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2003-04-15 第156回国会 参議院 外交防衛委員会 第5号 公式Web版

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  1. 二千一年の船舶の有害な防汚方法の規制に関す (会議録情報)

    平成十五年四月十五日(火曜日)    午前十時開会     ─────────────    委員異動  三月二十六日     辞任         補欠選任      佐藤 昭郎君     北岡 秀二君  三月三十一日     辞任         補欠選任      北岡 秀二君     佐藤 昭郎君      小宮山洋子君     若林 秀樹君     ─────────────   出席者は左のとおり。     委員長         松村 龍二君     理 事                 山下 善彦君                 山本 一太君                 広中和歌子君                 高野 博師君                 小泉 親司君     委 員                 河本 英典君                 佐藤 昭郎君                 桜井  新君                 月原 茂皓君                 日出 英輔君                 舛添 要一君                 矢野 哲朗君                 佐藤 道夫君                 齋藤  勁君                 榛葉賀津也君                 若林 秀樹君                 遠山 清彦君                 吉岡 吉典君                 田村 秀昭君                 大田 昌秀君    国務大臣        外務大臣     川口 順子君        国務大臣        (防衛庁長官)  石破  茂君    副大臣        内閣府副大臣   米田 建三君        防衛庁長官   赤城 徳彦君        外務大臣    矢野 哲朗君    大臣政務官        防衛庁長官政務        官        佐藤 昭郎君        外務大臣政務官  日出 英輔君    事務局側        常任委員会専門        員        田中 信明君    政府参考人        内閣法制局第一        部長       宮崎 礼壹君        内閣府政策統括        官        安達 俊雄君        内閣沖縄振興        局長       武田 宗高君        防衛庁長官官房        長        山中 昭栄君        防衛施設庁建設        部長       生澤  守君        防衛施設庁業務        部長       冨永  洋君        外務省北米局長  海老原 紳君        外務省中東アフ        リカ局長     安藤 裕康君        外務省経済協力        局長       古田  肇君        外務省条約局長  林  景一君        財務省主計局次        長        勝 栄二郎君     ─────────────   本日の会議に付した案件 ○二千一年の船舶の有害な防汚方法規制に関す  る国際条約締結について承認を求めるの件(  内閣提出) ○国際貿易対象となる特定の有害な化学物質及  び駆除剤についての事前のかつ情報に基づく同  意の手続に関するロッテルダム条約締結につ  いて承認を求めるの件(内閣提出) ○生物多様性に関する条約バイオセーフティ  に関するカルタヘナ議定書締結について承認  を求めるの件(内閣提出) ○政府参考人出席要求に関する件 ○外交防衛等に関する調査  (自衛隊防衛能力に関する件)  (中東情勢に関する件)  (北朝鮮情勢に関する件)  (米国等の対イラク武力行使に関する件)  (イラクの復旧・復興支援に関する件)  (沖縄米軍基地問題に関する件)     ─────────────
  2. 委員長(松村龍二君)(松村龍二)

    委員長松村龍二君) ただいまから外交防衛委員会を開会いたします。  委員異動について御報告いたします。  去る三月三十一日、小宮山洋子君が委員辞任され、その補欠として若林秀樹君が選任されました。     ─────────────
  3. 委員長(松村龍二君)(松村龍二)

    委員長松村龍二君) 二千一年の船舶の有害な防汚方法規制に関する国際条約締結について承認を求めるの件、国際貿易対象となる特定の有害な化学物質及び駆除剤についての事前のかつ情報に基づく同意手続に関するロッテルダム条約締結について承認を求めるの件及び生物多様性に関する条約バイオセーフティに関するカルタヘナ議定書締結について承認を求めるの件、以上三件を一括して議題といたします。  政府から順次趣旨説明を聴取いたします。川口外務大臣
  4. 国務大臣(川口順子君)(川口順子)

    国務大臣川口順子君) ただいま議題となりました二千一年の船舶の有害な防汚方法規制に関する国際条約締結について承認を求めるの件につきまして提案理由を御説明いたします。  この条約は、平成十三年十月に国際海事機関の主催によりロンドンで開催された国際会議において採択されたものであります。  この条約は、有機すず化合物船底防汚塗料への使用の禁止等船舶の有害な防汚方法規制について定めるものであります。  我が国がこの条約締結してその早期発効に寄与することは、海洋環境及び人の健康の保護のための国際協力を一層推進するとの見地から有意義であると認められます。  よって、ここに、この条約締結について御承認を求める次第であります。  次に、国際貿易対象となる特定の有害な化学物質及び駆除剤についての事前のかつ情報に基づく同意手続に関するロッテルダム条約締結について承認を求めるの件につきまして提案理由を御説明いたします。  この条約は、平成十年九月にロッテルダムで開催された外交会議において採択されたものであります。  この条約は、国際貿易対象となる特定の有害な化学物質及び駆除剤についての事前のかつ情報に基づく同意手続について定めたものであります。  我が国がこの条約締結することは、これらの化学物質から人の健康及び環境を保護するための国際協力を一層推進するとの見地から有意義であると認められます。  よって、ここに、この条約締結について御承認を求める次第であります。  次に、生物多様性に関する条約バイオセーフティに関するカルタヘナ議定書締結について承認を求めるの件につきまして提案理由を御説明いたします。  この議定書は、平成十一年二月及び平成十二年一月にそれぞれカルタヘナ及びモントリオールで開催された生物多様性に関する条約締約国会議特別会合において作成されたものであります。  この議定書は、遺伝子組換え生物等バイオテクノロジーにより改変された生物について、特に国境を越える移動に焦点を合わせて、生物多様性の保全及び持続可能な利用に悪影響を及ぼさないように利用するための手続等を定めたものであります。  我が国がこの議定書締結することは、バイオテクノロジーにより改変された生物の安全な利用のための国際協力を一層推進するとの見地から有意義であると認められます。  よって、ここに、この議定書締結について御承認を求める次第であります。  以上三件につき、何とぞ、御審議の上、速やかに御承認いただきますようお願いいたします。  以上です。
  5. 委員長(松村龍二君)(松村龍二)

    委員長松村龍二君) 以上で趣旨説明の聴取は終わりました。  三件に対する質疑は後日に譲ることといたします。     ─────────────
  6. 委員長(松村龍二君)(松村龍二)

  7. 委員長(松村龍二君)(松村龍二)

    委員長松村龍二君) 御異議ないと認め、さよう決定いたします。     ─────────────
  8. 委員長(松村龍二君)(松村龍二)

    委員長松村龍二君) 外交防衛等に関する調査議題といたします。  質疑のある方は順次御発言願います。
  9. 山本一太君(山本一太)

    山本一太君 本日は、石破防衛庁長官に最初に御質問させていただきたいと思います。  石破長官、三月のたしか二十六日か七日の衆議院の安保委員会だったと思うんですけれども長官前原誠司民主党前原誠司議員の、日本敵地攻撃能力を持つということは検討に値するんではないかと、こういう質問に対して、石破長官がそれはまあ値するというふうに御発言をなされたということがあったと思うんですけれども、この問題について、石破長官の御見解を改めて確認をさせていただきたいと思います。
  10. 国務大臣(石破茂君)(石破茂)

    国務大臣石破茂君) 先般の、今、委員指摘安全保障委員会におけるやり取りでございますが、民主党前原誠司委員のこれを検討すべきではないかという御質問お答えをしたものであります。その際に、私は、専守防衛という立場、これは堅持していかねばならないということ、そして日本が侵略的なことを行ってはならないということは当然のことであるという前提を置きました上で答弁をさせていただきました。  これは、昭和三十一年の鳩山内閣総理大臣答弁にありますように、どこの国というふうに特定をしたわけではありませんが、そういう誘導弾のようなものが飛んできた、弾道ミサイルという言葉は当時ありませんでしたので、そういうものが飛んでくるという場合に、ほかに何も手段がない、そういう場合に、これは有名なせりふですが、座して死を待つことを憲法は予定をしていない、そういうような趣旨答弁昭和三十一年にございました。で、それを踏まえた上でどのように考えるかということでございます。  そこで、私が申し上げましたのは、専守防衛そして侵略的なことは行わないという前提の下に、では一体何ができるのかということ、それは検証してみなければならないだろう。それを保有するという意味で申し上げたのではなくて、そういうことを、憲法に決して反するものではない、そして自衛権行使の三要件、これも具備をした上で、一体我が国としてどのようなことがあるのかということはそれは議論をしなければならない、少なくともそれは思考停止ということで全く考えないということであってはならないということであります。しかし、現在の我が国政府立場が、ガイドラインにございますように、そういう場合は米国打撃力、あの中には必要な打撃力行使を考慮すると、こういう形で表明をされておるわけでありますし、その実効性というのも確認両国政府でしておるわけでありますけれども、現在、我が国の場合には、我が国政府立場は、そういう場合の打撃力米国打撃力にゆだねるというような形を取っておるわけでございます。  そういうような前提をきちんと堅持をした上で議論というものを、少なくとも思考停止状態であってはならないということを申し上げたものであります。
  11. 山本一太君(山本一太)

    山本一太君 敵地と言ったときにそれがどこの国を指すのかという言及はありませんでしたけれども質問のコンテクストから考えてこれは北朝鮮ということはもう明らかであると思うんですが、私は、石破長官の御発言はいろいろ物議を醸したところもありますけれども非常に自然なものとして受け止めまして、別に専守防衛という哲学を貫くということと、敵地攻撃能力を持つというオプションを検討するということは私は両立することだというふうに考えております。  特に、今、北朝鮮情勢いろいろと変わりつつあって、後ほど外務大臣にもお聞きをしたいと思うんですけれども、万が一の場合に日本として抑止のレベルを上げなければいけないということになれば、やはりいろんな選択肢を考えておくのが当然外交戦略というものであって、私自身は石破長官発言を全く、何といいますか、自然といいますか、理にかなったものだというふうに受け止めました。  そこで、それについてなんですが、敵地攻撃能力、もう具体的に言いますと、例えば北朝鮮からミサイルが飛んできた場合に北朝鮮基地をたたくということを想定した場合なんですけれども、これは別にそうした敵地攻撃能力を持つべきだと言っているのではありませんが、現在の自衛隊装備では、当然これは敵地攻撃、すなわち北朝鮮基地をたたくことはできないわけなんですが、では、万一の場合にその敵地攻撃ができる能力を持つとすると、一体今の自衛隊装備からいって何が必要なのか、何が足りないのか、何を加えればいわゆる反撃ができるようになるのか、これについて長官の御見解を伺いたいと思います。
  12. 国務大臣(石破茂君)(石破茂)

