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政府参考人(
渡辺芳樹君)
少子化が進行する中におきまして、
子供の幸せを第一に考えて、
子育てをしながら働く方が仕事と
子育てを両立させて安心して
子供を産み育てられる
社会環境を作る、こういうことが大変重要な政策目標であるというふうに思っております。その中で、保育所というのは極めて重要な役割を果たす
社会資源であるというふうに考えております。
いわゆる三歳児神話という
考え方を含む
子育てに関する
考え方についてのお尋ねもあったかと思いますが、簡単に申し上げますと、乳幼児期は
子供の対人愛着
形成とでも申しますか、そういう観点から見まして大変重要な期間であるという
認識は非常に重要な
認識であるというふうに思っております。こうした観点も含めまして、乳幼児が自宅において養育を受ける場合、あるいは保育所において保育を受ける場合、いずれにおきましても質の高いしっかりとした養育や保育が行われるということが大切であろうかというふうに考えておるわけでございます。
そういう観点から、保育サービスの質の重要性ということも
一つの見方として御
指摘させていただきたいと思いますが、もう
一つ質の問題について続いて申し上げますと、保育の質という場合にも
様々な見方あるいは角度というものがあると思いますが、いわゆる延長保育とか休日保育に見られますような、特別保育による御家庭のニーズへの的確な対応ができるかどうかという点も
一つの大きな質の問題として近年取り上げられ、エンゼルプラン、新エンゼルプランと通じて、そうしたところの
社会資源の充実というものを図ってきたところでございます。
それから、保育所の役割と幼保一元化と言われる問題につきましての
厚生労働省の見解を問うということでございますが、近年の
女性の
就業の増加等に伴いまして、多様な時間帯、休日を含めあるいは夏休み、冬休みなく年間を通じた保育ということ、それからゼロ歳児から二歳児の更なる受入れニーズの拡大への対応と、こういうことで保育所への需要というのは私ども大変増大しているというふうに考えております。そういった観点から見ますと、いわゆる就学前
教育機関である幼稚園との差異はむしろ拡大している側面が
指摘すべきだというふうに考えておるところでございます。
ただ、多様化する
子育てニーズは、今の申し上げた点だけにとどまらず
様々地域にございますものですから、地域の
子育て資源を総合的かつ効率的に活用するという観点はこれまた極めて重要でございまして、とりわけ
少子化が進行する地域、
児童数が少ないような地域におきましては、貴重な
社会資源である保育所と幼稚園の相互の連携をより一層強化するということが大切であるという
認識の下に、文部科学省と共同してその連携の強化の
施策を具体的に
一つ一つ積み上げてきたというのが私どもの
考え方でございます。
幼保一元化という御議論につきましても、どういうレベルの御議論であるかということによって私どもの
考え方もそれぞれにあるわけでございますが、
制度的に保育所と幼稚園をただ一元化してしまうということにつきましては、多様な
子育てニーズに多様な
社会資源をうまく組み合わせて対応するという観点からは、私どもいかがなものかというふうに考えております。
いずれにしても、今申し上げましたように、的確に
子供の幸せを第一に考えながらニーズに対応していく、そして地域における
子育て力というものが向上していくということが大切ではないかと思っておるわけでございます。
なお、先般の閣議決定の中で、「就学前の
教育・保育を一体として捉えた一貫した総合施設の設置を可能とする」ということもございますので、さらにまた新しい観点も含めて幅広く検討を進めてまいりたいというふうに考えております。