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阿部正俊君 理由はともかく、何というかな、
閣議決定ということをどう考えるのかという、かなり高度な私は
人事院の在り方とかかわる問題ではないかなという気がするわけです。二・五倍いいのか三倍がいいのか四倍がいいのか、それは両方で話を、もし御理由があるならば事前に
閣議決定のときに申し上げるべき話なんで、後でこうだから守る必要ないねということで連絡だけなのかどうか詳しく知りませんけれども、どうも
閣議決定というのは、
人事院にとっては少し離れたところでやっているということになるのかなという気がしますけれども。
あえて
大臣には聞きませんけれども、この辺につきまして私はもう一回
閣議決定と
人事院との
関係といいましょうか、
内閣と
人事院との
関係ということにつきまして再検討されるべきじゃないかな、こんなふうに思いますし、あと時間がありませんので言いっ放しになりますが、やはり
人事院というのは
基本的には、よく言われるとおり、いわゆる労働三権の制約がある、その代償措置として
人事院というのがあるということでございますので、そこは何なのかということを、どっちかといいますと私は、今官から民へという時代ですから、むしろそこは、労働三権の制約というのはどうしても必要ならする、しかし、それに対する代償措置としても言わば最小限にするというのが本来ではないかということだと思うんです。
できるだけ、労働自主権あるいは勤務の自主権、あるいは一方での、企業じゃありませんけれども、
公務というものの流動性なり民との交流なんかも盛んにするわけですから、そういうものがやりやすいようにできるだけ制約を少なくしていくというのが、私は、
人事院の存在し得る、しかも正当なる
仕事をこれからも当然のことにしていくということの、言わばレーゾンデートルといいましょうか、存在意義としての
人事院ということになるんではないかと、こんなふうな気がします。
従来どおりの、何か言わば、失礼でございますけれども、
閣議決定も守らなくていいんだみたいな超然としたような形で
人事院が存在するというのは、私は必ずしも、
国民全体の
奉仕者たる
国家公務員の在り方としては、労働三権を制約し、それの代償措置の
人事院というのはどうなんだろうなという率直な感想を持っていますので、これにつきましてはどうか、どっちかといいますと最小限の措置といいましょうか、というもので考えていただきたいなということを御要望にさせていただきたいと思います。
次に、官民交流といいましょうか、というふうな点についてお伺いいたします。
国家公務員法百三条、ここに持ってまいりましたが、そこではこう書いてあるんです。要するに、
公務員というのは特別なものであると。しかも、法百三条見出しとして、
国家公務員についての「私企業からの隔離」と書いてあるんですね、隔離。これは何だろうかなと。昔、嫌な
言葉ですけれども、小さいころに隔離病舎というのがありました。いわゆる伝染性疾患の罹患をした方の隔離して伝染の防ぐための病舎ということで、何か極めてそこは子供心に近寄ってはならないところだといいましょうか、いうふうな発想で、何か汚れたところといいましょうか、ようなことを印象を持ったんですが。
書いてあるのは何かといいますと、「
職員は、商業、工業又は金融業その他営利を目的とする私企業(以下営利企業という。)を営むことを目的とする会社その他の団体の役員、顧問若しくは評議員の職を兼ね、又は自ら営利企業を営んではならない。」と。それから、離職後二年間は承諾しないと就職できないと、こういうことを書いてあるんですね。
これはもう私企業からの隔離ということなのかと、私、大変疑問に思います。規定そのものの中身も再検討しなきゃならぬ点が多いと思うのでございますが、どうも先ほど、私、
身分ということをちょっとこだわりましたけれども、そういう発想と似たようなのがそこに流れているんじゃないかなと思えてなりません。
これからの
公務員像、先ほど
大臣が官民交流と申されましたけれども、交流というよりも、私はもう一歩進めて、むしろ何というのかな、
職務があって、その
職務を遂行するにおいては
国家公務員という一定の権利とか義務があるけれども、あるいは倫理も別なんだけれども、それを去ったら、そこに別な人が、仮に
公務員試験やら何やらとは別な人が来てやれるならやってもいいということが、むしろ官民相互の交流というよりも異動が常時可能だというふうなことを、大多数は多分、私は七、八割はいわゆる
公務員がなるんだと思いますけれども、そういったことも可能な方式をやはり目指していくのがこれからの方向なのかなと考えますと、こうしたふうな条文の、見出しがどうだと私言うわけじゃありませんけれども、これは後で編集者が付けた見出しじゃないんですね、ちょっと役人的なことを言いますと、
最初から、当初からの見出し付きの
法律の見出しなんだ。これはやっぱり思想を表しているんじゃないかなという気がしますけれども、この辺につきましてちょっとお聞きしたいと思いますが。
こうなりますと、まずこれについて、何か隔離という、私企業というのは物すごく汚い
世界だと、そこから距離を置くのが本来の
公務員の在り方だというようなことが、何か汚い
世界、我々は高潔で向こうは汚いんだというような発想で物を考えていなかったかなという気がしますけれども、これについて行革
担当大臣、どうでしょうか。どんなふうにお考えでしょうか。
できれば、私は、これからこの条文も含めて、見出しも含めて、見出しは少なくともなしにしてもらいたいというようなことですが、将来大
改正を、廃止を含めて大
改正ということになるのかなと思いますけれども、
大臣のちょっとお考えをお聞きしておきたいと思います。