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大門実紀史君 この半年をどう考えるかというのは、後で申し上げますが、この先、大変なことになりますので、そう簡単にはいかないということを申し上げた上でですけれども、私は、この間、四大メガバンクの各本店の担当者、私の部屋へ来てもらって、昨日もある
銀行、来ていただいて、いろいろ実態、話聞きましたが、
中小企業の再生、本当にできるのかと、これから一年大変でしょうという話を聞きましたけれども、結論から言えば、
竹中プランの下ではもう大変困難ですということをはっきり言っておりました。
といいますのは、この前の一年、今までの一年でどういう、
中小企業もあったわけですけれども、どういう処理したかといいますと、ほとんどはRCC送りあるいはまとめ売りですね、バルクセールでその小さな債権をまとめて売ると。この二つが主な手法で、ほとんど再生ということは難しいと。人手もいないし、ちゃんと見なきゃいけないしということを言っておりました。
ですから、私は、再生再生と言われますけれども、もうほとんどやっぱり整理、清算に追い込むしか、このプランの下でですよ、
銀行はほかにやりようがないというところに追い込まれています。
私、申し上げたいのは、一体こういうやり方で、こんなやり方で何が
解決するのかということですよ、何が。本当に実体
経済どんどん悪くなって、これからまた頑張ると言われますけれども、またもっと実体
経済悪くなると。そうしたら、これ、悪循環でしょう。また
株価に戻ってきますよね、実体
経済が悪くなると。じゃ、また
銀行の
自己資本が目減りしてと、本当にこの悪循環を繰り返しておられて、しかも自分たちの
小泉内閣になってからの二年間で
不良債権増やして、それでこの半年は頑張りましたとおっしゃりますけれども、全体として自分たちのときに増やして、時代に増やして、それで自分たちで減らしているというイタチごっこをなさっているだけで、本当、基本的な方向が間違っているということを再三
指摘してきたわけですけれども、その中で、今度はりそなに
公的資金が入れるということですが、こういうやり方をやってきますと、また
公的資金を、
自己資本不足になって
公的資金を入れる
銀行がいつ生まれるか分からない
状況ですね、これから九月
決算あるいは来年の三月に向けて。ですから、自分たちで、
竹中大臣そのものが
金融不安を作り出して
公的資金を入れるというような、私は本当に、さっきの堂々巡りと同じですが、自作自演のマッチポンプをやっていらっしゃるというふうに私は
指摘したいと思いますし、大体この先幾ら
公的資金が、こんなやり方していますと、注ぎ込まれるか分かったものではありません。それと、野党の中にも
公的資金を入れたらどうかというお話が結構ありますが、私ちょっと、非常にこの
公的資金は問題になっているということを御
指摘したいと思います。
資料の二枚目ですけれども、今、
日本の
銀行の
自己資本がどうなっているかということです。これは私が作ったものではございません。
日本銀行が毎年八月に出しています全国
銀行の
決算というのでこのグラフを作っている、そのままです。ただ、直近の三月
決算の部分は、これは
日本銀行に独自に計算をしていただきました。それを棒グラフにしたものなんですね。(図表掲示)
見ていただければ分かるとおりではありますけれども、要するに、二〇〇〇年度、このときは繰延
資産、問題になっている繰延
資産もありました。ところが、民間
資本、純粋な民間
資本も十分ありました。公的
資本は六兆円、これは優先株の部分ですが、六兆円入ってきた。
これがどうなってきたかをよく見てもらいたいんですね。二〇〇一年になって、
小泉内閣になって、早期最終処理という方針が出て、急げとなりました。そうすると、結局、さっき言った
不良債権の処理損で
自己資本部分が二・九兆円に激減するということになってきたわけですね。さらに、
竹中プランの前の昨年の九月末、この時点でも相当、もう純粋な
自己資本というのは〇・八兆円、これは大手行全体の
数字ですけれどもね、〇・八兆円にまで落ち込んでいる。
もちろん
税金の繰延
資産も比率をずっと上げていますが、見てもらいたいのは
公的資金の
自己資本に占める比率です。これはずっと増えてきておりまして、これは
数字、グラフに入れていませんが、例えば二〇〇〇年度ですね、二〇〇〇年度のときは公的
資本が全体に占める割合は二六%だったんです。それが、この三月
決算でいきますともう五一%、公的
資本が半分になっているという
状況に今なっているわけですね。税の繰延
資産だけではなくて、もう公的
資本そのものが
銀行の
自己資本を形成していると、もう
公的資金漬けになっちゃっているという
状況です。
これについて私は、一昨年ですけれども、日銀の速水総裁に御質問をさしていただきました。そのときに速水総裁はこういうふうに言われたんですね。当時ですから、ちょうどこのゼロゼロ年度のこの棒グラフを見て、
日本の大手行の
自己資本というのは
公的資金で補強され過ぎていると。これをもしも
アメリカの基準に直しますと、つまり税の繰延べの部分を一年分にして
公的資金がないとすると、実際の
自己資本というのは七%台だということを速水総裁おっしゃいました。これでは国際的な
評価がいつまでたっても受けられないんだと、半人前なんだということを速水総裁、前速水総裁が心配されておられたんです。
私、同じ計算方法で今年の三月末計算してみますと、何と二%台ですね、
日本の大手行の
自己資本というのは。税の繰延べを一年分にして公的
資本を抜きますと、わずか二%台なんですね。もう国際的
評価なんか受けられるような
状況ではないわけです。私は、もうこの
公的資金を入れるとか入れないとかよりも、もう
公的資金漬け、もう補助金漬けの特殊法人と余り変わらないような、これはもう返すに返せない、取るに取れない、そして返せと言いましたら、八%、
自己資本割ってしまいますからね。しかも、その
評価も受けられない。
全体として皆さんがやってきたことというのは、
銀行の
自己資本を縮小さして、わざわざ縮小さして
公的資金漬けにするという、
銀行の体力を強くするどころか弱くしてきたんじゃないかと、結果的に私そう思いますが、
竹中大臣、いかがですか。