委員長若林正俊君) 平成十三年九月十一日のアメリカ合衆国において発生したテロリストによる攻撃等に対応して行われる国際連合憲章目的達成のための諸外国活動に対して我が国が実施する措置及び関連する国際連合決議等に基づく人道的措置に関する特別措置法の一部を改正する法律案議題といたします。  まず、政府から趣旨説明を聴取いたします。福田内閣官房長官
  6. 福田康夫

    国務大臣福田康夫君) ただいま議題となりました平成十三年九月十一日のアメリカ合衆国において発生したテロリストによる攻撃等に対応して行われる国際連合憲章目的達成のための諸外国活動に対して我が国が実施する措置及び関連する国際連合決議等に基づく人道的措置に関する特別措置法の一部を改正する法律案について、その提案理由及びその内容を御説明いたします。  この法律案は、平成十三年九月十一日にアメリカ合衆国において発生したテロリストによる攻撃がもたらした脅威が依然として存在していることを踏まえ、我が国として、国際的なテロリズム防止及び根絶のための国際社会取組に引き続き積極的かつ主体的に寄与し、もって我が国を含む国際社会の平和及び安全の確保に資することを目的として提出するものであります。  以上がこの法律案提案理由であります。  この法律案内容は、現行法有効期限を更に二年間延長し、施行の日から四年間とするものであります。  以上がこの法律案提案理由及びその内容でございます。  何とぞ、慎重御審議の上、速やかに御賛同あらんことをお願いいたします。
  7. 若林正俊

    委員長若林正俊君) 以上で趣旨説明の聴取は終わりました。  これより質疑に入ります。  質疑のある方は順次御発言願います。
  8. 森山裕

    森山裕君 自民党の森山でございます。  テロ対策特措法期限を二年延長する可否を議論をする前に、指摘しておきたいことがあります。  第百五十三回国会において成立した本法が施行されて以来、二年を経過しようとしている現在まで、海上自衛隊自衛艦及び航空自衛隊の航空機による米軍を始め諸外国軍に対する補給や輸送が行われてまいりました。このことは断片的に報道をされております。しかしながら、週末、選挙区での私が行っております国政報告会で気になることは、我が自衛隊が遠く炎熱のインド洋や中東の国で何をしているのか、いま一つ国民理解をされていないということであります。  と申しますのは、我が政府決断自衛隊の本格的な海外派兵は初めてのことであり、安全保障政策で一つの転機を開いたと後世の歴史年表に特筆されるに違いないにもかかわらず、国民が必ずしも正しく理解をしていないということは軽視してはならないと思います。自衛隊員の黙々とした努力は無論、職務とはいえ、父を、夫を、息子を、兄弟を送り出した御家族の不安、そしてその切ない思い総理はどのような思いを持っておられるのか、まずお聞かせをいただきたいと思います。  我が自衛隊員日本国民を代表して忠実に任務を遂行していることに我々は感謝するとともに、その活動に関心を持ってしかるべきであります。広報在り方についてお聞かせをいただきたいと思います。
  9. 小泉純一郎

    内閣総理大臣小泉純一郎君) 我が国自衛隊員諸君が四十度を超える非常に暑い厳しい環境の下で支援活動に精励しているということに対して、私も心から敬意を表しております。また、遠い海外に自らの御家族を派遣されている残された日本における家族の皆さんの御心配も大変多いものと思いますが、そういう家族の支えがあって自衛隊諸君も頑張って出られるんだと思っております。  この活動日本に余り知られていないのではないかという御指摘でありますが、確かにそういう点も多々あると思います。このように、各国協力して日本国民のために、また国際平和への貢献、さらにはテロ防止のために連日活躍されている自衛隊活躍ぶりをもっと国民に知ってもらうべきだという点については、もう一工夫、二工夫あるのではないかと私も思います。  今後そういう点、今御指摘の点も踏まえまして、多くの国民の目に、自衛隊はどのような活動をされているのかという点について、防衛庁長官にもよく指示いたしまして、その活動ぶり国民の目にも触れて理解していただくような広報活動を取り組んでいきたいと思います。
  10. 森山裕

    森山裕君 御答弁いただきありがとうございました。  やはり、国民支持を得るためにはできる限り詳しい情報の公開が必要であると思いますし、そのことが自衛隊留守家族の方々に対しての一番の配慮につながるのではないかなというふうに思っております。  また、国際社会努力アフガニスタンがどのように変わったのかということを政府立場国民に知らせていく努力というのを今後も是非続けていただきたい。そのことをしっかりと国民理解をすることによって国民は安心もするでありましょうし、また国際社会の中で日本がどう生きていくのかということを自問自答するいいきっかけになるのではないかというふうにも思いますので、今、総理から一工夫、二工夫要るのではないかという御答弁でございますから、政府として更に積極的なお取組お願いをしておきたいと思います。  次の質問に入ります。  テロ対策特措法は、九・一一同時多発テロ事件を契機とする国連を始め国際社会テロ根絶に対する断固たる決意を受けて、我が国国際約束であることは言うまでもありません。しかしながら、その後におけるアフガニスタンを始めイラクの情勢、はたまたヨルダン、サウジアラビア、インドネシアなど、アルカイダが関与すると見られる自爆テロ事件が相次いだため、国民の間に漠然とする不安が高まっているかに感じます。  他方テロ対決することが現地の人々を戦闘に巻き込み、子供や女性、老人に犠牲が出ていることを理由に、テロに厳しく対処すること自体が非人道的で間違っているかのように主張する情緒的な議論があります。甚だしいのは、国連主義復活云々と言い立てております。  我が国は、戦後五十八年、半世紀以上、余りにも平和と安逸を享受し過ぎたため、国家の平和と安全を守る権利と義務をほとんど他人事としてきたように思えてなりません。  こうした風潮に一撃を与えたのがテロとしての拉致事件であったと思います。国際関係とは複雑にして怪奇、かつ峻烈であります。安逸と豊潤に惰眠をむさぼった結果、国家国民、あるいは一人の人間の在り方の根本まで揺るがす様々な負の社会現象が横行し、将来の国家の存立に不安をかき立てているように思えます。  総理は、拉致問題を含め、問答無用テロと戦う理念国策国民に分かりやすく具体的に説明をし、そのための覚悟国民に訴えるべきではないでしょうか。一国平和主義幻想平和主義国民をいかに堕落させたか、国民的議論を喚起すべきであると思いますけれども、総理の基本的なお考えをお聞かせいただきたいと思います。
  11. 小泉純一郎

    内閣総理大臣小泉純一郎君) テロリスト活動やあるいは拉致問題、また武装不審船現実を見ますと、世界善意では成り立っていないなと、善意と好意だけでは成り立っていないということがよく分かると思うんであります。一方においては平和を守っていかなきゃならないと。同時に、一方においてはその平和の安き眠りをぶち破って侵略したり、あるいは一国の人権を平気で侵害する勢力があるということでありますが、こういう安全の問題について、日本としては十分な対策を講ずる必要があると思っております。  もとより、最近の戦争の形態というのは、かつての国同士対決ということから、一部組織、テロリストグループ武装集団、いろいろな面が見受けられます。また、犯罪集団。こういう点に対しましても、国内の安全、治安という面においても多角的な広範な対策が必要であり、日本一国で対処できることと、同時に各国との協力が必要な面も多々あると思います。安全と水はただではなかったというのが今日の現実の姿だと思っております。  そういう面について、日本政府としても、今後の日本安全保障治安対策、より一層、国内でできることと各国協力してしなきゃならないこと、よく見極めながら万全の体制を取っていかなきゃならないと痛感しております。
  12. 森山裕

    森山裕君 戦後半世紀余り、新しい時代に対応できなくなった制度や考え方というものを、国民とともに率直かつ大胆な再検討というものを加えていかなければならないときを迎えているなという気がしてなりません。正に考え方改革というものが大変大事なことなのかなというふうに思えてならないところであります。  どうか、今後とも、どうテロと戦っていくのかという国策というものを、国民に分かりやすく常に説明努力をしていただきたいと思いますし、そのことによって国民覚悟ができるんだろうというふうに考えております。  次の質問に入ります。  先日の第五十八回国連総会においてアナン国連事務総長は、我々は今岐路に立っている、これは国連が創設をされた一九四五年に劣らず決定的なときであろうと指摘をされ、国連改革、とりわけ安保理改革重要性と急務を具体的に明言をされました。他方川口外務大臣一般討論演説において安保理改革重要性に言及をし、我が国常任理事国として積極的な責任を果たしていく決意を述べられました。  我が国は、国連分担金を米国に次いで二番目、平成十四年の場合、約二十一億ドルもの、の拠出をし、第三位のドイツは八億ドルにすぎませんから、日本の負担がいかに大きいか分かるところであります。こうした財政的な貢献をもって日本常任理事国となる資格があるかのように主張する議論がありました。しかし、この主張には日本が積極的に世界平和のために貢献をするという気概決意が欠けており、反対はされないものの、我が国是非常任理事国にしようとする強い支持とモメンタムを国際社会に呼び起こすことはできませんでした。  しかし、国連改革の機運が高まった今、我が国常任理事国として世界平和と安全のために積極的に貢献をするのだという強い決意気概、そして実際の行動力を示さなくてはならないと思います。既に死文化しているとされているいわゆる旧敵国条項の削除にしてもしかりであります。私は、歴史の汚名を克服するには誠実かつ決然とした行動をもって示すしかないと考えます。  湾岸戦争の苦い教訓を忘れてはなりません。国際平和と安全を守り、テロに厳しく対決をするため、世界に通用する理念気概、そして実行力を立証することなくして、国際社会日本常任理事国として真に歓迎することはあり得ないのではないかと思います。日本国民の断固たる決意覚悟が必要であると思います。  そこで、総理にお尋ねいたします。  二年を期限として成立をしたテロ対策特措法を、今回、更に二年延長しようとするわけであります。この二年延長という根拠はどのような理由によるものでしょうか。事態は流動的であり、果たして今後二年間で所期の目的を達成し得るものか予測することは困難であるように思えます。  このように、なし崩しに期限延長することは、煩瑣であるばかりでなく、一時しのぎであり、我が国が国際平和のため確固たる貢献をするという国際公約に対して消極的な印象を国際社会に与えることになるのではないでしょうか。  我が国が国際平和のため臨機応変に対応する枠組みとして恒久法を制定するときが来ているのではないかと考えます。総理の御見解をお聞かせください。  また、我が国国連常任理事国となることについての総理考え方、御決断是非お聞かせをいただきたいと思います。
  13. 福田康夫

    国務大臣福田康夫君) 幾つか御質問ございましたので、私からまず答弁させていただいて、しかる後、総理から必要に応じて御答弁いただくということでお許しをいただきたいと思います。  まず、このテロ特措法でございます。これ、有効期限はこれは二年間ということでございますけれども、この法律附則第四項におきまして、二年以内の期間を定めてその効力を延長するということは可能になる、そういう仕組みになっておるわけでございまして、正にその二年が過ぎて、この附則の二年間の延長ということを適用させていただくと、こういうことになったわけであります。  この、なぜ二年かといったようなことになりますと、これ、一概に申し上げることはできないんでありますけれども、これは正にアフガニスタン現状ですね、アフガニスタンが復興する、若しくはそのアフガニスタンが国としての形を整えることができるようになるように今国際社会が力添えをしていると、こういう段階でありますけれども、それがはっきりと見届けられるように、例えば憲法制定のロヤ・ジェルガ、これは十二月に開催するという予定でございますけれども、これが成功するように国際社会協力が必要だと。また、来年の六月になりますと総選挙をやろうと、こういうことでありますけれども、そういうプロセスを経て正統政府が樹立するように、そのように国際社会がこぞって協力をしていると、こういうような目的を持っているわけでありまして、そういうものを見届けた上で国際社会が今後いろいろな協力をし、そして、しかし独立できるならばだんだんと手を引いていくと、これは当然のことなんでありますけれども、そういう大きな目標を持っておるわけであります。  しかしながら、現状状況というのは必ずしもそういうものが安易に達成できるというような状況でもない部分もございます。例えば、治安状況を見ましても、南東部におきましては極めて不安定な状況があるということがございます。  しかし、カブール、また周辺地域、これは比較的安定をしておる。これは、ISAFですね、ISAFが今中心になって活動しておりますけれども、その地域は比較的安定してきていると。それから、北部、西部、中央山岳部、これも比較的安定をしておる。これは、軍閥の抗争もこの地域は多かったんですけれども、これも鎮静化してきていると、こういうような状況でございまして、そういうような鎮静化のための国際社会取組が今活発に行われている。  それを、そういうような状況の中で我が国海上における輸送艦輸送艦による給油活動を続けているということであります。これはもう御案内のとおりでありますけれども、タリバンとかアルカイダとか、そういうようなテログループ海上を伝って海外に逃走するとか、また危険な物資の輸出入をするとかいったようなことを防ぐと、こういうような観点から今なおこの活動というのは、海上における活動というのは続いておりまして、その活動我が国協力をしている。そして、その協力も一定の成果を収めておりますけれども今後もしばらくの間続くだろうと、こういう予想の下に今回二年間の延長お願いをしていると、こういうことでございます。  いつ終わるかというようなことについて今一言で言えるような状況ではありません。全体的な状況を見ながら、また国際社会がどういう取組をしているかということを見ながら慎重に判断をしていく、そういうものであろうかというふうに考えておるところでございます。
  14. 川口順子

