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2003-07-17 第156回国会 参議院 政治倫理の確立及び選挙制度に関する特別委員会 第4号
公式Web版
会議録情報
0
平成十五年七月十七日(木曜日) 午前九時開会 ─────────────
委員
の
異動
五月三十日
辞任
補欠選任
谷
博之
君
柳田
稔君
平野
貞夫
君
広野ただし
君 七月十六日
辞任
補欠選任
千葉
景子
君
信田
邦雄
君
柳田
稔君 谷
博之
君
井上
哲士
君
小林美恵子
君 ─────────────
出席者
は左のとおり。
委員長
沓掛
哲男
君 理 事 狩野 安君 木村 仁君 田村 公平君
広中和歌子
君 福山 哲郎君 森本 晃司君
池田
幹幸
君 委 員 愛知 治郎君 有村 治子君 泉 信也君 岩井
國臣
君 尾辻 秀久君 亀井 郁夫君
段本
幸男君 中島 眞人君
南野知惠子
君
藤井
基之君 吉田 博美君 小川 勝也君 谷
博之
君
信田
邦雄
君
藤井
俊男君 堀 利和君 簗瀬 進君 山下八
洲夫君
木庭健太郎
君 山本 保君
小林美恵子
君
八田ひろ子
君 大江 康弘君
広野ただし
君 又市
征治
君
衆議院議員
政治倫理
の
確立
及び
公職選挙法
改正
に関する特 別
委員長
高橋
一郎
君
政治倫理
の
確立
及び
公職選挙法
改正
に関する特 別
委員長代理
竹本
直一
君 副
大臣
総務
副
大臣
若松
謙維君
事務局側
常任委員会専門
員 藤澤 進君
常任委員会専門
員 加藤 一宇君
政府参考人
総務省自治行政
局選挙部長
高部
正男
君 ───────────── 本日の会議に付した案件 ○
政府参考人
の
出席要求
に関する件 ○
公職選挙法
の一部を
改正
する
法律案
(
衆議院提
出)(衆第四〇号) ─────────────
沓掛哲男
1
○
委員長
(
沓掛哲男
君) ただいまから
政治倫理
の
確立
及び
選挙制度
に関する
特別委員会
を開会いたします。 まず、
委員
の
異動
について御報告いたします。 去る五月三十日、
平野貞夫
君が
委員
を
辞任
され、その
補欠
として
広野ただし
君が選任されました。 また、昨日、
千葉景子
君及び
井上哲士
君が
委員
を
辞任
され、その
補欠
として
信田邦雄
君及び
小林美恵子
君が選任されました。 ─────────────
沓掛哲男
2
○
委員長
(
沓掛哲男
君)
政府参考人
の
出席要求
に関する件についてお諮りいたします。
公職選挙法
の一部を
改正
する
法律案
の審査のため、必要に応じ
政府参考人
の
出席
を求めることとし、その
手続
につきましては、これを
委員長
に御一任願いたいと存じますが、御
異議
ございませんか。 〔「
異議
なし」と呼ぶ者あり〕
沓掛哲男
3
○
委員長
(
沓掛哲男
君) 御
異議
ないと認め、さよう取り計らいます。 ─────────────
沓掛哲男
4
○
委員長
(
沓掛哲男
君)
公職選挙法
の一部を
改正
する
法律案
を
議題
といたします。 まず、
提出者衆議院政治倫理
の
確立
及び
公職選挙法改正
に関する
特別委員長高橋一郎
君から
趣旨説明
を聴取いたします。
高橋一郎
君。
高橋一郎
5
○
衆議院議員
(
高橋一郎
君) おはようございます。 ただいま
議題
となりました
公職選挙法
の一部を
改正
する
法律案
につきまして、提案の
趣旨
及び
内容
を御
説明
申し上げます。
本案
は、
身体
に重度の
障害
がある
選挙人
について
選挙権行使
の
機会
を拡充するため、
郵便等
による
不在者投票
の
対象者
を
拡大
するとともに、
郵便等
による
不在者投票
をすることができる
選挙人
のうち自ら
投票
の
記載
をすることができないものとして制令で定めているものについて、
代理記載
の
制度
を設けるほか、
所要
の
規定
の
整備
を行おうとするものであります。 その主な
内容
は、第一は、
郵便等投票
の
対象者
の
拡大
についてであります。
現行法
においては、
郵便等
による
不在者投票
をすることができる
選挙人
は、
身体障害者福祉法
第四条に
規定
する
身体障害者
又は
戦傷病者特別援護法
第二条第一項に
規定
する
戦傷病者
であるもので
政令
で定めるものとされております。
本案
は、
郵便等
による
不在者投票
をすることができる
