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山本正和君 もうちょっと本当は具体的に、これとこれとこれを今後宿題として残っていますという格好で教えていただいた方がいいと思いますが、今の御
説明でまた後、私ども勉強させてもらいますから。
そこで、実は去年の四月にもこの問題で質問をいたしまして、私は教科書の中での扱いをかなりお聞きしたんです。そのときに、初中局長から御答弁もいただいて、そしてまた
大臣からは、こういう立派な本を出していますよと、大変分かりやすい、これも見せてもらいましたし、それから
高等学校で扱うやつを
コピーを取りましていろいろと見てみたんです。随分いろいろと書いてあります。
そこで、なるほどこれずっとやっていけば、
著作権とは何か、あるいは
著作権をなぜ大事にしなきゃいけないかというようなことは一応これでいいだろうと思うんですね。しかし、私は、実は、本当は
著作権というのは人間の文明、文明史、人間の歴史と言ってもいいと思うんですけれども、人類
社会の歴史と言っても、そういうものの中で非常に正に象徴的に現れてきている文明のその姿だろうというふうな気がしてならないんですね。
確かに、何といいましょうか、初めのころは、人間が
社会をつくっていろんなことを勉強していく中で、初めのころは、大変優れた力を持っている人にいろいろな人が慕っていって教わって、それが引き継がれると、こういうふうな時代から、だんだん
社会が形成されていって、そして特に印刷ができるようになったというところからこの問題が議論されていって、初めはそれを、何といいましょうか、君主なり王様が、認めてあげるから、それじゃこれはあなた方の
権利として使う場合には何かしなさいよ、お金を払いなさいよと、また国として統制する
一つの手段として様々なことがあったと、こういう歴史があるわけですけれども、しかし実は今聞いてみると、これはもう、ちょっと今日も西岡先生、今お聞きしたんですけれども、DVDで何かもう二週間たったら消えてしまうものができる、そうすると、
著作権というものを
保護するといっても、一体どうなんだろうか、大変なことだと思うんですね。
私は、結局そこで、今から国際
社会の中でもこの問題がどんどん、それこそ中国が大変な生産力を持ってきている、あるいは発展途上国が大変な力を持ってどんどんいろいろなものを作っていくという中での影響も含めて考えなくてはいけない時代が来るなと思うんですけれども。となると、
著作権というものを、人間の歴史というか、人類がずっと今まで、それこそ何千年という中で作ってきた文化的遺産というかあるいは文明というか、そういうものの中から生まれてきたものなんだということを、そこを根っこに教えなければ、単に例えば
小学校の、これでいったら、どんな
子供にも
著作権あるよ、じゃ僕が何か作ったらいいの、そうだよと、要するにあんたが何かものをちゃんと書いたりあるいは曲を作ったりしたら
権利があるけれども頭の中では駄目よという、ああそうかという程度の、まあそれはそれでいいんですけれども、しかしそうじゃなしに、なぜこんなものを、こんなものというか、こういうことを
著作権というふうになったのかと。
そして、定義も、定義もこれはすばらしい定義ですよね。思想又は感情を創造的に作り出す、そしてできたもの、これに対して
権利を与えると。すばらしいことなんですよね。そのことの
意味を教えることが重要なんじゃないかと。例えば、
小学校の
子供に同じように教えるにしても、何というか、あなたに
権利があるのよと、取り合いするという
意味じゃなしに、あなたが考えたことはこんなにすばらしいのよと、そのすばらしいものをみんなで大切にしていくということが本当にみんなのためになるのだという格好で流した方がいいんじゃないかと思うんですよ。
ところが、
学習指導要領やあるいは教科書の扱いをちょっと眺めていくと、大切にしなさいよということは書いてあるんですね。しかし、なぜ大切にしなきゃいけないの、なぜあなたが独創的に作ったものをみんなが大切にしなきゃいけないという
部分の記述が弱いような気がするんです。
それから、もっと言えば、今度はこれは総合学習、今盛んに言っているけれども、私は高校でしか教えていないから
小学校の小学生は知りませんけれども、僕が想像すると、想像って、
自分で思うと、例えば
著作権のことを教えるときに、印刷、大変な技術です、これね。三大文化の発見の
一つに例えられる印刷ですね。それから活字あるいは木版、初めて金属を使ったと。そういうときに、あるいは自然科学の中で教えるようなもの、たくさんあるんですよね。そういうものを含めた総合学習の中でもこれは扱える問題だろうと思うんですね。
だから、
著作権教育というものを、先ほどから委員の
皆さん方の御質問で、
銭谷次長からいろいろと取り組んでいる成果、報告がありましたね。すばらしいことだと思うけれども、それに更に加えて、何とかもっと大きな格好で、総合学習というか、人間が今日の人間
社会をつくっているという中における役割というような形から教えていくような方法を考えられぬものだろうかと、こんなことを思ったものですから、その辺のことをちょっとお伺いしてみたいんですけれども、そういうふうな、今ある
著作権のこれを更に発展させて、この教科書をですね、あるいは
学習指導要領の中での
位置付けをもっと発展できないだろうかと。
これは、初中局長にこの前御質問したときに、質問したときに、
位置付けはこうなっていますけれども、中身はこうやってたくさん教えていますと。だから、
位置付けをね、
著作権というものの
位置付けを、
学習指導要領の中における
位置付けというものについて更にひとつ
検討してもらえないかと、こう思うんです。
これは今即答はできないだろうと思うんだけれども、私の今言ったようなことについて何か御感想があったら、
大臣からでも結構でございますけれども、文部省としての
考え方をお伺いしておきたい。