    国務大臣川口順子君) 国連改革につきまして私の方からお答えをさせていただきまして、その後、必要に応じまして総理からお話をいただきたいというふうに考えております。  国連改革でございますけれども、これは、今、国連の、特に安保理状況が戦後の世界の変遷を表していない、反映していないということでございますし、委員も御指摘になられましたように、敵国条項というのもまだ残ったままになっているということで、我が国としては改革をする必要があるというふうに考えております。  我が国は、平和の定着あるいは国づくり、そして軍縮・軍備管理といった分野で様々な能力あるいは経験を持っております。そういった能力経験を生かして安保理の場で常任理事国として責任を果たす用意があるということを私がこの間、総会で申し上げたところでございます。  また、国連も、先般のアナン事務総長演説にもございましたように、無警告で突然に大量破壊兵器攻撃脅威にさらされている国々の問題をどのように安保理として取り上げていくかというのがアナン事務総長問題意識でございましたけれども、そういった点についても国連安保理改革が必要であるというのはアナン事務総長も御指摘になられたとおりでございます。  こういった様々な角度からございます安保理改革必要性についての議論我が国としても積極的に対応していって、そういった改革を踏まえて、改革をされた安保理の中で常任理事国として、我が国としては責任をきちんと果たしていく用意があるというふうに考えております。
  15. 小泉純一郎

    内閣総理大臣小泉純一郎君) 時限立法でなくて恒久法についてどうか、また国連常任理事国入りについての考えはどうかということでございますが、恒久法国際社会の平和の定着にどのような日本としてやるべきことがあるか、また現行憲法範囲内でできるかという点については、今後よく検討する必要があると思っております。  これは、今までもその都度、あるいはアフガンのこの対テロについてもイラク復興支援についても法律を作って、そのための自衛隊活動、何ができるかという議論をしてまいりました。一般的に、こういう国際社会紛争に時々に対処するのではなく、今後どのような事態にも対処できる恒久法を制定すべきという声があるものですから、これについては今お話ししたように、各方面の意見をよく聞きながら、そして日本現行憲法の中で、範囲内で何ができるかということについては、十分時間を掛けて慎重に検討したいと思っております。  また、国連の、安保の、安保理理事国入り国連改革に関連することでありますが、今の時点において日本は、国連で、安保理決議され、それじゃ、国際紛争防止のためにあるいは治安活動のために多国籍軍を編成しようという国連決議が出された場合、日本現行憲法でできるのかどうかと、そういう疑問が当然出てきます。  それで、じゃ、今、安保理事国になったらば、今の理事国はできますね、紛争防止についても。自国の判断で軍隊を過去派遣してまいりました。今、それでは、日本安保理事国になりたいと手を挙げてなった。で、仮にそういう決議がなされた場合、はい、今の日本憲法ではできませんと言って許されるのかどうか。そういうことがあるから私は、今の現行憲法日本ではこういうことはできませんと、しかし日本として相応の役割を果たしていきたいし、今の安保理理事国の構成はおかしいんじゃないのかと、変えていいんじゃないかという議論は堂々すべきだという立場なんです。  だから、その点をよく議論して、国民感情現行憲法範囲内でできることできないことをしっかり踏まえて、今の安保理状況のままでいいと思っていないと、やっぱり改革が必要だという点で安保理改革に積極的に取り組むべきではないかというのが私の考え方でございます。
  16. 森山裕

    森山裕君 総理から、また外務大臣から御答弁をいただいて、有り難く思っておりますが、やはり我が国国連安保常任理事国となり、あるいは国際平和に積極的に貢献をする恒久法を制定していくためには、憲法を始め既存の法体系を全面的に見直さなければならないことはもう論をまたないと思います。継ぎはぎで何とかここまでやってまいりましたけれども、そろそろ限界に来ているのかなという気がいたします。  ここはやはり、世界平和に貢献をしなければならない日本としてこの議論は避けて通れないんだろうなというふうに思いますし、国民も国際情勢というものに刮目しながらそれなりの覚悟をしていくということが国際社会で尊敬をされる国家になっていくのかなというふうに思っております。総理が自民党の結党五十年を記念をして憲法問題についてもしっかり議論をしていこうという方針を示しておられることもそこに目的があるのかなと、そのことを大事にしなければならぬというふうに思っておられるのかなというふうに私は受け取っているところであります。  また、国連改革については日本もしっかりとした対応をしなければなりませんし、旧敵国条項などという問題の対応も急がなければ、もうそのこと自体で国連が機能していかなくなってしまうのではないかなという危惧すら感じますので、外務大臣の更なる御努力お願いを申し上げておきたいと思います。  最後の質問になりますが、テロ対策特措法が具体的にどのような貢献をしたかに関連をしてお伺いしたいと思いますけれども、伺いますところ、海上自衛隊の補給艦による海上給油の技術というのは国際社会の中で非常に評価をされているようでありますが、特殊な練度を必要とするものであるけれども日本自衛艦はよくやっているという評価のようでありますけれども、大変我々も誇りにしていいことだなというふうに思いますし、そのことの自衛隊努力には敬意を表したいと思います。  最近、インド洋の作戦から撤収する外国艦船もあり、我が海上自衛隊補給艦による給油量というのも減少の傾向になっているようでございますが、今後、自衛隊による補給活動というのはどうなっていくというふうに見通しを立てておられるのか、そのことをお聞かせいただきたいと思います。
  17. 石破茂

    国務大臣(石破茂君) 確かに先生御指摘のとおり、月ごとの補給量は減少いたしております。ただ、これは補給対象の船が小さい船に変わったということがございます。大きな船から小さい船に変わりますと、これは当然その補給量というのは減少してまいります。それから、船の数についてでございますが、確かにアメリカ合衆国は減少いたしておりますが、国によりましては、フランスでありますとかあるいはギリシャでありますとか、減らしておった船を増やす、あるいは新たに増派するというような国もございます。  まさしくおっしゃっていただきましたように、私どもの高い補給能力のようなものを有しておる海軍というのはそうたくさんあるわけではございません。先ほど広報のお話がございましたが、長いときは六時間にもわたって同じ距離を保ち、同じ方向を保ったまま直進をするというような能力はそうそう有しておるものではございません。また、活動の海域というのは日本海のともすれば何倍も広いような海域でございます。そこを一々港へ帰らなければ補給ができないというのと、洋上で日本の船が補給をしてくれる、これは相当違うものでございます。  したがいまして、私どもといたしましては、この海上自衛隊の補給活動というものは今後ともその必要性が続くものというふうに認識をしておる次第でございます。
  18. 森山裕

    森山裕君 防衛庁長官、御答弁ありがとうございました。  私は、今回、質問に当たっていろんな資料を見ながらなるほどだなと思ったんですけれども、アメリカ、イギリスだけではなくて、かなりの国の船に対して補給をしておられます。また、これ、ちゃんと交換公文の下に支援を実施しておられるわけであります。ややもすると、何か日本海上給油所みたいにやゆするような話がありますけれども、そういうことではないということを、これもしっかりやっぱり国民に分かっていただく努力というのが必要なんだなというふうに思っておりますし、今後も補給の活動というのは大事なことだなということを、今、防衛庁長官の御答弁を聞いて強く思ったところでございます。  最後に申し上げます。  総理におかれましては、ASEANプラス3の会議のためにバリ島へ本日の夕刻御出発と伺っております。激務の中、誠に御苦労さまでございます。御活躍をお祈りをいたしまして、私の質疑を終わります。
  19. 榛葉賀津也

    榛葉賀津也君 民主党・新緑風会の榛葉賀津也でございます。  総理、イスラエルは十日前、五千七百六十五年目の正月を迎えました。何を基準にして五千七百六十五年目の正月を数えたかというと、神が天地創造してから、正に日曜日に光をつくり、月曜日に水と空をつくり、そして火曜日に大地と植物をつくり、六日間でこの宇宙を、地球を、そして動物を、人間をつくったわけでございます。人間は最後の金曜日につくられました。そして、土曜日にお休みを取られ、これが安息日の始まりであります。その天地創造の基準からちょうど十日前のユダヤ暦の正月が五千七百六十五年たったという大変分かりやすい物差しでございます。  そして、昨日からヤムキプールという宗教上のお祭りが、宗教上の大切な儀式がイスラエルでは始まりました。すべての罪を悔い改める贖罪の日でございます。そして、その前日の四日の未明から五日にかけましてイスラエル軍は、シリアのエンザヒブ、約ダマスカスの北西十五キロのところにある軍事施設を攻撃をいたしました。イスラム聖戦やハマスの訓練基地があったとされているエンザヒブでありますが、イスラエルがシリアの領土内を空爆したのは、正にレバノン戦争以来、二十年以上ぶりのことでございます。  他方イラクに目を向けますと、四日の現地時間八時、バグダッドの西北、アッザウラという町で、CPAの事務所に未払の給与を取りに行った元イラク兵が暴徒化し、アメリカ兵がこれを銃撃をし、十名以上の死者が出たという報道もありました。イラクのこの報道を聞いて、様々な新聞の写真を拝見いたしますと、イラクの元兵隊は投石でこれに応酬をし、投石をするイラク兵にアメリカ軍が銃を発射するという構図でございます。正にガザやラマラと全く変わらない状況イラクで起こっている。  今のイスラエルの状況、そしてイラク状況総理は今どのようにこの中東情勢を御認識でしょうか。
  20. 小泉純一郎

    内閣総理大臣小泉純一郎君) イスラエルとパレスチナの長年にわたる闘争、なかなか事態が改善しないという状況について大変憂慮しております。  この問題については、イスラエルの自制を求めるとともに、パレスチナにおきましてもテロ組織等、これに対して、今までのようなテロ活動というものに対して厳しい抑止策というものが双方必要だと思っておりますが、これがなかなかうまくいっていない。憎悪が憎悪を生んでいる。この悪の不幸な連鎖をどう断ち切るかということは、もう双方にとって大変深刻な問題のみならず、中東全体、国際社会全体に大きな影響を与えるものだと思っております。それだけに我々は、この問題に引き続き関心を持って、それぞれの国がふさわしい中東和平に対してできるだけのことを協力しながら、各国協力しながら対応していかなきゃならない問題だと思っております。  また、イラク状況につきましても、大変厳しい状況ではございますが、そういう中にあってイラクの復興に向けて、また人道支援等、できるだけ早くイラク人の、イラク人のための、イラク人による政府を作るために努力されている各国の関係者、軍隊等、そういう方々の努力に心から敬意を表しております。日本としても、国際社会と協調しながら、イラク人が早く自らの力で、自らの足で立ち上がる環境を作ることができるように、日本にふさわしい貢献をしていかなきゃならないと思っております。
  21. 榛葉賀津也

    榛葉賀津也君 新聞報道によりますと、十二月にもイラク派兵をするという報道がありましたが、先ほどの本会議で何らかの説明があろうかと期待をしておりましたが、極めて抽象的な答弁に終始をされておられました。  もう一度お伺いをしたいと思います。十二月にイラク派兵を検討されていらっしゃるんですか。
  22. 小泉純一郎

    内閣総理大臣小泉純一郎君) 十二月と区切っているわけではございません。現地の状況をよく見極めて、状況が許せば、十二月であろうが一月であろうが十一月であろうが、状況が許せばいつでも、自衛隊がその支援に必要である、またできるということであれば、法律にのっとって派遣したいと思っております。
  23. 榛葉賀津也

    榛葉賀津也君 では、どういう条件が整ったときにイラク自衛隊を派遣することができるんですか。
  24. 小泉純一郎

    内閣総理大臣小泉純一郎君) それは、戦闘地域でない、また戦闘行為に参加しないと、そういう中で自衛隊にふさわしい活動があれば自衛隊を派遣いたします。
  25. 榛葉賀津也

    榛葉賀津也君 極めて答弁が恣意的というか、原理原則に基づいていないと思うんですね。  防衛庁長官にお伺いします。今の、今後のアフガニスタン自衛隊を送る可能性はありますか。
  26. 石破茂

    国務大臣(石破茂君) 御質問は、アフガニスタン、つまりテロ特措法に基づきまして、現在、海上自衛隊が洋上で補給活動をしておりますが、これが陸上において展開する可能性があるかという御質問かと思います。  それは、法律目的にかなった場合に、つまり九・一一に起因する云々かんぬんということでございますが、法律目的にかなった場合、そしてまたニーズがあります場合、そしてまた我々の行動というものが当然憲法範囲内において行われ、同時に活動というものが安全、それは自衛隊にとって安全という意味であって、一般人にとってとは違う範疇でございますが、それが確保をされた場合には、それは可能性というものは排除をされないというふうに私は考えております。  ただ、現時点において、アフガニスタン国内において我が自衛隊活動をする、そういうニーズというものを政府として具体的に把握をしているわけではございません。
  27. 榛葉賀津也

    榛葉賀津也君 総理がよくお使いになるテロとの戦いと。私、この言葉がマジックワードだと思うんです。ある方が総理はマジシャンのようだとおっしゃいましたが、このテロとの戦いという言葉だけが独り歩きしていく。確かに現象面では結構でしょう。しかし、法律的にはきちっと原理原則を定めて、アフガニスタンもしかり、そしてイラクもそうですけれども、こうこうこういう要素がこうそろったときに日本自衛隊海外に派遣することができる、国際協力することができるというルールを決める必要があると思います。  時の政府が恣意的な政治判断やそのときの国際状況を主観的に判断して送ろう、やめよう、今なら送れるだろうと、状態を客観的に把握してそのときに判断すると。極めて抽象的な言い方で、私は自衛隊を送ることはできないんだろうと思います。  総理の御認識をもう一度お伺いしたいと思います。
  28. 小泉純一郎

    内閣総理大臣小泉純一郎君) それは、法律になかなか微に入り細にうがった具体的なことを盛り込むのは実際上難しいでしょう。そのかなり抽象的な文言でありますが、戦闘行為には自衛隊は参加しないと、武力行使もしないと、非戦闘地域におけるというこの法律にのっとって自衛隊としてできる活動をするということでありますので、そのための調査はしっかりしなきゃならないと。  そして、その調査に基づいて状況を見極めて自衛隊派遣すべきは派遣するということでありますので、調査がまだ終わっていない段階で出せ出せというのは、これはまだ無理な状況だと思っております。
  29. 榛葉賀津也