選挙人
として、
介護保険法
第七条第三項に
規定
する要
介護者
であるもので
政令
で定めるものを加えることといたしております。 第二は、
郵便等投票
における
代理記載制度
の導入についてであります。
現行法
においては、
郵便等
による
不在者投票
は
選挙人
が自ら
投票
の
記載
をすることとされており、
上肢障害
、
視覚障害等
により自ら
投票
の
記載
をすることができない者は事実上
投票
できない
状態
となっております。
本案
は、
郵便等
による
不在者投票
をすることができる
選挙人
で
郵便等
の
方法
により
投票
をしようとするもののうち自ら
投票
の
記載
をすることができないものとして
政令
で定めるものは、あらかじめ
市町村
の
選挙管理委員会
の
委員長
に届け出た
選挙権
を有する者をして
投票
に関する
記載
をさせることができることといたしております。 また、
不正投票等
を
防止
するため、
郵便等投票
における
代理記載
において
選挙人
の指示する
候補者
の
氏名等
の
記載
をしなかった等の場合には二年以下の禁錮又は三十万円以下の罰金に処することといたしております。 なお、この
法律
は、公布の日から起算して一年を超えない
範囲
内において
政令
で定める日から
施行
することといたしております。 その他、
所要
の
規定
の
整備
を行うことといたしております。 以上が
本案
の
趣旨
及び
内容
であります。 何とぞ、
慎重審議
の上、速やかに御賛同賜りますようお願い申し上げます。
沓掛哲男
6
○
委員長
(
沓掛哲男
君) 以上で
趣旨説明
の聴取は終わりました。 これより
質疑
に入ります。
質疑
のある方は順次御発言願います。
谷博之
7
○
谷博之
君 おはようございます。
民主党
・新緑風会の
谷博之
でございます。 限られた時間でございますから、早速御
質問
をさせていただきますが、私は、
民主党
の中でいわゆる
選挙制度
の
改正
の
動き
につきまして
プロジェクトチーム
を作りまして、その
責任者
という
立場
にございましたので、そういう
立場
から、
確認
をする
意味
も含めて
幾つ
か
質問
を申し上げたいというふうに思っております。 そのまず
一つ
は
施行期日
の問題でございますけれ
ども
、今もお話ありましたように、我々が党内で
議論
をしてまいりましたときに、この
施行期日
については、できるだけ法の
改正
によって直近の
国政選挙
からこの
制度
が
適用
になるということが一番ベターなことであるというふうに考えておりまして、そういう
意味
から、我々の四月三日に出した
議員立法案
としては六か月というふうに一応この
施行期日
を決めたわけでありますが、この
法案
では一年を超えない、こういうふうな
規定
でございます。したがって、
衆議院
の解散・総
選挙
はいつになるか分かりませんが、そういうことも含めるならば、一年というふうに単純に考えると来年の
参議院選挙
からと、こういうことになるわけでありますが、具体的にこの
施行期日
についてはいつを目指すことになるのか、改めて
参考人
にお伺いいたしたいと思います。
高部正男
8
○
政府参考人
(
高部正男
君) お答えを申し上げます。
施行
の時期についてでございますが、この
改正案
が通りますと、私
ども
、
政省令
の
作業
がございます。また、円滑な
施行
のために必要かつ十分な
周知期間
も必要だろうと思っておりますが、
委員
御
指摘
ございましたとおり、早期の
施行
を求められておるところでございます。 類似の事例で
現行
の
郵便投票
の
制度
を創設した際に、一年以内で
政令
で定める日というような
規定
をされておりましたが、実際には
施行
を急いで七か月程度で
施行
された例がございます。こういうことも
参考
にいたしまして、また来年には
参議院通常選挙
が予定されているところでございますので、
法律
が通りましたならば、来年の
選挙
には新たな
制度
が
適用
できますようにできる限り速やかに
施行
するよう努力してまいりたいと考えておるところでございます。
谷博之
9
○
谷博之
君 今申し上げましたように、
衆議院
の
選挙
がいつになるか分かりませんが、できるならばその
作業
を早めていただいて、その時期に合うようであればその
時点
から
適用
するというふうな形を是非考えていただきたいというふうに考えております。 それから、
