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江田五月君 いや、私も実は知らなくて、昨日、日弁連の副会長で福岡弁護士会の藤井克已弁護士、今、彼は来週、
参考人でこの
委員会に来ていただくので、そのときに詳しく伺えればと思うんですが、この藤井弁護士から初めて伺った。
平成二年に福岡県弁護士会が福岡地方
裁判所と共働して民事
訴訟手続の
審理の
充実促進のための
方策、いわゆる福岡方式を実践してみたと。現実の
民事裁判で、この双方に代理人が付いている
事件でなきゃ駄目ですが、両方の代理人の了解を、了解というか協力をいただいて、もうこの
手続ごとに決まった、フォーマットの決まったペーパーにいろんなことを書き込んでいくと。例えば、原告代理人が、今日はせっかく
準備書面用意したのになぜ陳述させなかったのだろうかと、
裁判官は、こんな
準備書面を用意したなんて何てピンぼけなんだろうかなどというようなことを書いて、それで、ずっと
審理が終わってからそれを回収して検証して、そうすると、その両方の
当事者と
裁判官の間でどういう、例えば
意見の一致があったのか、
意見の食い違いがあったのかなどということがずっと浮かび上がって、そして後で
事件の検証ができる。その結果、なるほど、こういうことを改めたらもっと速くなるなとか、
充実するなとかというようなことが分かってくると。
そのようなことのようで、これによって福岡での
民事訴訟は、例えば全国に比べて証人調べの人数が多くなって
充実が図れるとか、あるいは
審理期間も短縮をしたとか、何かその合意では、結審後一年以内、必ず一年以内には判決は出すという合意をしているんだそうですね。
本当は一年も掛からないです、普通なら。だけど、一年掛かるようなのもあるけ
ども、冒頭にも申し上げましたとおり、判決を書けといえば書けるんですよ、その内容のいかんを問わなければね。これが往々にして、結審後、随分長く判決も出してくれないと。判決出してくれなきゃ控訴もできないわけですからもう困ってしまうというようなことがあって、そういうことはもうなしにするという約束事で
裁判をやるというようなことが福岡方式ということで。
で、その福岡方式だけでなくて、当時です、つまり新民訴ができてくるよという、そういうことがずっと伝わったころに、
裁判官の中でも、それから中堅、若手の弁護士さんの中でも、これは、やっぱりそういう新民訴を先取りして
民事訴訟というのの改革を
自分たちでやろうじゃないかという機運が生まれてきた。
私は当時、岡山にいたんですが、岡山弁護士会に所属をしていたんですが、そして、浪人していましたから若干弁護士の仕事をして食いつないだんですが、岡山では桃太郎コートというのがありまして、なぜ桃太郎かというと、これは単純に岡山だから桃太郎というだけなんですが、若手弁護士さん、中堅弁護士さん方がグループを作って、そして両
当事者にそのグループの弁護士が付いているときはそういうことをやってみようじゃないかというので、
準備もしっかりする、証拠の点検もあらかじめ両方でちゃんとやる、
裁判所も入っている。あるいは、宮崎も何かそんなことがあったとかいろいろ伺うんですが。
私は、これは是非強調しておきたいんですが、
訴訟の
充実にしても迅速にしても、ここでこうやって
法律を作って、そしてかねや太鼓で、それ
充実だ、迅速だとやれば、何かみんながそういうことになっていくというものでも必ずしもないんじゃないかと。むしろ、何か
当事者が、
裁判所も含めて、
本当に
充実したものをやろう、
本当に迅速にやろう、それには次は何かこういう道具が用意されるようだから、ああいうものをひとつ前もって
自分たちで実践してみよう、その実践の中で、ああ、こうしたらよりいいものができるというような提案もしてみようという、そういう雰囲気を作り出すことがやっぱり一番大切なんじゃないかと思っているんですけれ
ども。
どうでしょう、これは
推進本部、今のようなことがあったということをもう少し、それこそこの
法案じゃないけれ
ども、検証してみられたらいかがでしょうか。