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神本美恵子君 民主党・新緑風会の
神本美恵子でございます。
これまで、衆議院での議論、議事録を読ませていただきましたし、それから参議院に移りましてからの議論をお聞きしまして、この
国立大学法人法案について
中心的に議論がされてきておりますけれ
ども、私はお聞きしながら、大体何のための
改革なのか、これは
大学改革の一貫であるというふうにずっと御答弁なされておりますけれ
ども、行革・人減らしのための
改革ではないかという疑念がいまだに払拭できずにおりますし、本当に学問の自由や
大学の自治といったようなものが確保されるのか、文科省のより一層の支配が強まるのではないかというような疑念もまだ払拭できずにおります。
本当に、
教育研究の充実
発展、それから、
大学が
活性化して国際的にもこれまで以上の
役割を果たしていけるような、そういう
大学改革になるものなのかという点で疑問を抱きながら議論を聞いてきておりますけれ
ども、この
国立大学法人法案に関してまだ触れられていない点についても幾つか、それから、今
国会にはこの
委員会には六本の
法案が付託されておりますけれ
ども、その中で、
国立高等専門学校機構
法案、それからこの法人
法案に伴って
関係法律整備法案というのも出されておりますので、そういった点についても御
質問をさせていただきたいと思います。
まず、法人
法案についてですけれ
ども、今、
北岡委員からも幾つか
参考人の意見が御紹介されておりましたが、私も、この
参考人の方々から、本当に正に
大学の現場にいる方による実感のこもったお話、実際その渦中にいる方でないと分からないお話をお聞きしまして、大変、自分自身は、
大学といいますと、
学生の経験からしか、その立場からしか見えていなかった
部分が本当にたくさんあるんだなということを感じて、
大学の内部で今本当に
改革のあらしといいますか、これがいいあらしなのか、いい刺激なのかどうかというのはこれからだと思いますが、その内部にいての怒りにも似た
参考人の御意見もお聞きしましたし、そういった
観点から幾つかお
伺いしたいと思います。
その
一つが、小
規模大学、小
規模研究所の方々が抱いている危惧の問題です。
お茶の水女子
大学の本田学長や大阪社研の小野教授のお話では、
大学や
研究所の統廃合ということにおいて、小
規模なところは小
規模というだけでもうマイナス
評価で俎上に、統廃合の俎上に上りやすいというふうに受け止められているお話がございました。現に大阪
大学の社研では俎上に上ったということで、実地体験というお話がございましたけれ
ども、お茶の水女子
大学の本田学長は、今回の
法人化によって自分のところのような小
規模大学は真っ先に消されてしまうのではないかという不安もお話しなさいました。
また、
評価という点についても、国際競争のあらしが吹き荒れる中で、競争原理の中で、自分のところのように、共生、ともに生きるということを理念として掲げてやってきている
大学は
存在意義が認められない、
評価されないのではないかというような危惧も出されておりました。
一つ、まずこのような小
規模大学、
研究所の不安や危惧についてどのように認識していらっしゃるかということが一点と。
続けて、その
評価の問題ですけれ
ども、これについても多くの
指摘がございました。それは、引用して申し上げますと、現代の
研究分野は非常に細分化されており、一定の事柄の立派な専門家であっても他の
分野では素人である、例えば
分野別に専門家による
評価が行われるといっても、結局は素人集団による
評価になり、
文部科学省の意向が強く働くのではないかというような御意見や、それから、不完全な
評価とトップダウンによって、お金が取りやすくて素人受けする
研究がもてはやされる傾向が生まれるのではないか、また、
高等教育は本来市場でペイするようなものではない、一定のタームで成果がすぐに現れるようなものではない、したがって
大学の組織、業務を
評価することはできないのではないか等々の御意見もございました。
先ほど
大臣は、
日本は
評価になじまない国情もあるというようなことをおっしゃいましたけれ
ども、現在も
評価が行われて、その膨大な作業に
評価漬けといいますか
評価疲れもあるというふうなお話もございました。今回の改正によってまた
評価が追加されるようですけれ
ども、
文部科学省としては、
大学に対して何のためにどのような
評価を行おうとしていらっしゃるのか、また、先ほど幾つか
評価機関のお話が紹介されましたけれ
ども、それぞれの
評価の
役割と関係はどのようなものになるのか、
参考人の
指摘をどのように受け止められるのかということについて、まずお
伺いしたいと思います。