    榛葉賀津也君 アフガニスタンの話に移りたいと思います。  国民の中に、何となくもやもや感、最近よくこのもやもや感という言葉を使いますが、すっきりとしない。それはなぜか。説明が足りないんですね。そして、国民が、なぜアフガニスタン自衛隊が給油艦で支援をするのか、一体何をやっているのか、そして一体どういう成果があったのかと。この説明が、私、衆議院の議論もすべて聞き、また拝聴することができなかった部分に関しては議事録を拝読いたしました。本日の本会議場でもそうでございます。政府説明責任は私、全くなっていないと言っても過言ではないと思います。  国民の中にあるもやもや感は幾つかあります。まず一つが、インド洋上でのこの活動日本の取るテロ対策として本当にベストな行動なのかどうか。そしてもう一つが、実際はテロ対策と言っても、日米関係、総理のおっしゃる日米同盟の重視した正にアメリカへの御機嫌取りなんじゃないか。そしてもう一つが、この石油は本当はアフガニスタンだけじゃなくてイラクの方にも使われているんじゃないか。そして三つ目が、この具体的な活動で一体どういった成果があったのか、一体何人のアルカイーダやタリバーンが捕捉されたのかと。この結果が何も出てきていない。  今言った四つのうちの一つ目から三つ目まではイラクの問題や様々なところで議論を重ね、常に水掛け論争に終わっております。  今日はこの四つ目の問題、この活動で一体どれだけ成果があったのか、コストパフォーマンスは一体どうだったんだと。その結果がどうであれ、この国会やこの委員会や、ましてや国民はその成果をタックスペイヤーとしては当然知る権利がある。  平成十三年の十一月から今日まで六百億円以上の税金を使い、延べ七千百人の自衛官が現地で汗を流し、うちお二人の自衛官が、総理、亡くなっているんですよ。二人がこのミッションで命を落としている。この現実考えたとき、政府がきっちりと、一体どういう成果があったんだという説明をする義務は当然あろうかと思うんですけれども、どうして総理、この問題きっちり説明責任を果たしてくださらないんでしょうか。
  30. 川口順子

    国務大臣川口順子君) この作戦の成果というものは、何を目的にして行われた作戦かということに照らして考えるべきであるというふうに思います。  それで、そのまず目的でございますけれども、幾つかございますが、不審船に対しまして無線照会あるいは立入検査を行うことによって、テロリストあるいはテロ関連の物資が海上を移動するということを阻止をする、それをもってテロ脅威が拡散することを防止をするということでございます。そして、今までこの活動においては、今年の五月までの時点で四万六千件の無線照会を行いまして、一千件の船舶に対する立入検査を実施をいたしております。  それから、不朽の自由作戦、OEFを中心としましたテロとの戦いで、三千人以上のアルカーイダのメンバーを拘束をし、そしてアルカーイダの幹部及びタリバーンの指導者、合わせて約四十人を殺害あるいは拘束をしたということでございまして、これはアルカーイダ幹部の約三分の二に当たるということでございます。こういった成果にはその海上阻止活動が、海上阻止活動も寄与をしているということでございます。  基本的に封じ込めということが目的でございますので、そういう意味で、それにはそれなりの成果が今まで上がってきているのではないかというふうに思います。
  31. 石破茂

    国務大臣(石破茂君) ただいま回数につきまして外務大臣から答弁がございました。  私、衆議院でもお答えをしたことですが、ここ数か月でもいろんな国の国防大臣とお話をすることがございます。フランスでありますとかあるいはニュージーランドでありますとか、実際にこれに参加している国の国防大臣とお話をしましても、やはりこの海上におけるテロリストの逃亡防止活動は必要だということで認識をいたしております。  私どもも厳しい中補給をしておりますが、実際に船舶検査活動のようなことをやります海軍というのもそんなに余裕があるわけではございません。みんなぎりぎり、暑い中ぎりぎりの活動をしておるわけでありまして、遊びや冗談でやっておるわけではない。  委員はもちろんやゆ的なわけでおっしゃったわけではありませんが、さきの国会においても、ただのガソリンスタンドをやっているじゃないかという議論があるという御指摘がございました。私は、ただのガソリンスタンドをやっているから漫然とこの活動が続いているとは考えておりません。やはり、そのようにきちんとした検査活動をやっている、したがってテロリストが流出しない、私はそのことには大きな効果があり各国ともやめない、それが私は一番大きな証左ではないかなというふうに考えておるところでございます。
  32. 榛葉賀津也

    榛葉賀津也君 外務大臣、先ほど、今封じ込めを図ると、そして拡散させないためにこのテロとの戦いのミッションをするんだと。実際は逆なんですよ。これによって今アフガニスタンにはほとんど幹部は残っていない。それがパキスタンに行ったり、イラクに行ったり、またある者はインドネシアと連携を取ったりと。封じ込めるはずが、拡散を防ぐはずが、逆に拡散しているのが現状なんです。その議論はまた後ほどしたいと思います。  私が、この結果、成果がどうであったというのは、たくさん捕まえたからよかったね、少ないから駄目だねということではないんです。今、大臣がおっしゃった数字はすべてのミッションですよね。この海上での成果、これはどうなんですか。  これは多い少ないではなくて、大切なのはそれを公表するかしないかだと。透明性とアカウンタビリティーが重要であって、少ないから非難するとか、そういうことを言っているんじゃないんです。一体、海洋上での拿捕や照会無線等で一体何人のアルカイーダやタリバンの残党が捕捉をされたんですか。
  33. 川口順子

    国務大臣川口順子君) 一般論として、情報公開というのは私も非常に大事であるというふうに考えております。  そして、この不朽の自由作戦ですけれども、我が国としてもこの作戦を支援をしていますので、作戦の中心となる米国とは様々な情報交換を行っております。特に、海上阻止活動については自衛隊が燃料補給をやっているわけですので、また円滑に作戦を進めていくためにも情報交換は必要となるわけでございます。  そういう意味で、様々なレベルにおける情報交換、それから米国にいる日本大使、加藤大使と統合参謀本部の議長と意見の交換もいたしました。この点について、海上阻止作戦自体で何人のアルカーイダが捕捉をされたか、あるいは殺害されたかということについての情報は、米軍といたしましてこれはどこにも出さないということであるということでございます。  我が国としては、そういうトップの二人の意見交換において相当な情報はもらって持っておりますけれども、これについては今後の円滑な米軍との協力という観点からも、これについては出してもらっては困るということでございますので、申し訳ありませんがお出しできないということでございます。
  34. 榛葉賀津也

    榛葉賀津也君 私は、なぜこの成果が軍事上若しくはオペレーション上機密であり、出せない数字なのか理解できません。六百億の税金を使い、延べ七千人以上の自衛官が、正に今、防衛庁長官おっしゃったように、過酷な任務を遂行され、うちお二人が亡くなっている。その日本にとって、当然、少なくともこの海洋上での作戦の成果、結果、これは公表されてしかるべき数字であると思います。しかし、この議論は恐らく衆議院と同様平行線でしょうから、別の角度から質問したいと思います。  大臣は、今、三分の二のアルカイーダ幹部を殺害若しくは捕捉したと、拘束したとおっしゃいました。この三分の二の、これは分母は一体幾つなんですか。
  35. 川口順子

    国務大臣川口順子君) 分母については公表できないということでございますけれども、四十名のアルカイダ及びタリバーンの幹部が捕捉あるいは殺害をされた、そのうちのアルカイダについては三分の二ということでございますので、おのずから範囲は数十名ということになるかと思います。
  36. 榛葉賀津也

    榛葉賀津也君 四十名のタリバーン若しくはアルカイダの幹部で、ところが三分の二というのはアルカイダの幹部の三分の二ということですから、これはきっちりと一体どういう状況を持っているのか、みんなして今タリバーンの幹部、アルカイダの幹部を捜しているわけですよね。それがアフガニスタンのトライバルテリトリーだけにいるとは限らない、世界じゅうに拡散している、この数字を何も出さないというのは、私は極めて不思議でしか思えないわけでございます。  官房長、長官にお伺いしますけれども、官房長官にお伺いします、済みませんでした。  この特措法は、いわゆる九・一一を引き起こした者によって同様の脅威がもたらされることを除去するための法律ということが条文にあります。したがって、これは地域を限定したものではございませんね。
  37. 福田康夫

    国務大臣福田康夫君) 必ずしも地域限定ということではない、この起因、原因となるアメリカにおける九・一一のその脅威を除去すると、こういう目的でございます。
  38. 榛葉賀津也

    榛葉賀津也君 それでは、現在アルカイダというのは一体、全体でどれぐらいいるのか、そして世界のどういった国々に拡散しているのか、その国には一体どれぐらいのタリバンがあると思われるのか、それ大体の、恐らく調査されていると思うんですけれども、その点について説明されますか。
  39. 川口順子

    国務大臣川口順子君) 人数ということで申し上げるのは難しいわけですけれども、委員も御案内のように、東南アジアでは例えばバリ島における爆弾テロ、あるいはジャカルタにおけるホテルの爆破事件、あるいはミンダナオ島のテロ事件等々と、幾つかの東南アジアではテロ事件が起こっているということでございまして、これらの多くが、国境を越えて活動をするアルカイダ関連組織であるジュマ・イスラミーヤといったようなところの犯行であるというふうに見られているわけでございます。それから、米国の同時多発テロとの関係では、二〇〇〇年の初めにその実行犯の一部が東南アジアを実際に訪れてジュマ・イスラミーヤのメンバー等と接触をしたということが言われているわけでございます。  それから、先ほど、その人数については、アフガニスタンでの捕捉されたアルカイーダの幹部が幾らかということ等の御質問ございましたけれども、人数は申し上げたとおりでございますけれども、例えばどういう人が捕捉をされたかというようなことについても、私どもは米軍と情報交換はきちんと行っております。
  40. 榛葉賀津也

    榛葉賀津也君 今、外務大臣はインドネシアとフィリピンとおっしゃいましたが、そのほかにはないんですか。
  41. 川口順子

    国務大臣川口順子君) きちんと全部証拠があってということで申し上げることは難しいかと思いますけれども、例えばマレーシアと国境を接したタイ等にも活動が見られるといったような報告というのもございます。
  42. 榛葉賀津也

    榛葉賀津也君 まだまだたくさんあるんですよね、オーストラリアもそう、ヨーロッパもそう、あちこちにあるんです。私は、その可能性のある国々をしっかり国民にお知らせする、それでないと、各地に邦人がいるんですから、きっちりとしたテロ予防を行っていく、そして現状を把握していく、それを説明していく、そういう作業をきっちりとやるべきじゃないんですか。  総理、突然ですけれども、オマル師という人間がいます、オマル師。これはタリバンの一番の指導者でございまして、シューラというアフガニスタンにある伝統的な評議会のトップをされている、そして四人目の娘はビンラーディンの奥さんになったと。すなわち、オサマとオマルは義理の親子になるわけでございます。  このオサマ・ビンラーディンとそしてオマル師を捕捉することが、すべてではないけれども、一つのこの戦いの終わりの節目になることは間違いありません。みんなが、ですからこの二人を捜している。  総理はオマル師の顔というのは御存じでしょうか。
  43. 小泉純一郎

    内閣総理大臣小泉純一郎君) 私は見たことない。写真で見たことはありますけれども、実際会ったことないんで、よく分かりません。
  44. 榛葉賀津也

    榛葉賀津也君 外務大臣、オマル師の顔、知っていますか。
  45. 川口順子

    国務大臣川口順子君) 過去、一枚の写真、新聞に報道されていますけれども、顔がはっきり写ったということではない一枚の遠くから撮った写真、それしか存じません。
  46. 榛葉賀津也

    榛葉賀津也君 アメリカが数千枚のオマル師のビラをまきまして、これがオマルだ、捕捉しろと、賞金まで付けて大々に捕獲キャンペーンをやりまして、ところが、我々がオマル師と、今、大臣おっしゃったように、ぼんやりとした顔が写っていますけれども、あの顔は実はオマルじゃないということが判明をいたしました。  だれがオマル師かだれも知らない。だれも知らないものを捕まえようとしている、こんなことはあり得ないわけでございまして、手品師のような小泉総理ならできるかもしれませんが、これはアメリカの諜報機関も顔が分からないと言っているんですよ。こんな形もない、姿も分からない人間を捕まえるために我々はいろんなことをやっている。  一体、このテロとの戦いは、総理、どうすれば、二年の時限立法延長するそうですけれども、何をもってこの戦いを終わりとされるんですか。
  47. 小泉純一郎

    内閣総理大臣小泉純一郎君) テロとの戦いは長くきついものであるというのを覚悟しなきゃならないというのは、このテロとの戦いが始まったときからの我々の認識であります。  非常に難しい問題で、それでは、このテロとの戦いを放置したらテロはなくなったかというと、私はこれも疑問に思います。だから難しいんです、この問題は。善意の人間、戦いを始めなければテロはなくなるかというと、そうじゃなかったんですから、今までも、善意の人間だろうが無辜の市民だろうが、遠慮会釈なくテロリストの対象になっている。  こういうことについて、攻撃すればもっと報復を受けるからやめようという議論のあるのは分かります。じゃ、果たして、一方では、そしたらもうテロリストの言うままになるじゃないか、テロリストの脅迫に屈してこのテロとの戦いを防止できるのかという議論があります。それはもう堂々巡りです。戦いだけはなくならないと思います。だからこそ、貧困の削減とか紛争地域に対して、その地域に無関心であってはいけない、国際社会で支援の手を差し伸べよう、あるいはお互いが理解し合えるような方策を考えようじゃないかと。軍事作戦だけじゃないと思います。  しかし、今までのような状況テロリスト攻撃を放置して何もしないということがテロリスト活動を防ぐとは私は思いません。難しい問題だと思いますが、これは長く厳しいということを覚悟しなきゃならない戦いだと思っております。
  48. 榛葉賀津也

