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国務大臣(
扇千景君) 荒井
議員に、
公共事業の根本、また予測の難しさ、そしてできたものはどう活用するか、そして将来は
社会資本整備をどうするかという、大変原点の問題をたくさん御
指摘をいただきました。また、大きな問題だと思っていますけれども、いつも
国土交通委員会にお出ましいただいて、今日は
国土交通委員会のメンバーもかなりいらっしゃいまして、いろいろと
国土交通委員会でもその議論をしている最中でございますけれども。
私は、今おっしゃった中で一番大事なことは、予測は、果たして投資金額と、結果はあるいは赤字かもしれないけれども、国際的に
日本の、国際情勢の中で
日本の地位を向上さすためには、これは赤字でもどうしても整備しなきゃいけないという
社会資本整備もあろうと思います。それが
公共投資なんですね。もうかるものであれば
民間がみんな参入してきます。けれども、せっかくいただいた税金の中から、これは
日本の国益のために赤字覚悟でも今整備しなければ二十一
世紀に付いていけない部分というのもあることは、私は、荒井
議員にも当
委員会の
皆さんにも御理解いただける、それが
社会資本整備なんだという基本はあろうと思います。
私
たちは、
国土交通省としては、その大前提、
社会資本整備、そして
公共事業というものは、なぜ
皆さんにいただいている税金の中からこれを投資するのかという、その基本的な国益を考えた基本というものも考えなきゃいけないというのは事実でございます。
けれども、それが余りにも懸け離れて無駄な投資と言われる部分は、当然、今おっしゃったように、今日御議論いただいたように、事前評価、
事業評価、事後評価、しかも、それだけではなくて第三者機関によって評価するという、そういうものが厳しく問われる
時代になったことは事実でございます。
そして、二十
世紀、御存じのとおり、我々は、とにかく欧米先進国に追い付け追い越せ、復旧復興ということで
ハードなものを造り過ぎて、今、荒井
議員がおっしゃったように、とにかく造ろう、そして、
道路を造って
道路の騒音が
住宅街にしないようにって全部目隠ししちゃって、いい景色ほど目隠しして見えないようにしている。そして、運転する方は、馬車馬のように目隠しされて何か閉鎖的なものに陥っているという、これ、事実そうでございます。
ですから、荒井
議員がおっしゃったように、外国のように伸び伸びといい景色に、ここは駐車して、ポイントですよというようなところのないことは、もう本当に私もおっしゃるとおりで残念だなと思いますし、ましてや、私も先日、北海道で懇談会をしましたときに、北海道はこれだけ壮大な中で高速
道路を造って目隠しなんということをしないでくださいというふうに笑ったこともあるんですけれども、もうすべて今御
指摘のとおりでございます。我々は、今後、そういうものを二十一
世紀、
日本のいいところをより外国に評価したいと。
また、荒井
議員は観光のこともおっしゃってくださいました。我々は、二〇一〇年、今五百万人弱の訪日の観光客を倍増しよう、一千万人にしようというのが
小泉内閣としての姿勢でございます。ましてや
国土交通省は観光を担当しておりますので、これは挙げて、我々は、千五百万人弱が出ていって、五百万弱しか入っていない現状というものは何としても私
たちは改革していきたい。
そのためには、今まで御議論いただきました港湾の話、
道路の話、新幹線の駅の話、空港の話、あらゆるものをトータルで観光客に、ああ、
日本へ行ったら便利だな、安いな、きれいな、いいな、友達も連れていこう、自分
たちの子孫も連れていこうというような
都市づくり、町づくり、
地域づくりがなければならないという原点を、今私
たちは二十一
世紀のグランドづくりということで、この間、
国土交通白書とともに若者の百年グランドデザインというものを
発表させていただいて、今、市場の本屋さんにそれが並んでいるところでございます。そういう
意味では、八重洲のブックセンターではベストファイブに入っているという白書というのも
国土交通省の白書だけなんで有り難いと思って、より
皆さんに御参考に供していただきたいと思っておりますけれども。
ただ、今一点言われた中で、一番大事なことは、今まで間違いであったかどうにしても、造ってしまったものをどう利用するか。これが、今私
たち一番、頭が痛いと言うと語弊がありますけれども、一番知恵を絞らなきゃいけないのが、二十
世紀に造った
ハードのものをいかにソフトに転用しながら
バリアフリーあるいは老齢
社会に対応できるように活用していくかということが、今一番私
たちに課せられた大きな課題でございます。
そのことに関しましては、今の
社会資本ストックというものをいかに有効に活用するかということが、ここに並んでおります今日答えなかった
局長の頭脳の中にも入っておりますので、お答えはしませんでしたけれども、全省挙げて、私は、このストックの活用というものを図っていくのが我が省の大きな役目であるということを考えております。
例えば、今回も、今も話が出ました本州四国連絡橋もどうするかということで、評価
委員会では少なくとも半分にしろとおっしゃいましたけれども、これは半分近く、あらゆるもので特別の割引料金の設定とか、あるいは本四架橋の見学を含めた修学旅行キャンペーン等々始めまして、少なくとも四五%の、トータルで、ETCも導入しまして四五%に割引になるということも実行しております。これは、成果が上がるかどうかは、先ほども
山内先生も四国で頑張っていただきますのでたくさん通っていただくと思っていますので、御期待しているところでございますけれども。
また、
国土交通省、今申しましたような陸海空でございますので、この四
省庁を統合したからできるということがなければいけないと。それが、この間御議論いただきました
社会資本整備の九本の長期計画を一本にしたというのも、これは
国土交通省でなければ、旧運輸、旧建設ではとても考えられなかったことでございます。これも
一つの評価として、私ども最大限努力しているということを見ていただいて、より御協力いただいて、今までの造ったもの、
社会資本ストックを最大限に生かす方法もまた
委員会の中で御議論いただければ、いい知恵を出していただければ、我々はそれを勉強に取り入れて実行に移していきたいと思って、とにかく希望のある二十一
世紀でなければ
国土交通省なんてなくなったっていいんです。そういう
意味では、それくらいの気構えで、私
たちは
皆さんの御意見を聞きながら、将来の
国土づくりというものをにらんだ役所にしていきたいと思って頑張っております。