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国務大臣(
平沼赳夫君) 私は、確かに御
指摘のように、短期で終わることが望ましい。短期で終わりますと、今の現状でも
石油の安定
確保というのはできると、こういうふうに思っておりますし、また現状のいわゆる
石油の、原油の価格もむしろ、武力行使の前にはバレル三十七ドル台ぐらいに高騰しましたけれ
ども逆に今二十七ドル台に下がっていると、こういうようなこともありまして、短期の場合には、御
指摘のように、非常に私
どもとしてはそう大きな混乱はないと思っております。それから、
消費者物価に占める今
石油というのも、
日本の
経済自体が非常に大きくなってまいりましたから、
消費者物価に占める割合の三・〇%でございますので、それほど私は
影響はないと見ております。
しかし、これは
一つの
指標でございますけれ
ども、私
どもはいろいろ検討しておりまして、短期終結というのは大体四週間から六週間ぐらいを想定をしております。このときは、特に私
どもとしてはそう大きな
影響は、例えば
経済、GDPの
成長率も短期であれば二〇〇三年、二〇〇四年、プラスで、プラス〇・一ぐらいで推移するであろうと、こんなふうに見ております。
中間のケースですと、これは六週間から十二週間程度、これを想定をしておりますと、やはりこうなりますと、
一つの想定では原油の価格がバレル百、失礼、五十ドル程度に上昇すると、こういうことでございまして、これはやはり非常に
経済的にいろんな
影響が出てくる可能性がある、こういうことでございます。そうなりますと、やはり中期化しますと、株価への
影響も非常に出てくると思っておりまして、やっぱりそうなりますと、財政コストには深刻な打撃が出てくると思っております。
さらに、このGDPの
成長率というのは、これは例えば今年度中は大体マイナス二・〇ぐらいに
成長率へ
影響を与えるんではないか。この辺は、非常に私は懸念をしているところでございます。
それから、これは収拾がなかなか難しくて拡大をして長期化する。これは三か月から六か月を超えるというようなことになりますと、これは
一つのシミュレーションですけれ
ども、原油の価格が一挙に八十ドル台に上がるのではないかと。そうなりますと、これはもろに、
日本の場合には御
指摘のように一次
エネルギーの四九・八%を
石油に依存していると、こういうことになりますと、物価にも大変な
影響が出ておりますし、それから
エネルギーコストも上がってくるということですと、全般的に
経済的に大きな
影響が出てくると思いますし、また株価もそれにつれて大変ダウンをする可能性が非常に大であります。そうなりますと、これはいわゆる保有資産の目減りにもつながりますし、金融的にもいろんな
影響が出てくるわけであります。
そして、長期化をして、
一つの想定ですけれ
ども、長期化をした場合に、イラクの内部に戦線がとどまっていればいいですけれ
ども、それが拡大するような可能性もなきにしもあらずでございまして、そうなってまいりますと、なかなか厳しい
状況も想定されるわけであります。そういう
状況になりますと、GDPの
成長率をまた更に引き下げると、こういう要因がありまして、そういうことを考えますと、私
どもは、短期で終わると、こういうことをひたすら望んでいるわけでございますけれ
ども、中長期化をしていきますと、今は備蓄の放出ということもまだ今の段階では大丈夫でございますが、そういったこともいわゆる消費国との
連携の中で考えていかなきゃいけない。
多少、冗長、長くなりましたけれ
ども、そんなことを私
どもは想定して、繰り返しになりますけれ
ども、何とか短期で終わってほしいと、これが率直なことでございます。