    榛葉賀津也君 長く厳しい戦いはよく分かりました。  それでは、二年後、恐らくテロとの戦い、とりわけ、このアルカイーダとの戦いは私は終結するのは厳しいんじゃないかと思っています。二年後にこの問題が終結しなかったら、また延長するんですか。
  49. 小泉純一郎

    内閣総理大臣小泉純一郎君) 二年後には、そのときの状況を見て、また国会で審議しなきゃならない問題だと思っております。
  50. 榛葉賀津也

    榛葉賀津也君 私は、洋上でのガソリンスタンドの継続や日米絶対主義の考えも恐らく間違っていないかもしれない、それも一つの外交の選択肢でしょう。しかし、私は、アメリカのパートナーとして、日本はアメリカのパートナーですから、アメリカにできないことを我々がやっていく、アメリカにできないことで日本のできることは何だろうか、そしてアメリカのためになることは何だろうか、それを考えていくことが私は本当の日米同盟の日本の果たす役割なんだろうと思います。  今、世界じゅうがイスラム社会対アメリカ、アラブ対西洋という構図に当てはめられようとしている。私は、そこの溝を少しでも埋めようと努力をすることが、日本の果たす重要な役割である。中国やインドが今アメリカとイスラム諸国との懸け橋になるよう大きく注目されています。私は、日本も大きなその役割を担うことのできる極めて限られた国の一つなんだろうというふうに思っています。  私の祖父、父のおやじも、おふくろのおやじも、さきの太平洋戦争で戦死をいたしました。私の両親は、二人とも戦争遺児として、父親の顔を知らずに私を育ててくれました。私が一番両親に感謝していることは、そして私の祖母に感謝していることは、親を殺しだんなを殺したはずのアメリカを、私を憎まないように教育してくれたことです。歴史は様々あります。そのときの政治の状況もあるでしょう。しかし、現実として私の二人の祖父は戦争米軍によって命を落としました。しかし、私はアメリカを憎むことなく今日まで成長することができました。私は、これが大事なんだろうと思います。  今、イラクやパレスチナや様々な地域で大きな誤解や過ちが行われようとしている。その心の溝を日本の外交が、小泉総理川口大臣が、埋めることができるんです。私はたくさんのことをしたい。しかし、私にはすることが限られています。なぜか。野党だからです。あなたたちは、総理大臣であり、外務大臣であり、与党でいらっしゃる。アメリカのためになり、アメリカができないこと、そしてこの溝を埋める作業に、是非とも私は全力を傾けていただきたいと思います。  総理は明日からASEANの会議のためにインドネシアを訪問されるというふうにお伺いいたしました。アジアの外交や経済問題だけではなくて、恐らくこのテロの問題があしたから、今晩ですか、行かれるASEANで大きなテーマになるんだろうと思います。ですからこそ、恐らくバリ島という場所をASEAN諸国もお選びになった。極めて象徴的なことだと思います。  ところが、先ほど外務大臣がお話しになったように、このインドネシアでテロが大きく拡散している。そして、それがアルカイーダと密接に関係をしている。川口大臣、今、インドネシアのアルカイーダというのは今どういう活動をされているんでしょうか。
  51. 川口順子

    国務大臣川口順子君) インドネシア、島が多い国でございまして、なかなか全体としてその把握というのは難しいということだと思いますけれども、先ほども申しましたように、ジュマ・イスラミーヤ等のアルカイーダとの関連がある組織等、様々な今活動がインドネシアの中ではあるというふうには聞いております。どれぐらいの人がいて、どれぐらい、どこでどういう問題があるかということについては、表に出た実際の爆破事件等はございますけれども、潜在的にはよく分からないことが多いということだと思います。
  52. 榛葉賀津也

    榛葉賀津也君 それでは、大臣、今後インドネシアでアルカイーダによるテロが増えたり、若しくはインドネシアにいるアルカイーダのメンバーが増えるとお思いですか。
  53. 川口順子

    国務大臣川口順子君) テロというのは、テロリストというのは国際的に移動していきますので、国際的に連携を持ってテロリストの移動あるいは関連物資の移動を食い止めるということが非常に重要だというふうに考えております。そういった観点で、そういった取組がどれぐらい功を奏するかということによって今後の動きというのはその影響が出てくる、異なってくると思いますけれども、ASEANの国々同士の間でも情報交換あるいは入国管理等々の点で様々な取組が行われております。  それから、我が国と東南アジアとの関係でも、例えば輸出管理、税関、入国管理、資金の移動、情報の交換といったような取組が行われております。例えばインドネシアとの関連でいえば、我が国はシンガポールを通ずるインドネシアの警察能力の強化といったようなことにも支援をしていっております。  今後、国際社会のこういった取組ができるだけ功を奏して、そしてテロの拡大、拡散、これを止めることができるということが重要だと思っています。
  54. 榛葉賀津也

    榛葉賀津也君 今、アルカイーダがインドネシアを中心に東南アジアで極めてネットワーク化して増殖している。従来のように、アフガニスタン内部で軍事訓練をやったり、そして大規模なテロを指示するということはなくなりました、なくなったと言われています。しかし、その分、逆にテロが拡散し、テロがネットワーク化している。デジタルテロと言われるように、正にウェブサイトやインターネットやメールを通じてテロリストの勧誘が行われていく。そして、テロがどんどんどんどん浅く広くアジアを中心に世界に広まっている。そして、インドネシアの例で言いますと、JI、ジェマー・イスラミア等を中心に、密接にアルカイーダとその思想や資金面でつながってきている。JIは今やアルカイーダの東南アジア支部ということは、もう皆さん御承知のとおりでございます。  正に我々のすぐ目と鼻の先のアジアに、総理が今晩行かれるインドネシアに、もうアルカイーダの組織が暗躍している。そして、バリのテロ、先ほど言ったマリオットホテルのテロ、様々なテロがインドネシアで横行しているのが現状であります。  資料を配付してください。    〔資料配付〕
  55. 榛葉賀津也

    榛葉賀津也君 インドネシアのデジタルジハード、正にインターネットやコンピューターによってテロを勧誘しテロリストを養成していく。そして、この一番のネックが資金源と武器の調達であります。獨協大学の竹田先生も詳しくこの問題を研究されていますが、少し今のインドネシアの状況について皆さんと同じ情報を共有したいと思います。  まず資金源ですけれども、JIには、ジェマー・イスラミアにはタリバンから多くの資金が流れます。それだけではなくて、精神的指導者であるバジル師にはイスラム学校の卒業生が定期的に献金をして、それがJIの資金源にもなっています。合法的にベンチャービジネスを起こして資金を稼ぐこともあります。しかし、非合法的に、人身売買をしたり麻薬を売ったり武器を密輸したりしてお金を稼ぐことがあります。  そして、もう一つ大きな点は、東南アジアにいる華僑がこのJIにお金を払い、自分たちはテロの被害を受けないように、いわゆるクオーツ、税金をテロリストに払っているとも言われています。  もう一つが武器の調達であります。ここに地図を配付させていただきました。インドネシアの武器は大きく分けて二つあります。一つは国内で武器を調達する、そしてもう一つは国外から武器を調達する方法であります。  一つ目の国内調達ですけれども、インドネシアの小型兵器は、いわゆる国軍であるとか警察であるとかミリシアという民兵が、自分たちの生活費を稼ぐために自分たちが持っている武器をテロリストに売ってお金に換えている。しかも、東ティモールやアチェでは独立派を一掃するために国軍が多くの武器を大量に供与している。これが回り回ってテロリストの下に渡っていく。  二つ目の国外調達でありますが、一つは右にあります、先ほど大臣もおっしゃいましたフィリピンとの関係であります。  御承知のとおり、フィリピンは、イスラム教の国ではなくキリスト教の国でございますけれども、ただ一つの例外はミンダナオ島であります。ミンダナオ島で武器を調達し、それがセレベス海を南下して、スル海峡沿いへ行って、西へ迂回してジャワ島へ行く。若しくはサンギヘ諸島を通ってジャワ島に行く、この海上ルートであります。そして、ここには無数の島がたくさんあるものですから、いつでも逃げ込めるわけですね。正にこの地域が武器輸出の、密輸の天国になっている。  そして、もう一つのカンボジアルートであります。  カンボジアは、御承知のとおり十数年にわたって内紛が起こっておりました。小型小銃等は民間に大きく広まっている。ちょっと前まで市場でも我々も武器も容易に買うことができたくらいの状況でありました。その武器がマラッカ海峡を通ってアチェに行く。大臣が熱心に今、力を入れていらっしゃるアチェの問題、実はこの武器ルートが大きな背景にあることを我々は忘れてはいけないということであります。  この武器ルート、そして資金調達面、今、政府はどのようにしてこのアルカイーダと密接に関係した資金の問題、武器の問題に対して対応されようとされていますか。
  56. 川口順子

    国務大臣川口順子君) アジア地域でこういったテロに対応していく能力を身に付けてもらう、キャパシティービルディングの支援というのが我が国がアジア地域において中心的にやっていることでございます。この分野というのはテロ資金、委員がおっしゃったテロ資金もありますし、また物の移動、輸出管理あるいは警察、法執行機関といった分野、出入国管理、航空保安、税関といった協力がございますけれども、例えばこういった六つの分野において、日本としては、研修員を受け入れ、セミナーを開催をしております。平成十四年度には二百四十九名、ほぼ二百人を超える人数を十三年度も十四年度も受け入れております。  それから、生物化学兵器というのも新しい問題としてあるわけでございまして、そういった生物化学兵器によるテロ、これがあった場合の危機管理、あるいは被害にどうやって対処をするかというセミナーも我が国は行っております。この分野では、これは昨年、APEC首脳会議の際に総理からおっしゃっていただいて、平成十五年度から三十名ずつ、五年間で合計百五十名を受け入れますということを総理が昨年おっしゃられました。  また、テロ防止関連条約を各国が締結をすることも重要であるというふうに考えております。また、情報面の協力というのも、テロ協議ということを大使級でやっておりまして、タイやインドネシアやマレーシアとこれは行っておりますし、もちろん米国、豪州とも行っております。  こういった様々な取組を通してキャパシティーを育ててもらうという協力を行っております。
  57. 榛葉賀津也

    榛葉賀津也君 極めて具体的なこのような質問を私は本来民主党の冒頭の質疑でするべきではなかったかもしれませんが、総理が夕刻からASEANに行かれる、極めて重要な問題だと思いまして、あえて総理にこの問題認識を持っていただきたいと思っておりました。  フィリピンは、島がたくさんあって逃げ込むことができるからなかなか取り締まることができない。他方、インドネシアの、このプーケットから、タイのプーケットからアチェへのルートは、逆に島が何もないから定点的に観測することができずに武器がどんどん入ってくる。そして、タイやインドネシアの警察や軍隊は、この問題を正にノーチェックの状態であります。  日本人や日本の企業が今テロに襲われる可能性が極めて高くなりました。それは、イスラム関係諸国が、日本は何でもかんでもアメリカの言うことをやっているだけだという誤解、若しくは事実かもしれません──誤解。そしてもう一つが、資金源を、資金を目的にして邦人を拉致する、誘拐するといった事件が多発するんです。そして、命が欲しかったら身の代金をよこせ、この誘拐が今テロリストの大きな資金源になっている。インドネシアだけではなくて、中南米を始めとする各地でこういった事件が相次いでおります。  大きな大企業はテロ対策や正に企業予防をやっていますから、少なくともセーフティーネットがあるかもしれない。しかし問題は、海外で活躍している中小の企業の方々であります。中小企業が苦しいのは何も日本国土だけではありません。海外においても、こういった中小企業からまずねらわれて、そして危ない目に遭っていくということは私は決してあってはならないと思います。  総理是非、この東南アジアでの小型武器の回収の問題、そして東南アジア諸国が、日本協力して国際的にこのシーレーンをパトロールしていく共同アクションを是非提案をしていただきたいと思いますが、総理のお考えをお聞かせください。
  58. 小泉純一郎

    内閣総理大臣小泉純一郎君) 今までも、テロが二年前にニューヨークで起こる前から日本の船が海賊で随分被害に遭っていたんです。日本人は海賊なんているのかと当時話していたとき信用しない方も結構多かったんですが、実際、表面に出ませんが、海賊の被害を受けている日本企業の船なり会社員は結構いたわけですね。  テロの契機に、テロ対策のみならず、海賊対策、あるいはそのような海賊を防ぐための装備面、情報面、連携しながら総合的に対応しようという対策はかなり進んでおります。もちろんまだまだ不十分な点もたくさんあります。こういう点については、インドネシアにおきましてもフィリピンにおきましても当然日本におきましても一国だけではできません。各国協力が必要だということでこの問題については取り組んでいかなきゃならないと思っていますし、それぞれの国情がございます。インドネシアにおきましては、イスラム教徒が非常に多いし、また反米感情も強いところであります。フィリピンにおいては、フィリピン国内治安状況につきましてもフィリピン独自の考えがございます。それから、米軍、米国との関係もその国によって違います。  対応がそれぞれの国、違うんですが、このテロ対策あるいは海賊対策につきましては共通して取り組む、また何としてでもこれを防止根絶に向けて取り組むという共通の認識を持つことができておりますので、この方面の対策もこれからしっかり取り組んでいきたいと思っております。
  59. 榛葉賀津也

