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2003-05-30 第156回国会 参議院 政治倫理の確立及び選挙制度に関する特別委員会 第3号 公式Web版

  1. 会議録情報

    平成十五年五月三十日(金曜日)    午前十時十九分開会     ─────────────    委員異動  五月二十八日     辞任         補欠選任      大塚 耕平君     小川 勝也君  五月二十九日     辞任         補欠選任      柳田  稔君     谷  博之君      広野ただし君     平野 貞夫君     ─────────────   出席者は左のとおり。     委員長         沓掛 哲男君     理 事                 狩野  安君                 木村  仁君                 田村 公平君                 広中和歌子君                 福山 哲郎君                 森本 晃司君                 池田 幹幸君     委 員                 阿部 正俊君                 愛知 治郎君                 有村 治子君                 泉  信也君                 岩井 國臣君                 尾辻 秀久君                 亀井 郁夫君                 段本 幸男君                 中島 眞人君                 南野知惠子君                 藤井 基之君                 森元 恒雄君                 吉田 博美君                 小川 勝也君                 谷  博之君                 千葉 景子君                 藤井 俊男君                 堀  利和君                 簗瀬  進君                 山下八洲夫君                 木庭健太郎君                 山本  保君                 井上 哲士君                 八田ひろ子君                 大江 康弘君                 平野 貞夫君                 又市 征治君    国務大臣        総務大臣     片山虎之助君    副大臣        総務大臣    若松 謙維君    大臣政務官        総務大臣政務官  岩永 峯一君    事務局側        常任委員会専門        員        藤澤  進君        常任委員会専門        員        加藤 一宇君    政府参考人        総務省自治行政        局選挙部長    高部 正男君     ─────────────   本日の会議に付した案件 ○政府参考人出席要求に関する件 ○公職選挙法の一部を改正する法律案内閣提出  、衆議院送付)     ─────────────
  2. 沓掛哲男

    委員長沓掛哲男君) ただいまから政治倫理の確立及び選挙制度に関する特別委員会を開会いたします。  まず、委員異動について御報告いたします。  去る二十八日、大塚耕平君が委員辞任され、その補欠として小川勝也君が選任されました。  また、昨日、柳田稔君及び広野ただし君が委員辞任され、その補欠として谷博之君及び平野貞夫君が選任されました。     ─────────────
  3. 沓掛哲男

    委員長沓掛哲男君) 政府参考人出席要求に関する件についてお諮りいたします。  公職選挙法の一部を改正する法律案の審査のため、必要に応じ政府参考人出席を求めることとし、その手続につきましては、これを委員長に御一任願いたいと存じますが、御異議ございませんか。    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
  4. 沓掛哲男

    委員長沓掛哲男君) 御異議ないと認め、さよう取り計らいます。     ─────────────
  5. 沓掛哲男

    委員長沓掛哲男君) 公職選挙法の一部を改正する法律案を議題といたします。  本案の趣旨説明は既に聴取いたしておりますので、これより質疑に入ります。  質疑のある方は順次御発言願います。
  6. 福山哲郎

    福山哲郎君 おはようございます。民主党・新緑風会の福山哲郎でございます。  今日は、私は二十五分という短い時間ですので、簡潔に質問していきたいと思います。  今回の公職選挙法は、不在者投票制度見直し在外投票制度見直しと小選挙区の区割りの修正というところでございまして、幾つかの点で、投票ができやすいというか、投票しやすい環境を整えるためにということで、私は評価をしておる次第でございます。ただし、幾つかの点で問題がありますので、まず質問させていただきます。  まずは、期日前投票制度導入でございますが、これは、これまでの不在者投票やり方が少し変わるということで、公示日当日の不在者投票ができなくなります。これまでのケースで、公示日に、告示日候補者が出そろってないときに投票が行われるというのも、ある意味でいうと理屈としてはおかしい状況でして、例えば、この統一地方選挙で、京都で右京区と山科区という市議会議員選挙がありましたが、これ結局、無投票だったんです。無投票だったにもかかわらず、当日に不在者投票数が、右京区で二百三十二票、山科区で百四十九票ありまして、これはある意味で、総務省さんが、今回、候補者が出そろってないにもかかわらず一日不在者投票をやるのはおかしいというのは、僕はある意味でいうと正当性があると思うんですが。  ただ一方で、今回の統一地方選挙告示日投票しに行った方をちょっと総務省に調べてもらいました。例えば、市長選挙で、指定都市以外の市でいうと、これ一週間、ちょうど七日間しか投票日がありませんが、そのうちの初日告示日は、何と不在者投票の中の七・三四%の方が初日告示日不在者投票行かれているわけです。それから、市議会議員選挙のやはり指定都市以外の市は、これも七日間しか選挙がないので、告示日に何と、日曜日だということもあるんでしょうが、八・二五%の方が実は初日不在者投票に行かれているわけです。  ということは、この改正初日に行けなくなるということを知らないと、日曜日だから先行っておこうかといって多くの方が不在者投票行ったら、投票できないといってシャットアウトされる可能性というのは出てきますので、是非政府としては周知徹底、これは衆議院でも議論ありましたが、周知徹底をしていただきたいと思うんですが、どのような方法で、今、総務省はこの点に対しての周知徹底を図るつもりなのか、その具体的な方法についてお答えいただけますでしょうか。
  7. 若松謙維

    ○副大臣若松謙維君) ただいま右京区のお話等ございまして、これは、長年のいろんな御指摘もございまして今回の制度改正になったわけでありますが、何といっても、今、委員指摘のいわゆる告示日初日の七、八%の有権者ができないと、これも大変重要な課題でありますので、そのために、総務省としても是非国会での議員先生方議論をしっかりしていただきたいと、こういう手続を踏まえさせていただいて、今回の法改正の結論となった次第でございます。  さらに、その上で、この新しい制度周知徹底というのは非常に重要な課題であると、このように認識しておりまして、現在、総務省におきましては、まず改正法の公布後速やかに都道府県の選挙管理委員会事務担当者会議、これを開催して、制度内容説明させていただくことにしております。また、新聞広告、これも使いまして制度内容周知徹底、さらには、新しい制度の分かりやすい内容のチラシ、またパンフレットを作成して、幅広く配布を考えております。  さらには、地方公共団体にも御協力をいただきまして、それぞれの地域での広報誌を通じての徹底、このようなことも考えておりますし、さらに、選挙に際しての臨時啓発ということで、テレビスポット新聞広告、さらにはホームページ、こういったあらゆる伝達手段を活用して周知を図っていきたいと考えております。  いずれにしても、内閣府、地方公共団体及び明るい選挙推進協会、こういった方々が全国津々浦々啓蒙していただいておりますので、そういった方々と連携を図りながら、あらゆる工夫を凝らして、その制度周知徹底に努めてまいりたいと決意しております。
  8. 福山哲郎

    福山哲郎君 ありがとうございます。  是非、その周知徹底は積極的にというか、頑張っていただかないと、日曜日に投票行ったけれども投票できないと、そしたらもうやめたというのが有権者の感情としては出てくる可能性がありまして、是非そこは、告示日投票不在者投票はできなくなっているよ、ただ、ほかの日は投票幾らでもできるというような話で、是非お願いしたいと思います。  二つ目は、在外邦人選挙人の皆さんが投票しやすいように、郵便投票を創設をしようという件でございますが、これも、在外選挙人投票率の低さから見て、非常に僕は時宜を得た政策だと思うんですが。  例えば、私の政策秘書がついこの間までミャンマーに行っておりました。二年間行っておりまして、選挙があったんですが、これまでの方法ですと在外公館まで投票しに行かなければいけないと。私の政策秘書投票しに行ったときは、何と、今までだれが投票しに来られましたかと聞いたら、うちの政策秘書唯一、一人だったそうです。一票だったそうで、それをまた在外公館の方がまた運ぶというのは、大変お金も手間も掛かる方法なんですが、ただそれ以前に、今回そうではなくて、郵便投票も可能になったというのは、私はいいことだと思うんですが、それ以前の問題なんですね。  最近の国政選挙在外投票率を見ると、平成十二年の衆議院選挙平成十三年の参議院選挙、どちらもともに投票率は約二九%なんです。二九%というと国内の約半分だと思われるかもしれませんが、実はそうではありません。この二九%というのは、選挙人名簿登録をしている方の二九%です。要は、在外邦人有権者登録をして初めて投票することになります。現実に、約六十万とか七十万人ともいわれる有権者の中で、登録をしている方がその十分の一の約七万人、そのうちの二九%ということは、全体で言えば約一割しか投票していないことになるんですが。  今回制度改正されたので、その状況が改善されることを願っているんですが、まずはこの選挙人登録の数を増やすことが、私、先決ではないかと思っておりまして、その選挙人登録を増やすためにどのような施策を考えられているのか。それから、これまで何で余り増えなかったのかということも含めて、お答えをいただきたいと思います。
  9. 高部正男

    政府参考人高部正男君) お答えを申し上げます。  委員指摘のございましたように、大体我々、在留邦人対象者約六十万人と推定しているところでございますけれども登録者は約七万人という状況になっているところでございます。国内と違いまして、国内住民基本台帳が整備されておりますので、住民基本台帳に載っていることに伴って職権で登録されるということになっているわけでございますが、在外邦人の場合は申請登録ということで、申請をいただいて登録されるというようなことになっておりまして、国内とはそもそも仕組みが違っているわけでございますが、それにいたしましても、約七万人ということでございますので、登録方々の数が非常に少ない状況にとどまっているというふうに認識しているところでございます。  必ずしも統計のデータではございませんけれども在留邦人方々等お話しした中で我々お聞きしておりますのは、一つは、海外に非常に長く住んでおられますと、大変日本に興味持っておられる方もおられるんですが、一部ではやっぱりだんだん興味が薄れていくというような傾向のある方も見られるというふうな傾向がございます。それから、企業の海外派遣なんかで期間が限られていますと、もうしばらくすると帰るんだからといったような事情があって、なかなか登録をいただけないというような状況もあろうかと思っております。  それから、先生、今度の制度改正にもお触れいただきましたけれども一つは、投票方法につきまして、これまで比較的、比較的といいますか、在留邦人の多い地域でございますニューヨーク等々で公館投票しておりませんでしたので、なかなか投票方法についても制度的な課題があったようなことも一つの一因になっているのかなというふうな気がしておりまして、制度的には今回、投票方法について改めさせていただきまして郵便投票を選択もできるようにいたしますし、これまで、これは法律改正そのものではございませんけれども、これまで公館投票しておりませんでした公館も、治安上の理由があるところ等々以外はもう基本的にはすべてやっていただくような方向で外務省と調整させていただいているところでございます。  そういうことでできるだけ登録いただけるようにというふうに考えておりまして、私どもこれまで外務省さんに御努力いただきまして、私ども啓発、いろんな周知には努力しておりますし、外務省さんの方でも現地でのいろんな啓発でございますとか、日本人会を通じてのいろんな周知等々も図っているところでございます。  それから、さらに加えまして、外務省の方で移動登録といいますか、いかんせん海外広いものですから公館へ来て登録というとなかなか登録いただけないというふうなことのために、地域を回りまして登録するというふうな努力もしているところでございます。  先生指摘のとおり、まだまだ低い数字でございますので、私ども更に外務省と協力しながら努力して登録者を増やしていかなければいけないなと、かように思っているところでございます。
  10. 福山哲郎