二つ目
の
質問
でありますが、
代筆
での
郵便投票
における不正の
防止
の問題であります。これについては、
法律
に基づいて
政省令
を具体的に
検討
することになるんでしょうか。
高部正男
10
○
政府参考人
(
高部正男
君) これも御
指摘
ございましたように、今回の
法案
におきましては、
政令
で定めるところにより、あらかじめ
市町村
の
選挙管理委員会
の
委員長
に届け出た者に
投票
に関する
記載
をさせることができると
規定
されているところでございます。
現行
の
制度
でございますけれ
ども
、
現行
の
郵便等
の
不在者投票
におきましては、
郵便等投票証明書
というものの
交付
を
身体障害者手帳等
を添付して
申請
いたしまして、その
証明書
を提示して
投票用紙等
の
交付
を
請求
する、
投票用紙
を
封筒
に入れて
選管
に郵送するという
仕組み
になっているところでございます。 今回の
改正
が成立した場合に、具体的な
手続
をどういうふうにするかということにつきましては、国会における御
論議
でございますとか、これまでの
立案過程
における御
論議
を踏まえまして私
ども
検討
させていただくことになろうかと考えておりますが、これまでの
各党
間の
協議
におきましては、
郵便等投票証明書
の
交付
の
申請
が
本人
からの
申請
であることは
本人
の
身体障害者手帳等
を添付することにより
確認
するものとするということとされておりますので、
政令
におきましては、
現行
の
政令
に準じまして、
各種手続
におきまして、
身体障害者手帳
や
郵便等投票証明書
を添付することによりまして
本人
の意思であることを
確認
する
仕組み
を考えているところでございます。 また、あらかじめ届け出た
代理記載人
と、実際に
投票
の
記載
を行った
代理記載人
が同一人であることを担保する
方法
といたしまして、
代理記載人
に
登録
時それから
投票用紙
の
請求
時あるいは
投票
時に
署名
を提出させることが有効であると考えているところでございます。
現行
の
郵便投票そのもの
も今申し上げました三
段階
に御
本人
の
署名
をいただくことになっておるところでございます。 こういうことで、
一つ
の
方法
といたしまして、
登録
時に
代理記載人
が
署名
をいたしました
代理記載人
となる旨の
同意書
を提出いただきまして、
投票用紙
の
請求
時にはその
請求書
に
代理記載人
の
署名
をしていただくと。また、
投票
時には、
委員
御
案内
のように、二重
封筒
でやりますので、その
外封筒
に、
投票用紙
を入れました
外封筒
に
代理記載人
の
署名
を求めることが
一つ
考えられるのではないかというふうに思っているところでございます。 いずれにいたしましても、この
法案
が成立、公布されましたならば、その
規定
に従いまして、これまでの御
論議
を踏まえまして、
不正防止
の
観点
も考慮いたしまして適切な
対応
をいたしたいと考えているところでございます。
谷博之
11
○
谷博之
君 今の
説明
で、ともかく実施するということになると思いますが、最終的には
罰則
による担保ということにならざるを得ないんだろうと思いますが、そういう点では是非これからも慎重な
対応
、
検討
をしていただきますように要望しておきたいと思います。 それから、三番目の問題でありますが、いわゆる今回要
介護度
五の問題が出てまいりました。要
介護認定
に基づく
郵便投票証明書
ですね。この
有効期間
については具体的にどのような制限を加えることになるんでしょうか。
高部正男
12
○
政府参考人
(
高部正男
君)
委員
御
案内
のように、
現行
の
証明書
の
有効期限
は、
対象
が
症状
が固定された
身体障害者
の
方々
だということを前提にいたしました七年ということで行っているところでございます。 今回、新たに
対象
となることが予定されます要
介護
五の方につきましては、これも
立案過程
でいろんな御
議論
をいただいたところでございますけれ
ども
、要
介護認定
に
有効期間
があるわけでございまして、それが
一つ
と。それから、要
介護
の
状態
、五なら五でずっと固定していれば
身体障害者
の
方々
と同じような考え方もできるんですが、ある程度
介護認定
が移動すると。十数%が、要