    国務大臣石破茂君) これは概念が二つあると私は思っているんですね。その敵地という言葉を仮にかぎ括弧付きで使うといたしましょう。そういう攻撃能力というものと、それよりも、もちろんその概念は重複するんですが、対地攻撃能力というものと両方の概念があると思っているのです。  御案内のとおり、私ども航空自衛隊というものは対地攻撃能力というものを、いわゆる、例えばアメリカが持っておるような、あるいはほかの諸国が持っておるような形で完全に保有をしておるかというとそれは保有をしていない。例えば空対地ミサイルというものを私どもは持っておりません。国内においても、そういうものは使うだけのそういうものを持っていないということであります。  それじゃ、その空対地ミサイルというものを持ちさえすれば敵地攻撃能力具備されたことになるのか、空対地ミサイルだけ調達をしてくればそれでいいのかといえば、そんな簡単なお話ではない。これは本当に、こういう例えがいいかどうか知りませんが、バスやトラックをお金を出して買ってくるというものとは全く違うということであります。  じゃ、そうすると何が要るんだろうか。空対地ミサイルのようなものだけではなくて、今回のイラク戦争でもそうですが、敵地国レーダー、そういうものをまず破壊をする必要があるだろう。まず敵国のレーダー網のようなものを破壊をする、あるいは妨害をする、そういうような電子戦用航空機でありますとか、そういうようなピンポイントでレーダー基地がたたける特殊なミサイルというものが必要だろうということであります。もう一つは、攻撃機が入っていく場合に、これが対地攻撃能力行使する地点まで安全に入っていかねばならないわけでありまして、そういうような航空機、特殊な航法システムを備えた航空機というものが必要になるだろうと。もう一つは、先ほど冒頭に申し上げましたような空対地ミサイルのような、あるいは対地用誘導爆弾のようなそういう装備、これが必要だろう。もう一点、これも重要なことだと思っておりますが、相手地域の精密な情報というものを手に入れておかなければその地点まで飛ぶことができない、攻撃もすることができない、そういうような詳細な情報、地図のようなもの、そういうものが必要であろうということであります。その四つがそろって初めてそういう能力保有することになるということだと思います。  私どもの国ではそういうことを想定をしておりませんので、具体的にそういうことの検討を行ったということはございません。しかし、私が申し上げたいのは、そういうような攻撃能力というものが一朝一夕にして具備されるものではない、これを備えるためには、先ほど申し上げたような四つのものが最低具備されなければ、そういう能力保有することにはなり得ないということでございます。
  13. 山本一太君(山本一太)

    山本一太君 今、大臣お話ですと、まず相手航空能力をそぐシステムレーダーを妨害したりするシステム、あるいはステルスみたいな相手防空網をくぐり抜けて攻撃できる恐らくハード、それからもう一つは、恐らく精密誘導弾みたいな話だと思いますが、さらには相手基地の位置とかあるいは地形とかを正確に把握するための情報力と、この四つというお話なんですが、それでは、万一この四つ能力を今の自衛隊が持つとすると、大体そうした能力具備するためにどのくらいの期間が掛かるのか、これについてはいかがでしょうか。
  14. 国務大臣(石破茂君)(石破茂)

    国務大臣石破茂君) まさしく、これ委員指摘のように、抑止力としてどれぐらいの意味があるのだろうという観点が必要なんだろうと思っております。そういう場合に、どれぐらいの期間が必要なのか、あるいはどれぐらいのお金が掛かるのかということは、先ほど申し上げましたように我が国としてそれを前提として考えたことがございません。ございませんので、具体的なお答えをすることは非常に難しかろうかと思っております。ただ、これが一朝一夕にすぐぱっとこうお金さえ出せばすぐ手に入るというものではないのだと。ですから、本当にじゃ、仮に仮にそういうような検討が行われ、仮に仮にじゃそれを具備しましょうかというようなお話議論の結果としてあったとして、じゃそれが半年とか一年とか、そんな短い期間具備ができるかといえば、私はそのようなものだとは考えておりません。  さらに、そういうものを仮にハードなりソフトなりというものをそろえたとしても、それが実際に抑止力として機能しますためにはそれが使いこなせるという訓練、これも相当に必要なことだというふうに考えております。この訓練期間だって、それはもう一か月や二か月で具備できるものだと私は思っておりません。ですから、そういうものを導入します際には、これ具体的にどれぐらいということは申し上げられないのですが、相当期間は必要だろうというふうに思っております。一年とかそういうような非常に短い時間でそういうものを取得をする、保有をする、能力を備えるということは極めて困難であろうと思っております。
  15. 山本一太君(山本一太)

    山本一太君 大臣が具体的に何年という御発言をされたら大変なことになります。これ以上はもう聞きませんが、今のお話からすると一、二年では無理だと、恐らく五年、十年。実際に、持つべきだとは言いませんが、万一敵地攻撃能力を今の自衛隊が備えるとすると、やはり要員の訓練とか今言ったシステムの問題等々からいって、一、二年では無理だと、五年、十年掛かる話なのかなというふうに受け止めましたので、もうこれ以上これは深入りをしないことにいたします。  いろいろこの点についてお聞きしたいこともあるんですが、川口外務大臣幾つ質問をさせていただきたいと思うんですけれども、ちょっと質問通告をしていないんですけれども一つちょっと気になる報道がありまして、それをまず大臣にお聞きしたいと思うんですが。  昨日、イラン外務次官川口大臣が会われていると。私は、これから日本にとって中東外交というものが極めて重要な意味を持つ時期になってくると思うんですね。大臣も、アメリカイラク攻撃を敢行した後に発表した外務大臣の談話の中で、中東和平プロセス重要性とかイスラムとの対話重要性なんかを発表されたと。私、非常に意味があったというふうには思っているんですが、特に日本中東外交を考えたときにイランとの関係というのがこれもう一つの核になるのではないかという思いがありまして、その意味から昨日大臣イラン外務次官に会ったというふうに伺ったんですが、その内容についてまず簡単に教えていただけますでしょうか、会談の。
  16. 国務大臣(川口順子君)(川口順子)

    国務大臣川口順子君) 昨日イラン外務次官とお会いしました。これは非常に短時間で表敬を受けたということでして、外務次官日本にお見えになった理由は、これは日本外務省との間で定期的な会合があって、話の本筋のところはそちらの方でございまして、その傍らで私に表敬があったと、そういうことでございます。  大きく言って二つのことをお話をしました。一つイラクの問題であります。それからもう一つイランについての原子力の施設についてのお話。これについては、イラクの問題については今現在の状況あるいはイランとしてどう考えているかという話ですけれども原子力の点については、私は透明性イランが持って情報を開示をしていくことが必要であって、この意味でIAEAによる、の査察、合意ですね、あれはちょっと今名前をど忘れしましたが──追加議定書、追加的な議定書、これをイランとして積極的に結んでいくと、締結をするということが大事であると考えるということを私から言いました。
  17. 山本一太君(山本一太)

    山本一太君 イランの話が出たんで中東外交の話をさせていただきたいと思うんですが、今回日本アメリカイラク攻撃米英イラク攻撃を支持するという立場を取ったわけですけれども、一部で言われているように、アメリカはほぼイラク全土、ティクリートを落として制圧をしたというふうに今日も報道がなされていますが、制圧することと治めることは違うんで、これからいろんな長いプロセスがあると思うんですけれども、同時に、やはりアメリカ国内でもこのイラク攻撃によってテロ可能性が激増するんではないかというようなおそれがありまして、日本もある意味でいうとそういう脅威にこれから直面していく可能性があると。こういう中で、やはり一番のテロ対策というのは私は中東外交だというふうに確信を持っておりまして、その意味でやはり日本がこれまでにない、いまだかつてない中東外交というものをこれから展開すべき時期に来ているんではないかというふうに思うんです。  大臣御存じのとおり、私は九九年から二〇〇〇年まで河野外務大臣に政務次官としてお仕えをしておりまして、その時期に外務河野大臣イスラムとの対話について幾つかのイニシアチブを打ち出されて、これは河野イニシアチブとして、イスラム研究会といって、日本とそれからイスラム諸国のいわゆる有識者の間の勉強会といいますか研究会を立ち上げたり、いろんなことをされているんですね。そこら辺の予算もどうも今年数億円しか付いていないというようなことも伺っていまして、こういったこともやはりそれこそ十倍ぐらいにしてもいいんじゃないかという気がしているんですが、大臣の頭の中でこの中東外交についてどういう構想があるのか。  例えば、私も具体的にはよく分かりませんが、少なくとも中東和平プロセスについては日本がもっともっと貢献するというアピールが必要だと思いますし、さっきのイランではないんですけれどもアメリカの出した例のロードマップみたいなもう見え見えの、見え見えのなんて言うと怒られちゃうんですけれども、ああいう話ではなくて、日本として貢献できるグランドデザインみたいなもの、それが、よく頭の中ではまとまりませんけれども、例えば非核なのか大量破壊兵器の破棄なのか、中東地域全体にわたる日本イニシアチブみたいなものをこれからやっぱり考えていかなきゃいけない時期にあると思うんですが、川口大臣の中でそういう構想があったら是非一端をお聞きしたいと思います。
  18. 国務大臣(川口順子君)(川口順子)

    国務大臣川口順子君) 山本委員がおっしゃいますように、イスラム世界との対話中東との関係を深めていくということは非常に大事だと思います。  それで、幾つかの側面があると思いますけれども、一番この問題の根本的な問題というのは、パレスチナ、イスラエルの和平の問題であると思います。これについては、日本として日本ロードマップというのも持って向こうに提示したことがありますし、今アブ・マーゼンが首相になって内閣を組閣をするという状況でございますので、これを支援をして、そして和平をやっていくような努力をほかの国とも協調しながらやっていくということが大事であると考えています。  それからさらに、委員がおっしゃったようなより広いといいますか、深いといいますか、根本的なといいますか、そういったイスラム世界との対話ということが大事だと思います。河野元外務大臣イスラム世界というのを対話を発表なさいまして、それは引き続きやっておりますし、私もその会合の一環に出たこともございますけれども中東イスラム世界だけではなくて、アジアのイスラム世界も含んだ形での様々なこれを深める取組が必要だと思っています。それで、この関連では今年から国際交流基金で、三億円だったと思いますけれども、予算を取るというような努力もいたしています。あと、去年イランに行きましたときに、アラブ世界ではありませんが、イスラムという意味で文化交流をやっていきましょうというようなお話をいたしました。  幾つかそういった形での取組ということが今まで蓄積をされていますけれども、私は、この時期、ここでやはりきちんとそれらを集大成して、日本としてこういうような取組を中近東あるいはイスラム世界とやっていくということをまとめて、さらにそれを方向性をきちんと出すということが大事だというふうに考えておりまして、そういったことを検討をすると、するようにという指示を今出しまして、その検討をしてもらっているということでございます。  それから、今回のことがありました段階で、できることをという意味で、在京の大使の方々と話合いを持ちました。これを引き続きある一定の間隔で続けていくことが大事だというふうに思っていますし、これは私が直接やりましたのは中近東の大使、イランも含めてですけれども、あとアジアのイスラム世界との対話も同様に重要ですけれども、これについても、私個人ではありませんが、外務省の人にやってもらっています。  様々なそういったことを、ここでやはり国民の意識のレベルと向こうの国民の意識のレベルをつなげるような基礎的なところから始まる試みを広く強くさせていくことが大事だと思っておりまして、いろいろお知恵を拝借をしたいというふうに思っておりますということでございます。
  19. 山本一太君(山本一太)