    福山哲郎君 ありがとうございます。  是非そこも努力を更に一層続けていただきたいと思います。  もう一点申し上げますと、平成十年、九八年の公選法改正時の附帯決議において、実は在留邦人について、衆議院選挙区の選挙それから参議院選挙区選出の選挙についても在外投票制度対象とするように、投票対象とするようにという附帯決議が五年前に決議をされています。  ところが、いまだに在留邦人に対しては選挙制度投票という形の制度実施をされておりません。これも、先ほどのお話にありましたように、例えば在外公館投票しに行くにしても、郵便投票するにしても、まず選挙人登録申請するのは旧住所選挙人登録を私は申請するというふうに承っています。日本にいるときの住所でと。  ということは、元々投票するときに申請するときに旧住所でやるわけですから、実務上でいえば小選挙選挙参議院選挙選挙に対しても私は投票する方法というのは可能だと思うんですが、なぜこの附帯決議から五年間こういった制度ができなかったのかと、今後の見通しについてお答えをいただけますでしょうか。
  11. 高部正男

    政府参考人高部正男君) 在外選挙制度が創設された当時におきまして比例代表選挙に限って認めるとされましたのは、衆議院選挙選挙及び参議院選挙選挙はいずれも候補者個人名を記載して投票する制度でございますことから、投票に当たって候補者政見等周知されることが必要であるわけでございますけれども選挙運動期間の十二日ないし十七日の間に海外有権者周知することは困難な状況にあることが一つ理由になっているところでございます。  いま一つ在外公館選挙事務に精通していないことから、比例代表選挙から始めて在外公館事務処理体制を見極める必要があるといったようなことも理由になっていたところでございます。  こういうことから、在外選挙につきましては、まず比例代表選挙から実施して選挙情報の具体的な状況在外公館体制を見た上で、次の段階として衆議院選挙選挙及び参議院選挙選挙実施を図ることが適当だというのが当時の議論でございました。  衆参一回ずつやったわけでございますが、先ほど申し上げましたような登録状況の中で私ども今回、投票方法等について改正お願いしているところでございまして、私ども附帯決議で速やかに実施するというのは十分認識しているところでございまして、今回の改正実施状況等々も踏まえながら附帯決議趣旨に従って今後検討していかなければならない課題だと、かように認識しているところでございます。
  12. 福山哲郎

    福山哲郎君 これまた更に一層の努力お願いをしたいところでございますが、今おっしゃられました選挙選挙の場合に候補者情報が取りにくいという話は、私はある意味でいうと、五年前の時点からこれまで二回選挙をやったところでいえば、ある意味でいうとそこは合理的な理由にもなり得たと思います。ましてや、先ほど申し上げました私の秘書の経験からいっても、海外では新聞もなかなかすぐに入手できないような場所もあって、なかなか情報が入りにくいんだということもよく分かります。  しかし、だからこそ、また次の話題につながるんですが、これだけ世界でインターネット普及をし、いろんな形で情報が行き交う状況になった場合、総務省の例えばホームページ上に政党候補者選挙公報を載せるぐらいのことは、僕はこれは可能だと思っておりまして、今の段階では確かに候補者自身ホームページにおける選挙運動というのは禁止をされています。しかしそこは、総務省でそれこそ一軒一軒選挙公報というのは国内で配られているわけですから、その選挙公報等総務省ホームページ上に掲載をして在留邦人の方が見れるような状況環境を整えるということは、これは五年間の時代変化で随分進んでいると思いますし、私、実務上もそんなに不可能なことではないというふうに思っておりまして、今言われた情報提供の問題ということに関してはハードルは限りなく低くなっているのではないかと思っています。  それから、在外公館投票に対する仕組みの問題というのは、これは確かに実務上煩雑になると思いますが、それは有権者投票する権利を守ることですから、そこはしっかりと逆に御努力をいただきたいと思うんですが、もう一度御答弁いただけますでしょうか、その辺の環境変化も含めて。副大臣に御答弁いただいても結構ですし。
  13. 若松謙維

    ○副大臣若松謙維君) まず、いわゆるインターネット時代、その時代におきますいわゆる選挙制度等の啓蒙、これは格段に利便性が高まったと認識しております。そういう意味で、今後とも総務省ホームページ等を通じてもっと周知徹底をさせていただきたい。また、ホームページの中身の充実、これも考えていきたいと考えております。  あわせて、投票、やはりこれについて一番御関心があろうかと思いますが、この投票につきましては、やはり自宅で投票するということになりますと、御存じのように、いろんなまた不正も考えられると。そういった利便性と、あと、いわゆるその反面での不正というんですか、これをどうバランスを取っていくかというのがやはりインターネット時代選挙在り方として大変難しい課題であるわけでありますが。  これは昨年でしたか、IT時代選挙運動に関する研究会、この報告書を世に出させていただきまして、その議論是非進められることを期待しているわけでありますが、ちょうど今年の四月に統一選がございまして、このIT時代選挙運動報告書、これ、実は私もこの当委員会是非ともいろんな御議論をいただいて、何といってもやはり選挙制度をお決めいただくのは国会の場が先行すべきではないかと思っておりますし、そういった意味からのこの報告書の活用というものを、また御審議というものを是非お願いしたいと思っております。  いずれにいたしましても、総務省としては、そのような新しい時代に対応した選挙制度、これからも真摯に対応してまいりたいと思っておりますし、また、先ほどのいわゆるインターネットを通じた投票、これもいよいよ昨年末のオンライン三法、こういったことも成立を受けまして、認証制度、そういったところも新しいまた時代のインフラの整備になったのかなと。そういうことも含めまして、引き続き議論をしっかりとしてまいりたいと考えております。
  14. 福山哲郎

    福山哲郎君 大変誠実にお答えいただいたのはいいんですが、多分それは私の質問で三つか四つ先の、副大臣答弁だと思います。  私は、今、在外邦人選挙選挙投票する際に情報がないというから、最低限選挙公報ぐらいは総務省ホームページに載せて情報提供できれば海外でも見れるんじゃないかということに対しての答弁を求めましたので、随分先回りして御答弁をいただいたので困るんですが、どうぞ。
  15. 高部正男

    政府参考人高部正男君) 海外における国内事情というのは、私も選挙方法なんかの指導といいますか、やり方説明で伺って、いろいろお聞きしましたところ、やはり地域によって大分差がございまして、日本人の多い、在留邦人の多いところでは結構地元で日本人向け新聞があるとか、コミュニティーテレビがあるとかということで、かなり情報があるところはありますが、一方でかなりそういうものから離れているような地域もあるように思います。  委員指摘ございましたように、インターネットというのが非常に広い範囲で情報伝達する、安い値段で伝達するというのは非常に有効な手法でありまして、かねてから、この在外選挙に関連して、インターネットの利用というものをもう少し考えたらいいじゃないかと御指摘いただいているところでございます。  現在、総務省では、総務省ホームページ政党名候補者名等々について掲示させていただいております。  委員の御指摘は、選挙公報もやったらいいのではないかという御指摘でございますけれども、若干硬いお答えになるので恐縮なんですが、現行の選挙公報公選法に基礎を置きまして、掲載方法等もきっちりした仕組みで載せておりまして、やっぱり選挙公報を載せるとなりますと、何といいますか、便宜供与の範疇の中で適宜載せるというのにはなかなかなじみにくいものなのかという気がしておりまして、今、委員の御指摘いただいたような御指摘を他でもいただいておりまして、またなおかつ、インターネット選挙運動への、何といいますか、導入方法導入在り方等々もいろんな課題になっておりますので、こういうものも含めまして、私ども検討してまいりたいというふうに考えておりますし。  また、先ほど副大臣から御答弁申し上げましたように、インターネット研究会の御報告、私どもも研究しなけりゃならない課題でございますけれども、併せて各党で御議論いただいて、いろんな議論参考にしていただくというシステムを作らせていただいておりますので、各党間の御議論もいろいろお願いできたらと、かように思っている次第であります。
  16. 福山哲郎

    福山哲郎君 もうインターネットホームページ選挙への解禁選挙運動への解禁等については、今、副大臣政府委員の方もお答えをいただいたので、二度のお答えには、二度の質問はしませんが、ちょっと大臣お願いをしたいんですが、大臣衆議院委員会での答弁の中で、インターネット普及率が四十数%になっていて、これで、これがインターネットホームページ解禁に妥当かどうかということは検討が要ると。それから、研究会も作ったので、更に検討を重ねていきたいというような、前向きなのかどうかよく分かりませんが、まあ前向きだというふうに私は受け取っておるんですが、前向きに御答弁をいただいたんですが、今年の三月の数字で言うと、インターネット人口普及率というのはもう既に五四%を超えてきています。  要は、普及率数字でどうのこうのということを言い出すと、大臣自身も、じゃ、どこまでだったら解禁していいんだと、インターネット選挙運動解禁していいんだという数字の遊びみたいな話になるので、僕はそういう意図で言われたのではないというふうには承っておるわけですが、研究会報告書も私も拝見しましたが、まずは導入をしろというようなことがもうざっと書いてあるわけですね。  そういうことから言うと、選挙も近くなってきておりますし、現実問題としては、大臣ホームページ選挙運動方法として認めることについて、大臣自身、今どのような御見解なのか、少し突っ込んでお答えをいただければなと思うんですが。
  17. 片山虎之助

