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鳩山邦夫君
柿澤弘治先生、おめでとうございました。
ただいま
院議をもって永年
在職の
表彰を賜りました。
議会人としてまことに光栄であり、長年にわたって私のような未
熟者をお育ていただいた文京区、台東区、中央区を初めとする都民の
皆様方に、心から厚く御礼申し上げます。
田中角栄先生に
政治のイロハを教えていただいた私は、二十八歳で初めて本院に議席を持たせていただきました。自来、お世辞にも高いとは言えない
日本の
政治のレベルを少しでも高めるためにと、
政治の
改革に
情熱を燃やし続けてまいりましたが、その間、一回の落選、一回の
議員辞職等、本院に出たり入ったりでもありましたから、永年
在職表彰など、まだ
はるか先のことと思っておりました。ところが、きょうがその日になってしまいました。
我が身を振り返り、何と、なし得たことが少なく、そして失敗の連続ばかりであったかと、ただひたすら恥じ入る思いでもあります。
私は、
新進党、
民主党と二回も、新党の実験に積極的に参加しました。しかし、
新進党は、結局は瓦解、
民主党は、
左右イデオロギーの混在する中で非常に大きな苦しみを味わいました。そして、失望と落胆のうちに本
院議員を辞職して
都知事選挙に立候補いたしましたが、相手が少々強過ぎたという結果になりました。
政治改革のために何もなし得なかった私が申し上げるのはおこがましいかもしれませんが、
日本の
政治は、私の初当選時に比べて少しも進歩せず、むしろレベルダウンしたのではないかと感じます。その最大の原因は、
政治や
政党に将来の
国家像を明確に示す哲学と
理念が完全に欠如しているからではないでしょうか。
与党と
小泉首相に心からお願いをいたします。
道路公団や郵政の
民営化の後にどのような
抜本的構造改革を行っていくのか、そして、
司馬遼太郎先生の言ういわゆる「国のかたち」を二十二
世紀、いや三十
世紀に向けてどのように描いていくのかを明確にお示しいただきたく思います。
野党の
皆様に申し上げます。
理念や
基本政策の一致を後回しにして、ただ
政党が合併して数をふやし権力に近づこうとするのは、いかがなものでありましょうか。まず、あるべき
国家像を描いてから、同志を募るべきだと思います。(
拍手)
未熟な私ですが、「自然との共生」という明確な
理念を持って、
情熱の絶えぬ間は国政に全力を尽くしたいと思っています。将来世代の幸せを奪うことのないよう、今、
環境革命の端緒を開かなければなりません。
新しく私のふるさととなりました府中市、武蔵野市、小金井市の
皆様と二十二
世紀の
日本の
国家像を語り合える
喜びを感じつつ、私の
謝辞といたします。
ありがとうございました。(
拍手)
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