介護
の方が、これまでの例でいいますと、十数%、要
介護
四なり三に移動するというようなこともあるようでございますので、あくまでも要
介護
五を
対象
とするという
政令
で定めますと、やっぱりその要
介護
の
認定期間
とリンクさせる必要があるのではないかなというふうに考えておるところでございます。
谷博之
13
○
谷博之
君 いろいろ聞いてまいりましたが、今回のこの
公職選挙法
の
改正
によって、
代筆
による
郵便投票制度
ということで新たな
制度
がスタートすると、こういうことになるわけです。我々は、この
動き
を尊重しながら、じゃ次にどうするかということでありますが、少なくとも
郵便投票制度
の
対象者
の
拡大
、これを更に
検討
していかなければいけないというふうに思っています。 ここで具体的に私、ちょっと
三つ
ほど
具体例
を申し上げたいと思うのでありますけれ
ども
、
一つ
は、前回の五月三十日に私が本
委員会
で
質問
させていただいたときに、今の
質問
に関連するんですが、要
介護認定
を
郵便投票
の
対象
として活用することについて、
選挙部長
が、
介護
に要する時間という視点で等級が定められていることから、今の
時点
で私
ども
としてこれを直ちにそのまま使えるかというと、いろんな
課題
がある、このように答弁をしております。これはこのとおりだと思うんですね。
民主党
も、そういう
意味
では一月から七回にわたってこの
対象者
の
拡大
の問題について
議論
をしてまいりました。例えば、日弁連が提言しているいわゆる
医師
の
診断書
による
対象者
の
拡大
の
方法
、こういうものも今後
検討
されなければいけないんじゃないかということがまず
一つ
であります。 そして
二つ目
には、
大阪
で二〇〇〇年の五月に
ベーチェット病
とか
パーキンソン病
とか
肝臓病
のいわゆる
難病患者
の
皆さん方
が
郵便投票制度
を利用できるように
改善
を求める
要望書
を提出しております。こういう
難病患者
の
皆さん方
、いわゆる
介護保険制度
でいうならば四十歳から六十四歳までの
人たち
に対して、
パーキンソン病
の
患者
だけは
特定疾病
として
介護保険
の
対象
にされているけれ
ども
、
ベーチェット病
や
肝臓病
の
患者
の
皆さん方
は
対象
から外されているということがあって、つまり六十五歳未満のこういう
ベーチェット病
、
肝臓病
の
患者
の
皆さん方
の、この要
介護度認定
を受けることができないためにこの
制度
の
対象
の外になってしまいます。また、
症状
が固定していないために
障害者手帳
も受けられないと、こういうことで、その結果、今回の
改正
によってもこれらの
方々
は該当しないと、こういう
ケース
になってまいります。さらにまた、四十歳以下の
人たち
の
パーキンソン病
の
患者
の
皆さん方
も当然
介護保険制度
からは外れているわけでありますから、したがってそういう
意味
では、今度の
法改正
による
対象
の
拡大
といっても、それは全体の中でいうと、いろんな同じ
難病患者
の中でも矛盾が出てきているというふうに言わざるを得ないと思うんです。これが
二つ目
です。 それから、
三つ目
の
課題
でありますけれ
ども
、今年一月から二月にかけて
大阪
の
知的障害者
の男性が
大変投票
に意欲を持っているということで、その
父親
が地裁に提訴をいたしまして、その
判決
が出されました。その
判決
の
内容
は憲法の
趣旨
に照らして
改善
が必要だと、こういうふうな
判決
であったわけでありますが、これを不服としてその
父親
は更に
高裁
に控訴をいたしておりまして、その
判決
もそのうち出るんではないかというふうに思っています。 こういういろんな
ケース
を
三つ
ほど挙げましたけれ
ども
、今度の
法改正
によって
郵便投票制度
の
対象者
の
拡大
という
意味
では、まず第一歩に就いたところではないかというふうに我々は考えております。 そこで、本当に必要な人が
対象
となるようなそういう
改正
をこれからも続けていくべきだというふうに思いますし、
衆議院
の決議でもそのような
内容
が盛り込まれているということでありまして、今後この
大阪高裁
の
判決
やあるいは実務を担当する地方自治体の
関係者
の
方々
の意見などを聞きながら、この
郵便投票
の
対象拡大
について
総務省
