○円より子君 おはようございます。民主党・新緑風会の円より子でございます。
今日は二十五分という時間で総理にお話を、
質問させていただきますが、余り細かいことはしないようにと思っております。
一つは、今、生命
保険というのは、日本ではもう九割以上の世帯の方が生命
保険に入っていらっしゃいまして、日本の生命
保険というのは大変人々の信頼を得ていたわけですね。それで老後の生活設計に大変な大きな
影響を与えるもので、まさかその
生命保険会社がつぶれたり、それから予定利率の引下げ、これは一体何のことかしらと思う方が多いんですが、言ってみれば、一生懸命
保険金を払ってきたけれども、その受け取る
保険金がカットされてしまうという、こういうような契約条件の
変更があり得るなんということはほとんどの方が思っていらっしゃらなかったわけです。
そういうところで、生保と銀行が株の持ち合いをやっていますから、株が大変下がってしまえば当然
保険会社の経営も悪くなる、それから資産デフレも起きる、いろんなことが起きて、金融の
状況、取り巻く
状況というのは大変悪い。そういう中で、生保がもしつぶれれば銀行も駄目だというようなこともありますから、当然、政府としては、金融の
状況を悪化させないために、金融破綻がならないためにこういう
法律も必要だということでお作りになったんだと思うんですが、ただ、先ほど申しましたように、九割以上の方が生保に入って、老後の設計が狂うということに関して、大変な怒り、それから生保への信頼をなくす、不信だけではなくて、株がこんなに下がってしまった、そうした
責任、政治への
責任というものに対する追及や不信というものもとても大きくなっていると思うんですね。怒りだったら割合国民が元気になると思うんですが、私の周りでは絶望感を持っている方が大変増えています。
総理は多分タクシーとかもお乗りにならないでしょうし、余り──そうですか、今もお乗りになりますか。ちまたの声が聞こえないんじゃないかと私は思うんですが、私は二十数年来、たまたま一人親家庭のネットワークを持って、ずっとその支援を
国会議員になってからもしてまいりましたので、この数年間のデフレ不況の
影響というのは本当に激しくて、離婚して、四年制大学を出ていても大体年齢制限で仕事が女の人はありません。もちろん、パートとかアルバイトとか様々な仕事に就いて、そんなにより好みしている
状況ではないんですが、五年前に清掃の仕事、銀行の清掃の仕事一日八時間あった人が、今どんなに仕事をしたくても、銀行も悪くなっていますから、清掃の仕事が一日四時間に減ってしまって、五年前は時給千円だったのが今は八百円になっているわけですね。うちの娘なんかは高校生のときにファストフードの店で働いていましたが、高校生の時給の方が三十代、四十代の離婚した女性よりも高いというような
状況なんですね。
そうしますと、それで子供を育てるというのは大変で、ちょっとお話ししたいんですが、昭和五十七年に
一般世帯の世帯人員一人当たりの平均収入というのは百三十万円でした。それが二十五年たって
平成九年は二百二十三万円と一・七二倍になっているんですね。高齢者世帯も、日本の高齢者に対する施策が大変良かったせいで、昭和五十七年は一人当たり百四十二万でした。それが、
平成九年、二十五年たって二百七万円に上がっております。一・四六倍です。ところが、母子世帯は六十三万円だったのが七十三万、一年間に一人七十三万の年収しかないというような
状況なんですね。
このお母さんたちが、例えば離婚して子育てをしている間にそうやって、先ほど言ったようにより好みしないで仕事をやっていますから、物すごく体を酷使して朝から晩まで働き、また週末も働いてやっています。体を物すごく壊します。そうすると、入院しなきゃいけないような
状況になってもできない。日当、日給月給ですから、休めばそれだけもっと収入がなくなる。そういう中で、もし自分が亡くなったときに子供を残していったらどうなるのかと思うときに、必ず
皆さん、離婚した後、生命
保険に入るんですね、それまで入っていなかった人が。私も、娘が五歳のときに胃潰瘍になりまして、そのとき、がんかもしれないと言われて、やっぱり大変、五歳の子を一人置いて死ねないなと思って、私もそのとき生命
保険入りましたけれども。
ほとんどの人がそういう
状況で、そして、何とか子育てを終えて、五十、六十になってまたますます仕事がなくなる。そのときに、今まで必死で安いお給料の中から掛けていた生命
保険がカットされるなんてなりますと、もう怒りとか政治に対する不信よりも、様々な問題が起きてアパートも出なきゃいけないとか仕事はなくなるとか、そこにまた生保のこの追い打ちを掛けると、もう絶望感に打ちひしがれてという
状況で、何かもう生きる気力がなくなるという人が多いんですね。
そうしますと、金融不安を何とか起こさないためということも大事なんですが、国民に痛みを押し付けて、絶望感ばかりを押し付けてしまっていては、今、やはり日本の人々がしっかり子育てをしていく、そういう人たちがまた子育てが終わった後で何とか、ぜいたくはしないけれどもまともな老後を働きながらやっていきたい、最後の最後まで
皆さん働くと、アンケートを取ると言っていらっしゃるんです、私の周りは。
そういう人たちにきちんと仕事を与え、そして、せめて生命
保険ぐらいまともに掛けてきたものがいくような、そういう社会を作らないと私は政治家の
責任はやっぱりないと思うんですけれども、そういうことの痛みを与えるこの法案について、本当にこれが契約者保護になると総理はお思いなんでしょうか。