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国務大臣(
川口順子君)
委員がこの問題について、なぜ
イラクの
立場からどう見えるかということを気になさるのかということが私にはよく
理解できないんですが、国際社会が今一致をしていることは、これは二十七日に国連に出た報告でもそうでございますし、明らかでございますし、各国みんなが言っていることでございますけれども、この問題を
解決するためには、
イラクが過去の国連安保理の決議を全部守って能動的に査察に対応していくことが大事である、これがかぎだということを言っているわけでございます。
それで、能動的にという意味は、単に査察の邪魔をしないということではなくて、自ら申告をして、ここを見れば、過去
イラクが持っていたということが明確な化学兵器あるいは懸念を持たれている炭疽菌その他のものがどのように廃棄されたかということを自ら申告をして査察団に見せるということであるわけでして、
イラクはそれをやっていない。それは非常に問題だということを全部の国が言っているわけでございます。
それで、
我が国がどういうメッセージを発しているかということですけれども、これは私も、例えば昨日、
イラクのここにいる代理大使とお会いをいたしまして、さっき申し上げたようなことを
イラクに言いました。それから、近々茂木副
大臣をヨーロッパ等に派遣をいたしまして、イギリス、フランス、ドイツ、そしてIAEA等に会ってもらって話をするつもりです。また、過去においても近隣の諸国に人を出して、高村元
外務大臣、中山元
外務大臣、そして茂木副
大臣を出してそういったことを話をしていくということです。
今、国連では、安保理でどのような対応をしていくかということを
議論をしているということでございまして、
我が国の
立場というのは、国際社会が協調をして毅然として
イラクに先ほど私が申し上げたようなことを迫るということが大事だということでございます。
我が国としては、幾つかの視点があると
思います。
一つは、大量破壊兵器というのが世界全体にとって、もちろん
我が国にとっても非常に大きな問題であって、それを
イラクがどういうふうに廃棄をするかということも含めて今後の
イラクの対応の在り方を見る必要があるというのが一つでございます。
それから、
我が国としては、やはり国際社会の責任ある一つの国でございますから、そういった国としてこの問題にどのように対応していくかということを見ていく必要があるということでございます。
それからもう一つは、そういったような点を基準といたしまして、
考え方のベースとして、国際社会が協調して事に当たるということを見ながら、今どういうような対応をするのが
我が国として適切かどうかということを考えているということでございまして、この問題は非常に大きな影響力を持つ問題であって、早急にこうすべきである、ああすべきであるということを軽々に言えることではないと思っております。
大事なことは、どうしたら
イラクが大量破壊兵器について持たれている疑念を晴らして、過去の疑念も全部晴らすことになるか、そのためには何をしたらいいかということが一番大事なことでして、一四四一、決議一四四一は
イラクに対してこれはもう最後の機会であるということを既に言っている。その前に十二年の期間を
イラクに与えているわけです。そして、一四四一の後も数か月、二、三か月の期間を
イラクに与えた。その後で
イラクがまだ守っていないということをどうやって国際社会として対応していくかと、そういう観点で考えるべき問題と、そういうことでございます。