    ○国務大臣片山虎之助君) 衆議院では四六%ぐらいらしいからと言いましたが、今、福山委員お話しのように、平成十四年末のインターネット人口普及率は五四・五%だそうですね。過半数は超えたんですね。  ただ、選挙運動に使うとなると、ある程度国民的な合意が要るんですね。やっぱりお年寄りの方やなんかにはかなりアレルギーがありますね、まだインターネットに。だから、そういうのでは行く、時期尚早かなと思いますけれども、同時に、これだけホームページ普及して、議員さんもほとんどやっていますよね。これを全く使わない、別のものだというのもいかがかなと、こう思うので、私はホームページ選挙運動に使ったらいいと思うんです。  ただ、これについても議員さん方にいろんな意見があるものですからね。やっぱり選挙運動だとかこういう選挙制度仕組みというのは、ある程度与野党通じて、まあまあしようがないなと、わしは本当は不満なんだけれども、まあしようがないと、こういうところまで行かないとなかなか難しいのかなと。  私個人に言わせれば、メールはいかがかなと思いますけれどもホームページぐらい、一杯やっているんですから、しかもあれは文書図画には該当しないので、本当はあれをうんと使っちゃいかぬのですけれども、それもあるものですから、見ているのはしようがないんですね。結果としては運動になっているんですよ。そういうことも私が言うのはいかがかと思いますけれども。  そういう意味で、私個人はそう考えておりますが、まあやっぱりひとつ各党各会派で御議論いただいて、まあ行こうかと、こうなっていただければ制度化できるのかなと、こう思っております。
  18. 福山哲郎

    福山哲郎君 大臣が非常に前向きだというのは今のお言葉で承りましたし、各党会派で話し合えということですから、どういうふうな話し合う場を作ればいいのか、私もまだまだぺいぺいですから分かりませんが、そこは本当に前向きで御検討いただきたいというふうに思います。  あと、もう一分になりました。実はもう一個聞きたいことがありました。これも聞いていくと切りがないんですが、例のマニフェストの問題です。  統一地方選挙の中でマニフェストを配布できないという話があって、これこそ文書図画の規制の問題、出てくるんですが、このマニフェストの配布とか選挙への使用について、もう時間がないので、大臣、個人的な見解でも結構でございますので、今は公選法上無理だということはよく私も承知をしておりますが、一言御答弁をいただければと思います。
  19. 片山虎之助

    ○国務大臣片山虎之助君) マニフェストというのがよく分からないんですよ。もう横文字でありゃいいというものじゃ実はないんですけれども、ただ、あれなんですね、今の選挙法からいうと、限定的なんです。福山委員、もう十分御承知だと思いますけれどもね。だから、いわゆるマニフェストですね、今は。これはやっぱり今の制度じゃ無理ですね。  だから、そこはこれからどう考えるかですね。選挙運動というものをどうとらえるか、このマニフェストというものをもっときっちり定義して、どう位置付けるか。そういう上で選挙制度に取り組むことは、私、可能だと思いますけれども、ちょっと今の段階では、なかなかこれも各人各様、各党各様でございまして、まとまっていないのかなという感じはしております。
  20. 福山哲郎

    福山哲郎君 確かに、おっしゃるように、マニフェストの定義すら、実はそれぞれのイメージが違いますから、それも各党のイメージも使用方法も変わってくるでしょうし、そこは大臣の御指摘のとおりだと思います。  ただ、マニフェストというものが新たな選挙、政治の道具としてこれだけ注目をされているということは、我々政治の場にいる者としてやっぱり無視はできないというふうに思っておりますので、そこも是非前向きにこれから政党間で議論をさせていただければというふうに思っております。  それでは、谷委員に代わります。  どうもありがとうございました。
  21. 谷博之

    谷博之君 私は民主党・新緑風会の谷博之でございます。  公職選挙法改正案のうち、特に郵便投票制度の問題について絞って御質問をさせていただきたいと思います。  お手元に配付をしていただいている資料があると思いますが、資料一のALS患者の選挙権侵害に関する国家賠償訴訟、これが行われておりまして、昨年の十一月の二十八日に東京地裁から判決が下ろされました。その判決の骨子案がその資料一でございますけれども、時間がありませんので、それを踏まえて質問をいたしたいと思いますが。  実は、この問題は非常に重要な問題だということを私ども、ちょっと受け止めまして、民主党の中でこの問題に関して、総務そして厚生労働の部会のメンバーを中心にプロジェクトチームを立ち上げまして、不肖私がその座長をやらせていただいておりまして、今日まで六回にわたる検討を加えまして、去る四月三日に民主党の議員立法として参議院にこの法案を提出をいたしました。法案のタイトルは、代筆による郵便投票制度創設のための公職選挙法改正案と、こういうふうなことになるわけでございまして、具体的にはどういうことを示しているかといいますと、次の資料二を見ていただきますとお分かりのとおり、六つの大きな枠で囲まれておりますが、この右下の部分ですね。自ら投票所等に行けない人で自ら投票の記載ができない人、この部分のこの該当する人たちの投票行為をどうするかという、ここに実は大きな問題があるわけでございます。  我々は、いろいろALS患者の皆さんやあるいはその家族の皆さん、さらには諸外国の具体的な事例などを検討させていただきまして、一定の議員立法を作ったわけでございますが、そのときに実は議論をいたしましたことは、こういう方々に対する投票の救済措置、投票権をしっかり確保するということはどういう方法があるだろうかということを検討いたしました。  まず、その一つは、御案内のとおり、巡回投票によってその投票を行う、もう一つは、今申し上げましたように、代筆による郵便投票制度でこれを実現すると、こういうことだと思うんです。  ところが、この巡回投票制度については、もう過去にも国会でかなり議論をされておりまして、実施上、例えば費用や人員やあるいは選挙期間との絡みでかなりこれは実施上困難があると、こういうふうな見解も出されております。  じゃ、しからば代筆による郵便投票制度でどうかということでありますが、これは例えば自治体の職員などを立会いに据え付けるというか設置して、そういう制度でもしやっていくということになれば、これまた、今申し上げましたように、巡回投票制度と同じようにその費用や人員やあるいは選挙期間との絡みについていろんな問題が出てくるのかなと、こんなようにも考えておりまして、ここらについて総務省として検討されておられれば、その内容をお聞かせいただきたいと思います。
  22. 高部正男

    政府参考人高部正男君) 選管の職員等が自宅を訪問するいわゆる巡回投票でございますけれども、この制度につきましては、委員御案内のように、現在の郵便投票制度が復活した昭和四十九年の制度を作るときに大分議論がされたところでありまして、要するに職員が出向いていってそこで投票していただくということになりますと、選挙期間一つは短いこともございますので、すべての対象者の方々に公平に回るような仕組みが確保できるか、そのための人員が確保できるかどうかといったような問題がございます。  それからまた、その時々でいろんな事情もございますので、例えば交通渋滞で遅れて行けなくて投票できなかったらどうなるのかとか、あるいは離島等で行けなかったらどうなるのか等々、いろんな問題が指摘されて今のような仕組みになっているということでございます。  今回の判決を踏まえまして、私どもも再度この巡回投票というものをどう考えるのかといったような議論をしたところでございますけれども、やはりともかく限られた期間内に出向いていくということになりますと、出向く職員も一人というわけにはいかないだろうと思いますし、それからかなりの対象の方に出向かなきゃいけないということになるものですから、非常に限界があるのではないかというふうに考えているところでございます。
  23. 谷博之

    谷博之君 今の御答弁にありましたように、いわゆる立会いを付けて代筆による郵便投票制度もかなり難しいということでありますね。そうしますと、具体的に、じゃ、これをどう実現するかということになると、我々が提出した民主党の議員立法のように、少なくとも罰則をきちっと定めて、そしてその公平性を確保、担保する、これしかもうないと思うんですね。これは一つの意見としてお聞きいただきたいと思いますが。  そして、その内容についても、時間がありませんので省略いたしますが、今度はその次に、その対象者の範囲と認定の問題があると思うんですね。少なくとも我々が出している法案の中身というのは、身体障害者福祉法上の障害者手帳を保持している者、ここを中心にしてその救済措置ということで考えているわけでありますけれども、もしそれ以外の、例えば介護度五のようないわゆる寝たきりのお年寄りの皆さん方、そういう者を対象にしていくというふうなこと、いろんなことを考えたときに、その対象者というのは広いと思うんですね。こういう人たちに対する認定の仕方についてどうするかということについて、これまた検討されておられれば、お聞かせいただきたいと思います。
  24. 高部正男

    政府参考人高部正男君) 委員御案内のように、現行の郵便投票対象者というのは、過去の経緯にかんがみまして、身体障害者手帳という客観的に認定されたものに基づいて郵便投票証明書を発行する、こういう形にさせていただいているところでございます。  これを対象を広げるということになりますと、やり方としては、かつての制度のように、例えばお医者さんの認定にかからしめるとか、あるいは個別に選管が認定するというようなことが一つ考えられるわけでございますが、やはり個別に選挙管理委員会サイドで対象者を認定するような枠組みを作るというのは、元々選挙管理の専門セクションでございますし、それから、いま一つ、身体障害者手帳をお持ちの方のように症状が固定されている方については比較的容易なわけでございますけれども、特に問題になります寝たきり老人とかその他の方々ですと、症状が固定していないようなときにどうやっていくかというのはなかなか選管サイドでは困難だろうというふうに考えるところです。  そういうことになりますと、我々といたしましても、委員指摘がございましたように、介護保険制度といったような福祉、保健のセクションでの一定の仕組みをこの選挙の世界にも持ってこれないかという枠組みで検討させていただいたことがございまして、介護保険についても、新たに制度ができましたので利用できないかということを検討させていただいたところでございますけれども、現在の郵便投票というのは投票所に行けないという視点で対象者を限定する仕組みになっておりまして、これも御案内かと思いますが、介護保険の場合ですと、介護に要する時間という視点で等級が定められているというようなことがございまして、今の時点で申し上げますと、私どもとしてこれを直ちにそのまま使えるかというと、いろんな課題があるのかなといったような検討をしてきたというのがこれまでの経緯でございます。
  25. 谷博之

    谷博之君 いずれにしましても、全体的に完全にその対象者を認定するということは相当難しいというふうな今の御答弁でございました。  大臣にちょっとお伺いしたいんでありますが、我々が法案として提出しているその内容は、いわゆる身体障害者福祉法上の障害者手帳を保持している者、これを当面対象者として制度改正をすると、こういうふうな考え方を持っております。もちろん、これは全体の、さっき示しましたような右下隅のこの部分の人たちの全部の対象を網羅しているとは言えません。しかし、これは法改正の第一歩としてやっぱりそれは当然私は必要だと思うんですね。  ところが、一方では憲法十四条、十五条、四十四条というこの条文を出して、少なくともそういうことをやること自体が不公平さを拡大することになるんではないかという、こういう議論もあるわけでありますけれども、この点についてはどのようにお考えになっておりますか。
  26. 片山虎之助

