○山本孝史君 いろいろと法案ができ上がりますと、この
委員会の中でいかなる
審議をされていようとも、その法案がある
意味では独り歩きをするということがございまして、しかも、私たちの
委員会の知らないところでいろんな通達が出ていくというのがこれまでの例でございますので、恐れ入りますが、ただいまは確認的に書いただけであってこれによって現場の指導が、あるいは
対応が変わるわけではないという局長の御
答弁をいただきましたので、それにかかわるような通達をお出しになるときは必ずこの
委員会にお出しをいただいてからにしていただきたい、このように重ねてお願いを申し上げておきます。
それでは、今日、ヤングハローワークに行かせていただきましたと冒頭申し上げました。高卒の
就職難の問題について少し御
説明をし、そして
大臣の御見解をお聞きをしたいというふうに思います。
お手元に資料をお配りをさせていただきました。ごらんをいただければというふうに思いますが、
厚生労働省で発表いただいております高卒、高校の新卒者の
就職内定率の推移という表でございます。
昨年十一月末の六〇・三%が一月末には七四・四%となって改善されたように一見見えるわけでございます。日にちを追って、各年度とも十一月末、一月末、三月末、六月末ということで数字、内定率の数字は上がってまいります。しかしながら、この
内容を詳しく見てみる必要があるのではないかと思っています。
二枚目の数字をごらんください。この数字は、一枚目の表の、図の裏付けになる数字でございますが、この三月の高校新卒者の
就職内定率七四・四%、一番右下に数字がございます。
就職内定者も十一月末からで見ますと二万二千人増えております。いいことだったと思いますが、
就職内定率の算出の分母となっております
求職者数でございますが、昨年十一月末の二十万百五十人が一月末には十九万千五百四十人と減っております。要するに、これ何で減ったかといいますと、この間に
就職ではなくて進学に希望を変えた方、あるいは縁故
就職等々をなさった方、あるいはもう求職するのをやめようと思った方がこの分だけ減りまして、結局分母が減ったことで
就職内定率の見掛け上の改善に大きく
影響をしているというのが実態だと思っています。
経年的に見ていただきたいのですが、毎年七月末での
求職者の率、十一年の七月末、全生徒数の中で二〇・八%の方が
就職を希望しておられましたけれ
ども、それが毎年、二〇・〇、一九・三、一八・九とずっと下がってきております。
それで、こういうふうに、ごらんいただけますように、また学年末での未
就職者が毎年約二万人ほど、学年が終わっても、すなわち卒業しても
就職のできなかった人が毎年二万人
程度出る、当初
就職を希望しておられました皆さんの三割ないし四割がその望みを実現できずに進路変更かあるいは
就職できない
状況を余儀なくされている。そしてまた、この表の中には中退をした方は出てこられませんので、そういった
方々を含めると、高校で勉強はしたけれ
どもその後の進路がめどが立たないという方が非常に多くおられるということがよく御
理解をいただけるというふうに思います。
実は、もう
一つの問題なんですが、それでもまだ進学できる子はいいのかなというふうにも思っています。あしなが育英会という団体がございます。
坂口厚生労働大臣もよく御
理解をいただき、また御支援をいただいている団体でございますが、このあしなが育英会は病気あるいは自殺、災害などで親を失った遺児たちに奨学金を貸与して高校、大学の進学を支援しておりますけれ
ども、
一つの調査をいたしました。それは、昨年の四月に奨学金を利用している高校三年生に
就職の希望を聞いたところ、九百十九人の奨学金を利用している高校三年生のうち三〇・六%、三割の人が
就職を希望しておりました。お配りをすれば、数字をお配りをすればよかったんですが、済みません、口頭での御
説明になっておりますが、三割の人が去年の四月時点では
就職を希望しておりました。一般の家庭より、
先ほどごらんいただきましたように、二〇%
程度の
就職希望率からすれば、遺児家庭の
皆さん方の
就職希望率は一〇ポイントほど高いということになります。
それから一年たちました。新年度を迎えまして、この四月八日にこの人たちに再びその後の進路についての調査をしたそうでございます。
就職をした人が、
就職希望の中で
就職をした人が六八・四%、進学をする人が九・三%、決まっていないが
就職先を探す人は一三・五%、迷っている人は八・八%という数字でございました。この進学する人を除いて再計算しますと、
就職を希望していた人たちのうち
就職した人は七五・三%で、残りの二四・六%の人たちが、
就職を希望していたけれ
ども新年度となっても今も
就職先を探している、すなわち顕在的な無業者になっているか、あるいは当てもなくさまよっている潜在的な無業者の状態になっている。
就職を去年の四月に希望したけれ
ども、四人に一人は結局のところどうしようもなく、当てもなく今まだ仕事を探しているかさまよっているという状態になっている、これが状態だろうと思います。
申し上げましたように、経済的にもし余裕があれば、当面の
就職浪人を回避するといいましょうか、専門学校に行く、あるいは大学に行ってこの表からは消えていくわけですけれ
ども、遺児家庭の場合はそれもできない経済状態に置かれておりますので、こういう
状況になる。この閉塞
状況に対する絶望感というのは非常に深いものがあると私は思っております。
就職ができないということが、こう言っては何なんですが、生徒の出身階層と進学した高校ランクとは強い相関関係にあると言われておりますので、
就職できないということは、この低い社会階層が再生産されるということになるわけでございます。
大臣に是非お聞かせをして、また御意見あるいは御感想をお聞きをいたしたいと思っておりますが、あわせて、あしなが育英会で、
就職できなかった、あるいは迷っているという遺児たち、あるいはそのお母さん方に聞いた声がございます。是非お聞きをしていただいて、御感想をお聞かせをいただきたいと思います。
埼玉県の母親。求人が少なく、思うような職もなかったので進学に切り替え、今子供はアルバイトで学費を稼いでいます。本当は
就職してほしかった。下に弟もいるし、できれば思い直してほしいのですが、
就職できないので仕方ありません。福岡県の男子。
就職活動を続ける予定だけれ
ども、アルバイトもないような
状況でどうしようかと焦っています。兄の
就職もまだ決まっていないのでとても不安です。三重県の母親。娘は土日アルバイトをしながら
就職活動をしています。私は目が不自由なので何も力になってあげられないし、仕事をしてくれと言い過ぎると本人が悩んでしまうし、全くどうしたらいいか分かりません。兵庫県の女の子。近いところでは求人がないし、遠いところは交通費がないので面接にも行けません。群馬県の同じく女の子。とにかく
就職できればいいと職種を問わず探していますが、先生にももう自分で探してくれと言われました。
こういう
状況に今、この春卒業した多くの子供たちが追い込まれている。こういう声を聞かれて、
大臣、率直なお声を、あるいは御感想をお聞かせをいただきたいと思います。