○遠山清彦君 分かりました。
いずれにいたしましても、アフガンへの
日本の関与については、関与の在り方、中身についてしっかりやっていただくと同時に、
国民に対して、またその代表たる立法府の国会に対して適時御
説明をいただければというふうに思っております。
次に、
テロの問題から少々離れますけれ
ども、PKOに参加をいたします
自衛隊の武器使用の基準の緩和問題について、今日は
内閣法制局からも来ていただいておりますので、主に法制局を
中心にちょっと議論をさせていただきたいと思います。これは是非、
防衛庁長官にもじっくり聞いていただいて、後ほどコメントを求めたいと思いますけれ
ども。
現在、
政府の与党内でも、また野党の一部でも、国連平和維持
活動に参加する
自衛隊の武器使用基準について緩和すべきだという声が高まっております。
自衛隊のPKO参加に道を開いた国際平和
協力法が制定された
平成四年から今日に至るまで、特にこの法律の第二十四条、今、お手元に皆さんに資料をちょっと配らせていただきましたけれ
ども、この第二十四条の武器使用規定については、過去に二度にわたって改正もされておりますし、国会でもいろんな議論がされております。しかし、
日本の武器使用基準と国連のそれとが乖離しているために、
平成十三年十二月の改正でいわゆる
自衛隊要員によるPKFの本体業務の参加もできるようになったんですが、武器使用の基準の問題で事実上参加できていないと。この点については、私自身も去年の八月に東ティモールに行きまして、そこで従事している
自衛隊のPKOに参加している部隊、また司令部要員の方々と意見交換をしましたけれ
ども、
現状を確認しました。
与野党で今、PKOを
自衛隊の
活動のもう少し重要な柱にしようという議論がされている中で、私は、この
現状のままでは進展のしようがないというふうに思っているんですね。
それで、皆さんに当
委員会でお配りした資料をちょっと見ていただきたいんですが、これは内閣府が整理をした表でありますけれ
ども、国連のPKOにおいて武器使用が認められているのは三つの防衛対象があるわけですね。
最初、一つが、人の防衛。これは、自己又は他の要員、それから他の国際機関の要員、それからNGO等のスタッフも含まれております。含まれる場合があります。それから、物の防衛ということで、国連の設備・物品あるいは他の主要設備・物品の防衛がございます。それから三番目が、任務の防衛ということで、基本的に、国連のPKOの武器使用の基準というのは個々のミッションによってやや違いがありますので、常に使われる普遍的、統一的なものというのは、ROEというのはないんですけれ
ども、しかし基本的には共通していて、人の防衛、物の防衛、任務の防衛、これができなきゃいけない。
この表の一番右側の、法第二十四条の規定、これは
日本の国際平和
協力法の規定に基づいた場合どうかということですが、これ三角かバツしかないんですね。マルが一つもない。つまり、
日本の
自衛隊の部隊がPKOに参加した場合には、人の防衛に関しても物の防衛に関しても、条件付きで武器使用ができる場合があるだけで、常にできるわけではないと。国連の設備・物品の防衛や任務の防衛に関しては全く武器使用することができないという
現状になっているわけです。そのために、結局、今、法律上は五原則に合致をすれば
自衛隊の部隊がPKFとして警護任務に就くことが一応可能なんですが、こういうバツとか三角しかないような
状況では、国連側も
自衛隊にお願いすることはできないわけですね。
特に、私が具体的に例示をさせていただいて、問題点指摘させていただくと、例えば、今、
自衛隊の部隊がPKOに参加して警護任務に就いていると。ある地域でパトロールしている。そのときに、数キロ離れた、
自衛隊が所在しているところから数キロ離れた地点にいる他国の部隊でPKOに参加している部隊からSOS、救援要請があったと。今、例えば民兵とかゲリラとかに襲われている、
攻撃を受けている、助けてくれということがあった場合には、これ
日本の
自衛隊は、現在の
政府の解釈では、この所在地から移動してその現場に武器使用を前提に移動して使うことができないと。そうなると、これ国連から見れば、これは
こんな部隊を参加してもらってもかえって困るという話になって、
自衛隊はPKFの警護任務には就けないという問題になっております。
それから、もう一点だけ、ちょっとこれは後でもちょっと触れさせていただきますが、PKOの部隊で、大体大隊
レベルでこの警護任務というのをやるんですが、場合によっては中隊
レベルで、中隊で出す場合もあります。そうなると、例えば隊の、大隊が警護任務しているところに
日本の
自衛隊の中隊が下に入るということもあり得るわけで、理論上は。そういったときに、大隊長が国連の警護任務を総括している立場から
日本の
自衛隊の中隊クラスに命令を出したときに、やっぱりこの武器使用基準の問題で動けませんという話になると、これはコマンドの、国連の平和維持
活動のコマンドの上官の命令に服すことができない場合も想定され得るということになって、私は、これは後でもちょっと議論するかもしれません、厳密に言うと国際法違反になっちゃうんじゃないかと。国際法違反になっちゃうということは、憲法九十八条の国際法の遵守規定にも違反するような話になっちゃうんじゃないかというふうに思っております。
法制局の第一
部長、来ておられると思いますが、なぜ
自衛隊はこういったPKOに参加した際に人の防衛、物の防衛、任務の防衛についての武器使用がさっき私が申し上げたようなケースでできないということになっているのか、簡潔に分かりやすく御
説明いただきたいと思います。