    山本一太君 ちょっと細かく質問を、御答弁をフォローする時間がないんですけれども、是非、大臣に在任中に、これは中東外交についての川口イニシアチブをしっかり打ち出していただきたいと思って、期待申し上げたいと思います。  イラク情勢に戻りたいんですけれども、大体ティクリートを制圧して、主な主要都市は米英軍がほぼ制圧したと、こういうふうになっているわけなんですが、まだ当然アメリカとイギリスのミッションは終わっていないと。大量破壊兵器が見付かっていないということもありますし、肝心のフセイン大統領がどこに行ったのか分かっていないと。これについては、大量破壊兵器の捜索の状況と、それからフセインの、大統領の動向、安否という言い方はおかしいんですが、これについて政府側で最新情報があったら教えていただけますか。
  20. 国務大臣(川口順子君)(川口順子)

    国務大臣川口順子君) 大量破壊兵器状況については、今まで戦争といいますか、武力行使をずっとやってきて余力が余りなかったので、むしろこれからそういった捜索については力を注げるようになるであろうということで、のようでございます。情況証拠といいますか、幾つかの情況証拠は報道もされておりますけれども、そういうことはあると。これから調査、捜索についてはこれから力を入れるということだと思います。  それから、フセインの生死については私どもとしては何も新しい情報はございません。先般、ヨーロッパを回りましたときも、これについて今はっきり言えることはないということでございました。DNAの調査等が報道をされておりますけれども、サダム・フセインだけではなくて、政権の上の方がごそっといなくなってしまったということについての、その行方については情報は何も今ないということでございます。
  21. 山本一太君(山本一太)

    山本一太君 フセイン大統領の動向にも絡むんだと思うんですけれども、昨日、ブッシュ大統領がシリアを名指しで再び批判をしたと。つまり、シリアがフセイン政権の要人をかくまっている、第三国に逃がしている、あるいはシリア自身が化学兵器を持っているんじゃないかと、こういうことで批判をし、パウエル国務長官外交的、経済的な制裁措置というものも少し検討しなければいけないんではないかというような話をしているわけなんですが、かなりアメリカはシリアに神経をとがらせていると。これ、もしアメリカが、フライシャー報道官なんかの発言を見ていても、軍事的措置を取るという可能性は別に排除していないという話になっていまして、これはやっぱりシリアまで戦争が広がるということになると、これは大変なことになるだろうと。  シリアはやはりフランスが宗主国で特別な関係がありますし、ここら辺のところをどういうふうに分析をされているのかということをお聞きしたいと思いますけれども
  22. 政府参考人(安藤裕康君)(安藤裕康)

    政府参考人安藤裕康君) 委員指摘のとおり、アメリカの中でラムズフェルド国防長官でありますとかあるいはパウエル国務長官が、シリアの大量破壊兵器の開発の問題、特に化学兵器の問題について言及しておりますし、また、イラク指導部がシリアに逃亡していると、これを支援しているというような発言をしていることは私どもも承知しております。  極めて高い関心を持ってフォローしておりますけれども、まだ、アメリカがシリアに対して軍事力の行使をするとか、そういうようなことを言っているということは全くございません。これに対して、EUがこの問題についての懸念を、つい最近も懸念を表明しているというようなことはございますけれども、私どもは、何よりもこの中東地域の全体の安定、平和と安定ということは重要だと考えておりますけれども、この問題につきましては引き続き我が国としても関心を持ってフォローしていきたいと思っております。
  23. 山本一太君(山本一太)

    山本一太君 今日ですか、明日ですか、ナシリアでイラクの暫定行政機構の準備会合が開かれるというふうに聞いているんですけれども、これはいわゆるORHAに対する支援の問題なんですが、一部報道によれば、日本政府は、この人道支援庁でしょうか、アメリカの、ここに要員の派遣を決めたという報道もなされているんですが、これについての政府立場を改めてお聞きしたいと思います。
  24. 政府参考人(安藤裕康君)(安藤裕康)

    政府参考人安藤裕康君) フセイン政権の崩壊後のイラクにおける統治の在り方につきましては、現在様々な議論が行われております。御指摘のございました復興人道支援局というのも、これはアメリカの大統領令によって設置されたアメリカの機関でございますけれども、この復興人道支援局への協力ということも含めて、今後の我が国としての関与の在り方については、様々な側面から今、政府として検討を進めているところでございまして、まだ何らかの具体的な結論を得ているという段階ではございません。
  25. 山本一太君(山本一太)

    山本一太君 そうすると、検討中ということで、まだORHAに対する支援の方針は出ていないということなんですね。
  26. 政府参考人(安藤裕康君)(安藤裕康)

    政府参考人安藤裕康君) そのとおりでございます。まだ何の結論も出ておりません。
  27. 山本一太君(山本一太)

    山本一太君 もう時間がないんで、最後に一問だけ北朝鮮のことを伺いたいと思います。  最近の北朝鮮の動向についてなんですけれども、十二日でしたでしょうか、北朝鮮外務省のスポークスマンが多国間協議を受け入れてもいいというようなことを示唆する発言をしているんですが、この変化をどういうふうに外務省としてとらえているのか、大臣にお聞きしたいと思います。
  28. 国務大臣(川口順子君)(川口順子)

    国務大臣川口順子君) 北朝鮮のスポークスマンがそういうことを言った前提もありまして、問題解決のために米国北朝鮮政策を根本的に転換をする用意があるということであればということですけれども対話の形式にはこだわらないということを言っているわけです。  これは、私どもとしては、北朝鮮が問題解決に向けて柔軟な姿勢、これを示したというふうに考えておりまして、注目をしておりますし、これがその対話への第一歩につながっていくということを希望をいたしております。
  29. 山本一太君(山本一太)

    山本一太君 終わります。
  30. 佐藤道夫君(佐藤道夫)

    佐藤道夫君 続いて、私から大臣長官にお尋ねしたいと思います。  極めて基本的な問題ですけれども、しかし、考えようによっちゃ大変重大な問題も含まれているのではないかと思いますので、どうか熟慮の上、忌憚のない御意見を承れば幸いだと思います。  最初に、今流行のマスコミでも毎日取り上げられているイラク問題、イラク戦争についてお尋ねします。  もう戦争の帰趨は見えた、アメリカは近々勝利宣言をするのではないかと、こういうふうにも言われております。確かにそのとおりだと思いますよ。しかし、勝利宣言、戦争の目的を達したと。この戦争の目的は何かと、たった一つなんですね。大量破壊兵器イラクが隠している、それを探索して世界平和に寄与しようと、こういうことで始まったわけで、ところが、戦争が始まりますと、もう大量破壊兵器についてのアメリカのコメントもほとんど出てきませんし、またマスコミも、その問題を避けているのか、もう忘れたのか知りませんけれどもアメリカ軍はあそこまで進攻していった、バグダッドを包囲した、間もなくフセインの首を持ってくるだろうと、こんな話ばっかりしているんで、一番肝心かなめな大量破壊兵器は一体どうなったのか。  国連が査察をしておって、ブリクス委員長ですか、イラクは大変協力的だという談話も発表しておりましたが、アメリカにしてみれば、そんなものはごまかしだと、やっぱり我々が直接乗り込んでいってやらねばならないということで、国連の査察を打ち切らせて自分が、自分たちが乗り込んでいったと。ああいうふうに乗り込んでいくからには相当な私、根拠があったんだろうと思うんですよ。  我々の社会でも、あいつは泥棒をやっているぞと言えば、これは名誉毀損になります。そう言うからにはやっぱり、しかとした証拠、傍証が必要なわけで、警察が人を逮捕する場合だって、何か目つきがおかしいからあいつは泥棒で捕まえようやと、こういうわけにはいかぬのですよ。もうきちっと証拠を収集して、これなら有罪は間違いないということで逮捕をする。  アメリカの場合はおかしいでしょう。軍隊を派遣して、私、まっしぐらにそれなりの大量破壊兵器の隠匿場所に向けて軍隊が行くんだろうと思っておりましたら、何と何とそんなことは一切ない。軍隊はバグダッドを向けて進攻しているだけで、アメリカも、あそことあそことあそこに大量破壊兵器のこれとこれとこれがこういう方法で隠されている、そこを向けて我が国の軍隊は進攻中ですと、結果をごろうじろと、こう言うのと思ったら、何も言わないでしょう。そして、戦争目的は達したと。その戦争目的は何だと言ったら、フセイン体制を打倒することだと。こんなことはだれも言っていなかったでしょう。おかしいとしか言いようがないんですよ。何なんだろうかと。  人の血を流して、多くの人に犠牲になってもらって、イラクに乗り込んでいって、大量破壊兵器、皆さん方の血でこれを見付けてきました、これによって人類の平和が保たれましたと言うならば分からぬわけでもない。フセインが隠れている、それを隠したのはシリアかと、じゃ今度はシリアに攻め込もうと。何か話が全然おかしいでしょう。おかしいと思いませんか。  私の友人、知人には法律家、弁護士なんかが多いものですから、皆、やっぱり論理的に考えるとアメリカのやり方おかしいねと。別にイデオロギー的に反米だとか平和愛好だとかそんなことじゃなしに、法律家として議論していると、この点はどう考えるのかと、そういう質問を受けることがあるわけでありまして、大臣長官も、やはりいろんなアメリカの要人たちと会談をして、まず最初にそういう質問、当然するでしょう。一体どうしたんですか、大量破壊兵器はどこにあると見当付けて軍隊が進んでいるんですかと。一体何と何と何が、どれだけの量がイラクが隠しているんだろうか。  アメリカ情報能力というのはすごいですからね。そんなことは知らない、行ってみなきゃ分からないなんということはちょっと考えられないんですよ、FBI、CIAの情報機関、全体で十二万人もいるわけですからね。しかも、もう世界一の情報能力を、収集能力を持っている。それによってイラク、金でも使えばすぐ内部の者から情報提供を受けますからね。私は、そういうことで情報を収集して、そしてぱっと乗り込んでいって、大量破壊兵器を発見して、さあどうですか、世界の方々と、こう言うかと思ったら、そんなこと一切ないんですよ。  そこで、大臣長官、向こうのあなた方と同じような立場にある人と会談した際に、当然この問題は、私、今お聞きしたようなことを尋ねて、一体どうなんですかと、あなた方、人の血を流して何の成果も収めていないじゃないですか、一体いつになったらこういうことは解決するんですか、アメリカ情報能力はゼロなんですかと、当然こういう質問をなさっておると思いますよ。その結果、どういう御回答を得ているのか、それをちょっとここで、この場で披瀝してください。お願いします。
  31. 国務大臣(川口順子君)(川口順子)