    ○国務大臣片山虎之助君) この今の在宅投票というんですか、投票所に行かないでも投票できる人の範囲をどうするか。今、身体障害者の方ですよね、これが一つありますよ。これをどうするかというのが一つの問題。それから、そういう方についての投票方法をどうするか、これがまた一つの問題なんですよ。それ、関係ないといえば関係ないですよ。あるといえばあるんです。しかし、直接は余り関係ないんで。  そこで、今、身体障害者の方の投票が自書ですよね。これは過去の経緯がいろいろあって、昔むちゃくちゃだったんですよ。だれが投票したかなんか分からぬ。そういうことで大議論があって自書にしたんですよ。自書できない人もおりますよね。そこでこの間の判決のような問題が起こるので。だから、それをどうやってクリアできるか。代筆になるんでしょうが、代理になるんでしょうが、それをだれがどう認定してどの範囲にするか、本人との意思が同じかという確認をどうやるのか、これを今いろいろ検討しているんですよ。これは、こっちに一方、これはこういうことで検討します。  それから、今のように身体障害者手帳以外の人ですね、今表を作っていただきまして、委員から、それをどうするかはまた別の問題だと私は実は思っているんです。  そういうことの中で、電子投票も地方選挙には認めてきましたし、この辺うまく何かできないかなと、こう思っておるんですが、正直言いましてまだいい知恵がございませんので、ひとつ各党でも御議論いただいて、いいお知恵があれば是非お教え賜りたいと、こういうふうに正直思っております。
  27. 谷博之

    谷博之君 大臣の立場ではそういうふうな御答弁になるんだろうと思いますけれども。  実は私、手元に昨年十一月の東京地方裁判所で出されたその判決についての第一東京弁護士会からこの資料をいただいているわけですが、これは全国会議員の皆さん方にこの資料は送られていると思います。  この判決の中身、これはいろいろ国会がまだ十分この問題について対応していないということでございますけれども、もしも次の国政選挙でも同じようなことが続いていくとすれば、こういういろんなところで我々は当然勉強しなきゃいかぬわけですよ。対応も考えなきゃいけないわけです。にもかかわらず、これをこのままにしておくということになれば、これは国会の不作為に問われる問題が出てくるんじゃないかと思うんですね。  そういう点で、私は国家賠償法上のやっぱり違法性が問われるんじゃないかというふうに、こういうことも実は心配いたしておりまして、大臣おっしゃるように、今から五十年前に大変な不正が起きて、その結果としてこういう制度が一応ストップしたわけですね。ところが、調べてみると昭和四十九年には自筆による投票制度というものは復活しているわけですよ。そういう中で、それは自筆の人であって、書けない人に対するいわゆる選挙権の行使ということができていない。これはやはり、私は、もちろん過去にそういう経過があっても、もう一度やはりこれは、政府内閣もそうですけれども国会もそのことについては真剣に議論をしてみなきゃいかぬというふうに考えております。  そういう点で、衆議院の、先週、委員会でもこの我々のプロジェクトチームの阿久津委員大臣にも質問をいたしまして、大臣も、民主党の案も承知していると、そして方向性は阿久津委員と同じだと、こんなような答弁もされておりまして、大変意を強くしたわけでありますが、我々、この倫選特の委員会もそうでありますし、国会全体がこの問題をもう一度早急に前向きに党派を超えて結論を出すと、こういうことをこれは委員会にも私は要望したいと思いますけれども政府内閣の方にも是非そういう動きの中で、余り違反が起きてはあるいはいろんな問題が起きてはということばっかり考えていると私は実現というものは更に遠のいていくと、こういうことを強く感じておりまして、最後は私の意見になりまして、時間がなくて大変恐縮でございますが、是非前向きな御検討をいただきますように心からお願い申し上げまして、質問を終わることといたします。  ありがとうございました。
  28. 井上哲士

    ○井上哲士君 日本共産党の井上哲士です。  在外選挙人投票機会の拡大を図るために在外公館での投票郵便投票選挙人が選択できるようにするなど、今回の公選法改正は憲法に保障された参政権を具体的に保障する上で、かねてからの在外邦人の要望もありまして、当然だと思っております。  投票の意思がありながら高齢や障害のために投票に行けずに選挙権の行使ができない方々、あるいは投票ができても視覚や聴覚の障害のゆえに選挙に関する情報が著しく少ない人、こういう社会的弱者の方々選挙権行使に当たっては改善すべき課題が山積みであります。  まず、今も質問がありましたALS患者の問題です。  自分で字が書けないのを理由郵便投票を利用できないのは選挙権を保障した憲法に違反するとして国を相手に損害賠償と違憲確認を求めた訴訟で、昨年十一月に東京地裁は、憲法に違反するものと言わざるを得ない、こういう判決を下しました。当時、福田官房長官は、どういう状況の人でも投票できるようにしなくてはいけない、投票機会の重要な課題という認識であり、その方策は今後検討したいと記者会見で述べましたが、政府は具体的にこの判決を受けてどういう検討をしてきたのか、まずお願いいたします。
  29. 高部正男

    政府参考人高部正男君) お答え申し上げます。  御指摘ございましたように、昨年の十一月二十八日に東京地方裁判所で言い渡されました判決におきまして、ALS患者の方々が求めておりました損害賠償請求は棄却されたものの、その理由中で、これらの方々選挙権を行使できるような投票制度が設けられていなかったことは憲法に違反する状態であったと言わざるを得ないとの厳しい指摘がなされたところでございます。この後、このような方々投票機会を確保するということはかねてから重要な課題というふうに認識しているところでございまして、この判決、大変厳しい御指摘をいただいたと我々重く受け止めているわけでございます。  どのような検討をしてきたのかということでございますが、この判決は、郵便投票対象になっている方々のうちで、実質上、字が書けない方々が実質上投票できないじゃないか、それがおかしいということでございました。今のような制度になっております理由は、先ほど来の議論、御議論の中でもありましたように、かつての制度がいろいろ問題を抱えていたというようなことがありまして現在は自書というのを一つの、選挙の公正を確保するためということで今のような仕組みになっているわけでございます。そうなりますと、実質上、字が書けないと投票できないということになってしまうわけでございますが。  それで、こういう判決を受けて私どもとして、一つは、どういう方々が要するに自書以外の方法投票できる対象として考えたらいいのか。抽象的にこういう方々が書けないだろうということは分かるわけでありますが、具体的にその方々を特定するときにどういうやり方があるんだろうか、どういう、何といいますか、いろんな制度があるんだろうかというような視点が一つございます。  それからもう一つは、現在の仕組みは自書をするということに基づいて本人からの意思だということをある程度確認するということになるわけでございますが、自書によらないということになりますと、その辺の意思の確認というものをどう考えていくのかといったようなことがあろうかと思っております。  それからさらに、具体的な投票方法としてどういうやり方があるのか。例えば、何か事前に届出が要るのかどうかとか、あるいは立会人はどうかといったような観点からの検討も必要だろうと思っておりまして、こういういろんな問題も含めまして我々検討を進めているというのが今の状況でございます。
  30. 井上哲士

    ○井上哲士君 こうした様々な事情投票に行けない方の問題というのは長年国会議論になってまいりました。  もう三十年近く前の一九七四年の衆参それぞれの委員会で全会派で、在宅投票制度については、政府は、その実施状況の推移を勘案して今後さらに拡充の方向で検討すること、こういう附帯決議もありますし、八六年、これは我が党の野間友一衆議院議員衆議院選挙特別委員会で、お年寄りの棄権の理由の半分が病気で投票の意思がありながら行けないという、こういう深刻な実態も示して早期改善を要求いたしました。当時、自治大臣は小沢氏でありますが、一人でも多くの人に選挙権の行使の機会を容易にしてやることは最大の務めで、真剣に検討させる、こういう答弁もあります。また九七年、この本委員会でやはり我が党の橋本委員が、具体的に調査会や検討会を改めて関係者を組織してやるぐらいの基本的な構えでやってほしいと。これに対してやはり当時の上杉大臣は、十分重く御提言を受け止めまして検討していくと。こういうことまで歴代大臣答弁をされておりますが、今日まで実現に至っていない。  なぜこの検討が進んでいないのか。いかがでしょうか。
  31. 高部正男

    政府参考人高部正男君) 郵便投票対象を現行の身体障害者の一定の級の方々以外にどこまで考えていくのかというのはかねてから指摘された課題でございますし、御指摘ございましたように、寝たきり老人等の投票機会の確保というのをどう考えていくのかというのは、かねてから御指摘をいただいている重要な課題だと認識しているところでございます。  先ほど谷委員の御質問お答えしたところでございますけれども、実は、その対象者、かつて不正があったというような経緯もございますものですから、対象者を公正に、何といいますか、特定するような手法としてどういうことがあり得るのかということが一つ大きな課題でありまして、なおかつもう一つ難しいところがございますのは、身体障害の方々につきましては、いろんな状況変化もある場合もあろうかとは思いますが、一般的に言いますと症状が固定されておりまして、例えば身体障害者手帳も、手帳そのものの有効期限はないというような状況になっているわけでありますが、一方で、寝たきりのお年寄り、かなり寝たきり状態が続いているという方も当然多いんだろうと思いますけれども、その他、これまで身障者手帳の世界で対象とできなかった方々について言いますと、症状が固定していないためにある時点から見るとまた状況が良くなるといったようなことがありまして、そういう状況の中で対象者をどう考えていくのかというのが一つ難しい課題だということでございました。  やり方として、個別に認定をすれば、それは個別にできれば一番対応が、幅広く対応できるということにはなるわけでございますが、なかなか選挙の、選挙管理サイドですべてそういうことはなかなか難しいということがございまして、そうすると例えば、例えば介護保険のように公的な認定制度にリンクして対象者を確保することができないだろうかということで、私どもといたしましても所管の厚生省さんの御意見等もいろいろ聞きながら、この介護保険の等級認定を選挙の方に使って一定の対象を特定するということに使えないだろうかという議論をかなりさせていただいたところでございますけれども、これを現状で申し上げますと、なかなか選挙の今の仕組みでいいますと、郵便投票対象者は、投票所に行けない、言ってみれば歩いて投票所に行けないという視点で対象者を特定するという格好になっておりますので、それと同じような考え方で介護保険を考えた場合には、介護保険というのは、介護に要する時間、介護の手間という視点で制度が設計されているものですから、直ちに制度議論として、実態は議論するといろいろあろうかと思いますけれども制度議論として直ちにこれにリンクさせるというのは難しいのではないかというようなところが今の状況でございます。  ただ、かねてからの重要な課題でございますので、私ども更に、介護保険の状況等も更に勉強しなければいけないと思っておりますし、その他何らかの方法がないかということにつきましても今後とも幅広く検討させていただきたいと、かように考えているところでございます。
  32. 井上哲士

    ○井上哲士君 長年の議論がずっとあるわけでありますが、なかなか答弁は従来のものの繰り返しということになっておりまして、じゃ、聞くのですが、こういう身体などの障害で投票できない方々の数、これはどういうふうに掌握をされているんでしょうか。
  33. 高部正男

