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国務大臣(
塩川正十郎君)
平成十一年度及び
平成十二年度
決算に関する参議院の議決について講じました措置について御説明申し上げます。
その一は、防衛庁における総合評価落札方式につきましては、
会計検査院の検査結果を踏まえ、入札
参加企業から提出された提案書のうち一部を原本として封印し、また、提案された購入経費、
維持経費等について落札者がどのように拘束されるかに関して、入札希望会社の
共通認識を高めるための
質問会等を入札説明会に加えて設定するとともに、提案内容を確実に履行する旨及び履行されない場合の損害賠償の責を負う旨の確認書等を求めるなどの改善を行うこととしたところであります。
今後とも、事務手続の
適正化につきまして一層努力するとともに、総合評価落札方式を採用する場合には、これらの改善方策も含め、入札及び契約事務の透明性、公正性をより一層高めるよう対処してまいる所存であります。
郵政官署に支給される渡切費につきましては、
平成十三年度をもって廃止し、
平成十四年度に厳正かつ透明性の高い会計手続を新たに導入し、この会計手続を適正に行い、不適正経理の再発防止に努めてきたところであります。
また、
平成十五年四月に発足した
日本郵政公社におきましても、この会計手続が踏襲されており、今後とも適正な経理を行うよう指導・監督に努めてまいる所存であります。
外務省におけるいわゆるプール金問題の再発防止につきましては、職員に対する会計研修の徹底、物品・役務の調達契約事務の会計課への一元化など契約事務
実施体制の改善、監察査察官に現職検事を任用した上での本省各部局及び在外公館に対する集中的かつ広範囲にわたる監察及び査察の
実施、職員の声を直接受け付ける監察査察意見提案窓口の設置といった所要の措置を講じたところであります。
今後とも、綱紀粛正に努めるとともに、これらの措置の着実な
実施により公金の適正かつ厳正な執行の徹底を図り、不適正な行為の再発防止及び
国民の信頼回復に努めてまいる所存であります。
核燃料サイクル開発機構における不適正経理につきましては、その再発を防止し、経理の
適正化を図るため、
予算執行について、一般会計と特別会計間、出資金部門と補助金部門間の経理区分を明確化するとともに、外部監査制度の導入等、
予算執行のチェック機能
強化のための体制整備等を図ったところであります。
また、定員管理、人員管理につきまして、認可給与単価と実態給与単価の差及び認可人員と実員の差を解消するなどとともに、固定資産税等の過大納付につきましても改善を図ったところであります。
今後とも、同機構の経理の
適正化を図るよう指導を徹底し、再発防止に万全を期する所存であります。
健康保険及び厚生年金保険の適用につきましては、毎年度の社会保険事業計画において重点事項として積極的に
推進を図ることとしております。具体的には、適用事業所に対する実地調査等を通じて被保険者資格の適正な把握に努めているところであります。
また、短時間就労者の適用漏れが多いと御
指摘があったことから、地方社会保険事務局等に対し、短時間就労者が多いと見込まれる業種に係る適用事業所につきましては、
平成十五年度から重点的な調査に取り組むよう
会議等を通じて指導したところであります。
今後とも、事業主説明会等を通じ、被保険者資格取得届等の適正な届出に関する指導、啓発や制度の周知徹底を図るとともに、社会保険事務所が
実施する適用事業所に対する重点的な調査により、適用の
適正化に努めてまいる所存であります。
雇用保険三事業につきましては、対象労働者に対する聞き取り調査の
強化による
審査の厳格化、一定額以上の支給申請事業所及び支給済み事業所に対する実地調査の充実、厚生労働省及び助成金支給機関において十分な検討を行った上での支給要領の作成及び適切な制度設計、不正受給を行った事業所に対する罰則の
強化等を行うことにより、その適正な
実施を図っているところであります。
また、都道府県及び雇用・能力開発機構に対しては、支給
審査の厳格化の徹底、不正受給等の防止策の
強化を図るよう指導したところであります。
今後とも、雇用保険三事業の適正な
実施に万全を期してまいる所存であります。
BSEの感染源の究明につきましては、専門家の協力を得ながら取り組んでいるところであり、BSEの検査体制等につきましては、牛海綿状脳症対策特別措置法に基づく死亡牛検査体制の整備等、その充実を図ってきたところであります。また、適切な行政対応と
予算の執行を行うことにより、畜産農家の経営の安定に努めてまいる所存であります。
さらに、食料、食品の安全確保に万全を図るため、リスク管理部門を産業振興部門から分離して、食品分野における消費者行政とリスク管理を一体的に担う消費・安全局を設ける等、行政の体制整備や食品安全基本法を踏まえた
関係法令の整備等の
施策を
推進し、
国民の食の安全、安心の確保に全力で取り組んでまいる所存であります。
電気事業者の原子力発電所問題の再発防止につきましては、電気事業者への立入検査や報告徴収等により事実
関係を徹底的に調査した上で、自主点検記録の不正につき、原子力事業者十六社に対し自主点検記録の総点検を指示するとともに、東京電力に対し厳重注意を行い、再発防止対策の
実施を指示したところであります。
一方、原子炉格納容器の漏えい率検査に係る不正につきましては、不正があった発電所号機に一
年間の運転停止処分を行い、漏えい率検査の再
実施を指示したところであります。
また、設備の健全性評価の導入などを内容とした、核原料物質、核燃料物質及び原子炉の規制に関する法律及び電気事業法の一部改正が行われたところであります。
さらに、独立行政法人原子力安全基盤機構法が制定され、原子力施設及び原子炉施設に関する検査等を行う独立行政法人原子力安全基盤機構が
平成十五年十月に設立されることとなり、また、国による検査につきまして実効性向上策の
実施等を進めるとともに、検査官を増員するなど検査体制の
強化を図ったところであります。
今後とも、原子力安全行政に対する
国民の信頼回復を目指し、不正問題の再発防止に努めてまいる所存であります。
以上が、
平成十一年度及び
平成十二年度
決算に関する参議院の議決について講じました措置であります。
政府は、従来から、
決算に関する国会の
審議、議決、
会計検査院の
指摘等にかんがみ、国費の効率的使用、事務事業の運営の
適正化、不当経理の発生の防止等について特に留意してまいったところでありますが、今後とも一層の努力を続けてまいる所存であります。
ありがとうございました。