は今後どのように考えておられるか、お伺いしたいと思います。
高部正男
14
○
政府参考人
(
高部正男
君)
現行
の
制度
で
投票
することが困難な
方々
の
投票機会
の
確保
をどのようにして図っていくのかというのは非常に重要な
課題
だというふうに私
ども
も認識しているところでございます。 この場合、
郵便投票
といいました場合に、
医師
の
診断
というような御
指摘
もございましたけれ
ども
、
委員
よく御
案内
の、かつて
制度
があって、いろんな不正があったというような経緯もございまして、結局のところ、この
郵便投票
の
対象
をどう考えていくのかということについていいますと、
選挙
の公正あるいは
投票
の公正の
確保
という
観点
との調和をどのように図っていくのかということになるんだろうと思うんですが、
範囲
をどうするのか、
認定方法
をどうするのか、全国的に平等な取扱いが可能なのかといったような
課題
の解決が必要だと思っております。今回の
法案
におきましては、
介護保険
の要
介護度認定
の基準を活用するというふうにされたものだというふうに承知しているところでございます。 いずれにいたしましても、どういう形で
投票
、
現行制度
では難しい
方々
の
投票機会
を
確保
していくのかというのは非常に大きな
課題
だというふうに考えておりまして、
選挙
の公正を図りながらどういうことが考えられるのか、私
ども
も引き続き
検討
をしていきたいと考えておりますし、またこの
重要性
にもかんがみまして、
各党
各会派におかれましても引き続き御
検討
をいただけたらと、かように思っているところでございます。
谷博之
15
○
谷博之
君 最後に、一点要望させていただきますが、今はいろんな
対象者
の
拡大
の話をしてまいりましたけれ
ども
、今後引き続いてこの本
委員会
でもこうした
課題
に
是非議論
を進めていただきますようにお願いを申し上げまして、時間が参りましたので、私の
質問
を終わります。 ありがとうございました。
池田幹幸
16
○
池田幹幸
君
日本共産党
の
池田幹幸
です。 今度の
法改正
は非常に重要な前進を含んでおりまして、私
ども
日本共産党
、賛成でございますが、
幾つ
かの点を
確認
だけしておきたいと思います。 既に、
谷委員
の
質問
で明らかな点もありますので、一点か二点だけに絞りたいと思います。 この
郵便投票
というのは一九五〇年代に一度廃止されました。それが、その原因が、要するに不正が横行したということなんですけれ
ども
、そういったことを考えますと、やっぱりこの
不正防止
の
手段
というのはきちんとしないといけない。
罰則
で担保されているということなわけですけれ
ども
、要するに不正が起こり、起こし得ないような何らかの
手段
というのもやっぱり考えていかなければいけないんだろうと思うんですね。 そこで、要するに、
代理人
の
申請
なんですけれ
ども
、これについては、
選挙人本人
がこの
代理人
を選択して
申請
するということになっています。そこで、
郵便投票
を行うということの
申請
とか
投票用紙
の
請求
、これは
代理人
を通じて行われるわけなんですが、まず、この
代理人
が
選挙人本人
が選定しました、選びましたということとか、それから
申請書
ですね、それ自身が
選挙人
がきちんと
確認
をしたものであるということとか、その
確認
が非常に難しいと思うんです。手が不自由だということで書けないというならいいんですけれ
ども
、
視覚障害者
の場合、
代理人
が
代筆
するわけですね。どういうふうに
代筆
したのか分からない、その
確認
を一体どういうふうにしたらいいのかという問題があるわけですね。この辺のところは
政令
で一体どういう形でクリアしようとしているのか、ひとつ簡単に
説明
願います。
竹本直一
17
○
衆議院議員
(
竹本直一
君) 御
心配
のようなことが当然考えられるわけでございますが、本
法案
におきましては、
郵便等投票
における
代理記載制度
を利用できる者は、
郵便等
による
不在者投票
できる
選挙人
で、自ら
投票
の
記載
をすることができないものとして、まず
政令
で定めるものとされているところでございます。したがいまして、
上肢障害
一級、
視覚障害
一級の
身体障害者手帳
の
保持者等
、等と申しますのは
戦傷病者手帳等
を申し上げますが、そういったものに限定して