    政府参考人高部正男君) 私どもとして、今、先生おっしゃられたようなストレートなアプローチで調査したことはございませんので、その数は把握しておりませんが、私ども承知している範囲でいいますと、現在、郵便投票証明書を発給している数は、約五万の郵便投票郵便投票証明書というのは発行しておりますので、これらの方々については投票に行けない方だろうというふうに思っております。  最近、厚生省といろいろ議論しておりまして、そもそも、今の身体障害者の等級認定でこの郵便投票証明書の対象になる方々については、その五万から比べると相当大きな数が対象になり得る、なっているのではないかというような認識をしております。  ただ、もう一つ御認識いただきたいのは、現在は、不在者投票として施設等の投票が、不在者投票がございますので、病院とかあるいは福祉施設に入所している方々で、これはすべてではございませんが、一定の規模以上の病院等に入っておられる方はそこでの投票ができるというような仕組みにはなっているところでございます。
  34. 井上哲士

    ○井上哲士君 今年の二月十一日の読売新聞は、全国三百万という数の報道もしておりました。いずれにしても、やはり投票に行けない方の数をやっぱり正確に掌握をする、このことなしに私は改善も図れないと思うんですね。ですから、実態をしっかりつかむということ、これがまず着手をすべきだと思います。  日弁連がこのALSのことなども受けまして、この二月に投票の機会の保障を求める意見書を発表をしております。高齢や障害等で投票所に行くことができない人、さらには、自書できない人が選挙権を行使できるよう郵便投票における選挙人の範囲を拡大するとともに、代理投票や点字投票を認め、巡回投票を創設して在宅代理投票ができるものとするなど提案をしております。  いろんなこの間の長い議論はあるわけでありますけれども、違憲判決も出るなど、こういう局面の中で、やはり踏み込んだ検討を、是非大臣の決意も含めてお願いをしたいと思うんですが、いかがでしょうか。
  35. 片山虎之助

    ○国務大臣片山虎之助君) 選挙部長も言っておりますように、我々はできるだけ、これは国民の基本的な権利ですから、投票できるというのは。これは、できるだけそういう機会を与える、拡大するというのはもう当然のことですね。  しかし同時に、選挙が公正公平に行われるという、ここのはざまといいますか接点ですね。しかし、どっちが強いかというと、私はやっぱり選挙人の拡大の方が強いのかなという個人的には感じがしておりますが、技術的な議論もありますので、そこで、状況をいろいろと把握をしたり意見を聞いたりして、是非、基本的には選挙権行使の拡大の方に努力いたしたいと。とにかく、違憲状態だと言われたんですから、違憲と言われたら、これは解消せにゃいけません、当たり前のことなのでね。  ただ、なかなかいい知恵がないんですよ。過去に大変な例があるものですから、この学習体験というのは残っていますからね。ここでどういうふうにやるのか、皆さんに納得してもらってということをいろいろ考えておりまして、野党の方も与党の方もそれぞれいろんな御検討をしていただいているようですから、そういう御検討も踏まえながら、我々も更に検討を深いものにしていきたいと、こう思っております。
  36. 井上哲士

    ○井上哲士君 拡大をする方向で検討するという答弁をお聞きをいたしました。  その上で、更に視覚障害者の皆さんの投票権の拡大についてお聞きをします。  今年の四月の七日に、障害者の生活と権利を守る全国連絡協議会から、これは大臣あてに要望書が提出をされておりますが、その中に、電子投票実施する選挙においても点字投票を含む自書式投票と電子投票有権者が自由に選択できるようにしてください、また、電子投票機に必ず備えなければならない機能、方式を明確にし、法制化、統一基準化してくださいと、こういう要望があります。  既に電子投票が行われまして、視覚障害者用の投票も行われましたけれども、例えば音を聞いて投票したい人のときにボタンを押すとか、様々なやり方が行われたようでありますが、やはりばらばらであると今後拡大していくときに困るというのが皆さんの声なわけで、この点、是非前向きの検討をしていただきたいわけですが、いかがでしょうか。
  37. 高部正男

    政府参考人高部正男君) 二点御質問ございました。  まず一点目の、点字投票もできるようにしてほしいと、失礼しました、機械の投票と、それから紙の投票を両方してほしいという御質問がございました。  現行の制度は、点字のできる方は、電子投票導入している団体でありましても点字投票を選択して紙で点字による投票はできるという仕組みになっておりまして、その意味では、選択の自由は保たれているような制度に既になっているところでございます。  ただ、私ども、お聞きした範囲で言いますと、目が多少不自由で、点字じゃなくて、投票用紙に点字じゃなくて書いて投票するようにできないだろうかというような御意見もあるようでございます。また、一般論として、電子投票という、いわゆる電子投票導入しても機械の投票以外に紙の投票の併用はどうかというような議論はあるところでございますが、現在の制度は、電子投票もできますし紙もできますということになりますと、どちらもできるということになれば、紙の投票を皆さんがやられることを前提にしていろんな体制を組んでいかなきゃいけないというようなことになりますし、開票の体制についても同じようなことを用意しなきゃいけないということで、開票の迅速化といったような電子投票の主たる目的が達成できないということで、一般的に言いますと、選択を認めないというふうな制度に組んでいるところでございます。  重ねて申し上げますけれども、目の不自由な方々が点字投票をしたいということは選択できるようには現行制度ではなっているところでございます。  それから、二点目でございますが、バリアフリーについて基準を統一してほしいということでございますが、まだ実は、具体的な投票実施した団体は、委員御案内かと思いますけれども、昨年の岡山県新見、それから広島市、今年になっての広島市、それから統一選挙で宮城県の白石と、実は三団体やっているところでございます。  まだまだ、いわゆる電子投票の機械というのは、各開発メーカーがいろんな知恵を絞りながら、どういうやり方がいいのかということをいろいろ工夫しているといったような状況でございます。このバリアフリーに限らず、機器の統一化というものをどう考えていくのかというのは、我々、今の法律をお通しいただくときにも検討させていただいたところなんですが、いずれにしても、技術の進歩が非常に激しいというような状況の中で、ある時点で固定してこうだというのがどうかというような議論もございました。  それからもう一つは、ある意味では地方公共団体の本格選挙導入するものではありますけれども、各地方団体において、ある意味ではトライアル的にいろいろ工夫をしていってもらって、その成果を生かすというような色彩、要素もございましたものですから、現在はそのような基準を定めるのはどうかなということで定めていないという状況になっております。  ただ、委員指摘ございましたように、将来を考えましたときに、ある意味での機器の統一、使いやすさ、選挙人方々住所移転等ございますので、そういう課題もあろうかと思いますので、そういう状況を見ながらの検討課題というふうにさせていただけたらと思っているところでございます。
  38. 井上哲士

    ○井上哲士君 今後広がっていくわけでありますのですから、是非総務省としての積極的に役割を果たしていただきたいと思います。  投票権の行使の条件を拡大をして投票率を上げ、政治参加を促進をしていく。重要でありますけれども、同時に、やはり根本は政治に対する国民の信頼を回復をするということでありますし、最大の問題は政治と金をめぐる問題であります。  今日、大臣自身の政治資金管理団体のこと等についてお聞きをするんですが、我が党の富樫議員が二〇〇一年の三月三十日の当委員会で、大臣の地元の岡山県岡山市から談合などで指名停止処分を受けた企業四社から大臣の政治資金管理団体が三年、九七年から九九年の三年間に合計百三十万円の政治献金をもらっていたと、こういう指摘をいたしました。当時大臣は調査をしてみましょうと、こういう答弁を当委員会でされたわけでありますが、調査した結果はその後いかがだったでしょうか。
  39. 片山虎之助

    ○国務大臣片山虎之助君) そういえばそういう御質問があったような気もしますし、大分前ですから、調査もしましたけれども、もう忘れましたね。そういうことをちゃんとあるんなら御通告ください。そうすれば調査の結果は報告するんですけれども、通告がないから、また私よく知りません。
  40. 井上哲士

    ○井上哲士君 自分自身の問題でありますし、この指名停止処分を受けている企業からの献金というのは、この間も様々な問題があったわけです。そのことについて委員会の場で、しかもこういう問題を統括をする大臣に対して質問をされて、これで覚えていないというのでは、これは私は責任が果たせないと思うんですよ。  で、調査したことは事実ですか。その点はどうですか、調査したこと自体は。
  41. 片山虎之助

    ○国務大臣片山虎之助君) いや、そのときは調査すると言ったら調査したんですよ。何年か前でしょう、二年か三年か。しかもそれは指名停止というけれども、指名停止もいろいろあるんですよ。十日間の指名停止も、二週間のものもあるし一か月もあるし、いろんな議論があるんですよ。だから、そういうことをあなたの党のどなたかが質問されたら、調べますと言ったら調べているんですよ。  通告されれば、あなたが今日のこの委員会で、それはその結果を私の方からお話しできたと思いますけれども、通告せずに質問され、前のことを、私がやっているわけでもないし覚えているわけがないでしょう、神様でもあるまいし。是非それはそういうふうにしてください。これが委員会のルールですから。
  42. 井上哲士

    ○井上哲士君 いや、新たに調べなくちゃいけない問題じゃないんですよ。この場で調査をすると答弁されたことについてどうですかと聞いているわけでありますから、しかも二年前の問題でありまして、それは私は大変無責任な答弁だと思います。  この指名停止を受ける業者からの献金、特に公共事業での談合にかかわった献金なんですね。公共事業の談合というのは、落札額を引き上げまして税金の無駄遣いになる。そこからもらえる、もらうということは結局還流だということで、この間いろんな問題になりました。ですから、小泉総理とか森元総理、鈴木宗男氏など、談合などを行って入札停止の処分を受けている企業からの献金というのは、これは返還しているんですね。しかし、こういう重大な問題を指摘をされても覚えてもいないというのは、私は非常に無責任だと思います。  しかも、この富樫議員質問をしたときに、指名停止を受けたということで指摘をいたしましたこのアイサワ工場というのがありますが、工業、その後、二〇〇一年の十月二十二日から十二月二十一日の二か月間においても指名停止処分を受けております。ところが、あなたが代表者を務めます自由民主党岡山県参議院選挙区第二支部の収支報告を見ますと、このアイサワ工業から引き続き三万円ずつ合計三十万円の献金をこの指名停止期間中も含めて受けているわけですね。さらに、岡山市から二〇〇一年に二回、計二か月間指名停止をされている三宅建設、ここからも十二万円、期間中に受けて、含めて受けております。  一度やはり委員会指摘をされても、引き続きこの指名停止を受けている業者から献金を受けている。このことについてのやはり道義的な責任ということについてはどうお考えでしょうか。
  43. 片山虎之助