    国務大臣川口順子君) まず、イラクにいまだに大量破壊兵器の懸念があるということについては、これは度々の国連の査察団の報告でも指摘をされているということで、懸念があるということは明らかであると思います。  それで、私が先般ヨーロッパに行きましたときに、この点について今、捜索状況はどうなっているのかということについての質問はいたしました。それで、英米軍、米英軍は、大量破壊兵器の問題については、今まで武力の行使相手とやっていたわけですから、本格的な大量破壊兵器の捜査の活動、これはこれからであるということでございました。したがいまして、私どもとしては、今後の動きを注視をしていきたいというふうに考えています。
  32. 国務大臣(石破茂君)(石破茂)

    国務大臣石破茂君) 私ども防衛庁として、それではそういうことについて具体的な何か情報を得ているかというふうに問われれば、それは得ておりません。これは、会談の具体的な内容を、私もいろいろな合衆国の国防関係者と会って会談をいたしておりますが、その具体的内容につきましてここの場で申し上げることは差し控えさせていただきたいと思いますが、具体的に何か得ているかといえば、得ておりません。  しかし、先生御案内のとおり、日本時間の四月の十四日ということになりますが、フランクス司令官の会見の中で、調査する場所、大量破壊兵器の材料があるかどうか調査する場所だけで二千か所から三千か所あるということであります。二十四時間で、その中で、二十四時間の中でできるのは五か所から十か所であるということが言われております。  私は、そう簡単に大量破壊兵器というものが見付かるとは思いません。それはもう本当に巧妙に隠匿をされているものでありましょうし、本当に先生御指摘のように、疑いがあるというようなだけでそれを公にすることはできない。きちんと確認をし、それを実現をするまでには相当の時間が掛かる。それは軍事のプロがそのように言っておるわけでありまして、私はそのことを真剣に私どもとしても受け止めるべきだろうというふうに思っておるところでございます。
  33. 佐藤道夫君(佐藤道夫)

    佐藤道夫君 先ほど私言いましたけれども、警察ですら人を逮捕するときは、思い付きであいつ悪そう、悪いことをやっているに違いないから捕まえようやと、こんなことは許されないわけですからね。しかも、今回は戦争を名目にして他国に侵入して、侵略しているわけですから。その場合に、入っていって、それからゆっくり捜そうや、これから三か月、四か月掛けて捜そうやというならば、国連の査察団に任しておいてもよかったわけでしょう。彼らも数か月、あと数か月が欲しいと、こう言っていたわけですから。  大量の血を流す、何百人、何千人という人がもう亡くなっているわけですからね。そういうことをやって、他国に軍隊を派遣して、その目的は何だと。大量破壊兵器の発見だと彼らも言っているでしょう。ところが、それはこれからゆっくりとやらさせてくださいよ、よろしいでしょうと。皆さん方も恐らく、結構ですね、アメリカの戦後政策も支援いたしますからということを言っておるわけでしょうけれども、どう考えたってアメリカの態度おかしいですよ。これだけの証拠があるからこれで軍隊を派遣したんだ、何百人、何千人の犠牲者が出るかもしらぬけれども、それによって救われる何万人、何百万人という人命の方もまた大事なんだと。我々は今、行って、せいぜい一週間ぐらいでもう相当量の大量破壊兵器を発見しているはずですよ、日ごろ偉そうなことを言っているアメリカにすれば。それがこれからの問題だと言っている。何なんですか、これは。  そういうことについて、なぜ外務大臣は向こうの国務省の高級官僚に対して、あなた方おかしいと思いませんかと、そういう疑問を発しないんですか。私さっき聞いたのは、それ聞いたんですよ。簡単なことですから、結論だけでもいい。こういうふうに聞いたら、こういう答えが返ってきたと。
  34. 国務大臣(川口順子君)(川口順子)

    国務大臣川口順子君) 委員がおっしゃっていらっしゃる前提の、泥棒を捕まえるときには罪を犯したという現行犯だったり、あるいは証拠があったりということで捕まえるという例はこのときには当てはまらないということをまず申し上げたいと思います。  それはなぜかというと、イラクは国連の決議によって、大量破壊兵器を自ら廃棄をする、武装解除をする、あるいは武装解除をした証拠を見せる、それを自らやるということを求められていたわけですね、国際社会によって。それをイラクがやらなかった。そして、その武装解除を、査察団を送ったり、あるいは圧力を掛けたりしたけれども、十二年間にわたってやらなかったということであります。ブリックス委員長が言ったように、イラクは数年間──数年間、十二年間ですけれども、やってやらない、圧力が掛けられてもやらない。あの時点で米軍の圧力が周りにあって、それでもなおかつ小出しにしか見せてこない。しかも、その小出しに出したこと、例えばミサイルを廃棄するとか、そういったことについてははるか前にやっていなければいけないことである。  したがって、イラクが積極的に対応をして決議にこたえなかったということがイラクが問題であると国際社会が判断をしたということであって、泥棒をした証拠がないのにということではなくて、泥棒をしなかったという証拠を国際社会に見せるというのはイラクがやらなければいけなかった。それをやらなかったというのが国連の決議に対して違反をしたという意味です。
  35. 佐藤道夫君(佐藤道夫)

    佐藤道夫君 あなたも法学部を出ておるんだと思いますけれども、犯人を捕まえて、おまえ無罪の証明をしろ、そうでなきゃおまえは有罪だと、こんなこと言えるわけないでしょう。当然のことなんです。イラク大量破壊兵器を持っていないことを証明しろということはアメリカも言っていましたけれども、そんなばかげたことあるわけないんですよ。当然なことなんですけれども、こんなことはね。あれを聞いて学生たち皆笑っていましたよ、へえ、変な連中がいるんだねと言って。  やっぱり、物事というのは犯人、犯人呼ばわりするには、それなりの蓋然性の高い証拠を示して、おまえは犯人の疑いがあるからこういう強制手続をするんだよと。同じことですよ、人の権利を侵害する、国の権利を侵害するにしてもね。  ですから、イラクと泥棒とは違うと、泥棒以上の扱いしているわけでしょう。そういう扱いをするにはそれなりのやはり証明が必要だというのは当然の、私が改めて口を酸っぱくこんなことを言うまでもないんで、法律家の常識、初歩の第一歩だと言ってもいいわけで、どうもあなたがそういうことを知らないのは私、今愕然としましたよ。まあ、いいです。  私さっきから何度も言っていますけれども、どうか、これからアメリカの高官連中と会ったら、私のこの提案している問題を取り上げまして、こういうことを国会で言うちょっと変わった議員もおるようですけれども、あなたどう思いますかということで質問をしてやってくださいよ。お願いしますよ。国民の代表でしょう、あなたもね。  そこで、次は劣化ウラン弾のことを取り上げますけれども、これは湾岸戦争でもアメリカが使用しまして、大変な犠牲者が出たと。アメリカの兵士も何十人、何百人、がん、白血病だ、肺がんだ、いや、がんだということになっている。イラクの人たちも同じような問題を受けて、これは学者によれば、あれは核兵器と考えるべきでしょうと、こういうふうな言い方があるわけですけれどもアメリカは、これは核ではないんだ、大量破壊兵器とは全然違うんだと、こう言っていますけれども、本当にそれでいいんだろうかと。学者たちはそう簡単には割り切れない、もっと慎重に学会、学会で議論していこうと。私もよく気持ちは分かります。  そして、今問題になっているのは、これが核か核でないのか、そんなことの前に、言わば大量破壊兵器の存在が戦争の目的になっているその戦争に、こういう核の疑いがあるような、学会の学者たちがこれは核兵器と、こう呼んでいいんじゃないかと言っているようなものを使用することの私問題だと思うんです。政治のモラルだと言ってもいいです。アメリカのブッシュ大統領、モラルという言葉を知っているのかどうかよく分かりませんけれども、何かアメリカはこんなものは核兵器ではないからがんがん使っているんだと。  こういうことについても被爆国である日本を代表して、外務大臣もきちっと向こうの関係者に、米国のしかるべき人たちにこの点は少し考えてくださいよと言うべきではないのかと思うんですけれども、いかがでしょうか。現にもう既に言っているとは思いますけれどもね。
  36. 国務大臣(川口順子君)(川口順子)

    国務大臣川口順子君) 今の御質問に直接お答えする前に、先ほどのことで誤解があってはいけませんから、念のために更に申し上げますと、国連の決議においてイラクは今までの決議に違反をしているということは既に決定をされているわけですね。六八七違反だということは一四四一において決定をされている。そしてさらに、一四四一において、更なる違反をすれば、まああることを、一定のことをすれば違反であるということが更に言われているということなので、誤解があってはいけませんから、それは改めてきちんと申し上げさせていただきます。  それから、今の御質問の劣化ウラン弾ですけれども、これについてブルックス准将、中央軍のブルックス准将は、三月の二十六日の時点で、米軍は劣化ウラン弾をほんのわずか保有をしているということを言い、その安全性を確信していると述べたというふうに承知をしておりますけれども我が国として、実際に米軍が今回の作戦で劣化ウラン弾を使用したかどうかということについての確たる情報は持っておりません。  それで、劣化ウラン弾の安全性については、これについては、今まで国際機関等によって調査をされたり報告が行われたりしているわけでございまして、我が国としても重大な関心を持ってこれはフォローをいたしております。  それで、幾つか今までなされたことがあるわけですけれども、二〇〇一年の三月、ここの時点で、コソボにおいて劣化ウラン弾が使用されたということについて、UNEP、国連環境計画ですが、これが調査をしました。そして、この報告で、環境や健康への害はほとんどなかったとUNEPが調査報告で述べているわけですけれども、また同じ二〇〇一年の三月に、今度はWHOですけれども、劣化ウランの放射性は微弱であり、劣化ウランと関係する健康影響を示唆する証拠は得られなかったという報告をWHOが出しているということでございます。  国際的にはそのような国際機関によって結論が出されているわけですけれども、WHOの今後の調査について、我が国としては引き続き注視をしていきたいと思っております。
  37. 佐藤道夫君(佐藤道夫)