    榛葉賀津也君 幸いにして、日本海上保安庁はこの海賊対策において非常に国際的な共同訓練を今までやってきているという実績もございます。是非日本がイニシアチブを取られまして多国間レベルでの協議、海上での臨検態勢というものをしっかり構築していく、それを是非大臣に、総理に強く要望しておきたいというふうに思います。  今までるる話をしましたように、極めてアルカイーダというものは包括する、閉じ込めると言いながらも拡散しているのが現状、しかもどこに何人いるのかも分からない、若しくは分かっても言えない。東南アジアではアルカイーダと関係のないテロリストがどんどんアルカイーダと連携を取り、結束を図っていく、広く浅くテロが進行していく。そして、日本人も、そして日本の企業もこのテロの危機に日々直面している。  私は、この認識の下、我々が根本的に間違っているのは、総理のおっしゃる、テロは撲滅しなきゃいけない、テロをなくすんだ、確かに理想は結構だと思います。しかし、私はここで発想を転換する必要がある。テロはなくならない、アルカイーダのテロを減らす努力はできても、この人間の社会からテロはなくならない、だからこそ、テロからいかに防ぐか、テロをいかに最小限にするかといった基準に立って日本人を守っていく、そしてテロを抑止していくという方向に変わる必要があるんだろうと思います。  総理はよく民営化という言葉を使われますが、テロというのは戦争の民営化なんですよ。しかも、ルールなき民営化なんです。戦争をどんどんどんどん自分たちの都合のいいように民営化して、大義名分くっ付けてルールなき攻撃を、戦争をしているのがこのテロなんです。これをなくすというのは極めて難しい。しかも、二年の時限立法で付け焼き刃的にこれに対応するというのは極めて難しい問題があります。  総理、将来、この包括的なテロとの戦い、これを何らかの形できちっとした法律の枠組みをはめて恒久法等、今後考えていくお考えはありませんか。
  60. 小泉純一郎

    内閣総理大臣小泉純一郎君) 先ほども自民党の森山議員の質問ございましたが、恒久法というもの、どういうものかまだ具体的中身ははっきりとしませんが、テロにしても、あるいは各地域国際紛争に対して日本としてどう対応すべきか、また自衛隊在り方、こういう点について、その都度一つの事案に対して法律を作るというのではなくて、全般的なテロ対策、平和定着作り、あるいは国際社会での紛争対処に対して、一般的に一つの法律で時限を限らないでできるというのがどういうものになるかという点については少しく時間を必要だと思っております。また、各方面の意見も、日本だけでなくて国際社会との動き、さらには、日本憲法という、この憲法の枠内で自衛隊を派遣する場合にどこまでできるものかという問題もあります。  そういう点も含めて恒久法というものは検討していいのではないかと。これはかなり時間が掛かると思いますが、そういう御指摘も各方面からいただいておりますので、今後検討を進めていきたいと思っております。
  61. 榛葉賀津也

    榛葉賀津也君 次、テロアフガニスタン国内での治安の問題について川口大臣にお伺いしたいと思います。  ちょうど一か月前の九月八日、アフガニスタン南東部のガズニ県というところのマクール村でダカールというデンマークの給水専用のNGOが襲われまして、現地人のドライバーとダカールの現地スタッフ四名が、NGOですよ、タリバンに車から引きずり降ろされまして、そこで銃殺をされたと。四名が亡くなり一人が重傷を負いました。  今、このタリバーンやアルカイーダの残党が、正にテロなのか、それとも治安の悪化で起こっているのか、この二つが非常に分かりにくくなってきている。テロと対峙するためには、アフガニスタン国内治安問題を抜きにして今語れないのが現状であります。  そこで、今、日本がコミットしているのがDDRでございますけれども、大臣、今のDDRの進捗状況は一体どうなっているでしょうか。
  62. 川口順子

    国務大臣川口順子君) これは委員も御案内のように、DDR、これは我が国国連と一緒になってアフガニスタンの中で主導をしているというものでございます。  これについては様々なことをやっておりまして、例えば今年の二月には東京で国際会議を開きまして、「平和の定着」東京会議、これはDDRに関するものですがいたしましたし、またそのDDRのプロセスの実施をしていくためのアフガニスタン新生計画、ANBPと言われていますが、これに対しての財政的なあるいは政策的な支援を行っております。  それから、日本アフガニスタン大使館においては、DDR班というのを設けましてこれを行っている、今準備段階の最終局面にございます。  そして、DDRプロセスが、今月中にもこれがスタートをするということを我が国としては目指しておりまして、まず北部のクンドゥースというところで始めようというふうに今考えておりますけれども、そこを、地域を訪問したり、あるいは様々な現地の国連あるいは米軍の関係者、ISAFの関係者等々と今意見交換を行っているところでございます。
  63. 榛葉賀津也

    榛葉賀津也君 DDR、元兵士の武器を解除して、社会復帰させて、そして動員を解除しているというような運動に、正にとてもチャレンジングな非常に重要なミッションに日本が初めてコミットしていると、私は極めて注目しているんですけれども、心配している点が二つあります。  まず一つは、DDRが進む、とりわけ前のDとDが進んだ場合、治安の真空化が残ります。現実問題として軍閥が今地方の治安を維持しているという皮肉な状況にありますが、これをどういうふうにやっていくのか。そして、これをやっていく際の日本の人的ソースの安全面がどう担保するのか。そしてもう一つが、基本的な問題ですけれども、こういったことをやる人的ソースが本当に日本にあるのかどうかということでございますけれども、大臣、この点はどうでしょうか。
  64. 川口順子

    国務大臣川口順子君) 最初におっしゃった力の真空の問題、これは一つの課題でございまして、十分に注意をしながら進めなければいけないと思っています。  軍閥、地方に割拠をしている、あるいは地方に存在をする武器をなくしていくということですから、当然、その武器がDDRによってどこかに収められたところは力が弱くなるということです。それはどのように対応しようとしているかといいますと、一つは、軍閥の中で自分たちがやりたいと考えるところ、そこからやっていくということでありまして、アフガニスタンももう二十数年間ずっと戦いを続けてきていて、平和が欲しいとみんなが思っているわけですから、DDRに協力をすることによってアフガニスタンが良くなるというふうに考えている人たちと一緒に組んでそこから始めていくということであり、それから、ISAFと話をして、その力の真空をISAFにいってもらうとか、そういうことで埋めていく、そういった動きが重要でして、ひとつ注意しながらやらなければいけない課題だというふうに思っています。  それから、二番目の人材の問題ですが、これも一つの大きな課題であると思います。現在、アフガニスタンの大使館には伊勢崎先生とおっしゃるこの道非常によくお分かりの方が中心になってやっていただいていますけれども、まだまだ日本国にこういったDDRの仕事をやっていける人材が十分にいるかというと、そういうことではありません。我が国の大使館にあるそのDDR班、一生懸命やっていますが、必ずしも十分ではないかもしれない。  これは、そのDDRは日本だけでやるということよりは、基本的にアフガニスタン政府がやることを日本として支援をしていくということでございますので、今、日本が活用可能な人材で支援をしていき、もちろん財政的にも支援をしていくということですし、長期的にはこういったDDRあるいはその他の面でアフガニスタンの復旧・復興あるいは広く国際社会の平和の定着の問題にかかわっていける人材を育てていくことが必要だと考えます。
  65. 榛葉賀津也

    榛葉賀津也君 従来はアフガニスタンにおいて外国人、とりわけ欧米人がテロの対象になりましたが、現在はNGOに関与するアフガニスタン人や、様々な部族の人間でさえテロのターゲットになるようになりました。そして、必ずテロリストは、NGOに協力するなと言ったはずじゃないかと。彼らのねらいはたった一つ、カルザイの政権の足を引っ張り、国の再建を遅らせてカルザイ政権の信頼をなくし、もう一度自分たちの世界を築いていきたい。それに我々は今総力を挙げて戦っているわけでございます。  JICAも依然として二か所しか事務所を持っておりませんし、今後PRTとの連携も極めて重要になってくるんだろうと思います。是非大臣におかれましては、アフガニスタン治安維持に全力を傾けられまして、イコールそれがテロ対峙と密接につながっているという御認識を持っていただきたいというふうに思います。  最後に、私の尊敬するある外交官が、この問題の根っこはやはりパレスチナ問題だと私にアドバイスをしてくださいました。全くそのとおりだと思います。冒頭、シリアの話をいたしましたが、ロードマップは崩壊寸前、若しくは崩壊していると言ってもいいかもしれない。アラファトもやりたいことをやっている。この中東の和平の問題を是非あきらめずに根気強く進めていただきたいと思います。  川口大臣のこの中東和平に対する心意気を最後にお伺いして、私の質問を終わります。
  66. 川口順子

    国務大臣川口順子君) 中東和平の問題は、この地域の根幹の問題であるというふうに思っております。我が国はどちら側にも加担を今までしたことのない中立的な立場で、委員がおっしゃるように、粘り強くこの問題に我が国としても取り組み、貢献をしていきたいと思っています。
  67. 榛葉賀津也

    榛葉賀津也君 ありがとうございました。
  68. 遠山清彦

    ○遠山清彦君 公明党の遠山清彦でございます。  小泉総理におかれましては、外遊前に大変にお疲れさまでございます。  まず、今特別委員会におきましては、このテロ特措法の改正、延長問題が議題になっているわけでありますけれども、公明党は、既に衆議院の国会論戦あるいは参議院での論戦でも表明しておりますとおり、この法案の改正に対して賛成の立場でございます。  私は、日本が積極的かつ主体的に国際的な平和貢献に関与していくあるいは参画をしていくということは、これは憲法前文にうたわれた平和主義の精神の具現化にほかならないと考えております。憲法前文の一部を援用させていただきますが、憲法前文にはこういうところがございます。「全世界国民が、ひとしく恐怖と欠乏から免かれ、平和のうちに生存する権利を有することを確認する。」と。日本でも、一部の政党はいまだに、「平和のうちに生存する権利」というものが日本人だけに確保されればよいかのごとき狭い解釈をしていると私は思っておりますけれども、それは自国のことのみに専念する議論であると思います。私は、日本憲法の射程というものは日本人だけでなく、この「平和のうちに生存する権利」というものは、イラクの人々であれアフガニスタンの人々であれ有しているということを私は日本憲法は確認しているというふうに思います。  その権利を有している日本人以外の人々がその権利をしっかりと行使できるような環境を整備するために、我が国としてやれることはすべてしていこうということが、私は、今年の通常国会あるいは今この臨時国会議論していることの本質ではないかというふうに思います。  この点についての小泉総理の御見解を伺うと同時に、また、付け加えまして、総理、今、憲法改正論議がかまびすしくマスコミ等でも取り上げられておりますけれども、私は、この現在の日本憲法前文の精神というもの、理想というものは変える必要がないほどの歴史的なまた名文章で表現されていると思いますけれども、この点も併せて総理の御見解を伺いたいと思います。
  69. 小泉純一郎

    内閣総理大臣小泉純一郎君) 今、遠山議員が憲法の前文について重要な点を指摘されたと思います。日本国だけのことではないと。  これは、繰り返しますが、「われらは、平和を維持し、専制と隷従、圧迫と偏狭を地上から永遠に除去しようと努めてゐる国際社会において、名誉ある地位を占めたいと思ふ。われらは、全世界国民が、ひとしく恐怖と欠乏から免かれ、平和のうちに生存する権利を有することを確認する。 われらは、いづれの国家も、自国のことのみに専念して他国を無視してはならないのであつて、」云々と書いてあります。こういうことを考えれば、自国のことだけではない、全世界国民が平和のうちに生存する権利を有するということを込められた憲法の前文だと思っております。この大きな理想に向かって、「日本国民は、国家の名誉にかけ、全力をあげてこの崇高な理想と目的を達成することを誓ふ。」、これが日本憲法の前文であります。  そういう憲法の精神を高らかにうたった前文と各憲法の条項、その中にあって、日本が平和主義、民主主義、基本的な人権を守りながら、自国民の平和と安全、福祉推進と同時に国際社会においてどのような責任ある役割を果たしていくか、これが今求められているのであって、私はこういう点を踏まえまして、二年後、我が自由民主党におきましても結党五十周年を迎えるものですから、時代に合った憲法というものをどう変えていくかという一つの案を考えたらどうかと。まだ二年ありますので、それぞれの意見、各方面から聞きながら、我が党独自の案をまとめて国民的な議論を喚起すべき時期に来ているのではないかと、そういうことを今党として検討しているところであります。  もちろん、憲法改正においては、国会の三分の二以上の議員の発議によって、賛成によって国民全体の投票にかけられるわけでありますので、各方面から議論は当然出てくると思いますが、第一党の自由民主党が案を出すということによって、そういう国民の間に活発な、有意義な議論が展開されて、より良い憲法が制定される環境ができればいいなと思っております。
  70. 遠山清彦