    ○国務大臣片山虎之助君) いや、私は事実を知らないんですよ。だから、そのとき調べますと言って、富樫議員ですか、富樫委員から言われたことは調べたと思いますので、それはあなたね、通告しないと。何にも通告しないで突然質問をして、どこに何をねらっているのか知りませんけれども、そういうことは一つもフェアじゃないですよ。通告をすれば堂々と答えていますよ。そういうことであります。
  44. 井上哲士

    ○井上哲士君 私どもは公開をされている政治資金規正法の届出に基づいてお尋ねをしておりまして、私が聞いていますのは、こういう企業が現に献金をしているということは出されているわけですから、そういう指名停止などを受けている、特に談合にかかわっている企業から政治献金をもらうということについての道義的、政治的責任ということをどう考えているかという、そのお立場をお聞きしております。
  45. 片山虎之助

    ○国務大臣片山虎之助君) 我々は、政治資金規正法等法律に基づいて適法な手続でそれぞれ政治献金を受け取り処理しているんですよ。適法であれば、それはそれでいいんです。
  46. 井上哲士

    ○井上哲士君 いや、適法であればという問題じゃないんですよね。  適法にこうして公開することによって国民が一体どういう政治資金が行われているかと見るんです。小泉総理や森元総理が談合関係企業からいただいた献金を返したというのも、法的な問題じゃない、やっぱり政治的、道義的な責任があるということで返還したんですよ。そういうことをやっぱり国民が見えるようにしておくということが大事なんですね。私は、この問題での責任者である総務大臣のそういう態度では、この問題の、金権政治の問題というのは解決がおぼつかないということを改めて思いました。  現行の政治資金規正法が献金者の公表基準を五万円まで下げたわけでありますが、五月二十八日付けの時事通信の記事によりますと、与党三党の幹事長・国対委員長会談で、自民党が献金者名の公開基準を現行の年五万円超から二十四万円超に引き上げるように主張したと報道をされております。  こういうときに、様々な金権政治への国民の疑惑が高いときに透明性を引き下げるような制度を作ることは、私は許されないと思いますが、大臣のお考えはいかがでしょうか。
  47. 片山虎之助

    ○国務大臣片山虎之助君) 各党各党でいろんな議論をしているんで、それは各党の自由ですよ。それは、その結果を見て、あと国会でどういう御議論をされるか知りませんけれども、それは各党でどうぞ御自由におやりください、そういうことであります。
  48. 井上哲士

    ○井上哲士君 大臣が、こういうこの問題の統括をする省の責任者としての大臣の見解を聞いているんです。  今年の三月の予算委員会でも、この五万円に下げた、当時、下げたということについて、私は政党中心の政治資金制度になり、透明性は上がったと思いますというふうに評価をされているんですね。  そうしますと、今行われているような議論政党中心の政治資金制度を崩し、透明性を逆にするものじゃありませんか。そこの大臣としての見解をお聞きしているんです。
  49. 片山虎之助

    ○国務大臣片山虎之助君) この問題は毎回国会議論されておりますけれども、民主主義のコストをだれがどう負担するかという問題なんですよ。様々な考え方、様々な意見があるんですよ。それを集約して私は各党各会派でまとめていただければ大変有り難いと、これが基本的な立場ですよ。  それは、党が全部丸抱えするようなところもありますしね、そうでないところもあるし、自分で集めるところもあるし、それはいろんなやり方があるし考え方もあるんですよ。そういうことの中で集約していただくというのが民主主義であります。一つの意見で押し付けるのはどこかの国であります。
  50. 井上哲士

    ○井上哲士君 全然問題の本質が分かってないんで、私あきれ果てました。どこから集めるかという問題じゃないんですよ。集めたものをどうやって透明性を確保するかということなんでしょう。  我々は企業・団体献金は禁止しようと言っていますけれども、そこはいろいろな立場があるでしょう。しかし、もらったものについては国民が監視できるように透明性を確保すべきだということで五万になったわけですよ。それを今引き上げようということに対して、今全然全く違う答弁をされました。  もしこれが、公開基準が今自民党などが主張するように二十四万ということになるとどうなるかを、大臣自身参議院選挙区第二支部の二〇〇一年の収支報告で私ちょっと試算をしてみました。公開基準が五万円以下ということになりますと、この年の収支報告書で、法人その他の団体からの寄附、いわゆる企業・団体献金に当たる部分では、百三十五法人、五千二百七万四千五百八十円分については献金者名を明らかにして報告がなされておりますが、これが二十四万円以下になりますと、驚くべきことに二十九法人、二千六百二十四万円しか献金者を明らかにして報告がなされなくなります。百三十五法人が二十九法人になると。  これでは正に不透明になるわけでありまして、先ほど指摘をいたしました例えば四社五件の指名停止業者からの献金を指摘しましたけれども、これなども二社三件しか指摘できなくなると、こういうことになるんですよ。そうしたら、正に国民の目から見ればいろんな問題も見えなくなってしまう。今、この間、昨年のムネオ疑惑に続きまして、今度の国会でも木村厚生副大臣とか上野官房副長官の問題とか出てきていますけれども、こういうときに透明性を下げてしまうということは国民の期待に全く反するものだと、こういうことは許されないということを指摘をいたしまして、質問を終わります。
  51. 大江康弘

    ○大江康弘君 国会改革連絡会の大江康弘でございます。今日はよろしくお願いをしたいと思います。  今回の法案はさほど口角泡を飛ばすような法案でもないかと思いますし、大臣、ひとつちょっと気を静めていただきまして。  代替投票ということでありまして、やはり政府も我々も、そこまでしてどうやっぱり投票をしてもらうか、投票率を高めていくかという、これ大変苦労するわけですけれども。まず、選挙部長、この投票率の低さ、どの数字をもって低いか高いかということもありますけれども、やっぱり民主主義ですから過半数、五〇%を割ればこれ低いんじゃないかなと、ある程度の線も出てくるんですけれども、この低さというのはいわゆる、部長、どう分析されておられますか。  ちょっと順番が違いますけれども、先ほど若松大臣が先に親切に答弁されたということがありますが、ちょっとそこら教えてください、分析しているところ。──副大臣、済みません。
  52. 岩永峯一

    大臣政務官(岩永峯一君) 済みません。  大江先生、和歌山の県議会で、私も滋賀県の県議会出ていまして、当時の先生、五十四年ですね、そのときに七七・三九だったんですよ、投票率がね。私、滋賀県で五十年に出たときは七七・三八だったんですね。今、それが和歌山で六一・九一、それが滋賀で五〇を割って四九・九六というようなことで、本当に大変残念な投票率の低さというのが出てきているわけでございます。  それで、投票率の低さの原因は、やっぱり選挙の争点、候補者の数、選挙当日の天候などが主な要因でございますけれども、特にずっと分析いたしますと、近年の投票率の低さの背景には、若者の政治に対する無関心というのがこれは一番大きいんです。それで、調べてみましたら、今回、六三・九五の中で、二十歳から二十四歳の投票率が三五・六四、それから二十五歳から二十九歳が四〇・六四、それから平成十三年の参議院でも、五八のうち、二十歳から二十四歳が三一、二十五歳から二十九歳が三六・八六と、こういうことで、やっぱり若者に投票率の低下というのが集約されると思います。  それで、特にずっとアンケートをして調べた結果、やっぱり、一番高い投票に行かなかった原因というのは、選挙に余り関心がなかったからというのが三七%、それから用があったからというのが三五%、そしてその次、政策候補者事情がよく分からなかったからというのが二五%でございまして、若い有権者の意識調査ではそういう状況になっているわけでございます。  我々もアンケート以外に調べる方法がございませんでしたので、そういうことで御答弁申し上げます。
  53. 大江康弘

    ○大江康弘君 政務官というか先輩というか、どうもありがとうございました。今日は、政務官、御答弁いただくということを聞いていなかったものですから、ありがとうございます。済みません。  そこで、戦前は制限選挙時代だったんですね。少し調べてみますと、明治二十二年から大正十四年まで、この衆議院議員選挙法が制定されてから以降、そのときは満二十五歳で男子で直接税を十五円。当時一円が今に換算しますと四千九百八十円、約五千円ですから、七万五千円ほど納税しないとこれ投票権が得られないということでありました。その後、明治三十三年の改正で、この納税要件は被選挙権については廃止されたということでありますが、いわゆる選挙権については緩和されて、十五円から十円になったと。そして、大正八年では直接国税を三円と。  こういう時代を見てみますと、大変投票率が高いんですね。それは、やはり限られた人が投票するわけですから、いわゆる特定少数ということを見てみますと、私はやっぱり投票権という、先ほどからも話がありましたが、やはりこの選挙権というのは特定少数という限られた人ということになれば、これは権利を逆にお金でこう、何と表現したらいいのか、買うと言ったら語弊ありますけれども、そういう投票権を得るためにやっぱりそういう一つの高いハードルを越さにゃいかぬ。  しかし、戦後、この普通選挙になったときに、いわゆる二十歳以上があまねく公平に選挙権を得られるということになれば、私は、ある意味では義務ということではないか。それだけに──大臣にちょっと質問さしていただきます。済みません、ちょっと飛びましたけれども。  実は、大臣、昨日、大臣くしゃみしませんでしたか。昨日、私は事態特で福井に行ってきたんです。そして、車中で、いわゆる大臣の話題が出たんですね。大臣、どこでも話題出るということは、大変大臣もあれだなって。  そこで、大臣というのは、山崎委員長が国井先生お話しされているのを聞いていまして、国対委員時代とか議運のときに、もうとにかく大臣はどんどんどんどん自分の意見を言われると。正に攻撃的だ。そういう意味では有事、いつも有事だなと。そういう中で、要するに、それはなぜかといいますと、大臣の人柄を言っておったんですね。非常に正直だと、大臣というのは。だから、ああという、褒めておったんですよ、これは。  それで、私も思わず、いや、実はうちの党の渡辺秀央先生が、もう本当にこの片山大臣のことは、官僚臭くないし、もう本当にあの大臣は立派だといつも私よく言われるんです。もう、正にこれ、もう朝から晩までそんなこと言われるから、思わず大臣がいい人のように思えてきて、そういう意味では、私は、官僚臭くないというか、本当に日ごろの答弁を聞いておって、正直に自分の思いをぶつけられておるということであります。  そういうことでありますから、ここまで、十階ぐらいまで持ち上げたらいい答弁をいただけると思うんですけれども、今の私の、何が申し上げたいかといいますと、戦後、やはりもう五十八年たって、私は、日本の民主主義というのはある意味では非常に成長したと思うんですね。その中で、やっぱり民主主義の基というのは、我々政治家が選挙で選ばれる、やはり選ぶというところからもう選挙が、政治というのは始まっておるということになりますれば、やはり国民の皆さんにしてみても、やっぱりこの選挙というものを、やはりある意味では選挙権を権利としての行使じゃなく義務としての気持ちで、意識でしていただくという、やはりもうそろそろそういうところに切り替えていかないと、私は、いろいろ旧自治省、選挙の方の部長なんかも苦労されて、選挙部なんですか、苦労されて、投票率を上げておられますけれども、まあ、あの選挙期間中に広報車を出してやるという、これはまあ、私は全く無駄とは言いませんけれども、余り効果がないだろうというような気も実はするわけです。これはまた後で少し触れますけれども。  そこで、大臣、私は権利か義務かということは、もうそろそろこれは私は義務というふうにとらえて、そのことを有権者の皆さんにどうやっぱり日ごろから政治に参加をして、ですから、投票率が低い、先ほど岩永政務官がお答えいただきましたけれども、これはやはり選挙民にとってみれば、入れる、入れたい人がおらないとか、あるいは政治が面白くないとかつまらないとかという、そういうことが投票率の例えば低さにつながって、それは仕方がないんだとお互いがいつまでも認めていくということに私はなっていかぬと思うんですけれども。  ちょっと長くなりましたが、ちょっと前段の、大臣をお褒めしたことがもう忘れそうなぐらい長くなりましたけれども、ちょっと思い出していただいて、ひとつ御答弁いただきたいと思います。
  54. 片山虎之助