    佐藤道夫君 さっきから私、言っているのは、そういう疑問点をアメリカ関係者にぶつけて率直に議論してほしいという趣旨で言っているわけで、アメリカ説明をここで説明しろとか、そんなことを言っているわけでもないし、何度も言いますけれども、今、大量破壊兵器の存否が問題になっている。ですから、世間から見たら、世界の人から見たら、ウラン弾という、これも大量破壊兵器ではないのかというふうな疑問を持つ。ですから、この戦争にこれを使うのは国家のモラルとして私、やめるべきではないのかと。安心してください、これは使いませんからというのがアメリカ立場だろうと思うんで、そういう議論をしてほしいということを言っているわけです。  それから、何か先ほど、イラクは国連決議に違反しているじゃないかと。それは分かりました。分かっています。それじゃ、お伺いしますけれども、イスラエルという国が国連の決議に違反して占領地から退去しないと、ヨルダン川西岸、ゴラン高原その他を占拠してしまって。二十九回も退去要求を国連がしているのにかかわらず、彼らは、これは元々ユダヤ人のふるさとなんだ、我々の先祖の国なんだと。ということは、我々のものだと、こういう言い方なんでしょう。  それに対して、何回も言ってもどかなければ、もう最後はやっぱりアメリカが乗り出して、アメリカに乗り出してもらって、武力でも行使して追い出す以外にないんじゃないですか。それが実は自爆テロ一つの大きな原因になっているわけですね。そして、自爆テロがあるとすぐイスラエルは報復に出ると。アメリカは全然イスラエルのそういう考えを非難もしない。で、アラブの方は、大量破壊兵器を隠し持っていると、らしいというだけで軍隊を派遣してしまう。今度、シリアにもまた乗り込んでいく。フセイン一味をかくまっているらしい、大量破壊兵器をまた持っているらしい。イスラエルだって大量破壊兵器持っていることは御承知でしょう、これは世界の人は皆知っているわけですけれどもね。  もうアメリカ軍がイスラエル、どこに行けばいいのかあの国はよく分かりませんけれども、乗り込んでいって、反省を求める時期じゃないかということにもなるわけですよ。その点はいかがでしょうか、イスラエルの問題、どうお考えですか。
  38. 国務大臣(川口順子君)(川口順子)

    国務大臣川口順子君) イスラエル、パレスチナ、この問題についての安保理決議につきまして、これはイスラエルとパレスチナと双方に対して暴力の停止を求めると、そういうものでございまして、そのイラクが十二年間にわたって無視をしてきた大量破壊兵器の廃棄等についての安保理の決議の義務違反、これとは性格が異なるというふうに思います。  それで、いずれにしても、イスラエル、パレスチナ、これは両方に対して守るようにということを言っているわけでございまして、我が国も、そしてほかの国々も、それぞれが両方に対して働き掛けを行っているということですし、今後ともこれについては働き掛けをやっていきたいというふうに考えております。
  39. 佐藤道夫君(佐藤道夫)

    佐藤道夫君 こういう事態になって、イスラエルのシャロン首相でしたか、何か会見を、シャロン、何といいましたか、会見をして撤退も考えるようなこともちらっちらっと言っておりますけれども、やっぱり世界がああいう、もう事実上他国の領土を侵入して、これはおれのふるさとなんだ、我が先祖のふるさとなんだと、そんなことを言ったら、アメリカインディアンだって、これは我々の先祖がいた国なんだ、アメリカ人よ、出ていけと言い出さないとも限りませんし。  そういうときにそういう機会をつかまえて我が国が調整、あっせんに乗り出すと。イスラエルさんよ、早く退去しなさい、もう国連決議も何回も受けているんでしょう、これがまた自爆テロの原因にもなっているんですよと。そういうことも我が国が、武力を持たない我が国のやる大変な仕事だろうと思うんですけれども、いかがでしょうか、それは。
  40. 国務大臣(川口順子君)(川口順子)

    国務大臣川口順子君) 委員がおっしゃるとおり、中東和平問題は我が国にとっても非常に大きな関心事であります。そして、有馬特使の任命をいたしまして、有馬特使が今まで、まあ私も一度、イスラエル、パレスチナには参りましたけれども、再三再四、かなり頻繁にこの地域にいらして働き掛けをやっていただいております。  それで、これは我が国だけではありませんで、ほかの国も一生懸命にやっているということでございまして、その成果といいますか、一部、オスロ協定といったような形で国際社会として成果が生まれている、成果を見ているわけでもありますし、また今回、ロードマップをできるだけ早く発表するようにということを国際社会は働き掛け、またブッシュ大統領もそういった早い段階で、パレスチナ政府が実効ある、アブ・マーゼン首相が実効ある首相として機能をするということになった段階でロードマップの発表をするということもおっしゃっていらっしゃる。国際社会の努力が少しずつ実りつつあるとも考えております。
  41. 佐藤道夫君(佐藤道夫)

    佐藤道夫君 率直な印象として、イスラエルは自分たちが占領しているヨルダン川西岸などから撤退する、そういう検討がありましたか、ありませんでしたか。私は、そんなことはするわけはないと。もうこれはあそこまで入植地として耕して多くのユダヤ人が入っている土地ですから、それは返すとはゆめ思いませんけれども、返さないんじゃ、これいつまでたってもこの問題解決しないわけですから、やっぱり強く要求をする。  そういういろんな話に行くことも大切ですけれども、この問題の中心はイスラエルの撤退にあると、こう考えてもいいわけなんで、受ける印象としてどうですか。あなたがそういうことを言って、もう速やかに撤去しなさいよということをおっしゃるわけでしょうから、そのときにどういう返事が来るのか、はっきり御回答願えれば有り難いと思います。
  42. 国務大臣(川口順子君)(川口順子)

    国務大臣川口順子君) イスラエル、パレスチナ、この問題について大事な国連決議が幾つかありますけれども、その一つが二四二という国連決議であります。  これが何を言っているかといいますと、今、委員がおっしゃっていらっしゃるように、イスラエルの占領地からの撤退、これはイスラエルに対して言っているわけですが、パレスチナに対しては、サイドに対してはですが、イスラエル等の生存権の確認、この二つを双方について言っているわけですね。そして、そういうような中東地域の公正なそして永続的な平和の確立、これのための原則を二四二というのがうたっているわけです。  また、三三八という決議がありまして、この決議は、その関係当事者が、二四二、ですから双方に対して、イスラエルだけじゃなくて双方に対して二四二の履行を要請をして、和平交渉が開始をされるべきであるということを決定をしているわけでして、これに対しては、我が国も含む国際社会が、先ほど言いましたように、二つの決議にうたわれる原則にのっとって、関係当事者間の交渉を通じて公正そして永続的な包括的な平和を実現するための努力をしていく、するということをやってきたわけです。それの一部の成果が、先ほど言いましたように、オスロ原則といいますかオスロ合意ということに表れて、一定の成果は上がってきているというふうに思います。  それで、引き続きこういった努力が必要でして、さらに幾つかの決議があって、イスラエル、細かいことは申しませんが、イスラエル、パレスチナ双方に対して、暴力の行為をやめる、そして交渉再開に向けて協力を求めるということがありまして、これについては双方に暴力の行使を停止をするようにということを、今、国際社会が働き掛けているということであります。  ですから、みんなが今努力をして、それを先ほど申しましたように、少しずつ前に進めていると、そういう段階だと言ってよろしいかと思います。
  43. 佐藤道夫君(佐藤道夫)

    佐藤道夫君 申し訳ないんですけれども、今の説明を聞いて理解できる国民は十人に一人もいないんじゃないかと思いますよ。大変申し訳ないんですけれども、それがストレートな私の感じです。  なぜはっきりと、イスラエルに行ってこういうことをきちっと申し入れ、それに対してイスラエルはこういう答えをしたからあと三年後には占領地から撤退するはずだと、国民の皆さん、これを信じてくださいと、こう言うのが政治上の言葉で、大体政治家というのはうそも言いますけれども、それは別といたしまして、そういうことなんですよ。なぜそんなことをだらだらだらだらいつまでも言うんですか。もっとストレートに答えてください。
  44. 国務大臣(川口順子君)(川口順子)

    国務大臣川口順子君) 先ほどから申し上げていますことは、イスラエルに対して暴力の停止をしなさい、パレスチナに対してもしなさい、両方のことを言っている。そのために有馬特使はいろいろずっと何回も周辺国も含めて動いている。  この問題が一言で、ある国がイスラエルに対して暴力の停止をしなさい、あるいは占領地を放棄しなさいといった一言、片方に、要するにイスラエルにそれを言うだけで解決をするということであれば、これだけ中東和平の問題に国際社会がこれだけ長い時間を掛けてかかわっていくということはやらなくても済んだわけでして、実際は問題が複雑であるからこそ、イスラエル、そしてパレスチナに対してもイスラエルの生存権を認めさせるということは非常に重要なことであって、いろいろな要素を含めて解決をしつつある、そのための努力をしているというのが今、国際社会がやっている、日本としてもその中で並々ならぬ努力をしているということです。
  45. 佐藤道夫君(佐藤道夫)

