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政府参考人(
田原文夫君) お答え申し上げます。
先生御案内のとおり、五月中旬に非農産品グループ、ジラール議長モダリティー要素案ということで、
関税撤廃分野、これの中に、我々としては到底受け入れ難い水産物、これが含まれたということでございます。
このため、五月あるいは七月ということでこの非農産品グループの交渉が行われたわけでございますけれども、
我が国は、韓国でございますとか台湾でございますとか、もう
先生今御
指摘のとおり、いわゆる
我が国と主張を同じくするような国々とともに、有限天然資源であります水産資源の持続的利用という
観点からはこの
関税撤廃は逆行するというふうなことで、関税存続の必要性、こういったことを強く主張してきているというところでございます。
また、各国の
状況ということでちょっと申し上げさせてもらいますと、特恵マージンが喪失するということで一部の途上国もこの分野別の
関税撤廃ということで懸念を表明している国はございます。ただ、アメリカでございますとかカナダ、あるいはニュージーランド、アイスランド、こういった大漁業国等、こういった先進国は水産物の
関税撤廃ということを支持しておりまして、若干不明なのがEUでございまして、EU自体はこの水産物の分野別の撤廃についての立場を今のところ明確にしていない、こういう
状況でございます。いずれにしましても、今後の交渉ということを展望いたしますとかなり厳しいものがあるというふうに見ざるを得ないと
考えております。
このため、先月の末から七月四日でございますが、ここにいらっしゃいます
太田副
大臣がモロッコでございますとかイギリス、こういった国々を訪問されまして、また、先週でございますけれども、
日本とEUのハイレベル協議ということで私どもの次長がEUに参りまして、こうした国々に、言わば私どもの、こうした有限資源を持続的に利用する
観点からは関税が必要であるということ、こういった趣旨のことを再三にわたりまして説明し、
理解を求めるという動きをしております。
この非関税グループ交渉は、カンクンの前に八月にもジュネーブで交渉が行われますけれども、私どもといたしましては、こうした韓国、台湾といった
我が国と
考えを同じくする国々と連携いたしまして、EUでございますとか先ほど申し上げました途上国、こういったところへ働き掛けを行いながら水産物の
関税撤廃阻止に向けまして全力を挙げさせてもらいたいと、かように
考えている次第でございます。