代理記載制度
が利用できることを予定いたしております。
お尋ね
の、
代理記載人
の選定を行う者につきましては、
代理記載制度
を利用できる
選挙人
であり、
当該選挙人
が
代理記載人
をあらかじめ
市町村
の
選管
の
委員長
に届け出ることとされております。 それで、
申請
された
代理記載人
が
選挙人本人
の選択であることの
確認
の
方法
でございますけれ
ども
、
政令
に委任するわけでございますが、これまで
各党
間の
協議
におきましては、
郵便等投票証明書
の
交付
を受けていない
選挙人
については、
申請
をするに当たって
身体障害者手帳等
を添えることによって
選挙人本人
からの
申請
であることを
確認
いたします。それから、既に
郵便等投票証明書
の
交付
を受けている
選挙人
につきましては、
申請
するに当たりまして
郵便等投票証明書
、それから
身体障害者手帳等
を添えることによって
選挙人本人
からの
申請
であることを
確認
することを考えております。 いずれにいたしましても、御
心配
のとおり技術的な問題はいろいろあると思いますが、できるだけ不正のないようにあらゆる努力をされたいと思っております。
池田幹幸
18
○
池田幹幸
君 五〇年代の場合には、だれかが勝手に
投票用紙
を
申請
して大量に
投票
したという
不正事件
があったわけですね。 そうしますと、私、こういうことも考えられないのかと思うんですが、
投票所
での場合は
代理人
が二人付きますね、
投票所
では。
現行
そうなっています。そうしますと、この
郵便
の場合も、
代理人
が
本人
の
代筆
するわけですけれ
ども
、その
代筆
したということをきちんと証明できるもう一人の
立会人
といったような、
投票所
におけるようなやり方、これが考えられないのかと、こういったこともひとつ
政令
の
段階
で
検討
できるんじゃないかなと思うんですけれ
ども
、いかがですかね。
竹本直一
19
○
衆議院議員
(
竹本直一
君) 確かに、たしか二十六年でしたか、そういういろいろな
事件
がありまして、いろいろな
制度
の
改善
がもたらされたわけでございますけれ
ども
、
お尋ね
の
代理記載人
の
公正性
を
確保
するというのは非常に重要なことであると我々は考えております。 そこで、本
改正案
では、
代理記載人
の
公正性
を
確保
する
観点
から、
代理記載人
が
選挙人
の支持する
候補者
の
氏名等
を
記載
しなかったとき、又は
投票
を無効とする目的を持って虚偽の
記載等
をしたときには
記載義務違反
の罪を新たに設けることにいたしております。また、
代理人
が正当な理由がなく
選挙人
の
投票
に干渉したときは
投票干渉罪
の
適用
を考えております。
委員
御
指摘
のとおり、
代理記載人
のほかに
代理人
を付すことも考えられるわけですけれ
ども
、
代理記載人
のほかに
立会人
を要求することにより
選挙人
の
投票機会
を狭めないか等、慎重に
検討
を要する問題があると考えております。 要は、いろいろ条件を付けますと、そもそも
投票
することについて意思を発言し、あるいはその他もろもろのことをすることに不自由な方でございますので、余り、あれもしなきゃいけない、これもしなきゃいけないということは、かえって、そんな面倒ならやめてしまおうと、こういう人も出てくるんではないかと、そんなことを考えまして、今申し上げたような
制度
にしようかと考えておるわけでございます。 それから、この
改正案
におきましては、
選挙
の公正の
確保
と
選挙権行使
の
機会
を拡充する必要性との調和を図るという
観点
から、
代理記載人
をあらかじめ
選挙管理委員会
の
委員長
に届け出ることとし、
代理記載人
の
公正性
の
確保
については
罰則
をもって担保することといたしております。 以上であります。
池田幹幸
20
○
池田幹幸
君
罰則
で担保しているという点については重々承知しているんですけれ
ども
、やはりもう少し、
投票機会
を
拡大
しようということですから、御
心配
のような点も確かにあると思うんですけれ
ども
、さらに巡回
投票
制度
といったようなことについても
検討
してきて、今回はそれ取らなかったわけですけれ
ども
、そういったことも引き続きお互い
検討
していきたいというふうに思います。 終わります。
大江康弘
21
