○岩本荘太君 国会
改革連絡会の岩本荘太でございます。
昨日申し上げましたとおり、私は
食料自給についていろいろと調査していただきたいと思います。また、今日は
予算の
審査、
委嘱審査でもありますので、その辺もちょっと加味できたらと思っております。
昨日は、出だしで
食料自給に対する基本的理念といいますか、
大臣からお話を
伺いまして、究極的には安全保障である、私もそのとおりだと思っております。
したがって、
国内農業を守ると、そういう
意味もあるかもしれませんけれ
ども、それが究極というか、それが目的でない、そのことが第一義的な目的ではないというふうに思っておりますし、今日の
議論でも、
国内農業の面から見ますと、今日の
議論でも自由
貿易は先行き
関税を限りなくゼロに近付けるというのが原則じゃないかというようなふうな
議論もございましたけれ
ども、それが自由
貿易の理想だとは思いますが、そういう面からいくと、私は、悲観的な見方かもしれませんが、限りなくゼロに近付けば
日本の
農業は限りなくなくなると、姿になると、こういうふうに思っております。それでいいのかという問題があるんだと思います。
といいますのは、私の
認識では、
日本の
農業で外国
農産物に勝つことができるかということですね。それを考えた場合、非常に悲観的になるわけでございまして、今の
WTOの自由競争の
ルールで考えますと、要するに競争に勝たなければ自給率上がらない、
国内の
農産物が国際競争に勝たなければ自給率上がらないということですから、勝つための要素というのは価格と質しかないだろうと思うんですね。
価格の面から見れば、これはいわゆる
アメリカに象徴されるスケールメリットを
活用した、あの土地の力を使ったあの
農業にはもうとてもじゃないけど勝つすべもないというふうに私は思っておりますし、事実、
日本よりもっと小さい国ですね、例えばシンガポールとか香港、今は中国でしょうけれ
ども、ああいうところは元々
農業というのをやっていけないんじゃないかという、あそこはもう物も入ってきてもいいんですけれ
ども、外国からの農産品が入ってこざるを得ないんでしょうけれ
ども、
日本みたいにある程度の国土がある、こういうところで
農業を放棄するということは、国土の問題からも大きな問題があると思っておるんですが。かといって
アメリカみたいなところには勝てない。かといってアジアの労賃の安さにも勝てない。これは将来どうなるかはまだ分かりませんけれ
ども、経済発展すればあるいは
日本と同じような道をたどって労賃が高くなるかもしれませんけれ
ども、ここ当分はそういうふうな面で勝てない。
とすれば、質で勝つ。質というのもこれなかなか言うはやすくても、
国内産だけが質がいいというわけでもないでしょうから、これもなかなか勝ちようがない。
私は、そこで一つ、そういう中で一つ考えられるのは、安全、
安心といいますか、そういうものも質の一種じゃないかと。そういうことであれば、あれですね、あるいは
日本のものを選択してもらえるということでありますけれ
ども、それは結局は
消費者の選択に負うところが大きいということであって、これは
生産者がどうしようがどうしようもないわけですね。
したがって、そういう外国に勝って上げるということについてもそうですし、
食料自給ということについても、結局、今申し上げたようなことを考えますと、結局
消費者がどういうふうに考えてくれるか、
消費者の意識に集約されるんじゃないかなというようなふうに考えるわけでございまして、先ほど言いましたように、このままの
体制でいけば
日本の
農業というのは、当面は救ってある程度の方策を立てて生き延びるようなことはできるかもしれませんけれ
ども、長期的に見れば安楽死になっちゃうというような
認識でおるわけでございますから、この
食料安保といいますか、安全保障の面からいって
消費者に負うところが多いということは、結局、いわゆる
消費者、
国民的な
認識が、
認識をどうなのかということが大きな課題であると思うんです。
そういう面で、農林省というのは
食料自給ということを表に出して、基本法に載せたわけですから、その
国民的なコンセンサスといいますか、こういう
認識を、
国民的な
認識をどういうふうにとらえられておるのか、浸透していると思われているのか、あるいはそうでない、これからやらなきゃいけないというふうに考えておられるのか、その辺をまず一つお聞かせいただきたいと思います。