○国務
大臣(扇千景君) 私は、元々日本の国は、本来は諸外国に比べて、諸外国は私は国の責任で社会資本
整備の
一環として
道路を造り、しかもほとんどが
料金を取っておりません。御存じのとおり、ハイウエー。けれ
ども、日本は、戦後、一日も早く社会資本
整備を充実しようということで、これも政治判断でございましたけれ
ども、借金をしながらでも
道路を造っていこうと、荒廃した
国土の中で。私は、スタートが全然違ったわけですね。
ですけれ
ども、私は、ある
時点でそれは
方針を変えるべきであったと。いつまでも借金をして借金をして造っていくんだということが、先ほ
ども局長が言いましたように、一万一千、一一五二、一万一千五百二十キロ、これを達成するということは公表しましたけれ
ども、何しろ時間が掛かり過ぎて
建設コストがどんどん高くなる。ですから、少なくとも私は、今でもアメリカは社会資本
整備で一年間に九千キロぐらい造っています。でも、二十年間で中国だってゼロからもう二万キロ造っています。日本はこれ何年掛かりました。いまだに七千キロじゃないですか。これでは私は、国としてのなりわいとして社会資本
整備が充実したとは言い難い。
そして、私は、現実に、
赤字路線、
赤字路線とおっしゃいますけれ
ども、全国から知事さんも市長さんも国会議員の皆さんも、自分のところは造ってくださいとおっしゃるの当たり前なんですね。それは見ていただいたら分かる。私、主婦でございますから、少なくとも
道路ができていないころには中央市場に地方からの生鮮食料品というのが二四%ぐらい入っていた。ところが、
高速道路ができたら地方の生鮮食料品は四八%、今、中央市場へ集まっている。ですから、私たちは、主婦の
立場一つ取ってみても、
道路ができたおかげで日本じゅうの生鮮食料が朝来て夜台所へ来るというふうな利便性も供与しているわけですね。
ですから、私は、
道路を造ること自体が
赤字でも、悪い言い方しますと、私に造ってくれとおっしゃってくだすってできたところで、知事さんなり市長さんなり国会議員の皆さん方が、うちのところに
高速道路ができたおかげで工団も誘致できました、あるいは住宅もできました、地価も上がりました、
固定資産税がこれだけ増えました、
道路は
赤字で造っていただいても、我々の県はこれだけ経済効果が上がりましたって報告に来た人一人もいない。
ですから、私は、ただ
赤字だという
計算の仕方を、現に四公団で四十兆という
赤字ができているわけです。これは、本四はもうでき上がっちゃっていますけれ
ども、あとの三公団に関しては私はまだ社会資本
整備としては不十分なところがあると認識しています。
世論
調査をしましても六〇%の人がもう
高速道路は要らないとお答えになっています。けれ
ども、日本の
高速道路、六〇%しかできていないんです。ですから、できているところの人は要らないとおっしゃる。できていないところの四〇%の人は造れとおっしゃるんですね。ですから、私はそういう
意味で、世論
調査をして六〇%が要らないと言っているから造らなくていい、それはできている人が要らないと言うので、お嫁さんもらっている人がもう次要らないと言うのと同じでございまして、そういうことで私は世論
調査を操作するというのは、私はないところの
人たちは欲しいと思うのは当たり前だと思います。結婚できていない人はやっぱりしたいと思っていますから。したくないと思っている人もいるかもしれませんけれ
ども。して後悔している人もいるかもしれません。
けれ
ども、私は、社会資本
整備というものは借金をして造るという体質から脱却しなさいと。総理の
民営化というのは国の金を使わないということなんですね。ですから、少なくとも我々は、
建設国債なり、
高速道路に関しては受益者負担ということで
料金を払っていただいています。けれ
ども、これをまけなきゃいけないということを、民主党さんが
高速道路を無料にしろとおっしゃっているのも知っています。私も本来ならそれが一番いいと思っています。けれ
ども、メンテナンスはどうするんだと。そして、
民営化推進
委員会でもおっしゃっている、これを分断しろとおっしゃる。分断したら、
民営化というのは、皆さん御存じのとおり、国鉄をみんな分断して、地方ローカルは
民営化しましたけれ
ども、
民営化したところ、みんなつぶれています。路線閉鎖してバスにしようと言っています。
ですから、区切った路線が、地震が入ったときにその造っている
高速道路はだれが補償するんだということになりますと、私はやっぱり国としての責任が、社会
整備の
一環として、これは国がある程度造った者の責任というものを私は持っていなきゃいけないと。
民営化しても造った者の責任というのは明快にしておくべきであるということで、私は国の責任も明快にすべきであると。
特に、阪神・淡路大震災の私、経験者でございますから、そういう
意味では、
道路がつぶれたら
会社の経費ができないからほっておけというんじゃ、これは
民営化にして
国民が不自由になりますので、そういう
意味での基本の国の責任というものを持ち得るべきである、それが社会資本
整備の
一環であるということを認識しているという
意味でございます。