○大江康弘君 おはようございます。 今日は、こういう国会日程の中で、大変、
委員長
が御尽力をされまして、それぞれの会派の御協力もあってこういう時間帯に開かれて、こういう時間をいただいてということで、もう簡潔にしたいと思うんですけれ
ども
、実は副
大臣
がちょっとこちらに来るのが遅れておって、採決するときにこれ間に合わないから、ちょっと
質問
延ばせというようなことでありまして、これは不可抗力であろうかと思いますけれ
ども
、これは仕方のないことで。この
法案
は全会派一致でありますし、特に
衆議院
の方で、
高橋
委員長
また
竹本
委員長代理
始め、この
法案
のお取りまとめをいただきました皆様に感謝を申し上げたいと思います。 やはり、この
投票
率の低下というものが叫ばれて大変久しい。我々
投票
される者にとって、立候補する者にとっては、やはりこの
投票
率が一喜一憂をするわけであります。なぜもっと行ってくれぬのかな、なぜもっと
投票
してくれないのかなと、実はこんなことを思いながら絶えず
選挙
を重ねてきたわけでありますけれ
ども
、そういう
意味
におきましては、やはり当たり前の権利の行使というものが今までできなかった中で、それがやはり今回門戸が開かれたということは、大変私はよかったというふうに賛意を表したいと思いますし、関係の皆さんにも御礼を申したいと思います。 そこで、ちょっと
選挙部長
、一点。今回、要
介護
五という方が新たに加わったやに聞きます。仄聞するに、こういう方が四十万人おられるというようなことも聞くんですけれ
ども
、今回のこの
法案
によってどのぐらいの方が
対象
となって増えていくというか、権利を有することができるのか、ちょっと
選挙部長
、お聞かせいただきたいと思います。
高部正男
22
○
政府参考人
(
高部正男
君) 新たに
対象
になる
方々
がどのぐらいおられるかということでございます。これにつきましては、私
ども
も厚生労働省の方といろいろ
協議
をいたしまして、どういう状況になっているのかというようなことを
お尋ね
したところでございます。 そういう中で、私
ども
いただいている数字でございますが、
委員
御
指摘
いただきましたように、現在、要
介護
五ということで指定されている方が約四十万人おられるようでございます。この四十万人のうちの約二十六万人が施設に入所しておられる。御
案内
のように、施設へ入所されておりますと、すべてではありませんが、施設の長が
不在者投票
管理者になりまして、そこで
不在者投票
できるというような
仕組み
でそれが利用できますので、こういう
方々
を除きますと、在宅の要
介護
五の
方々
が約十四万人おられるということでございます。この在宅の約十四万人の
方々
のうちに、
介護保険
の
対象
になる方も既存の
身体障害者手帳
をお持ちの方もおられるということでありまして、こういうことで、既に
対象
となっていると見られる
方々
が二万人程度おられるのではないかということがございまして、今回新たに
郵便投票
の
対象
に要
介護
五を加えることによって純粋に
対象
となると見込まれます数でございますが、推定の部分も入っておりますが、約十二万人になるのではないかというふうに考えております。 あわせて、今回、
お尋ね
ございませんでしたけれ
ども
、あわせて、今回、
代理記載
の
制度
を入れるということで、この関係で新たに
対象
になる方もおられるわけでございます。これまで
郵便投票
などの
対象
になっておりましたのは、例えば両下肢一、二級といったような
障害
をお持ちの
方々
がおられたわけでございますが、こういう
方々
のうちでも、証明をしなければいけないということでこれまで
対象
になっておられなかった方、今回、
各党
間の
議論
の中で、
上肢障害
一級の方、それから
視覚障害
一級の方が新たに
対象
になりますので、これらの方が約十三万人おられるようでございます。 先ほどの十二万人と十三万人合わせまして、今回の
制度
で新たに
対象
となってきます
方々
が約二十五万人になるのかなというふうに推定しているところでございます。
大江康弘
23
○大江康弘君 済みません、もう時間なんですけれ
ども
、本来聞きたかったことが聞けなかったものですから。延ばさないかぬと思ってちょっと余計なことを聞きまして、余計なことじゃないですが、ちょっと。 最後に一点だけ、部長。 やはり、その公正さということのこの担保というものは
罰則