    ○遠山清彦君 ありがとうございます。  憲法改正のお話を忌憚なく披瀝していただきましたけれども、私ども公明党も、従来の論憲という立場から、最近は加憲と、加える、必要な新しい条項は憲法に加えることもやぶさかではないという立場を表明しているわけでありますが、私はこの憲法、そういう中に、時代に合った議論というものをしていかなきゃいけないという一方で、やはりこの憲法の、積極的な国際貢献をしていくということを含んだ憲法の平和主義、それから基本的人権の尊重、それから主権在民と、この三つはしっかりと堅持をしなければいけないと思いますし、また、今のこの日本憲法が出てきた歴史的背景というものの大事な部分というものは、例えば今私は前文を引いたわけですけれども、この前文の、前文の理想というものは私は残しておくべきではないかというふうに個人的に思っております。  ちょっと次の質問に移らさせていただきますが、先ほど民主党の榛葉委員からも一部、アメリカの言うがままではなくて、日本独自の貢献をした方がいいというお話をしておりました。私も同感なわけでありますが、他方で、榛葉委員が最後に質問されたこのDDR、元兵士の武装解除、それから動員解除、そして社会への再統合ですね、これを日本が、ある意味歴史上初めて主導的立場から政策の策定の段階から関与してやっているということは、正にアメリカ軍がやっていない、米国がやっていない、しかし平和構築にとってはある意味アフガニスタンで最重要の仕事をやっているということは、私は政府は既にそういう意識でもう仕事をやっているんだというふうに思っております。  先ほど、川口外務大臣御紹介しておりましたこのアフガニスタンでのDDRの責任者をしておられるのは、伊勢崎賢治さんという立教大学院の教授でございますけれども、私も個人的に何度かお話をさせていただきました。  この武装解除の問題というものは、大変重要であると同時に、大変日本にとってはやりにくい面もございます。平和憲法の制約上の下、軍事的な面で参加するということは、主導するということはできないと。ただ、武装解除された兵士が社会に再統合される中で、新しい仕事、雇用がなければ、これは社会が不安定化することはだれの目にも明らかなわけですから、そこの部分で中長期的に日本がやれることというのはあるんだろうなというふうに思っております。  ただ、この伊勢崎賢治日本政府特別代表、DDRに関して代表なんですけれども、が最近の雑誌の投稿で、障害になっている一番大きな問題点を指摘しているんですね。  それは何かといいますと、伊勢崎さんはシエラレオネでこの武装解除、五万人の元兵士の武装解除を成功させた日本人で唯一のそういう経歴を持った方だと思いますが、ただ、そのシエラレオネのときは一万七千五百名の平和維持部隊、PKFがいたんですね。この部隊が中立の軍事力として存在したために、元兵士たちが、新政府側と反政府側のゲリラの兵士たちが武装解除に応じたという背景があるんです。ところが、アフガニスタンではISAFという米軍中心の治安維持部隊がある。しかし、必ずしも中立でない。それから、カルザイ大統領の下の新国軍、これはある軍閥、一つの軍閥からの軍人が主体の軍になっておりますから、やっぱり中立じゃないというような状況の中で、PKFはありません。ありませんので、中立の軍事力がアフガニスタンにない中でこの武装解除をやるというのは大変だという指摘が雑誌の中であるわけですね。  それで、これは伊勢崎さんも示唆しておりますし、私が外務省からいただいた書類にも書いてありますけれども、中立的な国際軍事監視団というものを創設しなきゃいけないということを日本政府が提唱して、他の参加国との調整を開始したという話があるんですけれども、これは川口外務大臣、本当でしょうか。
  71. 川口順子

    国務大臣川口順子君) それは事実でございます。  委員もおっしゃられましたように、国際監視団がいるということはDDRの過程が中立的に、中立性、信頼性を持って行われているということを示す上で非常に重要であるわけで、委員もおっしゃられたように、アフガニスタンには国際監視団というのは今ないわけでございます。  カルザイ大統領がこのDDRをスタートするときの大統領令というのがございまして、これはまだきちんとした意味で、公布は間もなくされるということで、今の、今日の時点ではされていませんけれども、この中にも国際監視団を設置をするということが大事であるということが書かれているということでございます。  我が国はこの設置を提唱をし、そして今までUNAMAと一緒に監視団がどういう役割を果たし、あるいはどういう構成を持つべきかということについて検討をしてまいりました。この取組アフガニスタン政府からも高く評価をされているというふうに考えています。
  72. 遠山清彦

    ○遠山清彦君 これはまた外務大臣になるかと思いますが、このDDRをスムーズに実施するために今検討されている国際軍事監視団というのは、いわゆる従来のPKOの、国連のPKOのミッションのような形で作られて、場合によっては日本自衛隊も参加可能というような形で考えておられるんでしょうか。
  73. 川口順子

    国務大臣川口順子君) 今、大統領令、これで考えられています国際監視団というものの機能は、まず非武装で公正な選択、除隊兵士の公正な選択そして登録を監視をする、そして除隊作業、武器の回収作業を監視をする、動員解除から社会復帰が適切に進んでいるということについて監視をするということでございまして、今、こういった観点で具体的に何ができるかということですけれども、例えばISAFに行って見てもらうということも一案としてあるだろうし、それからカブールにある各大使館の武官団に行ってもらって見てもらうということも実際にはあるだろうと思います。  いずれにしても、国際的にも、それからアフガニスタン国内双方の監視というのが必要であるというふうに考えておりまして、一応非武装ということでございますので、この国際監視団に自衛隊を派遣するということは今の大統領令の枠内では想定をされないことだろうと思います。
  74. 遠山清彦

    ○遠山清彦君 分かりました。  まだ全部詰まっていないようですので、また詰まってきたところで機会があれば国会議論をしたいというふうに思います。  あと、小泉総理におかれましては、是非アフガニスタンへの日本貢献というと、さっきからしょっちゅう出ていますけれども、やゆされるような形で、洋上のガソリンスタンドというような形で自衛隊の、海上自衛隊給油活動ばかりが取り上げられてああだこうだと言われておりますが、私は、今このアフガニスタンで例えばやっているDDR、これはもう重要な平和貢献の作業ですから、これは日本の主導でやっているんだということを機会あるときにまた国民にしっかりアピールをしていただいてほしいというふうにお願いをしたいと思います。  時間が私余りありませんので、もう最後の質問になっちゃうかと思いますけれども、私、実は国内の、日本テロ対策の関連資料に目を通しているときに非常に気になることが一つございまして、それを最後に質問させていただきたいと思います。  国土交通省から副大臣来られているかと思いますが、日本でもオウム真理教によるテロがございましたし、また、これは火災ですけれども、今年二月には韓国の大邱市で地下鉄の駅の火災というものがありました。総理、よく御存じのとおり、交通機関というのはテロの標的になりやすいわけですね、不特定多数の人間を一度にねらいやすいという意味で。  実は、この韓国の大邱市の地下鉄火災を受けて、国土交通省が日本の全国の地下鉄の駅を調査をしました。私、データ全部いただいていますが、六百八十四の地下の駅のうち、排煙設備や避難誘導設備などで基準を満たしていない駅が何と二百六十八もございます。  もうちょっと具体的に言いますと、排煙設備、つまりホームで煙がこもったときにこれを外に煙を出す設備が不備な駅が何と二百、それから避難誘導設備の不備が百三十二、消火設備の不備が五十六、通報設備の不備が三十五と。これらを幾つか兼ねている駅もありますから、総数が二百六十八というふうになっているわけです。  これらの駅は何で不備かというと、国土交通省から説明いただいたら、一九八二年の火災対策基準制定前にできた駅がこういう不備があるということなんですが、私、総理、びっくりしたのは、オウム真理教のあの事件があって、それでまたほかの、お隣の韓国でもああいう火災があって、国土交通省が調べたら三百近い駅で全く不備があると。  それで、総理、もっと衝撃的な話をちょっと具体的にしますと、私が通勤で使っております丸ノ内線、これは……(「私も使っている」と呼ぶ者あり)ああ、そうですか。使っている国会議員の方、多いみたいですが、丸ノ内線は古いだけにほとんどの駅が不備なんですね。私、特に主要駅、例えば東京駅を見ると、排煙設備、ホームの階及び事務室の排煙設備なし。それから、どんどん近づいてきますよ、総理に。霞ケ関、排煙設備、ホームの階の排煙設備はなしと。コンコース階の煙の拡散容積不足等とあります。それから、国会議事堂前駅は最悪に近いですね。避難誘導設備は避難通路が一通路のみと。ですから、もうパニクった乗客が一つの通路に殺到してしまうということで、避難誘導設備も不備。それから、排煙設備もホーム階の排煙設備はないと。これは恐らく英米の、海外の危機管理の担当者が見たら、日本は何を考えておるんだと言われてしようがないというふうに思うんですね。  それで、ですから、残り時間も余りありませんけれども、国土交通省の方から、国土交通省調べて知っているわけですから、どういう対策をこれから取られるのかということを簡潔にお話しをいただいて、最後に総理総理総理として、リーダーとしてこれどうするのか。国会議事堂前の駅でこれですからね、ほかはいわんやですから。よろしくお願いします。
  75. 佐藤泰三

    ○副大臣佐藤泰三君) ただいま御指摘の韓国の大邱市地下鉄に関しまして、二月十九日で鉄道事業者に火災対策の一層の整備充実を図るとともに、調査の結果が、今、委員申し上げたとおり、六百八十四駅のうち、昭和五十年以前の二百六十八駅が不備を指摘されました。  よって、この結果を踏まえまして、地下鉄の火災対策基準に適合しない駅につきましては、平成十六年度より五年間で火災対策施設の整備を義務付けるとともに、特に大規模な改良工事を要する避難通路や排煙設備の整備に関しましては支援していきたいと考えているところでございます。  さらに、今後の地下鉄道の火災対策在り方につきましては、消防庁と協力しまして地下鉄道の火災対策検討会を設置し、総合的に検討を進めてまいりたいと思っているところでございます。  以上でございます。
  76. 遠山清彦

    ○遠山清彦君 はい、済みません。まだあと一分ありました。  総理に一言最後聞きたいと思いますが、今、総合的に検討するというお話ですけれども、もうこれは早急に総理主導で手を打っていただいて、民間の駅ではありますけれどもみんなが使っている駅ですから、もう既に一回地下鉄でテロがあったわけですからね、日本は。そういう意味で、是非総理から、これ対策をしっかりやるという御答弁をいただきたいと思います。お願いします。
  77. 小泉純一郎

    内閣総理大臣小泉純一郎君) 今、調べていただいてこれだけ不備な点があると。この不備な点、しっかり安全面、十分な対策ができるように更に、早速指示を出したいと思います。
  78. 遠山清彦

    ○遠山清彦君 以上で終わります。
  79. 小泉親司

    小泉親司君 日本共産党の小泉親司でございます。  本会議の質問に続きまして、小泉総理質問させていただきます。  今日は、私は強く、多くの時間を、審議時間をと要求してまいりましたが、大変限られた時間しか与えていただきませんでしたので、私、イラクの派兵問題に限りまして、絞りまして質問させていただきたいというふうに思います。  まず、大量破壊兵器の保有をめぐる問題でございます。  今、イラクの情勢というのは私は大変泥沼化している。これはなぜかといえば、私は、戦争と占領に大義があるのかと、大義はなかったと、ここにやはり一番大きな問題があるんじゃないかというふうに思います。  最近、皆さん会館で見られたかと思いますが、日本ユニセフ協会の報告書が出まして、ここで日本ユニセフの協会大使であるアグネス・チャンさんが報告しておられる。その報告の中でアグネス・チャンさんが何と言っているかというと、戦争の直接の被害に遭ったイラクの人々にも会いました。例えば、空爆で家族が犠牲になったアデル・アリ・ムサさん、ムサさんは、朝五時のお祈りのために家の外に出て体を洗っていたとき、飛行機の音がして、次の瞬間、爆弾が家を直撃したというんです。ちょうど末の息子が家から出てこようとしていたところで、息子さんは死んだんですかと私が尋ねたら、ムサさんは涙をこらえて、死んだんじゃない、殺されたんだと言いました。こういう報告がされている。  私は、こういうやはり戦争というのは非常に大きな被害を及ぼすものだ、特に民間人に被害を及ぼすものだと思います。その意味でも、戦争の大義があったかどうかと、この点については私は厳しく問われなくちゃいけないんじゃないか、こういうふうに思います。  そこで、総理に私、幾つかお尋ねしたいんですが、今度のイラク戦争の最大の理由は、言うまでもなく大量破壊兵器の保有の問題でありました。総理戦争支持したのも、大量破壊兵器イラクが保有しているということでございました。私どもは、総理がメールマガジンで、イラクは保有していると、大量破壊兵器を保有しているということを断定したことについて、我が党の志位委員長がその保有の根拠をただしました。これはまあ私も繰り返すと大変恥ずかしい話ですが、フセイン大統領が見付かっていないから大統領は存在しなかったと言えるかという詭弁を弄すだけだと。  私、この前も、イラク特措法のときにも総理がここで答弁して、私とあそこで、詭弁だと言ったら、総理は詭弁じゃございませんと言いましたが、そういうことを繰り返しただけだと。そのときも総理は、いや、大量破壊兵器は私はいずれ見付かると思いますと、こう繰り返していた。  ところが、今度、あの六月十一日の審議から経ますともう四か月近くになる。ところが、この間、アメリカも調査団を派遣しまして、これも総理も御存じかと思いますが、ダビッド・ケイ氏が率いる調査チームがイラクに送られた。今度、中間報告が、暫定報告とも言われておりますが、これが上院の情報委員会でも報告をされている。ところが、これでは大量破壊兵器を発見できなかったという趣旨であります。  じゃ、そうなるとこの問題が非常に重要な問題になるんですが、ちょうど十月二日に行われた上院情報委員会の審議の前に、総理は、一日の衆議院予算委員会でも、いずれ見付かるということを繰り返している。  そこでお尋ねしますが、いずれ見付かるとあなたが言っている客観的根拠、これは何なんですか。
  80. 小泉純一郎

    内閣総理大臣小泉純一郎君) それは、過去、フセイン政権が自国民に対して大量破壊兵器を使って大量殺人、殺りくを行ったということ。既に数千体の遺体が見付かっている。なおかつ、クウェート侵略以降、そのような国連の査察団に対して誠実に、無条件に応じてこなかった。そういう観点からすれば、私は、この問題について国際社会が大いなる疑問を持ったのは当然だと思います。  また、なぜ、まだ見付かっていないから、ないんじゃないかという意見も、フセイン大統領だってまだ見付かっていないんですよ。生死も判明していないんですよ。詭弁でも何でもないんです。オサマ・ビンラーディンだって、まだ生死分からない。フセイン大統領、見付かっていないから、いなかったとは言えないと。  今、大量破壊兵器が見付かっていないから、もうないとも断定できないでしょう。詭弁でも何でもないですよ。だから、私は、今後もこの作業を継続していく必要があると思う、そう思っております。
  81. 小泉親司

    小泉親司君 私がお聞きしているのは、総理は、少なくとも保有していると断定されているんです。  それで、さらにその上に立って、今度は、いずれ見付かると言っておられる。だから、その根拠は、客観的根拠を示さないと、それはフセインの話を幾ら出しても、あなた、そんなことを繰り返していて、本当に私は、戦争の大義があったかどうかということをまじめに考えると私は絶対に思われない。  だから、その、あなたは断定し、いずれ見付かると言っている。しかし、今度のアメリカの報告でも、これは未発見であると、こう言っているわけです。だから、その根拠を、少なくとも総理が客観的根拠を示さないと、私は先ほども申し上げましたように、多くの世界の人々も、日本の人々も納得いかないんじゃないですか。  総理、いかがですか、その点は。
  82. 小泉純一郎

