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浜田卓二郎君 私の選挙区が埼玉県だからひいき目の発言をするわけじゃありませんけれ
ども、りそなとして言いたいことは、多分、国税庁であろうと
金融庁であろうと、それは民間の
銀行にとっては行政そのものでありますから、この行政の
判断の食い違いというものが結果的には、無理矢理と言うと言い過ぎかもしれませんけれ
ども、
繰延税金資産が積み上がる今日の結果を招いた。私は、そういう側面を無視してこの
銀行の責任なり今後の対応なりを
議論してはいけないと考えている一人であります。
で、一番大事なことは、今までの経過がどうだったかということ。私自身は、果たして本当にこれを、国が七割も八割も
株式を取得して国立
銀行にして、そして役人さんの管理の下で
経営の立て直しをするということ
自体が、私は本当にそれでいいのかという気持ちを今でも持っております。役所が関与して
経営がよくなるはずがないと、これはもう我々の経験則でもそういうふうに言えるわけでありますから。しかし、それはそれとしておいて、八兆円あるんですね、
繰延税金資産が。だから、これからりそなと同じような
状況に、収支見通しが悪ければ、陥らざるを得ない
銀行が出てきている。
私はこの前予算
委員会で竹中さんに申し上げたんですけれ
ども、じゃ、そういう
銀行が出てきたら全部国有化するんですか、国立
銀行ばっかりになっちゃうじゃないですか、それが今の
日本の経済にとっていいことなんですか、で、それをいつ手放せるんですかということを申し上げたわけであります。しかし、申し上げるだけではいけないわけで、私なりの対案を申し上げたつもりなんですが、今日はそれを繰り返して申し上げて、お三方の御
意見を拝聴いたしまして、それで私の
質疑を終わりたいと思いますが。
私は、今申し上げたように、
繰延税金資産を積み上げてきた責任の半分、あるいはそれ以上の責任は国にあると。だから、これを全部
銀行の責任に押し
付けて、けしからぬというのは必ずしもフェアではない、そう思っているわけですから。
ですから私は、その積み上がってしまった八兆円の
繰延税金資産を、原則を無税償却に戻すと。そして同時に、課税当局に対して、
銀行業という、金融業という特殊性を考えて、この引き当ての
範囲をもっと認めてあげると、実態に合わせた認め方にすると。その代わり、そうすると八兆円についての
処理が残りますから、これを、私は十年と申し上げましたけれ
ども、あるいは十五年でも二十年でもいいと思うんですけれ
ども、交付国債の形で例えば入れ替えてあげると。
その入れ替える大義名分というのは、これは国の行政の責任が半分以上あって積み上がった
資産であり、これが結果的にはこれからの金融業の
経営を不安に陥れるっていうものでありますから、金融業という特殊性も考慮しながら入れ替えてやる。そうすると、
銀行は十年あるいは十五年あるいは二十年掛かってこの国債の返済をしなければいけませんから、その返済の努力が同時に
経営で
利益を上げる努力であり、そして
自己資本を水膨れじゃなくて中身のあるものにする自助努力である。
その自助努力が果たせなければつぶれていただくよりしようがないということで、交付国債を差し入れ、そしてこの
繰延税金資産の八兆円を、あるいは全
銀行を入れれば十一兆という
数字も言われておりますけれ
ども、これを中身のある本当の
自己資本に戻す、そして無税償却の原則に戻す、そして金融業における特殊性を勘案した引き当ての認め方を国税庁にきちんと
判断させる。
そういう考えを御提案申し上げているわけでありますけれ
ども、
一言ずつ御
意見を賜って
質問を終わりたいと思います。