○大渕絹子君 私は現地の大使館員の
皆さん方とも
お話をしてまいりましたけれ
ども、ミャンマーに対しての支援をもう少し強めてもらいたいという大使館の職員の
皆さんの率直な
意見もございました。
そして、私自身がミャンマーの国を、くまなくとは言いませんけれ
ども、回れるところだけ、一週間ぐらいの日程でしたので見れるところは限られましたけれ
ども、地方とそれからヤンゴンの首都を見さしていただきましたけれ
ども、軍事政権下というふうに言いますけれ
ども、本当に軍事政権下なんだろうかと思われるほどのどかで、非常に平和で安定をした暮らしをしているというふうに見えました。
そういう中で、アウン・サン・ス・チーさんにもお会いをいたしまして、そのスー・チーさんの
考え方等も聞かしていただきました。彼女は、ODAが入ってくることによって軍事政権を更に強め軍事統制が更に長引くので、
日本からのODAも拒否をする、観光客も入ってきてほしくないというふうに言っているんですけれ
ども、それでは、あなたはどういうふうにしてこのミャンマーの国民を助けるのですかという問い掛けには、具体的には何も答えられないんですよ。農村の貧困、子供たちが置かれているあの貧しさを本当にあなたは分かっているんですかと私は問い掛けましたけれ
ども、そういうことが分かっておられるとは思うのですけれ
ども、そのことに対して具体的に動こうとしないということであるならば、そのアウン・サン・スー・チーさんに民主化を要求をしていってもこれは難しいというふうに思うのですよ。
そうしますと、
日本とかあるいは
アメリカとか中国とか、ミャンマーに対して大きな影響力を持つ国が積極的に働き掛けをして、軍事政権から憲法を制定させて民主国家に育て上げていくということを外側からやらなければ私は駄目だというふうに思うんですよね。そういうところにODAの切り札があるというふうに思っておりまして、是非、ミャンマーの軍事政権を解いていくためにも、
日本の外務省は大きな力を発揮しなきゃ駄目だというふうに思いますよ。
私は、ミャンマーの保健
大臣、それから
経済開発
大臣ですか、このお二人の
大臣にも会いました。もちろん軍人さんでいらっしゃいますから、私らはもう少し何というか、厳しい態度でお会いしなきゃいけないのかと思いましたけれ
ども、非常に柔和で柔らかくて、私たちの言い分もちゃんと御理解をいただいたように思いますし、非常にいい討論ができたというふうに思います。
軍事政権側とそれからアウン・サン・スー・チーさん側とと、両方の話を聞いて、
日本のODAの在り方というのはもっと変わっていい、もっと出してあげたい。貧しい人たち、特に女性、HIVの感染に侵されてしまうような
状況にあるような女性たちにもう少し大量な援助があっていいと思いますし、今、学びやでノートと鉛筆を持っている子は幸せな方なんですよ。ノートも紙も持てないで、ただ先生の口元だけをじっと見て学んでいる子供たちは一杯いるんですよね。洋服は穴だらけですし、暑い国だと思っていたんですけれ
ども、やっぱり高原の方に行きますと非常に寒い、朝晩は非常に寒いんですね。それなのに穴だらけのセーターしか着ていなくて、鉛筆もノートもなくて勉強している、そんな子供たちがたくさんいられるんですよ。そして、親御さんは子供が育てられなくなると孤児院の前に子供、赤ん坊を捨てていってしまうんですね。そういう
状況があって、孤児院の
経営者の
皆さん方とも話をしてきましたけれ
ども、本当にもっともっと助けられるんじゃないかというふうに思っているんですよ。
だから、ミャンマーに対するODAの在り方というのは、軍事政権だから制裁的にストップをしたということであるならば、もう一度、その軍事政権下が、じゃ軍事政権になる以前の国とどう違うのかという検証をしていただきたいと思います。国民の、ミャンマーの人たちは、その軍事政権以前の
政府よりもずっと今の
政府の方が安心して暮らせる平和な国家になったと言っているんですよね。それは、軍事政権下が、少数民族が百三十から百七十ぐらいあると言われていますけれ
ども、そのうちのもうほとんど九割ぐらいを平和的な契約によって掌握をしていると。だから、もう暴動が起きないような
状況になっていて、軍事政権といっても、もう軍事で統制をする必要がなくなっているというような
状況なんですね。
保健
大臣も、私たちは早くその軍服を脱いで憲法を制定しなさいということを強く主張したんですけれ
ども、そのお二人の
大臣も口をそろえて、私たちもいつまでも軍服を着ているつもりはないんだ、しかし今の国の
状況だと、今の
状況からもう少し時間が欲しいというようなことを言っていました。憲法制定においても、アウン・サン・スー・チーさんが率いる政党が憲法制定
委員会から脱却をしてしまったために今できない
状況にあると言われました。スー・チーさんの側は、そうではなく、私たちが参加できないような
状況を作って追い出したんだと、こう言って、二人の
意見は対立をするわけですけれ
ども、そこらにやっぱり
日本とか外からの力で憲法制定の方向に持っていくことも可能ではないかというふうに思っています。
内政干渉にならない程度に、きちっと圧力を掛けていく必要があるというふうに思いますので、是非ミャンマーのODAについてもう少し
金額を増やしてあげてくださいますようにお願いを申し上げます。