    内閣総理大臣小泉純一郎君) いや、客観的に根拠を言ったじゃないですか。
  83. 小泉親司

    小泉親司君 客観的じゃないじゃないですか、全然。
  84. 小泉純一郎

    内閣総理大臣小泉純一郎君) まず、かつてフセイン政権は自国民に対して大量破壊兵器を使って殺りくしたと。既に数千体の遺体も、遺骨も発掘されている。なおかつ、持っていないんだったら何で国連の査察を拒否したんですか。客観的な根拠を述べているじゃないですか。そして、フセイン大統領がまだ見付かっていない、フセイン大統領が存在しないと言えるのかと。言えないでしょう。恐らく、フセイン大統領が見付かっていないけれども、イラクにフセイン大統領は存在したとほとんどの人は思っているんじゃないですか。いまだに大量破壊兵器が見付かっていないから、なかったと断定できるのか。私は断定できないと思いますよ。  そして、あのケイ博士は、記者会見で概要を以下のとおり述べています。報告書は中間的なものである。これは継続している調査である。我々は三か月しか作業を行っていない。今後行うべきことは多い。現時点までにサダムを含むイラク政府高官が将来のいずれかの時点で大量破壊兵器生産を継続するとの意図を有していたことを示す重要な証拠を発見した。現時点で我々は実際の兵器を発見していない。六—九か月以内に我々が区切りを付け、もうこれ以上は発見すべきものがないであろうとすることができるのではないかと考えているというのがケイ博士の記者会見での発言であります。
  85. 小泉親司

    小泉親司君 総理は今、官僚のお方がお書きになった論文を読んでおられるからですが、私は、正式にこれ、ケイ氏のアメリカの上院の情報委員会での証言録を持っております。この証言録の中で、これは明白に、我々が発見する、つまり、暫定報告だということは私も言いましたからね、ところが、我々が発見するものは恐らく戦争以前の情報とは違ったものになるであろう、地上における経験的な現実は常にそうであるが、時間と距離と情報という重大な制約の下で行わなきゃならない情報判断とは違っているんだと。つまり、戦争の前の判断とは違うんだと言っているんですよ。いいですか。  それと同時に、例えば最近、UNMOVICのブリクス前委員長、九月十七日のオーストラリアの国営ラジオ放送で何と言っているかといったら、イラク大量破壊兵器のほとんどを一九九一年の夏までに廃棄したとの確信を国連決議でますます強めていると述べている。つまり、総理が言っている古い話じゃなくて、今の新しい話としては保有していないということを強まっているんだと言っている。  しかも、七月から新しい委員長になったペリコス委員長代行、これ九月十六日、これ共同インタビューの中で何と言っているか。私は大量破壊兵器イラクにあるとはいまだに信じない、我々は五百か所近くの、しかも重要な場所の査察を終えている、大量破壊兵器イラクにあるとはますます考え難くなっていると述べている。つまり、アメリカの調査団の中間報告ばかりじゃなくて、国連の担当者の責任者まで、ないと言っているんですよ。  私も、イラクがそれじゃ大量破壊兵器が持っていなかったと断定できるかと。この点について私は断定はしておりません。総理が勝手にイラクは保有していると断定し、いずれ見付かると。断定されたのはあなたなんですから、もうちょっと戦争の全体の状況をめぐる、古い話を幾ら物事、していても片付かないんですよ、総理戦争判断したときは、少なくとも半月前の前後の話なんですよ、総理総理だって、メールマガジンではその半年のときに言っているわけですから、それを明確にしてくださいよ。そんな古い話して、これは客観的だ、それはフセインが何とかだとこれはこじつけしても、私はそれは、ほかの方が言うのはいいけれども、総理としてはちょっと私は情けないんじゃないかなと私は思います。
  86. 小泉純一郎

    内閣総理大臣小泉純一郎君) 別に私は情けないとは思っていませんけれどもね。  半年前の状況は、国際社会はそうだったんですよ。大量破壊兵器持っていなかったら、査察に協力すれば戦争は起こっていなかったんですよ。それは、今はもう中間報告なんですよ。今後、作業を継続する必要があるということも言っているんです。しかし、半年前の状況は、あれほど隠して査察を拒否して妨害しているんだったら持っているんだろうと思っているのも国際社会の認識だったんじゃないですか。
  87. 小泉親司

    小泉親司君 私は国際の認識の話をしているんじゃないんですよ。  国際的な認識というのは、査察をこれから徹底して実行していこう、査察を継続していこうというのは国際社会の大きな声だったんでしょう。ところが、総理が自分で、御自分で断定し、御自分でこれを戦争支持する最大の理由にしたんじゃないですか。あなたがしたんですよ。何を言っている。  あなたのメールマガジンでもこのことをはっきり言っているんですよ。あなたはそれじゃ、三月十三日のメールマガジンでは「全世界大量破壊兵器を持っているイラク」、こう言っている。戦争開始日の二十日付けでは、「問題は、大量破壊兵器を保有するイラク脅威に私たちがどう対峙するかです。」とあなたは断定しているんですよ。そんな、国際の認識がそうだったというふうにそうごまかさないで、あなたが断定している理由は何かと、私、率直にお聞きしているんです。
  88. 小泉純一郎

    内閣総理大臣小泉純一郎君) 具体的な決議の項目については外務大臣から後ほど答弁させますが、一連の国連決議に基づいて私はあの米英の戦争支持したんです、国連憲章、のっとって。それが根拠なんですよ。
  89. 小泉親司

    小泉親司君 もうそういうことをすり替えていちゃ駄目ですよ。あなた、それは、国連決議の主要な議題というのは大量破壊兵器を保有しているかどうか、つまりその疑惑じゃないですか。それは疑惑なんだから。いや、外務大臣なんか要らないですよ。総理と私は議論している。総理ね、総理、まじめに総理議論しているんですからね。総理、そこを明確にしてください。  あなたは、それはいろんな国際世論はありました。ありましたが、あなたが少なくとも断定したんだと私は言っているんですよ。そんな国際世論とごちゃごちゃにしてすり替え答弁は、これは駄目です。総理が断定したその客観的根拠をお示しくださいと言っているんですから。
  90. 小泉純一郎

    内閣総理大臣小泉純一郎君) 私が戦争支持した理由、述べますよ。  大量破壊兵器、一部でありますけれども、本筋は、米英等による対イラク武力行使以前においてはイラクには多くの大量破壊兵器に関する疑惑が残されていることを国連の査察団が明らかにしており、これが国際社会の一致した認識だったんです。安保理安保理決議一四四一において、イラク決議六八七を含む関連安保理決議の義務の重大な違反を犯していることを決定したんです。また、イラクは、安保理決議一四四一において、関連の安保理決議を完全に履行し、自ら疑惑を晴らす最後の機会を与えられたにもかかわらず、査察団の累次の報告等により明らかになったとおり、イラクの対応は全く不十分であり、査察への非協力等により関連安保理決議の更なる重大な違反を犯したと。  したがって、決議一四四一の下、イラク決議六八七を含む関連安保理決議への重大な違反を継続的に犯したことから、同決議に基づくいわゆる湾岸戦争の停戦の基礎が損なわれ、決議六七八に基づく武力行使は正当化されると、私はそう思っているんです。
  91. 小泉親司

    小泉親司君 あなたが読み上げたところでも疑惑なんですよ。あなた、よく読んでください。大量破壊兵器の疑惑なんです。持っているかどうか、保有しているかどうか、この疑惑なんです。あなたが言っているのは、その疑惑を飛び越えているんですよ。保有していると言っているんですよ。そこの根拠を示しなさいと言っているのを、あなた、疑惑をまた持ち出したって、それは全然理由に私はならないと思います。  この問題についてアメリカの大統領も同じく、あなたと同じように、新聞記者に、アメリカ大統領は新聞記者に聞かれているんです、ちょうど大統領選挙選挙さなか。大量破壊兵器は見付かると今でも信じているか、いつまで調査をするのか、こう質問しているんです。そうすると、彼は何と答えるかというと、ケイ氏に尋ねるしか私は分からないと言っている。ケイ氏というのはアメリカの調査団の団長。  つまり、あなたも客観的根拠を示さないし、ブッシュさんも明確な根拠を示さない。私は、これだけ見付からないで、明確な根拠が示せない、私は、いかに戦争の大義がないかということを、私はこの点では証明しているというふうに思います。その意味で、この点についてはやはり私は、この保有ということを断定しておいて、まともな根拠も示さないというのは私は非常に重大で、こういうところに私は、戦争の大義を示さない、占領の大義が示し得ない、ここに私、今のイラク情勢の一番根本の問題があるということを指摘して、私、時間が先ほど言いましたように限られておりますので、もう一つだけお尋ねさせていただきます。  私たちは、今度のイラクの、今の大変戦争の大義のないイラク戦争と占領の中で、どういうふうにイラクの復興をすべきかと。私たちは国連中心に問題を進めるべきだというふうに考えております。今、御承知のとおり、アメリカは一日に国連安保理決議の修正決議案を出しまして、今非公式協議が行われているのは総理も御承知のとおりであります。この中で、イラク国民に対して主権をいつ渡すのか、この時期的な問題が一つの焦点になっているということは、総理もこれは御理解いただいていると思います。  問題は、このアメリカの案の中には、できるだけ早く早期に実質的執行責任を移譲するよう求めると書いてあるだけで、時期の明記がない。これに対して、今多くの国々がきちんと時期明記すべきだ、アナン国連事務総長も、まあ三、四か月ぐらいのというような折衷案を出しているとも伝えられております。  この点について総理は、このアメリカの修正案が移譲の時期を、イラク国民に主権を移譲するこの時期を明記していない、この点について総理はどのようにお考えですか。総理総理
  92. 小泉純一郎

    内閣総理大臣小泉純一郎君) これは、できる限り早い方がいいと思いますね。この調整が今進められておりますので、実質的に治安も回復する時期、イラク人が、イラク人の人々による手によって早く自らの力でイラク政府を立ち上げるこの時期というものは、できるだけ私は早い方がいいと思っております。
  93. 小泉親司

    小泉親司君 今の御答弁ですと、アメリカの決議案とほぼ同じなんですね、できる限りというのは。アナン事務総長は、このできる限り早期に移譲するよう求めるというアメリカ案について、私の勧告には明らかに沿っていないんだと。根本的な変化に向け努力しなければならないということを強調した。安保理でも、フランスや中国やロシアの安保常任理事国と、四つのいわゆる理事国ですね、非常任理事国が否定的見解を示しておられる。私、この数値目標というのはともかく、つまり何か月かということはともかく、この期限を明記せよということについては、総理は賛成なんですか、反対なんですか。どっちなんですか。
  94. 小泉純一郎

    内閣総理大臣小泉純一郎君) これは今、話合いが行われておりますので、でき得る限り早い方がいいと思います。時期を明示することは今の時点でできません。
  95. 小泉親司

    小泉親司君 いや、私が言っているのは、時期を、何か月だという時期を明記しているんじゃなくて、そういった、いわゆる期限を明記する、時期じゃないですよ、期限を明記するということに対しては賛成なんですかとお聞きしているんです。言っている意味分かりますでしょう。つまり、三、四か月とは言わないか、つまり数値の、数値は幾つかは別にして、期限を明記することについては賛成なんですか、どうなんですかと、このことをお聞きしているんです。
  96. 小泉純一郎

    内閣総理大臣小泉純一郎君) 賛成か反対以前に、状況をよく見ながら、できるだけ早く各国が相談して合意ができればいいと思っています。
  97. 小泉親司

    小泉親司君 いや、私の質問に答えてくださいよ。総理は……
  98. 小泉純一郎

    内閣総理大臣小泉純一郎君) 一応答えている。
  99. 小泉親司

    小泉親司君 いや、一応答えているって、一応しかないじゃないですか、総理。一応じゃ駄目だと言っているんです、私は。はっきりと答えてくださいと言っているんです、総理
  100. 小泉純一郎

    内閣総理大臣小泉純一郎君) はっきり答えている。
  101. 小泉親司

    小泉親司君 それは、あなた、一応と言ったじゃないですか。一応じゃ駄目ですよ、私の質問には。  よろしいですか。だから、その点の数値目標はともかく、期限を明記せよ、これ賛成ですか。その点については、アメリカのブッシュ政権に対してそういうことを言うべきなんじゃないですか。総理、どうですか。
  102. 小泉純一郎

    内閣総理大臣小泉純一郎君) 私は、はっきり答えているんですよ。できるだけ早い方がいいと、各国と相談し、状況を見て、イラク人がイラク人の自らの力で立ち上がることができるように、そこはよく状況を見ながら判断すべきだというふうに言っている。これ、はっきり答えている。気に食わないだろうけれども、はっきり答えているんです。
  103. 小泉親司

    小泉親司君 私は、その点については、どうもアメリカの決議案に沿って、つまり、大変アメリカ言いなりでどうも事を運び、することが一番大きな問題なんではないかなということを指摘して、私、国連中心の、やはりイラク国民に対してできる限り働くこと、ちゃんと数値目標を明記してその主権を移すべきだということを主張して、したい、質問を終わりたいと思います。
  104. 大脇雅子

