○岩佐恵美君 ちょっと時間がなくなってきましたので早口になると思いますが、それと、
質問ちょっと併せて
伺いたいと思います。
レッドデータブックに記載された希少
野生動植物のほとんどは
絶滅のおそれがあると
指摘をされるだけで、
種の保存法にも
指定されないで
絶滅するに任せている、こういうのが実態です。特に問題なのが
海生哺乳類です。
旧
環境庁とそれから水産庁との覚書で
海生哺乳類は水産庁の管轄とされて、
環境省の
保護対策からは除外をされてきました。ジュゴンについてはようやく、一昨年の私の
質問に対する農水
大臣の答弁を受けて、昨年四月、
環境省と水産庁で新たな覚書が結ばれました。
種の保存法の
指定対象から除外されないことになったわけですが、また、昨年の
鳥獣保護法改正でジュゴンとニホンアシカ、四種のアザラシが
鳥獣保護法の対象とされました。しかし、
ワシントン条約附属書Ⅰに記載されている水生
動物のうち、ウミガメ四種、クジラ類六種、依然として覚書で
種の保存法の
指定対象外とされたままになっています。
そもそも、水産資源
保護法というのは漁業として
利用する水産資源の
保護培養を図るということを主目的とする
法律です。そして、捕獲を
禁止しているのは、ヒメウミガメ、オサガメ、シロナガスクジラ、ホッキョククジラ、スナメリ、ジュゴンの六種だけであります。
ウミガメや
海生哺乳類についても、
環境省として、種の
保存、
生物多様性の確保の観点から、
生息状況をきちんと把握をして、必要に応じて
種の保存法の対象にできるよう、水産庁との覚書をきちんと改めていってほしいと思います。
あわせて、今、ジュゴンに次いで
絶滅が心配されているのがコククジラです。一科一属一種で進化的に古い形態を備えていて、体長十三メーターから十四メーター、大きいものは十五メーター、唯一の完全沿岸性のヒゲクジラです。浅い海底の泥を吸い込んで底生
生物を食べるという独特の食性を持ちます。サハリンからシベリア、
日本、朝鮮、中国の沿岸を回遊しているアジア系個体群は、二十世紀初めには二千六百頭いたということですが、捕鯨によって七〇年代初頭には
絶滅したと
考えられていましたが、その後の発見で現在は百頭程度しかいないと推定されています。最近は栄養状態が悪くて、スキニーホエール、やせクジラとあだ名されているそうで、子供の死亡率が増加をしていると言われています。
水産庁は九五年に、このクジラが現在その資源水準が極めて低いと、その上に
生息環境、特に
繁殖場、回遊路の
環境は本種の生存に大きな脅威を与えている、今後は早急に資源
調査研究を拡大して科学的な
保護対策を取らない限りこの
系統群の
絶滅は防げない、こういう報告書を出しておられます。
ところが、今、このコククジラにとって大変脅威になっているのがサハリン2というサハリン沿岸の海底油田の開発であります。この開発によってコククジラの索餌海域が大変脅かされるという
状況になってまいっております。
済みません、時間が来てしまっているんですけれ
ども、この点について、ちゃんとコククジラを
保護するという観点から、国際協力銀行そして水産庁、それから
環境大臣、それぞれ
お答えをいただきたいと思います。時間がありませんので、短めに
お願いいたします。済みません。