    ○国務大臣片山虎之助君) いや、私は花粉症なんですよ。だからよくはくしょんが出るんですが、このところ本当に多いですね。いや、福井に行かれた帰りにそういう話があるとは、どうも昨日もありましたね、そういえばはくしょんが。ありがとうございました、いろんなことをいろいろ言っていただいて、ありがとうございます。  まあ、あれなんですね、選挙に行く選挙権というのは権利であり義務なんですよね。それで、今面白いのは開発途上国ですね。全部選挙権、投票率が高いですよ。そういうところはやっぱり政治に依存するのが物すごい多いんですよ、いろんな意味で。だから政治に期待するところも大きいし、だから権利行使という面が非常に強いんでしょうね。しかし、日本みたいな成熟した民主主義の国になってきて、経済的に豊かで、やっぱりある意味では政治に依存しているんでしょうが、依存率が私は開発途上国よりは少ないと思いますよ。だから、自分らでちゃんとやっていける、もちろん政治もちゃんとやってもらいたい、しかし我々は我々でできるんだと、こういうところがあるんじゃないでしょうかね。  それからもう一つは、これは我々全員が自戒せないかぬのですが、政治や政党や政治家が国民から見て極めて魅力的ではないんでしょうね、あるいはそこでのいろんな議論が。そういう意味では、NHKの国会中継なんという、私はそういう関係の仕事をやっておりますが、かなり視聴率は低いんですよ。もうかなり低いんです。ということは、やっぱりそういう感じなのかと思うんですが、やっぱり国民の皆さんにもう一遍、選挙というのは民主主義の基礎で、これは権利であるけれども義務の要素もかなりあるんだと、こういうことのやっぱり徹底を私は図るべきではなかろうかと思いますね。  よその国では、例えば棄権すると罰金を掛けるとか、次の投票は認めないとか、いろいろなことをやっておりますが、そういうことを日本のような、先進国と言ったら語弊がありますが、そういうところがやるべきでないんで、あくまでも国民の皆さんの理解を深めて投票率を上げていくと。五割が高い投票率なんというのは私はいかがかなと本当に思っております。  そういう意味で、今後とも総務省としても、そういうことの担当をしておりますから、努力してまいります。今後とも的確なる御支援を賜らんことをお願い申し上げます。
  55. 大江康弘

    ○大江康弘君 大臣、ありがとうございます。  時間がありませんので、そこで、今少し大臣、若者のこの投票に行かないことを触れました。最近の若い人に、おまえさんたち、投票へ行かぬのだったら、例えば投票権取り上げられたらどうするんだと言ったら、いや、もうそれでいいと言うんですね。本当に若い人は。もういいと言うんです。だから、これはもう非常に、これは若い人もいろいろありますから、すべてがこれ同じ意識だと思いませんけれども、こういうことを言う人もいるという。そういうことになってくれば、これはもう非常に、やはりそこまで意識が来れば、私は大変な問題だなというふうに思うんですけれども。  そこで、若い方が選挙に行かぬから低いという、若い人に責任を全部なすり付けるわけではありません。それだけに、今先進国ということを大臣が少し言われまして、いわゆる選挙権の年齢を引き下げる、これは随分いろいろ議論もあったと思います。ただいまもずっとあると思います。そこで、小渕首相当時に、いわゆる私的諮問機関である二十一世紀日本の構想懇談会ですか、ここでやはり十八歳に引き下げることを提言をされておるわけなんですね。  そこで、先進国を見てみますと、やはり世界の百六十八か国の中で百四十六か国が導入をしておって、いわゆる先進国と言われておる国はもう日本だけが十八歳に下げておらないという状況。私は、やっぱり若い人もどんどん意識も立派になってきたと思います。先ほどのような意見もありますけれども。  そこで、やはりそういう意味でもうそろそろ日本も、これは少年法だ民法だという問題があるという、このハードルもあるわけですけれども、やはり先進国で、という日ごろ胸を張っている我々が、一国、日本だけが立ち後れて、こういうことで後れを取っておるということもちょっと私は寂しいなという気がするんですけれども、副大臣、そこらのところをちょっとお答えいただけませんか。
  56. 若松謙維

    ○副大臣若松謙維君) 大臣質問されるかと思いましたが、こちらに来ましたのでお答えしたいと思います。  私個人としては、やはり十八歳というのは真剣に検討すべきではないかと思っております。そういう意味で、与党でもこの検討チームが設置されて、昨年末に一回、そして第二回目が今年の初めということですが、残念ながら統一選がございまして中断しております。かつ、これだけIT時代情報時代ということで、やはり若い方も情報を得る機会はかなり充実しておりますので、そういったところでのやはりいわゆる自己責任というか、政治をどう考えるか、それも真剣に議論をしなければいけない。いずれにしても、やはり日本の十八歳というのは、是非とも国会の皆様、真剣にまた前向きに、早急にスピーディーに考えていただければ有り難いと思っております。個人的な考え方ですけれども
  57. 大江康弘

    ○大江康弘君 どうもありがとうございました。
  58. 又市征治

    ○又市征治君 社民党の又市です。  この法案については、基本的には賛成だということをまず申し上げて、少しこの後の改善点あるいはちょっと懸念される問題を含めて二点ばかりお伺いしてまいりたいと、こう思っています。  選挙権が形式上だけでなくて実際に保障される人々の範囲がどこまで広がるか、これが民主主義の実情を計る目安だと、こうよく言われるわけです。例えば、よく言われる例で、アメリカにおいて黒人などの選挙登録者の比率が白人に比べて低いと。建前上は平等なんだけれども、いざ投票ということになるとそれができないという実態が、社会的あるいは経済的な地位、教育などによってこういう格差がアメリカにもあるという実例として挙げられています。  我が国では、さきの判決で重症障害者の郵便投票における代理投票の禁止規定が違法とされて、今、議員立法によって制度の是正を目指しておりますけれども、そこで今日は、選挙における聴覚障害者の知る権利としての個人演説会等における要約筆記の自由化の課題についてお尋ねをまずしたいと思うんです。  聴覚障害者や難聴者のために講演などを要約筆記するサービスが、今ではその場でワープロで入力をしてスクリーンに映し出す方法がかなり広がってきていますね。聴覚障害者の皆さんの団体からは、これを選挙でも認めてほしいとの要望が前から出ているわけです。  調べてみますと、二年前の六月の参議院総務委員会でもこの問題取り上げられましたが、総務省は、選挙演説に使うのは公選法百四十三条に違反をするんではないか、したがってこれは駄目だと、こういう見解をその段階でも述べられているわけですが、後ほども申し上げますけれども大臣はこの問題については少し研究してみたいと二年前にそういうお話しになっているんですが、そこで、現段階での総務省の見解をまず先にお伺いをしておきたいと思います。
  59. 高部正男

    政府参考人高部正男君) 現行公選法におきましては、文書図画の頒布、掲示等について一定の手段のみ認めているわけでございます。公選法百四十三条二項におきましては、「選挙運動のために、アドバルーン、ネオン・サイン又は電光による表示、スライドその他の方法による映写等の類を掲示する行為は、前項の禁止行為に該当するものとみなす。」と、このように規定しておりますことから、御指摘ございましたように、選挙演説の要約をパソコンに打ち込んでそれをスクリーンで表示するといったことは同項の禁止する行為に該当して公職選挙法百四十三条に違反するもの、このように解しているところでございます。
  60. 又市征治

    ○又市征治君 そういう見解を出されているんですが、聴覚障害者の情報手段として手話通訳がありますけれども、これにも一定の難点があります。その最大の点は、高齢になってから聴覚障害になった、あるいは突然の病気や事故によって聴覚を失った人にとっては手話の習得が非常に難しい、こういうことですね。その点、要約筆記という方法ならば普通の文字で見せてくれるわけですから大変有り難いと、こう喜ばれている。だから、これがどんどん広がっている、こういう状況にあります。  今日は長野出身の吉田先生もおいでなんですが、昨年の九月に長野県の塩尻市の市長選挙の合同演説会でこの要約筆記をやろうとしたんですが、会場のスクリーンに映し出して全員に見せる方法では、今、選挙部長が言ったような立場で違法だということで、仕方なく障害者個人個人にパソコンの画面をお見せしてやったと、こういうことなんですね。これはまあひとつ前進なんですけれども、これは障害者にとっては、私は障害者ですよというふうに宣言をする、いや余りそんなふうに見られたくないなと思っておいでになる方も、それからまたそういう特別扱いを受けるのはやっぱり嫌だと、こういうのもあるわけで、余りいい方法ではないわけですね。  また、年寄りであれば、障害者とまでは言えなくても、耳の遠い方、話のスピードに付いていけない、こういう方もあるんだろうと思います。まして、ますます高齢社会進んでまいります。スクリーンで会場全体に流す方法が、これはいいに決まっているわけですね。だけれども、今の規定がそうなっていると。この点の法改正を求める地方議会の意見書は、長野県のこれ新聞なんですけれども、長野県では県議会、塩尻市、諏訪市、岡谷市など四市三町村議会で出されてきていますね。全国的にもこれは広がっているというふうに聞いています。  そこで、総務大臣は二年前の答弁で、私もかねがね今IT時代ですから、今の問題も、限定的な文書図画というのもいかがかなと本当に思っておりますので研究は始めさせていただきたいと、こういうふうにお答えになっています。ちょっと意味、文脈よく分からぬところありますけれども、しかし私は、大臣のおっしゃったのは、要約筆記について限定的に禁止を解除することの検討も必要かなと、こういう意味でおっしゃったんではないかと、こう理解をするわけですけれども、今申し上げましたことを含めて、改めて大臣、もう二年たったわけです、改めて大臣の見解をお伺いをしたいと思います。
  61. 片山虎之助