    大脇雅子君 今回のテロ対策特措法延長に関連して、本法の制定趣旨に照らしますと、我が国は米英軍を中心とする艦船への給油、給水の燃料補給や兵員輸送が主な支援活動だと言われています。  しかし、現地は治安の悪化が言われておりまして、オマル師が聖戦を呼び掛け、アフガンの東南部ではタリバンが支配勢力を広げている、そしてアフガン国軍と米軍と対峙して交戦中だというふうに言われております。テロのタリバンの部隊は最新の武器や衛星電話を駆使して、大変実戦的にも深刻な状況にある。  我が国がこうした実戦の支援として燃料支給や兵員輸送を行うということは、軍事行動への兵たん活動の意味合いが濃厚だと考えられます。日本国際社会の中で担うべき人道支援中心の活動の意義が重要だということから考えて、総理は今の状況をどのように把握しておられるでしょうか。そして、将来、どのような見通しを持って二年の延長に対する我が国活動の特徴をとらえておられるのでしょうか。
  105. 小泉純一郎

    内閣総理大臣小泉純一郎君) テロとの戦い、またアフガンの国づくり等、日本としてできるだけのことをしようということで、このテロ特措法国会で成立し、今、期限が切れようとしておりますが、まだテロとの戦いは終わっているとは思えません。  そういう中で、期限延長して、引き続き、日本として各国協力しながら、テロ防止、撲滅のために努力をしなきゃいかぬ。また同時に、アフガニスタンの復興のためにこれまたいろいろできることがあると思われます。そういう面についても、日本が東京でアフガン支援国、復興支援のための会議を開きました。そういうこともあり、やっぱりアフガンの国づくりのためにもいろいろしていかなきゃならない面もありますので、今回、この延長お願いしているわけでありまして、給油活動のみならず、自衛隊諸君が厳しい環境の中で自らの任務達成のために誇りを持って活動をしていることに対していっても、日本国民としてやっぱり敬意を表するべきではないかなと思っております。
  106. 大脇雅子

    大脇雅子君 イラク攻撃に携わったキティーホーク機動部隊への間接給油問題も議論されております。  給油先の艦船別等の給油実績について私は質問主意書でお尋ねをいたしましたが、これを公にすることは、給油先相手国の部隊運用の実態が明らかになって、給油先相手国との信頼関係を損なうおそれがあるから答弁を差し控えたいと書かれております。こうした給油活動テロ対策に限定されているかどうかということが非常に国民の疑問を現在提示していると思われますが、テロ対策特措法の調整の詳細については、これまた相手国との関係もあって、米英軍以外の国についても答弁を差し控えたいというのが質問、趣旨でございます。  相手を信頼するからということは言えても、もう少し合理的に相手方を信頼する、信頼するに足りる根拠が必要だと考えますが、総理はこの点についてどのようにお考えでしょうか。
  107. 石破茂

    国務大臣(石破茂君) 恐縮です。合理的に信頼する根拠とおっしゃいますのはどういう意味なのか、ちょっと私にはよく理解しかねるところでございますが、要は、給油自体をテロ目的以外には使わない、法律目的以外に使わないというのは、これはもう相互の信頼関係に基づいて決まっておることでございます。そしてまた米側も、これはテロ、この法律目的をよく承知をしておって、それ以外には使わないということも何度か言明をしておることでございます。  そしてまた、アメリカの指示の下にこの給油を行っているということではなくて、総合的な補給をする側、受ける側の調整において行っておることでございまして、その間にはその信頼は保たれている、そしてそれは交換公文によって担保されている、これが合理的な根拠かと存じます。
  108. 大脇雅子

    大脇雅子君 防衛庁長官がお答えいただいたので防衛庁長官にお尋ねしたいと思いますが、自衛隊艦艇の修理に民間企業から技術者が派遣されていると聞いております。企業名や派遣の港名などを明白にされておりませんが、これはいかがなっておりますでしょうか。  むしろ先ほど言いましたように、アフガニスタン治安が悪化し、実戦の状況を呈しているところから、日本人もまたテロの標的になるのではないかと。民間人はこうした出張拒否ができないということで、業務命令に従わなければならないという深刻な事態が報告されております。これについていかがでございましょうか。
  109. 石破茂

    国務大臣(石破茂君) お答え申し上げます。  修理等を実施しますために派遣されました民間企業の従業員は、七月十五日現在、延べ二十八名。そのうち、イージス艦の修理につきましては七名の民間企業の従業員が派遣され、寄港中に修理を行ったということでございます。  これは契約に基づいてやっておるわけでございまして、自衛艦の修理は自衛隊で行うこともございますが、その能力を超えます場合には、能力を有する民間企業と協議をいたしまして、合意を得た上で、契約に基づきまして、こっち、私どもは依頼をしておるわけでございます。  拒否ができる、できないというお話をなさいますが、これは先生法律家でありますからよく御存じのとおりでありまして、これは契約に基づいて行っておるわけでございます。拒否ができないというようなことを私どもは申し上げておるわけではございません。  そしてまた、企業名、また具体的な地域等々につきましては、それはテロテロたるゆえんにかんがみまして公表を差し控えさせていただきたいということでございます。
  110. 大脇雅子

    大脇雅子君 さきに千代田丸事件という判例がございまして、朝鮮海峡で地雷が敷設されているところの沈没船を引き揚げるというところに業務命令で作業に行くことを拒否した労働者が解雇されたケースで、裁判所は、労働者は命の危険までも提供しているのではないので、そういう危険なところに行くということまでは労働契約の内容ではないという有名な事件、判例がございます。  間接的な戦争加担を、自衛隊テロ対策特措法で出ていくことも問題なら、民間の人がそうしたところに出ていくということを契約を根拠に強制するということは非常に問題であるというふうに考えます。  これについて総理はどのようにお考えでしょうか。総理に伺いたいと思います。
  111. 石破茂

    国務大臣(石破茂君) これは契約行為の理解の仕方によるのだろうと思っています。  私どもは、先ほどもお答えいたしましたように、企業と従業員との間の労使関係の問題につきまして、当庁として申し上げるべきお話ではございません。  また、企業が拒むことができるかどうかということでございますが、これは民間企業と協議をして合意をいたしまして、合意をした上で契約の締結を行うものでございます。したがいまして、拒否をしたから云々という御指摘があるとするならば、これは契約違反の問題ではないということでありまして、契約をどのように解するかという、それは法律上の問題かと存じます。
  112. 大脇雅子

    大脇雅子君 民間人の派遣は、今回のテロ対策特措法の趣旨からしても問題であるというふうに考えます。民間人の派遣は即時中止すべきであると考えますが、最後に総理の御見解を伺いたいと思います。
  113. 小泉純一郎

    内閣総理大臣小泉純一郎君) お互い、民間人でも合意があると、その仕事をすると合意の上に、契約の下に、それにのっとって仕事をするというのは私は差し支えないと思っております。
  114. 大脇雅子

    大脇雅子君 契約というのにもやはり人間の尊厳と意思ということを基本に据えまして、強制してはいけないということがあります。  自衛隊と企業との関係と、また、それに従う業務命令には当然限界があるということを申し上げまして、私の質問を終わります。
  115. 島袋宗康

    ○島袋宗康君 無所属の会の島袋宗康でございます。  私は、十分しかありませんけれども、沖縄の基地問題について総理の見解をお聞きしたいと思います。  まず、この今回の法律でありますけれども、アメリカ、イギリスは国連における主要なメンバーであるフランス、ロシア、中国、ドイツ等の意見を退けて今般のイラク戦争を始めました。イラク大量破壊兵器を保持し、それがテロリストに拡散するおそれのあることを最大の理由とすること、するこのイラク戦争の正当性は今大きく揺らいでおります。なぜなら、いまだその大量破壊兵器は見付かっていないからであります。  しかし、小泉総理は、この米英のイラク攻撃をいち早く支持されました。そして、国連の要請があったわけでもないのに、単に米英に追随してイラク自衛隊を派遣できる法律を作り、派兵の準備を進めておられます。その理由に挙げておられるのが、日本の国益のために日米同盟と国際協調が大事であるからと言っておられます。国連の大多数の意見を無視した国際協調は、私は成り立たないと思います。  小泉総理は日米同盟の方を最重要視しておられるのだと思いますけれども、その点について総理の御見解を承りたいと思います。
  116. 小泉純一郎

    内閣総理大臣小泉純一郎君) 世界の平和と安定の中に日本の安定も発展もあるという考えに立ち、やっぱり日米同盟というのは日本の安全を確保するためにも大変重要な問題だと思っております。  イラク復興支援につきましても、国際社会がこれから協力して取り組もうとしていると。日米同盟の重要性、国際協調の重要性、これを重視して日本としても取り組む必要があると思いまして、世界の中の日米同盟という観点は今後ますます日米両国にとっても重要であるし、あるいは世界の発展のためにも大変意義の大きいものだと思っております。  そこで、今、イラクの復興に対しまして、大義がなかったのではないかとかいう御指摘がありますが、私は、イラク国民、反米感情だけではないと思っています。やはり、フセイン政権時代に苦しめられたと、この戦争がなかったら相変わらずフセイン政権に大きな苦痛を与えられたんじゃないかと思っているイラク国民もたくさんいると思います。  現に、去る十月二日に、国連総会におけるイラク代表のチャラビ氏の演説、アメリカ、イギリスに言及した関連部分、簡単にお話ししますが、こう言っていますね。チャラビ・イラク代表は、私は自由なイラクの代表者としてこの総会の前に立っている、我々の自由のための戦いを助けてくれたすべての方々に感謝の意を表したい、我々の解放は、ジョージ・ブッシュ大統領の決意と最前線に米英の人々が立つ連合軍のコミットメントなしには達成されなかったであろう、イラク国民はあなた方の勇気と犠牲を決して忘れないであろうと、こういうふうにイラクの代表のチャラビ氏が国連総会演説されております。  でありますので、私は、一方的にイラクは米英に侵略されたという方ばかりではないと思っております。
  117. 島袋宗康

    ○島袋宗康君 今御指摘のように大変日米同盟が重要だというふうな反面、いわゆる私は沖縄県民で、非常に、在日米軍の施設・区域の七五%を、国土のわずか〇・六%しかないんですよ、沖縄は。そこに七五%の米軍の施設・区域が存在していると。四十七都道府県には国土の九九・四%を占める広大な土地があるにもかかわらず、〇・六%しかない沖縄に対してどうしてこんな、日米同盟を大事にするという総理が沖縄問題を何一つ解決されようとしていない。この前の総理大臣の所信表明の中にも、私は何らかの形で沖縄問題を取り上げてもらえると思っていたんですけれども、何一つ取り上げていない。  そこで、私は、お尋ねしたいことは、今度、今月の十七、十八日にアメリカのブッシュ大統領が日本を訪問するわけでありますけれども、その中でやはりちゃんとした沖縄問題を取り上げていただきたい。  それは、今、地位協定の問題もありますけれども、何といっても米軍の海兵隊の削減、これは知事を先頭にして県議会でも決議をして、そして日本政府に突き付けているわけですから、その点について総理としてはどのように沖縄問題を解決されようとしているのか、その辺について御説明を願いたいと思います。
  118. 小泉純一郎

    内閣総理大臣小泉純一郎君) 沖縄に米軍基地が過重にあると、そして沖縄の方々に多大の負担を掛けているということはもちろん承知しております。これは沖縄県だけの問題ではなく、日本全体で考えなきゃならない問題だと思いますし、日米安保条約の重要性からかんがみて、これは沖縄県民だけにゆだねていい問題でもございません。  私も基地の町で育った人間でありますし、今も私の選挙区、住まいには、横須賀には大きな米軍基地もございます。そういう中で、日々苦労されている行政の当局者あるいは市民の皆さん、それぞれ摩擦がありながら、どうやって友好関係を保っていこうかということで努力されている姿も承知しているつもりでございます。  かといって、この基地の負担というものを沖縄県だけに押し付けてもいい問題ではありません。こういう問題について、できるだけ沖縄の負担をどう軽減していくかについては常に意を用いているところでありまして、去る五月のアメリカでのブッシュ大統領との会談におきましても、そのような沖縄の問題、ともに話し合ったわけでありますので、これからも継続的にこういう沖縄の問題につきましても日米当局者間で話合いを続けて、少しでも沖縄県民の負担軽減に資する道はないか、努力をしていきたいと思っております。
  119. 島袋宗康

    ○島袋宗康君 私はこの場でよくSACOの合意の問題を取り上げておりますけれども、SACOの合意というものは、沖縄の基地のいわゆる県内移設を条件としているものですから、先ほど申し上げたように、余りにも基地の縮減あるいは縮小あるいは削減につながらないというふうなことを繰り返し述べているわけです。したがって、このSACOの合意というものは沖縄県民にとってはこれは非常に容認できるものではないということを私は以前から申し上げているわけでありますけれども。  この際、ブッシュ大統領にお会いしたときには、是非、SACOの合意をもっと突き詰めて、そして県内のたらい回しではなくして、本当に海兵隊の削減をどういうふうに実現するかというふうな点で、是非日米会談をそういった意味で沖縄問題の基地問題を深く取り上げていただきたい。時間もないんですけれども、そのことをしっかりと、どういうふうにとらえてブッシュ大統領と交渉されるのか、その辺について御説明いただきたいと思います。
  120. 小泉純一郎

    内閣総理大臣小泉純一郎君) 今後とも、日米全体の協力関係を見ますと、沖縄問題、これは大変重要でありますので、今の御意見をしっかり踏まえて、日米当局、意見交換、そして解決の道を探っていきたいと思っております。
  121. 島袋宗康

    ○島袋宗康君 私どもが、戦後五十八年、そして復帰してから三十一年になりますけれども、私どもは本土に復帰するということは日本の平和憲法の下に帰るというのが大前提でありましたから、しかし今の日本状況というものは決して平和憲法を守るといったふうな体制になっていないという感じを率直に私は持っています。そういった意味で、このイラクに対する自衛隊派遣についても大きな懸念を持っております。  したがって、沖縄問題というのは、やはり何といっても、そういう平和憲法の下に帰るんだという気持ちを反映させるための施策を日本政府としては取っていただきたいということを要望して、終わりたいと思います。
  122. 若林正俊

    委員長若林正俊君) 本日の質疑はこの程度とし、これにて散会いたします。    午後三時三十九分散会