ということで今回言われておるんですけれ
ども
、果たして、
選挙人
の方が
代理記載人
を指名するということは、当然、日ごろのお互いの人間関係、信頼関係もあるとは思うんです。しかし、そういう中で、本当に自分の意思がどういうふうに正確に書いていただけるかということの中で、これやっぱりいろんな問題が起こってくるという、
罰則
だけで担保できるのかという、こういう
一つ
の不安があるんですけれ
ども
、最後に、この公正さの
確保
ということについて、ちょっと部長、簡単に答弁いただきたいと思います。
高部正男
24
○
政府参考人
(
高部正男
君) 先ほど来の御
議論
で若干触れましたけれ
ども
、今回、
代理記載人
については、あらかじめ届けていただく、それから
署名
をいただくということになっておりますので、そういう
仕組み
を取ること自身が、
罰則
の
制度
と併せまして
選挙
の公正に資するのではないかというふうな御
議論
をいただいているところでございます。 ただ、いずれにいたしましても、
選挙人
の便宜と
選挙
の公正というのを、どこの調和、どこで調和を取るのかという
観点
の中で、今回の
改正
について御
議論
を、いろいろ御
議論
をいただいたものだというふうに私
ども
は認識しているところでございます。
大江康弘
25
○大江康弘君 終わります。
沓掛哲男
26
○
委員長
(
沓掛哲男
君) 他に御発言もないようですから、
質疑
は終局したものと認めます。 これより討論に入ります。──別に御意見もないようですから、これより直ちに採決に入ります。
公職選挙法
の一部を
改正
する
法律案
に賛成の方の起立を願います。 〔賛成者起立〕
沓掛哲男
27
○
委員長
(
沓掛哲男
君) 全会一致と認めます。よって、
本案
は全会一致をもって原案どおり可決すべきものと決定いたしました。 この際、福山君から発言を求められておりますので、これを許します。福山哲郎君。
福山哲郎
28
○福山哲郎君 私は、ただいま可決されました
公職選挙法
の一部を
改正
する
法律案
に対し、自由
民主党
・保守新党、
民主党
・新緑風会、公明党、
日本共産党
、国会改革連絡会(自由党・無所属の会)及び社会
民主党
・護憲連合の各派共同提案による附帯決議案を提出いたします。 案文を朗読いたします。
公職選挙法
の一部を
改正
する
法律案
に対する附帯決議(案) 政府は、
選挙権
が議会制民主主義の根幹をなすことにかんがみ、国民に
投票
の
機会
の保障が
確保
されるよう、次の諸点につき特段の配慮を行うべきである。 一、自宅から外出できない
障害
者、高齢者等の
選挙権行使
の
機会
確保
に十全を期すため、
郵便等
による
不在者投票
の拡充と併せ、
選挙管理委員会
の職員等が自宅を訪問して
投票
を受け付ける巡回
投票
等についても、その導入を
検討
すること。 二、情報化社会の進展に伴い、
障害
者、高齢者等、誰もが公平かつ容易に使用できるユニバーサルデザインに基づいた電子
投票
システムを早急に
確立
すること。 三、すべての国民について
選挙権行使
の
機会
が
確保
されるよう、本法の
施行
状況等を勘案しつつ
検討
を行い、必要な措置を講ずること。 右決議する。 以上でございます。 何とぞ
委員
各位の御賛同をお願い申し上げます。
沓掛哲男
29
○
委員長
(
沓掛哲男
君) ただいま福山君から提出されました附帯決議案を
議題
とし、採決を行います。 本附帯決議案に賛成の方の起立を願います。 〔賛成者起立〕
沓掛哲男
30
○
委員長
(
沓掛哲男
君) 全会一致と認めます。よって、福山君提出の附帯決議案は全会一致をもって本
委員会
の決議とすることに決定いたしました。 ただいまの決議に対し、若松
総務
副
大臣
から発言を求められておりますので、この際、これを許します。若松
総務
副
大臣
。
若松謙維
31
○副
大臣
(若松
謙維君
) ただいまの附帯決議につきましては、その御
趣旨
を十分に尊重してまいりたいと存じます。 大変ありがとうございました。
沓掛哲男
32
○
委員長
(
沓掛哲男
君) なお、審査報告書の作成につきましては、これを
委員長
に御一任願いたいと存じますが、御
異議
ございませんか。 〔「
異議
なし」と呼ぶ者あり〕
沓掛哲男
33
○
委員長
(
沓掛哲男
君) 御
異議
ないと認め、さよう決定いたします。 本日はこれにて散会いたします。 午前九時三十六分散会