    佐藤道夫君 少し話を変えますけれどもアメリカのブッシュ大統領はならず者国家という言葉を好んで使っておりましたね。イラクイラン、それから北朝鮮、これがならず者国家と。  イランは、これは征伐したと、その次は北朝鮮かというふうに世界の人たちも思っておりましたら、イランでもないし、これいきなりシリアというふうな名前が飛び出してきて、明日にでもシリアに侵攻することだって考えられないわけではないんだろうと思うんですよね。自分たちが正義だと考えていることを実現するために血を流すことをいとわない、これが今のブッシュ大統領であり、その周辺にいるアメリカの人たちと、こういうふうに言ってもおかしくないんじゃないかと。  そこで、国連の歴史は私があれこれ言うまでもなく皆さん方の方がよく御存じでしょうけれども、これは第一次世界大戦で八百万人の犠牲が出た、この大部分は民間人ですけれども、八百万人ですよ。そのときにアメリカのウィルソン大統領が、これからはもう殺し合いの時代じゃないと、どちらが正義か武力で決着をしようというのは昔々の話だと、これは公の場でこれからは話し合っていこうということで国際連盟を立ち上げたことは、もうあれこれ私から言うまでもないわけですけれども。しかし、国際連盟の命は短くて、滅びるについて我が国もそれなりに頑張ったわけですよね、満州国を造ったりして。  そこで、第二次大戦が始まって、今度は何と何と三千万人の犠牲者が出たと。その中には日本で沖縄の一般人、原爆を投下された、沖縄じゃなくて、失礼しました、長崎や広島で原爆投下によって二十数万人の一般人が犠牲になっている。しかし、あれは平和を実現するためにやむを得ない措置だと、アメリカはこう言っておりますけれども、果たしてそれでいいんだろうかという気もしないわけじゃありませんが。  いずれにしろ、国際連盟がつぶれて、第二次大戦が起きて、それが終わったときにまたアメリカが事実上提案をして国際連合を立ち上げて、今度は本当にしっかりした機関を作ろう、そこでみんなで議論をしようということで国際連合の時代が来ました。朝鮮動乱とかベトナム戦争等がありましたけれども、あれは一方的に侵略をしてくる国がいたものですから、国際連合であれこれ話し合うようないとまもありませんでしたけれども、いずれにしろ、国際、国家間の紛争があれば国際連合で話し合って平和裏に解決していこうと。  民間人の争いだって、おれが正しいんだと、こういうことで二人が争っているときは、裁判所に持ち込んで、裁判所がこれはおまえの方が間違っているというふうな判定をするようになっている。それと同じことです。かつては殴り合いで、アメリカの西部劇なんかはピストルでどちらが正義かということを決めていたようですけれども、今はどこの国へ行ってもまず裁判所というのがあって白黒を決めると。  それと同じように国連だってそういう役割を果たそうとしているわけですけれども、その点から見て、今回のアメリカの戦争に訴えたこのやり方について、私、大変疑問だと思うんですよ。ブッシュ大統領、自分たちの先輩のこの功績をどう考えているんだろうかと。やっぱり世の中、つまらない議論をしているよりも、はっきりともう武力でもって決着を付けた方がいい、さあ行こうということでイラクに侵入して、今度はシリアにまで入っていこうかと。かなり切迫した言い方ですよね、シリアの問題を取り上げまして。  ですから、何かアメリカ一つの、言葉は悪いですけれども、魂胆でもあるんだろうかと。中近東にアメリカの勢力を確立して、そして石油利権にあり付こうと、悪く言えばそんなことでもあるんだろうかと、こういうふうにも思いたくなるわけですけれども。  そこで、外務大臣防衛庁長官、若干お暇なようですけれども、このイラク、国連の在り方についてどう考えたらよろしいのか、現にどう考えておられるのか。閣内でも十分こういうことは議論されておると思いますので、どうかひとつその辺について皆さん方の考え、あるいは小泉総理の考えでもいいんですけれども、こういうことを我々議論をして、大体こういう線でいこうとしているんだというふうなことを御披露いただければと思います。
  46. 国務大臣(川口順子君)(川口順子)

    国務大臣川口順子君) 国際連盟やあるいは国際連合やそういった国際的な組織、これはそれまでの人類の知恵の成果として生まれたものであるということは、今、委員がおっしゃったとおりだと私も思います。  それでは、特に平和と安全の問題について十分な機能を果たすことができる組織に今まで国連が十分になってきたか。まだ国連はそういう意味では途上にあるということだろうと思います。現に冷戦の期間、国連はそういった平和と安全の問題については十分な機能を果たすことができなかったということも事実だと思います。  経済の問題、社会の問題、そういったことについては国連の役割はかなり大きくなってきていると思いますけれども、国連の、国際連合の成り立ちからいって、大国が一致をしているときに、平和と安全の問題については一番機能ができる、一番役割を果たせるということは、そのような制度になっている以上、そういうことであるというふうに思います。  それで、人類の知恵として国連を今後どのように発展をさせていくことがいいかどうかということについては様々な改革の議論がなされているわけでございますし、日本としても国連の改革については今まで相当熱心に取り組んできたつもりでございます。国際連合が今の国際社会の姿、これを反映をするような仕組みに、例えば安保理の構成メンバーといったような点についてなっているかどうかといった点についても十分に議論をしなければいけない。  国連は、みんなで議論をして、そしていろいろな経験を経て、積んで、更に改善をすることができる組織であるし、国連をどのように使っていくか。国連というのは、基本的にそれぞれの国が自らの国益をどのように国際社会の結論として反映をさせるかということに使うという考え方もあるわけでございますから、いろいろな思いが国連の在り方あるいは国連の使い方についてはあるというふうに思います。  引き続き、人類の知恵が蓄積をされていくことが大事だと思っています。
  47. 国務大臣(石破茂君)(石破茂)

    国務大臣石破茂君) 基本的に今、外務大臣お答えになったとおりだと思いますが、ユナイテッドネーションズというものをどのように考えていくのかということだろうと思っております。それは、世界政府ではないわけで、まさしく本当に各国の利害というものをどのように調整をし、平和裏に行っていくかということが議論をされておる場だというふうに承知をいたしております。  そうしますと、アメリカが全く国連を無視してやってきたかといえば、私はそのような印象を決して持っておりません。イラク戦の前にも、そしてまたイラク戦の後にも合衆国の関係者と議論をすることがございます。昨日もいろんな議論をいたしました。  その中において、国連の役割というのは極めて重要であるということはアメリカの方からも非常に強調されることであります。私の方からも申し上げますが、アメリカの方も、このことにおける国連の役割の重要性ということは再三指摘があることでありまして、アメリカが国連を無視してやっているというような御指摘は私は当たらないものというふうに思っておるところでございます。
  48. 佐藤道夫君(佐藤道夫)

    佐藤道夫君 今回のアメリカの対応、これを見て、世界のほとんどの人たちが完全にこれは国連無視じゃないかと。国連の安全保障理事会でフランス、ドイツ、ロシアなどがもっと議論をしていこうと、それから査察団もこれから数か月査察をしていこうと、国連の査察団がですね、そういうときにアメリカとイギリスが戦争に走ってしまったと。これは国連無視でなくて何なんでしょうかね。国連の有り難いお言葉を聞いてみたって始まらぬ。要するに、アメリカのやっていることは、もう端的に言って国連無視で、自分たちの目的を達成するために人の血が流れることを何とも思わないと。  あの国連、先ほども言いましたけれども、始めたのがアメリカの提案で始まっていると。先輩たちが苦心惨たんしてああいう国際連盟とか国際連合とかいう組織を立ち上げて、これまでも本当にみんな国連を中心にしてお互い協力してやっていこうというこの時期に、なぜ戦争戦争。イラク大量破壊兵器を現に使っているとかもう使おうとしているとか、そういう情勢があるとすれば別ですけれども、何かはっきりしないけれども、どうも隠し持っていることは間違いないから、それじゃもう戦争やるしかないじゃないかと。余りにも私、短絡的過ぎる発想だと思うんですよ。  あの九・一一テロのとき、同時多発テロの際に、ブッシュ大統領が、これはテロではなくて戦争だということを言いました。ですから、彼の頭の中じゃまだ戦争が続いているんじゃないでしょうか。攻撃を受けたのはアメリカ、我が祖国、攻撃をしてきたのはイスラム教徒、一番過激派であるタリバン、オサマ・ビンラディンということでアフガニスタンに侵攻する。それから、次はターゲットがイラクだったのではないかと。そこに侵攻して、次は次はとこういったら、ちょうどいい、シリアが出てきたと。  ですから、またシリアに入っていく可能性が非常に高いわけですよ。これを見たら、あの国際連盟や国際連合を始めたアメリカの大先輩たちは本当に今、地下で涙を流しているんじゃないかと、そういう気がしないわけでもない。  どういうわけか世界でも余りアメリカに強く非難の声を上げる国がないのも、私、どうかしているんだなと。やっぱり、これはある意味では論理的な問題ですから、別に、力関係アメリカが力を出して、おまえら黙っていろと言うから黙っていますということじゃないんであって、論理的にどう考えるんですかと。そういう議論をするために国連があるのにかかわらず、なぜ国連を飛び出してアメリカがあんなことをしているんですかと、おかしいと思いませんかということをみんなで議論をして、できたらアメリカももう一度議論の場に戻してもらうと。  シリアに侵攻するなんということはもうあってはならないことだと思いますので、そういうふうなことについて頑張るのがまた外務大臣でもあり、防衛庁長官でもあろうかと思うんですけれども、いかがでしょうか。
  49. 国務大臣(川口順子君)(川口順子)

    国務大臣川口順子君) 先ほど石破長官もおっしゃいましたけれども米国が国連を無視してきたわけではない。米国は、例えば一四四一、決議一四四一を作る過程でこれを粘り強く説得をして、決議が全会一致でできているわけですね。その後の決議を作る段階で国連が、安保理が一致できなかったこと、これについては非常に残念に思いますけれども、これはどちらかが悪いということではなくて、正に先ほど私が申しましたように、安保理というのは、主要国が意見が一致をしているときによく機能をするという、そういう作りになっている、そういう組織であるということでして、この場合にはそういう形にならなかった、協調できなかったということであるわけです。  国連については、先ほど言いましたように、今後様々な努力を人類として積み重ねていく必要があると思いますし、いろいろな状況を見て、また改革の動きがずっとあるわけですけれども、それをまた積み重ねていくと、そういうことで国連をよりよい組織にしていくということを考えていく、そしてそのように対応していくということだと思います。
  50. 国務大臣(石破茂君)(石破茂)

    国務大臣石破茂君) アメリカ、イギリスがすべて間違っておって、フランス、ロシア、ドイツの言うことがすべて正しいということなのかどうなのか、そのことについて私は判断することはできないと思っております。それは、各々の国がどうやって平和的に解決をするかということを念頭に置き、そしてまた同時に、どうやって大量破壊兵器の拡散を防ぐかということを念頭に置いてそれぞれの国益に基づいて議論をしておるということだと思っております。  私は、繰り返しになって恐縮ではございますが、アメリカが国連を無視したというふうには思っていません。これは、私が意外に思いますほどアメリカ政府関係者から国連というものを重視していかねばならないという発言が折に触れて出てまいります。それは、国連というものを作った、まさしくユナイテッドネーションズというものを作ったアメリカの考え方ということは、これはきちんと受け継がれているものだというふうに思っておる次第でございます。
  51. 佐藤道夫君(佐藤道夫)

