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国務大臣(石破茂君)
先生の御指摘のとおりだと私も思います。
正直申し上げまして、この自殺が減りません。
平成十五年度の速報ベース、六月六日現在で陸海空合わせて十九名ということになっております。このまま行きますと三けたに行くというようなことも、考えたくないことでございますが、算術計算すればそういうことになりますわけで、大変な事態だという認識を強く持っております。
一つお触れになりました御遺族の
方々に対する処遇というものは、これは自殺であれ殉職であれ、本当に私
どもがお預かりをしておる自衛官でございますから、そういう御遺族の
方々に御納得、御納得なんてできるはずないのですけれ
ども、御
理解をいただく
努力というのは今後もしていかねばならないということは私は常に申し上げておるところでございます。
もう一点の、原因は何だということですが、病苦、借財、職務、家庭、その他不明と、こういうことになっていまして、このその他不明のところが多い。その他不明になりますと、かなりプライバシーに関するところなので、その他不明だということで今まで
処理しておったわけですが、それでは駄目なので、このその他不明とは何なのだということをきちんと
確認をする必要があります。原因の除去の原因が何なのかということは、いまだ今の時点で特定ができておりません。したがいまして、除去するという
段階に至っておりません。
これ、全部子細に見ますと、一般の
方々、いわゆる一般男性という言葉を仮に使いますと、一般男性が自殺をなさる率よりも自衛官の自殺率は低いのです。低いのですが、三十歳から三十四歳の年齢層では逆転が起こりまして、自衛官の自殺の方が一般男性よりも多いということが出てまいります。これは一体なぜなのだと。昇進をすると、それでは非常に責任が重くなるということが原因なのか何なのか。そしてまた、地域別に見ても随分とばらつきがございます。どういう地域で自殺が起こっているかということも地域的にばらつきがございます。年齢的にもばらつきがありますし、陸海空ともばらつきがあります。
そうしますと、そのような客観的なものを全部もう一度見直してみて、同時に自殺する側の立場に立って物事を考えなければ駄目だということだと私は思っています。自殺するはずもないというような人間がなぜだろう、なぜだろうと考えたって
理由なんか分かりっこないのであって、やっぱりそういう、つまり、例えば「さわぎり」でもいじめというお話がありました。周りはちっともいじめと思っていないのに本人がいじめられたと思ったところに問題があるのかもしれません。
これはもう、私は調査報告書はきちんと正当なものだと思っておりますし、再調査をするつもりもございませんが、自殺する側の立場に立って考えるということ、そしていろんなことを、データを本当にもう一度分析をし直してみて原因を除去するということをやらなきゃいけない。
私は、冒頭申し上げましたように、この数、六月六日までに十九という数は相当に深刻に考えております。今後、庁内において、今までもそういう
検討会をやってまいりましたけれ
ども、庁全体としてこれに取り組むということを考えなければいけない時期だと思っています。
人一人の命がどんなに重いかということは、防衛を語る者としてそのことを忘れたら、それはもう防衛を語る資格はないと私は思っておりまして、有事でなくても命が失われていくということ、これを一人でも減らしていく。自衛官の自殺率は本当に低いんだと言われるところまで私はやらなければいけないという認識をいたしておるところでございます。
大変抽象的な答弁で申し訳ございません。