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千葉景子君 ちょっと私もまだ詳細に調べてはおりませんので、本当に
医療法上の
体制が整っているのか、あるいは今お話がございました
看護師の
基準不足とか、その
施設に入れる
患者の数とかが多過ぎるとかいろいろあるようでございます。そういうところを更にきちっとやはり精査をして
体制というのを取っていかなければいけないというふうに私は思います。
というのは、今回のこの一連の
状況を見ますと、
医療の
不足、あるいは
医療がなかなか施されないで放置をされて、それがひいては死に至っているのではないかと思われるような
事例、それから、特に
精神医療などの面では、そういう精神的な疾患とかあるいは
症状がありながら、そこに対するきちっとした
対応が取られていない、むしろその
対応のために
保護房などが多用されているのではないか。その中で、また
症状を悪化させて、それが死に至ったり、あるいはいろいろな
障害になっている。こういうどうも
構造が今の
刑務所の中にあるのではないかというふうに、全体を見た中で私は受け止めるわけです。
一つ一つ全部を挙げるわけにはいきませんけれ
ども、やっぱりそういうことを考えますと、直接、
暴行などが行われた
ケースというのは確かに少ないのかもしれない。しかし、こういう
医療の
不足や特に精神的な
医療などの
不足などによって、そしてそれが本来の
治療ではなくて、抑圧とかあるいは
保護房の活用のような形によって、むしろ健康やあるいは命までをも奪っているということがあるのではないかというふうに私は疑いを持つところでございます。
先般、
参考人の御
意見を伺いました。
精神科のお医者さんからも話を伺いまして、確かに本当に私も思います。
刑務所での
収容というのは決して健康を損ねるためにやっているわけではない。やっぱり
一定の自由を拘束をすることによって刑罰を科しているということでありまして、そこで健康を更に悪くされたり、あるいは命を奪われるなどということが許されてはならないわけですね。
それから、いずれにしても、
一定の
期間受刑をするけれ
ども、また
社会に帰っていく。そうなりますと、やっぱりそこと
社会とのつながり、そういうものをどういうふうに作っていくのかということな
ども医療の面でも当然考えていかなければいけないところだというふうに思います。そういう
意味で、こういう私なりの
認識を
是非これからいろんな形でまた御
提起をさせていただきたいというふうに思っております。
今回、十五件、
継続の
調査をされるということになりました。確かに、その十五件というのは、
死亡帳や、あるいはその後提供いただきました
視察表等を見ましても確かに本当にいろいろ疑問を呈せざるを得ない
事例であることは当然でございます。
しかし、先ほど言いましたように、じゃ、それ以外の千五百四十八件が全く問題がなかったのかといえば、私はそうはとても思えないわけでして、全部を挙げるわけにはいきませんので、ちょっと何点か挙げさせていただきたいというふうに思います。
例えば、今回の
調査で、
東京拘置所の、通し番号で言います、千五百九十番というのが
継続の
調査になりました。これは、あれですね、たしか訴えが起こされたりしている、
人権救済の
申立てなどがされているということもありますが、それがやっぱり再
調査をしなければおかしいなと思われるのは当然だというふうに思うんですが。だとすると、東拘のほかの
案件、例えば千五百五十八というのがございます。これは確かに
暴行ということではないのかもしれませんけれ
ども、
医療の
不足あるいは
保護房への
収容の
問題点等を考えますと、決してこれは全くの問題がないというわけにはいかず、むしろ
医療過誤のようなものにも通ずるのではないかと思われるような
ケースではないかというふうに思います。
あるいは、異様なのが
川越の
少年刑務所です。これは
死亡事例の中でも三件もが
継続の
調査案件になっておりまして、千五百三十三、千五百三十九、千五百四十と、こういうことですけれ
ども、これだけ
問題案件があるということは、やっぱりその背景に何か根本的な問題が潜んでいたのではないかと、こういうことも疑われるというか疑問になるわけですね。一体こういうところはどういうふうに考えておられるんだろうか。
それから、
府中の百六十五、これも
調査が
継続をされる。これは前回この
委員会でも問題になりましたけれ
ども、
身分帳がどこかへ紛失してしまったと。こういう、極めてずさんなのであるのか、それとも何か
意味があって、あるいは理由があってどこかに
身分帳が隠匿されてしまったのかよく分かりませんけれ
ども、そういう
事案でございます。
調査をされるのは当然のことだというふうに思いますけれ
ども、やっぱりこの
府中で、更に
調査は
継続をされてはおりませんけれ
ども、例えば百四十三番とかあるいは百五十番、これな
どもそういう
意味では
暴行による
死亡ではないかとは思いますけれ
ども、先ほど申し上げましたように、やっぱり精神的な
症状、そういう中で
保護房に
収容され、そして適切な
治療とか
医療が施されないままに、それがひいては死に至らしめているのではないかということをやっぱり疑わせるような
視察表等の私は記載ではないかというふうに思っております。
これら、本当にこれは何点か、一部を今
指摘をさせていただいたわけですけれ
ども、こういう
調査を
継続されていくもの、しかしそうではない
部分にも多々こういう疑問の点がございますけれ
ども、今日はちょっと
医療という側面を
中心にしてはおりますけれ
ども、これらの
指摘をしたような
案件などについてはどんなふうな
認識、あるいは
調査結果から
問題点を読み取っておられるのでしょうか。