○
国務大臣(
竹中平蔵君)
委員も御
指摘くださいましたように、我々は株価対策をやっているわけではありません。株式
市場のその取引が適正に運営されるように、
市場の適正な運営が
確保されるようなルール作りないしはルールの徹底を行っているというのが先般の
市場安定化のための措置の
趣旨でございます。株価の問題というのはいろんな
要因で動きますから、これは大変複雑多岐で難しい
要因、
一つや二つの
要因を挙げて済むものではないというふうに思っております。
我々の基本的なスタンスというのは、これはあくまでも
市場で、
市場のメカニズムの中で決まってくる価格の形成であるから、それに関してはやはりその
市場のメカニズムがしっかりと働くようにしようと。その
意味でいうと、例えば昨年に関しては、空売り規制というふうに言われますけれども、これは空売りは当然のことながらやってもいいわけですけれども、そのためにはルールを守っていただかなきゃいけない。そのルール違反を行っている会社があったので、それについてはルールをしっかりと守ってルールどおりに行ってくださいよというようなことを申し上げたわけです。
今回六項目を挙げておりますけれども、これもいろいろ細かいものありますけれども、六項目の中で、例えば株価が今の水準、本来の実力より下がり過ぎているというふうにその会社が判断するならば、あるルールの下で自己株、自己株式の取得という方法があるわけですけれども、その自己株式に関する取得については量的な等々の制限が今まで課せられていた、その制限を緩めて、これは一種の規制緩和であったというふうに
思いますけれども、もう少し価格メカニズムが働くようにしよう、先ほどから申し上げている
市場の適正な運営がなされるようにしようと、そういうことを行ってきたわけでございます。
ただ、それがやはり政策の基本的なスタンスだというふうに思うんですが、同時に
一つ、やはり我々真剣に考えなければいけないもう
一つの
要因があるとも思っております。それは、株式
市場というのは需要と供給の中で適正な価格形成がなされているものでありますけれども、さはさりながら、やはり短期的には、非常に短期的な
意味での需給に影響される性格を持っている。例えば持ち合いの解消のために云々、今でしたら
年金の代行返上の云々と。そういったものに対して、本来でしたら、厚みのある
市場で価格が下がった場合は、先ほど言った
機関投資家等々が買いに入ってそれが適正化されていくというメカニズムが働くはずなんですが、どうもやはりこの十年間でそういったことを行うプレーヤーが非常に弱くなっていっている。
これは一例として申し上げますけれども、大体十年ぐらい前は、すべての株式の取引の中で
銀行が行っている取引の
ウエートというのは二五%ございました。約四分の一ございました。その
ウエートが今一%にまで低下をしてきている。実は、
生保についても同じようなことが言えまして、これ十年前四%とか、多いときには九%ぐらいの
ウエートを占めていたものがやはり一%台。そういう
意味では、非常に短期の需給に、たまたまどうしても売らなきゃいけない人が出てきた場合に価格が必要以上に下がってしまう可能性がある、そういうことを
指摘する専門家もかなり多くなっているというふうに
認識しております。
そうした点についても、今後更にいろんな視点、こうした視点も持って動向を注視していかなければいけないというふうに思っているところでございます。