    佐藤道夫君 どっちが正しい、どっちが間違っているというようなことを私、言っているわけじゃございませんので。  せっかく話合いの場があるんだから、その話合いの場で時間を掛けて、話合いというのは元々時間の掛かるものなんです。時間と金の掛かるものなんですよ。それよりも殴り付けて結論を出した方がよっぽど早いわけですけれども、それじゃやっぱり国連や国際連盟を作った精神に反するんだと。多少時間が掛かる。三年でも、場合によっては五年だって話し合っていいわけですからね、それでやっていくというのが国連の在り方ですから、どうかこれからも、そういう問題でほかの国の人々と話をするときはもう少し慎重にお互いやっていこうと、それが新しい時代の国連の在り方ではないのかということも言っていただければ有り難いと思います。  次に、防衛庁長官にお尋ねします。今までの問題とは違いまして、二つほどちょっと理解できないことがあったものですから。  北朝鮮ミサイル発射という話が我々の耳に入ったのは、あれたしか四月一日でしたよね。エープリルフールですから、これインチキかと僕は一瞬思いましたけれども、海幕、海上幕僚長がテレビで堂々と、北朝鮮の、北朝鮮という国名は言ったか、言ったと思いますよね、ミサイル発射確認いたしましたということをきちっと国民に向けて報告をいたしまして、みんな、ああそう大変だなと、こういうことを考えた。そしたら、それから間もなくして、防衛庁の官房長なる者が、発射したかどうかは確認されておりません、ただいま確認中でございますというふうに話がいつの間にかすり替わってしまった。福田官房長官までその合間に入ってきまして、あれは間違いでした、何かの勘違いでしたと、海上幕僚長の発表の方がね、いうことを言っている。  それは多くの人が、何だ、防衛庁というのはミサイル発射までそんないい加減なことをやるのかと。恐らく精密機械で探知をして確認した、機器、機械でもってミサイル発射を確認して、これは北朝鮮から発射されて公海に落ちたんだと。そうかと、こう思っておるときに、ただいま確認中でございますと。そんな確認もしないで発表するようないい加減な役所が防衛庁なのか、そんなところにこの日本の防衛というのを任しておいていいのかと、だれだってそう思うでしょう。福田官房長官からは、もう勘違いでした、しようがありませんでしたとせせら笑われておしまいと。  それは、今度はアメリカミサイル、これをはっきり確認しましたら、その後どうなったのか。なぜ間違ったのか。あるいは一体だれがどういうことで間違ったのか。間違っていなかったにもかかわらず間違ったというふうに言ったのはだれなのか。その辺のところをひとつ、申し訳ないんですけれども、我々に分かるように、防衛庁長官、きちっと説明してくださいませ。
  52. 国務大臣(石破茂君)(石破茂)

    国務大臣石破茂君) これは、前提として再三申し上げておることでございますが、地対艦ミサイルをめぐってのお話でございます。ミサイルと言っただけで弾道ミサイルを思い浮かべて、即座に日本に影響がある、平和と安全に影響がある、ミサイル弾道ミサイルであれあるいは巡航ミサイルであれ、とにかくミサイルは全部一緒だというような御議論は、私はもう一度きちんと整理をしておかなければいけないものだと思っております。  地対艦ミサイルというのは、我が国でも八八式というのを有しておりますが、我が国でも持っておるものでありまして、我が国に対して平和、独立に脅威となるというようなものではございません。ミサイルミサイルだと言ってすぐ弾道ミサイルが発射されたかのごときそういうような風潮というのは、私どももきちんと御説明をして、何が違うのかということの御理解はいただいていかねばならないというふうに思っております。  お尋ねの件でございますけれども、せせら笑うとかなんとか、そういうような御発言がございましたが、私ども政府として、本当に国の平和と安全に責任を持つべく、みんなが一生懸命やっております。そのことは官房長官も御認識をいただいておることでありまして、せせら笑ったとか、私は、そのような御発言はそのままそうですかというふうに承ることはできないということを申し上げておきたいと思います。  その上で申し上げることでございますが、このことについて、海幕長の会見というものを全部ごらんいただければ分かることでございますけれども、そういうような情報確認をしたということであって、事実を確認したというふうにその部分だけが取り上げられておりますけれども、その部分は、全体の流れの中からいえば、その部分だけ言い方を間違えたということだと私は思っております。全体の中でそのような情報確認をしたというのがあのときの海幕長の見解趣旨であります。  私どもとして、そのようなものが簡単に分かるかといえば、それはそのようなものが簡単に分かるようなことであればだれも苦労はしないということであります。弾道ミサイルではなくて地対艦ミサイルのようなものの発射の情報というもの、じゃ精密な機械をもって確認できるかといえばそのようなことはできません。我が国から、そのような精密な機械があって、地対艦ミサイルが発射された、そういうようなことが分かる、そういうような状況ではないということであります。こういうことを確認をいたしますためには、それは合衆国でありますとかあるいは大韓民国でありますとか、そういうところの情報、いろんなものを総合して判断をすることだというふうに考えます。  いずれにいたしましても、私が申し上げておりますのは、我が国の安全、そういうものに影響を与える事態ということであれば、そういうような情報はきちんと発表しますということを申し上げております。そして、発表いたします際には、官房長官もおっしゃっておられることでありますけれども、その関連する省庁、主に私どもでございますが、私ども内閣官房の間できちんと調整をした上で、先生御指摘のような誤解や混乱というものが国民の方々に与えるようなそういうことがないように、今後も万全を期してまいりたいというふうに思っております。  いずれにいたしましても、国の独立と安全、平和、そういうものにかかわる情報はきちんと国民の皆様方に開示をする、それが私どもの責任だと心得ております。
  53. 佐藤道夫君(佐藤道夫)

    佐藤道夫君 なぜあんな間違いが生じたのか、それについての説明が全くないんですよね。  やっぱり国民は、防衛庁の、しかも海上幕僚長が発表した、ああこれは間違いないんだと、だれだってそう思うでしょう。しかし、そうではないこともあり得るんだと。それならば、そういうことはきちっと確認した上で、アメリカならアメリカに確かめる必要があるならば、すぐ電話をしてアメリカにこれはどうなんだということを確認した上で発表をする、これは間違いございませんよと。事柄はミサイルですからね。そのミサイルに地対空とかいろいろあることは知っておりますけれどもね。でも、国民の大多数は、ミサイルと聞けば、ああ空を飛んでくるあれが北朝鮮が実験したのかと、皆だれだってそう思うでしょう。そう思われて困るならば、はっきりと説明の際に言うべき事柄なんであって、何か後になってから失敗したな、でもしようがないかというような気楽な気持ちで、何回も言いますけれども、国民をからかったのかともこっちは言いたくなるわけですよね。  本当に長官として部下に対して、本当にこの国を守っているというそういう気概を持ってこれからの仕事、慎重の上にも慎重を期してやってもらいたいと、こういうふうに訓示をしてもらいたいと思います。  それから、先ほど山本議員との質問にも関連するんですけれども、三月二十何日か、衆議院の安全保障特別委員会か何かの発言なんですよね。あれについて、あそこは何か、私が問題にしているのは、小泉総理がすぐ否定した、そんなことは考えておりませんと言ったことについてなんですけれどもね。  確かに集団的自衛権の行使の際もあなたは、議員のころは、これは憲法上許される、合憲なんだと言っておったら、内閣に入りましたら、これは閣内に入ったら内閣の方針に従いますということで、発言を取り消してしまう。取り消してというのか、合憲論、違憲論については触れなくなってしまった。この場で私聞きましたけれども内閣の方針に従うだけでございますと。  ああいうふうな敵国の基地攻撃することができるのかできないのか、防衛庁長官発言する、大変大きな問題ですよ。ああいう問題を発言するときは、やっぱり閣内でみんなで議論をする。で、最終的に総理大臣がこれはこうで行こうと、それに従うということなら分かるわけですよ。自分は反対なんだが、しかし総理の御決断ですからそれに従いましょうというなら分かるんですけれどもね。  ああいうことをあなたが国会で発言をする、それを総理がすぐあんなことは考えてもいませんよと。一体、内閣に入ったら閣内の方針に従いますと、この場でも言いましたけれども、あれはこれまた間違いだったんですか。こういう大事なことは、やっぱりその場その場でどんどん発言していって、みんなに議論してもらった方がいいですよと、そんな考えなんですか。やっぱり閣内に入った以上は閣内の方針に従う。事柄は憲法に及びかねない。しかも、我が自衛隊が当面の敵である北朝鮮攻撃する攻撃しない、国民にとってはこれ大変大事な大事な問題ですよ。それをあえて発言をして、総理がそんなことはないと言って取り消してしまう。一体どうしたんですか。
  54. 国務大臣(石破茂君)(石破茂)

    国務大臣石破茂君) お答えいたします前に、先ほど国民をからかったのではないかというお話がありました。そのようなことは断じてございません。  私どもの自衛官たちは、みんな事に臨んでは身の危険を顧みずと宣誓を行って、みんなが二十四時間真剣に取り組んでおるのであります。私は、訓示をせよというお話でございますけれども、私は自衛官たちが本当に真剣にこの国を守るためにどうすればいいかということで日夜どれだけやっておるかということは知っておるつもりでございます。したがいまして、そのような訓示をするつもりはございません。私は本当に自衛官の名誉のためにもそのことは申し上げておきたいと思いますし、私どもは、国民の皆様方に対する責任は本当にみんなが全身全霊で取り組んでおる、そのように考えておる次第でございます。ですから、そのような訓示をするつもりはございません。  しかし、政府としてきちんとした情報というものを提供する、そういうようなことは今後ともきちんと万全を期してまいりたいということであります。ですから、確認をした上でという話ですが、それじゃ、アメリカ確認をする、あるいは韓国に確認をする、いろんなやり方があるでありましょう。しかし、繰り返して申し上げますけれども、本当に国民の皆様方にお伝えをしなければいけない情報というものはきちんとお伝えをしますということであります。  それから、海幕長の会見の中で、一連の中で、会見のあれを全部お読みになった上で御質問なさっておられるかどうか私は存じませんけれども、海幕長が会見の中で言っておりますことは、そのような情報確認したということであります。その中で一か所だけ言い間違いがあったということだと思っております。  今、先生がおっしゃいますように、ミサイルだからミサイルだからというお話です。先ほどの答弁の中で申し上げましたように、ミサイルの中には、弾道ミサイルもある、巡航ミサイルもある、空対地ミサイルもあれば地対艦ミサイルもある、どういうようなミサイルが影響を与えるかということをきちんとお話をした上で、これは御議論いただくべきものだというふうに思っておりますので、申し上げさせていただきました。  御質問趣旨、後段、失礼、質問お答えをいたしますけれども、総理がおっしゃいましたことと私が申し上げておることは、専守防衛、そのことは変わらないということでございます。私が、御党の外交・安全担当大臣ということでしょうか、の衆議院の前原議員の御質問で、それに対しましてお答えをいたしましたのは、我が国専守防衛という方針は変わらない、そしてまた我が国が侵略をするわけでもないということをまず申し上げております。専守防衛ということは変わらないし、我が国が侵略をすることもないということを答弁の中で申し上げております。その上で、昭和三十一年、鳩山総理大臣答弁がございまして、自衛権の範囲である、つまり、ほかに手段がない、その場合に敵基地というものをたたくということは自衛権の範囲であるということをお答えをしております。三十一年、先生御案内のとおりであります。しかしながら、その能力をどうするかということは、我が国としては今合衆国にゆだねておる、それが政府立場であるということも答弁の中で申し上げておるとおりでございます。  つまり、専守防衛というものは変わらないんだということ、それは答弁の中で申し上げておりますし、それを総理もおっしゃったというふうな理解をいたしております。何ら発言が変わったものではございません。
  55. 佐藤道夫君(佐藤道夫)

