○簗瀬進君 どうかその数に圧倒されずに果敢に挑戦をしていただきたいなと、このように思います。
さて、そこで、
委員諸氏にはお配りをしております配付資料の中で、参議院の調査室が作った三十一ページの部分をコピーしたものがありますので、それをごらんになっていただきたいなと思います。
いわゆる今回の
手続費用の
改革、
審査請求費用のある意味での著しい値上げ、私はどうしてもこれ納得いかないんですよ。最終的には、全体としてはこれは賛成せざるを得ない法案なんでありますけれ
ども、
知財立国と全く逆行しているというふうにこれは断ぜざるを得ない。
経済産業大臣が知財の意味を十分に御理解をしておきながら、
事務当局の持ってきたこの案を最終的に受け入れたというのは、私はどうも信じられないんです。それが明瞭に表れているのは、実はこの表だと思うんです。これは出典は
特許庁の表ですよ。だけれ
ども、
特許庁、やっぱり値上げを求めている側でありますから余計なことは書かないんで、私が下に書いておきました。
下に書かれているbプラスc分のaというのは私の試算であります。この横長の表でございますので、どうぞごらんになっていただきたいと思います。
これは日本と
米国と欧州のそれぞれの
手続関連
費用の相互比較でございます。
出願及び
審査関連
費用と設定登録
費用、
権利維持費用と、そして実は重要な小計が抜けておりまして、その重要な小計というのは、設定登録
費用と
権利維持費用の合計額がここには抜けております。それが私の言うbプラスcであります。すなわち、
手続をいってみますと、これ非常に三
段階に分かれておりますので意外にみんなある意味では見落としてしまうんですけれ
ども、
出願それから
審査請求と、それまではゴールに飛び込む前のお金なんですね。ゴールに飛び込んで、そして合格者になったよといったら、その次に払うのが今度はいわゆる
特許料と言われているものであります。でありますから、戦いに、まあいわゆる
特許レースに参加をする人の参加
費用というのがここに言っているaなんです。そして、そのレースに勝って認定してもいいよというお墨付きをいただいた人が払うのがbとcなんです。この両方の比較をすべきなんですよ。
それでやってみますと
我が国はどうかというならば、
改定前はいわゆるレースの参加
費用が十二万円で、勝利者が登録をするために払うお金が三十五万円なんです。三三%です、その両者の比率は。それを今度どうしようかといいますと、レースに参加する参加
費用が二十一万円で、レースに勝った人が払うのが十六万円、逆転現象になっているんですね。レースに参加
費用の方をがっと高めて、そして言うならば勝利者が勝利の特権を確保するために払うお金が十六万円ということで、この比率は一二九・五%なんです。bプラスc分のaという形でやりますと。
さあ日本はこのようにやりました。
アメリカも
改定しています。こういうふうなことで横を見てみますと、どれを見ても、そのレースの参加
費用とそれから勝利者が払う金、日本のように逆転をしている国ってないじゃありませんか。
アメリカだって
改定前はレースに参加
費用が十六万四千円、そして勝者が払うお金が五十一万円。だから、参加
費用を安くして勝者として登録する金はそれの倍以上という形になっている。それが
改定後どうなるかというと、
改定後だってやっぱりそれは変えていないですよ。レースに参加
費用は二十一万円、そして登録
費用は五十六万円。
それから今度欧州、これを見ても、欧州は若干、特に指定国の場合はちょっと高めになっています。レースに参加
費用するのが四十三万八千円、そしてレースに勝った人が払うお金が五十四万六千円。でありますけれ
ども、やっぱり参加
費用のがその後勝者が自らの
権利確保のために払う金よりもずっと安いんです。
これ日本だけですよ、こういう逆転現象やったのは。これは何なんですか。正にこれは知的
創造力を発揮をしようと思ってたくさんの人にすそ野を広げながら
創造力を幅広く広めていって、そして初めていわゆる山の頂が高くなるんですよ。すべてそうです。これは人間の知能指数だってそうなんですよ。やっぱり人口が多いところは高い知能指数を持った人が最終的には出てくるという、すそ野を広げないと高みは上がらないんです。日本が今これ、今度の
費用改定でやろうとしているのは、すそ野をできるだけ絞って、そしてレースに勝った人だけには高い金払ってもらおうと。
正にある意味で知財の中に言うならば強者、これが勝ちやすいような
状況を入れて、全体的に例えば
中小企業とか大学とか、そういう資金力が弱いところまで参加をしようと、そしてみんなで知的
創造の善意の競争をしようという大勢からいってみれば全く逆行したことをやっている。これは世界の趨勢と全く反します。
大臣、これでいいんですか。