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国務大臣(細田
博之君)
科学技術政策担当大臣及びIT
担当大臣として、私の
所信を申し上げます。
まず初めに、米国のスペースシャトル・コロンビア号の事故で犠牲になられた七人の乗組員の御冥福をお祈りするとともに、御
家族並びに
関係者の皆様に深く哀悼の意を表します。早期の原因究明を
期待するとともに、
我が国としても、科学技術を通じた人類の
発展のために、宇宙開発利用を的確に
推進してまいります。
科学技術は、
我が国が
国際競争力を回復し
経済の
活性化を図るための重要なかぎです。私は、就任以来、
総合科学技術会議の機能を十分に発揮させつつ、総合的かつ
重点的な
政策展開を図ってまいりましたが、引き続き、第二期科学技術基本
計画に沿って
科学技術創造立国を目指して
努力してまいります。
第一に、人類の知的資産の拡充に貢献する基礎研究を
推進するとともに、ライフサイエンス、
情報通信、環境、ナノテクノロジー・材料という
重点四
分野を
中心に戦略的
重点化を進めます。特に、
平成十五年度
予算案においては、産学官が一体となり、
経済活性化のための研究開発プロジェクトを戦略的に
推進します。また、
平成十五年度の
予算編成過程では、各
府省の概算要求
施策の優先順位付けを行い、めり張りのある
予算配分に努めました。こうした
取組を通じて、全体として厳しい歳出の見直しを行う中で対前年度比三・九%増の科学技術振興の
予算を計上しているところです。
第二に、科学技術システムの
改革を大胆に進めます。
競争的研究資金の
制度改革、産学官
連携の
推進、知的財産の保護と活用、
地域科学技術の振興等に取り組みます。また、研究成果が
事業化に結び付かないいわゆる死の谷
状況を克服するため、研究開発型ベンチャー創出・
育成の
支援を進めます。
第三に、公正でかつ分かりやすい評価を
実施します。特に、大規模な研究開発その他の国家的に重要な研究開発については、
総合科学技術会議において評価を行います。
第四に、
科学技術政策の国際調和を図ってまいります。クローン人間禁止に関する条約の取りまとめなど国際的な
重要課題に適切に対処してまいります。また、科学技術に関する共通の価値観を
形成するため、科学技術と人類の未来に関する国際的なフォーラムの開催に向け国内外に働き掛けを行います。
また、国際熱核融合実験炉、ITER
計画において、これまでの
日本、カナダ、EU、ロシアの四極に加え、米国及び中国の参加が決定したことは誠に喜ばしいことです。引き続き、ITER
計画の
推進と国内誘致の
実現に
努力してまいります。
先日、高速増殖原型炉「もんじゅ」の原子炉設置許可処分が無効であるとの控訴審判決が言い渡されました。安全審査は当時の最高の知見を踏まえて最善を尽くしたものであると認識しており、本判決の中で指摘された技術的内容については原子力安全
委員会としても十分
検討しているところであります。
いずれにしても、核燃料サイクルは、資源の乏しい
我が国において資源の有効利用を進める上で重要な基本
政策です。引き続き、安全
確保を大前提に、高速増殖炉を含めた核燃料サイクル
政策を
推進してまいります。
IT革命の
推進については、二〇〇五年までに世界最先端のIT国家となることを目指し、「e—Japan
重点計画—二〇〇二」を着実に
実施してまいります。また、ネットワークインフラの
整備等これまでの成果を踏まえ、利用者の視点をより重視した新IT戦略を策定し、ITの積極的な利活用を通して、
社会全体が元気で、安心して生活でき、新たな感動を享受できる、これまで以上に便利な
社会の
実現に努めてまいります。さらに、IT
社会における
国民生活の保護に不可欠な個人
情報の保護についても、
法律案を提出したところであります。
委員長を始め、
理事、
委員各位の御
理解と御
協力を心からお願い申し上げます。
ありがとうございました。