    ○国務大臣片山虎之助君) 今、現行法からいいますと、選挙部長が答えたとおり禁止行為に該当すると、こういうことですけれども、高齢化社会というのは、やっぱり眼鏡が要ったり補聴器が要る人が増えることですよね、入れ歯が要ったり。それは、そういう意味からいうと、やっぱりこの難聴だとか、そういう聞こえない聴覚障害、これにどう対応するかというのは私は大きな課題ではないかと。  今、テレビでデジタル化というのを地上波のテレビやりますけれども、これをやると話速転換できるんですよ、話すスピードが調整できると。これもお年寄りに優しいテレビと、こういうことになるわけでありまして、私はいろんな会合で、今、委員が言われました要約筆記というんですか、これを見まして、なるほどなと、大変皆さん喜んでいますよね。  そういうことで、もうこういうことを私は前向きに取り入れる必要があると思いますけれども、今インターネット等の選挙運動での活用も考えておりますから、こういうこと併せて十分に検討をしていきたいと。それは、政府の方は政府の方でやりますが、ひとつ、いつも選挙関係、同じことを言いますけれども各党各会派でも十分な御議論をいただいて、こういうものをどうやって取り入れていくかということの御検討各党各会派でもやっていただく、政府でもやると、こういうことではないかとこう思っておりまして、難点がいろいろある、経費の問題がある、そういうことをどうクリアできるかを含めまして、今までも検討してまいりましたが、更に突っ込んで前向きに検討いたしたいと思っております。
  62. 又市征治

    ○又市征治君 ありがとうございました。  先ほども申し上げましたように、現場段階ではそういう規定があるために、何とかこういう聴覚障害者の皆さんに見てもらおうということで、わざわざパソコンをそこに入れてまでやっているわけですよね。現場の方はいろんな苦労をしている。だけれども、大本が駄目だとこう言うから困ると。逆に、だけれども、現場では本当に住民の皆さんに利便性を何とか拡大しようと苦労しているわけですから、やっぱり大本を直さなきゃどうもならぬということで、大臣、今、是非検討してまいりたいと。前向きにいい方向で、政治決断も含めてやっていただくことをお願いをしておきたいと思います。  そこで、二つ目に、今回の法案は、一番冒頭申し上げましたように、在外投票不在者投票の機会の拡大に主眼がありますから賛成だ、これは前進だというように申し上げておきますが、ただ、一つは、投票者の権利の拡大とは別の問題として、投票箱を長く保管をするということは現実には選挙の公正な管理を損なうおそれも実は出てくる、こういうことがあるわけですね。  例えば小さな市町村では、日ごろから首長と選挙管理委員会の職員の距離が非常に近いというよりも、こうした市町村では選管の選挙職員はいなかったり、あるいはいてもごく少数、そして選挙の際は大多数が首長部局と全部兼務でやっていることはもう御承知のとおりですね。そういう格好で成り立っている。そうすると、選管の首長部局からの独立性という、こういう理念に実態は全く追い付いていないといいますか、合わないわけですね、現実は。  そういうところで、従来に比べて幅広い期日前投票、期日前投票のために投票箱を長期間にわたって設置をした場合に、首長など幹部から投票箱の管理者、職員に非常な圧力が掛かる可能性が生まれてくる、こういうことなんです。いや、そんなばかなと。いや、だけれども現実にそういうことがあるわけですね。  私、富山県の出身なんですが、恥ずかしい思いいたしましたが、何年か前に町長選挙で、福祉施設で大変不正な投票が行われて、それで、これは全く選挙やり直しという事例がありました。そんなことというのは全国で、残念ですがまだ日本社会において小さい自治体ほどこんなことがぼろぼろある、こういう現実があるわけですね。早い話が開票日前に投票箱を開けてすり替えということが生まれてくる可能性はやっぱり持っているわけです。  今までだと、今のやつは一人一人が不在者投票で書いて封筒に入れて、また外封筒に個人の署名までして、そういう意味では、別々に金庫に入れて保管をする、そして投票後に、開票までの間に第三者による不正を許さない、こういうメリットがあったわけですね。だけれども、これが面倒だと、こういうことで、できればこれは改正しようやということで直接投票箱に入れると、こうなったけれども、この投票箱、これを各自治体に置いて、少なくとも一か所以上ということなわけですから、この投票箱を入れる金庫を毎日持ってきて、投票が終わったら役所へ持ってきて、そこに、大きい金庫に入れて、また翌日持っていくのかと。こういう問題などがあるわけでありまして、ここら辺のところは一抹の不安があるわけですね。  したがって、この点はどういうふうに厳正に執行していく、こういう考えなのか、この点について少し考え方をお聞かせいただきたいと思います。
  63. 高部正男

    政府参考人高部正男君) お答えを申し上げます。  これまでの制度ですと、投票箱というのは投票日にあるわけですから、即日開票すると保管期間というのは極めて短い期間だということになるわけでございます。新しい制度になりますと、期間中の保管というのが問題でありまして、この期間について厳重な保管をしなけりゃいけないというのは委員指摘のとおりだと思っております。  この期日前投票期間中の投票を行うことができる時間以外の投票箱の管理でございますけれども投票時間が終わりましたら、当然のことながら投票箱のふたを閉じまして、かぎをして、かぎも複数にいたしまして、一つのかぎは投票管理者が日締の封印をすると。まあ開ければ分かるような状態になるように封印すると。もう一つは、立会人が封印するというような形でチェックが利くようにしたらと考えております。  それから、保管については、現行の投票所の投票につきましては、そこに置いておいて開票所に移動させるという仕組みになっているわけでありますが、基本的には、投票、期日前投票所の場所に置いてかぎをしたりするわけでございますが、必要に応じてロッカー等の保管、更にかぎ掛けられるような保管もできるようなという形にしておりまして、委員指摘のようなことがないような管理の徹底を図っていきたいと思っております。  なお、私ども一つ申し上げておきたいのは、不在者投票も、確かに封筒に入っているわけでございますが、これも投票になるわけでございますので、この保管というのは非常に重要だと考えております。ただ、さはさりながら、そういう状況の中で昨今、投函漏れといいますか、管理が十分でないために当日に投票箱へ入れるのを忘れるという事件が結構起こっておりまして、今回、このような投票箱に入れるという新しい仕組みを入れることによりまして、より厳正な管理とそういうミスがなくなる方向にも寄与するのではないかというような期待を持っているところでございまして、いずれにいたしましても管理の徹底について十分留意してまいりたいと思っております。
  64. 又市征治

    ○又市征治君 今お聞きしましたら、そういう意味でかなり厳正にやっていかれる予定のようですが、それぞれの地域の実情によっては、先ほど申し上げたような例が起こり得る可能性もあるだけに、より厳正に対処いただくことを強く要請を申し上げて、終わりたいと思います。  ありがとうございました。
  65. 沓掛哲男

    委員長沓掛哲男君) 他に御発言もないようですから、質疑は終局したものと認めます。  これより討論に入ります。──別に御意見もないようですから、これより直ちに採決に入ります。  公職選挙法の一部を改正する法律案に賛成の方の起立を願います。    〔賛成者起立〕
  66. 沓掛哲男

    委員長沓掛哲男君) 全会一致と認めます。よって、本案は全会一致をもって原案どおり可決すべきものと決定いたしました。  この際、福山君から発言を求められておりますので、これを許します。福山哲郎君。
  67. 福山哲郎

    福山哲郎君 私は、ただいま可決されました公職選挙法の一部を改正する法律案に対し、自由民主党・保守新党、民主党・新緑風会、公明党、日本共産党、国会改革連絡会(自由党・無所属の会)及び社会民主党・護憲連合の各派共同提案による附帯決議案を提出いたします。  案文を朗読いたします。     公職選挙法の一部を改正する法律案に対する附帯決議(案)   政府は、国民本位・政党本位の選挙制度を確立するため、本法の施行に当たり、次の事項についてその実現に努めるべきである。  一、期日前投票及び不在者投票投票期間が、選挙の公示又は告示のあった日の翌日から選挙の期日の前日までの間とされたことに伴い、選挙人投票機会を失することのないよう、その周知徹底を図ること。  二、期日前投票及び不在者投票について、本法の立法趣旨等を踏まえ、適正な管理執行に万全を期するとともに、特に指定病院等における不在者投票について、選挙の公正確保に配意しつつ、適正な管理執行の徹底に努めること。  三、在外投票制度実施状況を踏まえ、できる限り速やかに衆議院選挙区選出議員選挙及び参議院選挙区選出議員選挙を在外投票対象とするための措置を講ずるものとすること。  四、候補者情報の充実、政治参加の促進、有権者候補者の直接対話の実現、金のかからない選挙の実現等を図る観点から、IT時代の要請に即応し、インターネットを利用した選挙運動の早期導入に向け、積極的な検討を一層進めること。  五、民主主義の質的充実と活性化を促し、有権者の政治的関心を高める観点から、政党のマニフェスト等の導入環境整備を検討すること。    右決議する。  以上でございます。  何とぞ委員各位の御賛同をお願い申し上げます。
  68. 沓掛哲男

    委員長沓掛哲男君) ただいま福山君から提出されました附帯決議案を議題とし、採決を行います。  本附帯決議案に賛成の方の起立を願います。    〔賛成者起立〕
  69. 沓掛哲男

    委員長沓掛哲男君) 全会一致と認めます。よって、福山君提出の附帯決議案は全会一致をもって本委員会決議とすることに決定いたしました。  ただいまの決議に対し、片山総務大臣から発言を求められておりますので、この際、これを許します。片山総務大臣
  70. 片山虎之助

    ○国務大臣片山虎之助君) ただいまの附帯決議につきましては、その御趣旨を十分に尊重してまいりたいと存じます。
  71. 沓掛哲男

    委員長沓掛哲男君) なお、審査報告書の作成につきましては、これを委員長に御一任願いたいと存じますが、御異議ございませんか。    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
  72. 沓掛哲男

    委員長沓掛哲男君) 御異議ないと認め、さよう決定いたします。  本日はこれにて散会いたします。    午後零時四分散会