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政府参考人(
松崎朗君) まず一点目のこの
有期労働契約とすべき
理由の明示でございますけれ
ども、これは現行法上もこの
労働契約の締結に際しまして、賃金でございますとか
労働時間、そういったように主要な
労働条件につきましては必要な最低な
労働条件ということで
法律上
使用者に明示を義務付けておるところでございます。
したがいまして、これに加えまして、
有期の
労働契約の場合に限りまして、その雇入れの場合にその
理由の明示ということを義務付けなければならないということはちょっとなかなか、
意味付けといいますか、難しいんじゃないかというふうに考えておりまして、現在のところ
関係当事者間でのコンセンサスというものがまだ得られていない
状況でございますので、現段階ではこういった義務付けは困難じゃないかというふうに考えております。
それから、二点目の中途解約の場合でございますけれ
ども、これは御案内のように、
有期労働契約につきましては
期間が
定められておるわけでございますので、その
期間中は双方とも
契約をちゃんと守る義務があるわけでございますけれ
ども、その中途解約につきましては現行の
民法法上、幾つか例外がございます。一つは一定の場合ということで、やむを得ない
事由が生じた場合には、天災地変とかいろいろな病気であるとかそういったような場合があろうか思いますけれ
ども、そういった一定の場合には即時解約できるといった
規定もございますし、また、雇用の
期間が五年を超えたときには三か月前に予告をすることによって解約できるといった
規定もございます。
しかしながら、原則としましてはその雇用
契約、双務
契約でございますので、その
契約については双方守らなければならないということでございまして、今回の
有期労働契約、一年を三年まで延長するといった場合に三年間拘束されるということもあり得るわけでございますけれ
ども、そういった点につきましては衆議院での修正によりまして、その部分、一年を超えた場合には、一年を経過した後においては
労働者の側はいつでも退職できるといった修正がなされたわけでございます。
したがいまして、
労働者の側はこの
規定によりまして一年を超えた場合にはいつでも中途解約できるわけでございますけれ
ども、一方、
使用者の方は、先ほど言いました
民法原則に基づきまして原則としては解約できないと。何かやむを得ない
事由があった場合の即時解約しかないわけでございまして、そういった場合にも
労働基準法上の
解雇予告手当て、この
解雇予告といったものが
適用になりますので、原則は三十日前の予告といったものは
労働基準法によりまして担保されているというふうに考えております。
そうしますと、
労働者の側につきましては即時解約できるわけでございまして、今、
先生御
質問がございましたように、
労働者の側についてもせめて二週間前とかというお話がございましたように、やはりいきなりあしたから辞めますというのでは
使用者の方も困るじゃないかといったことだと思いますけれ
ども、こういった点につきまして、専ら
労働基準法の中では
労働者の保護ばかりを書いておるわけでございまして、そういった
使用者の方の権利といいますかそういったものについてはなかなか書いておらないわけでございますけれ
ども、いずれにしましても、今後この
法律の
規定に従いまして
有期労働契約に関します
指針といったものをまた改定していくわけでございますので、そういった中で今申し上げましたような
労働者の側からの解約の申入れ、そういったものについても位置付けができるのかどうか、そういったことにつきましても
検討していきたいというふうに考えております。