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阿部正俊君
自民党の
阿部正俊でございます。
実は、今日まで私
どもの党の、
与党の質問の予定は亀井郁夫
先生予定しておったんでございますが、
先生もちょっと
事故がありまして腰を打たれたというようなことで、ちょっと今日は
出席できないということでございますので、我が党の
質疑ということで
亀井先生に代わりまして私がやらさせていただきます。
なお、
政府側の
方々に申し上げますが、できるだけ
亀井先生の御通告いただいている範囲内でやらさせていただきたいというふうに思いますので、全く
亀井先生のような
人格者の代役は務まりませんけれ
ども、
ピンチヒッターということで、多少空振りしたりあるいはとんでもない
方向にファウル打ったりするかもしれませんけれ
ども、そこはひとつ御勘弁いただきたいと思っております。よろしくお願いいたします。
今回の
食品安全基本法案、
食品につきまして
安全基本法案ということでの
一つの
憲法といいましょうか、
食品についての
憲法ができるということかなというふうに思いますし、そういう
意味で新しい
時代の
変化、新しい
時代の幕開け、これからの
食品行政の大きな
流れが、今までの路線の延長線上ではなくて一回ここで腰を据えて次の
方向を見定めようじゃないか、こんなふうな時期なのではないかと、こんなふうな気がします。
そうしたふうな
状況になった
きっかけは、何といいましてもやっぱり一昨年の
BSEの発生であろうかなというふうに思います。今、
急性肺炎の問題がなっていますが、何よりもやはりああいったふうな
伝染性なり、
庶民の
生活に、直接健康にかかわってくる問題といいますのは、とかく
初動の、
初動捜査という
言葉がありますけれ
ども、
初期対応策の是非、
良否というものがその後の結果の
良否を大きく分けるんだなとまた改めて思うわけでございますけれ
ども、
BSEの問題もそうしたふうなものがかぎ取られる、言えるんではないかと、こんなふうな気がいたします。
さらには、昨年は言うまでもなく、いわゆる
外国野菜の
農薬、
残留農薬の問題だとかホウレンソウの
残留農薬とか議論をなされましたし、国内におきましてもいわゆる無
登録農薬が使用されたというふうなことが出たりいたしました。私の育ちであります山形でもサクランボとかラ・フランスとか大変な打撃を受けることにもなりましたし、
生産、
販売に当たっての
倫理というものも改めて問われるということになりましたし、法制上の不備も
指摘をされたわけでございますが、そうしたふうなこともございました。
そんなことで、日々、正に命の綱でございます食の問題につきまして
国民の不安なり関心が様々な
分野で高まり、さらに
倫理という面におきましても、
BSEの問題では様々な
政策を打たれましたけれ
ども、逆に今度、
虚偽表示というようなことで、言わば、いわゆる善政と思われる施策に悪乗りした
企業の行為というものが表に出てきたというふうな話だとか、あるいは産地の
表示を、必ずしも
原産地、いわゆる常識的な
原産地ではなくて、
生産地の
表示と
原産地の
表示が何か
一緒になっていたようなことがあったし、あるいは印刷物を張り替えたとかいうふうな、
企業倫理としても改めて不信を買うようなことが続発をいたしました。
そういう中で、
BSEの
政府の
検討委員会の
報告書が出され、
自民党の
安全確保に関する
特別委員会、
特命委員会も
提言をしたり、あるいは
与党三党の食の安全に関する
提言など、
政府、
与党一体となって
食品安全に対する
検討結果といたしまして今回の
食品安全基本法の制定に結び付いたのかなと、こんなふうに思っております。
そういう
意味で
評価されるものだと思いますが、ただ、やはり
食品行政につきましても、ただ直せばいいというものではなくて、むしろ、
言葉はきついかもしれませんけれ
ども、
過ちというものを、何が
過ちだったのかということをきちっと押さえておくということが大事なんじゃないか。
私も
役人出身といえばそうなんでございますが、
役所というのはえてして、こうやりますよということはよく
説明するんですけれ
ども、かつてこういうことがまずかったねと、AとBとCとDがこういう面でおかしかったね、あるいは
時代に合わなくなったね、あるいは間違ったなというようなことを余り言わないんですね。それを言わないから、逆に言うと、これから先何をするかというときの迫力がないんだと思うんです。やはり、今までの仕方がどこがおかしかったのか、あるいは
時代にどこが合わなかったのか。何も個人の
責任じゃないと思うんです、
行政としてもう少しかつての、今までのやったことの
評価というのをきちっとした上で、そうすれば将来の課題もおのずと見えてくるんじゃないかと。意外と、そうしないで、こうやりますよだけ一生懸命
説明する方がおられるんですけれ
ども、これは
役所の私は余りいい性癖じゃないんじゃないかと思いますけれ
ども。
そういう傾向からしましても、かつての
過ちは何だったのか、それを確認した上でそれをどういうふうに変えていこうとされるのか。これもまた、別に百点満点の、神ならざる身ですから、こうあれかしと思って変えることがすべて正しいかどうか分かりません。だけれ
ども、チャレンジしてみるということがどうしても必要なんじゃないかなと思うんですが、どういうふうに変えていこうとされるのか。これもやはり
国民にきちっと、分かりやすくと言っても何も易しい
言葉というだけじゃなくて、視覚に訴えるくらいの明確さといいましょうか、というものがやはりどうしても必要なんじゃないかなという気がしますけれ
ども、そうしたふうなことで
食品行政についての過去の
過ちといいましょうか、あるいは
時代に合わなくなった点とか、どこかがまずかったのかという点を幾つか抜き出してもらい、それに対応するこれからの改革の柱というのは何なのかということについて
大臣から御
説明をいただきたいなと、こんなふうに思います。
組織の問題もありましょう、それも含めてひとつ
大臣に御
説明いただき、将来の言わば、最近
説明責任とよく言われますけれ
ども、とにかく延々なんなんと
言葉を続けることが
説明責任ではないだろうと思います。むしろ、小枝を切っても
大枝をきちっと示すということが
説明責任じゃないのかなと。その
大枝は何なのかということを、今回の、私は
食品行政全体の大きな転換なんだと思いますけれ
ども、是非お示しいただき、これからの
考え方をお述べいただきたいと思います。よろしくお願いします。