    佐藤道夫君 もう時間もないんですけれども、敵国の基地攻撃することも検討に値するということをはっきり言っているでしょう。議事録にもそう出ていますよ。基地攻撃するんで、容易ならざることですよ、これ。敵国を攻撃するんですから。我が憲法はそこまで許していないんだという説も、有力な説もありますし、いやそれぐらいいいじゃないかと、向こうはこっちをねらってミサイルを発射しようとしているんだと、先制攻撃的にやっていいじゃないかと、そういう考えもあるでしょう。  いずれにしろ、検討しようということについて、小泉総理は、専守防衛はもうはっきりしているからそんなことは考える余地はないんだということを言っている。その辺のことについて、私が言っているのは難しいことでも何でもない、閣内で十分議論をして、これからはこうしましょうと、今までの方針は変えましょうとか、今までは変えないでこれで行きましょうとか、十分議論した上でその結果を発表してください、それが内閣の方針に従いますと言ったあなたの答弁になるのではないかと、こういうことを言っているわけですよ。思い付きみたいにしてばんばんああいうことを言われると、やっぱり国民も迷惑するだけですよ。  以上です。
  56. 委員長(松村龍二君)(松村龍二)

    委員長松村龍二君) では、時間も過ぎておりますので。
  57. 遠山清彦君(遠山清彦)

    ○遠山清彦君 公明党の遠山でございます。  外務大臣、今日、中心にお聞きしますけれども、あと内閣法制局さんも来ていると思いますが、外務大臣、先週の外遊、御苦労さまでございました。また、先ほど山本委員からもお話ありましたけれどもイラン外務次官とお会いになったということで、私も戦争が始まる直前までイランに三泊四日で行った者としては、是非、イラン米国に悪の枢軸と言われる中で今回のイラクの戦争を見ておりましたので、外務大臣との会見ではイラクの復興に協力するという趣旨お話もあったと報道されておりますけれども、是非、友好国、友好的な関係イランと維持している日本として、中東の安定のためにできることをやっていただきたいということをまず要望させていただきます。  このイラクの戦争でありますけれども、先ほどお話ありましたとおり、米軍が全土を制圧をして終結間近という状況になりまして、復興問題が国際社会の焦点になっているわけでありますけれども、その中で、もう報道されておりますけれども米国国防総省の一部局と言っていいかと思いますけれどもイラク復興人道支援室、よくORHAと英語で略称を使われておりますけれども、ここが復興作業に着手をしているということでございます。  政府の中では、先週ここに、ORHAに日本の要員を派遣できるかどうかということについて少々混乱があったというふうに理解をしております。私自身の基本的な立場は、日本がこの復興ででき得ることは人的貢献も含めて積極的に取り組むべきだというものでございます。  他方、このORHAというのは米国政府の一機関でありまして、その意味でここがアメリカとイギリスを中心とする有志連合の軍事的プレゼンスを背景にしてイラク国内の復興作業を主導すると、あるいは指揮するということになれば、いわゆる占領行政というものに当たるんではないかということが指摘されています。そうなってしまうと、占領行政ということになりますと、大臣御存じのとおり昭和五十五年五月の政府見解で、日本の占領行政に対する参加は自衛権の範囲を超えるということで憲法違反であるという指摘がございます。  まず、大臣、後でお伺いしますけれども内閣法制局にお伺いしますが、この昭和五十五年五月の政府見解で、憲法で禁じる交戦権に占領行政が含まれるというこの解釈は今でも有効ですか。
  58. 政府参考人(宮崎礼壹君)(宮崎礼壹)

    政府参考人宮崎礼壹君) 御指摘のとおり、政府は、昭和五十五年、稲葉誠一衆議院議員の質問主意書に答えます答弁書の中で、交戦権とは交戦国が国際法上有する種々の権利の総称であって、相手国兵力の殺傷及び破棄、相手国の領土の占領、そこにおける占領行政、中立国船舶の臨検、敵性船舶の拿捕等を行うことを含むものであると解しているとの見解を述べております。  この見解は、憲法上許容される自衛権の発動として我が国が行う実力の行使が、憲法九条二項で否認されている交戦権の行使に当たるかどうかという文脈で述べられたものでありますが、政府はその後今日までこの見解を変更したことはございません。
  59. 遠山清彦君(遠山清彦)

    ○遠山清彦君 分かりました。  それで、今度、外務省条約局長、伺いますが、このイラク戦争の後、いわゆる復興作業、この復興作業という、復興支援とよく言われますけれども、これ定義が統一されたものがないと思いますが、私の理解では大体四本ぐらいの柱があると。一つは人道支援、それからもう一つは統治、行政支援ですね、それから治安確保、それから最後が開発、社会資本整備の支援。大体この四本の柱を含んだものを復興支援と総称できるんじゃないかなと私思っていますが、この包括的な復興支援作業を米国政府の機関が主導した場合に、これは条約局長、交戦権に含まれた占領行政とみなされますか、国際法上。
  60. 政府参考人(林景一君)(林景一)

    政府参考人(林景一君) 今、四本柱とおっしゃったわけでございますけれども、私ども必ずしも今どういう形で現在のイラク状況、情勢というものを米国等が掌握し、今後どういう形で、復興と今おっしゃいましたですけれども、復旧、人道復旧、様々な側面あろうかと思いますが、そういうものにどういう形で取り組んでいくのか、そこのところは必ずしも定まってはおらないのではないかなというふうに思いますので、そういう意味におきまして、ちょっと、何といいますか、確定的な法的解釈を申し上げるということは非常に難しいというところがございます。  ただ、非常な一般論としてちょっと申し上げさせていただきますと、先ほど法制局の方から憲法の解釈として交戦権のお話ございましたですけれども、一般国際法上の交戦権ということにつきまして、これは確定的な定義があるわけじゃございませんですが、一般的には、伝統的な戦時国際法におきまして、国家が交戦国として有するその国際法上の諸権利を指すというふうに考えられておりまして、これは先ほどの見解と基本的には同様でございます。  ただ、これはそのとき、自衛権の関係でもさっき補足ございましたけれども、伝統的な戦時国際法の下での諸権利ということでございまして、それでは、現代の国際法におきまして、特に国連憲章の下で戦争というものが一般的に違法化されておるという状況の下で伝統的な意味での交戦権というものがどういう取扱いになるのか、そのままの形で適用されるのかどうかということについては必ずしも明らかではなくて、むしろそのままの形では適用されないのではないかと、全面的にですね、という、もちろん適用されるものもあろうかと思いますけれども、適用、そのままされるということでは必ずしもないのではないかということでございます。  したがって、例えば国際法上、合法的な武力行使か、あるいは違法な武力行使かということが当然区別されるわけでございますけれども、現代の国際法におきましては、その合法的な形での武力の行使が認められる場合におきましても、伝統的な戦時国際法におけます交戦権の行使というものが一般的、包括的に認められるということでは必ずしもございませんで、むしろ紛争当事国は、個別の事例ごとに国際法上の根拠に基づきましてその認める範囲内で従来交戦権の行使として考えられていた措置を行うということが可能であるというふうに把握すべきものではないかというふうに思っております。  それで、済みません、今の、じゃイラク状況というものをどう考えるかということでございますけれども、従来から申し上げておりますとおり、今回のその米軍等によります武力行使というものは、関連の安保理決議に基づいてイラクの武装解除等の義務の実施を担保するということを目的として行われたものでございまして、他方、その目的を担保するに当たりまして、サダム・フセイン政権というものが十二年間にわたって非協力的な姿勢を続け、これを抜本的に改めようとしないということである以上、この政権が実際上イラクの武装解除を妨げているということと断ぜざるを得ないという状況がございました。  このような意味で、そのイラクの武装解除という目的を実効的に達成するために必要な行動が取られて、その結果としてサダム・フセイン政権が言わば事実上崩壊し、その結果としてイラクにおいて言わば権力の空白が生じているというのが今の状況ではないかなというふうに考えております。  そういう状況を……
  61. 遠山清彦君(遠山清彦)

    ○遠山清彦君 条約局長、簡潔に。
  62. 政府参考人(林景一君)(林景一)

    政府参考人(林景一君) 済みません。  こういう状況下では、米軍等はその支配下にある地域の民生や秩序を回復して維持するという義務を国際人道法上有しておりまして、このために必要な措置の一環として暫定的な統治を行うことが認められているということではないかと、そういうふうに考えております。
  63. 遠山清彦君(遠山清彦)

    ○遠山清彦君 なかなか苦しい御答弁ですね。  要するに、私が今聞いたポイントというのは、最後の、条約局長、本当、最後に触れたところですが、いわゆる今回の戦争の正当性聞いているんじゃなくて、要するに占領主体が国連だったら、これは東ティモールでもそうだし、コソボでもそうだし、暫定統治ということで、国連はそもそも交戦権の主体になり得ない、それは集団的安全保障を担保する機関になっているわけですから。そうじゃなくて、米国という一政府機関がやった場合に、これ、占領行政とみなすかどうかという話聞いているので、そこはちょっとあいまいですが、まあいいでしょう。  これに関連して、もうちょっと深く行って二つ聞きます。  一つは、こういうこと、内閣法制局さん、またちょっと聞きますが、これ、我が党の幹事長も含めてなので、与党の幹事長が昨日、文民だったら問題ないんじゃないかというお話があって、つまり、このORHAの作業が軍事力の行使、武力の行使と一体化しなければ問題ないんじゃないかというお話がありますけれども、これ、どうですか。
  64. 政府参考人(宮崎礼壹君)(宮崎礼壹)

    政府参考人宮崎礼壹君) 文民がどのような形で派遣されるかということも多々ございましょうと思います。イラクにおきます戦闘が終結した後の戦後復興がいかなる形態で進められるか等につきまして現時点では明確になっていないわけでありますが、御指摘のように、米国等が引き続き軍隊を駐留させてイラクに対しての復興等を図るために暫定的な統治を行う場合におきまして、我が国がその活動に参画してイラクの復興等を支援することといたしましても、我が国は武力の、このイラクの事態に関しまして武力行使の当事者であったわけではありませんので、そういう意味で基本的には憲法九条との関係で問題が生ずることはないと思います。  今お尋ねのこのような活動に参画するため派遣される、派遣というのはちょっと広い意味で申し上げておりますけれども、派遣される者が一般職の国家公務員、すなわちいわゆる文民であります場合は、我が国が武力の行使を行うという評価を受けることも想定し難いと存じますので、そのような意味からも憲法九条との関係で問題が生ずるということはないと存じます。
  65. 遠山清彦君(遠山清彦)

    ○遠山清彦君 一点、指摘をさせていただきたいと思いますが、ORHA自体が武力行使をしていないとしても、ORHAが一部局として属する米国政府が今回の武力行使の主体の交戦国だったわけですよね。だから、ORHAは一部局として武力行使はしていないかもしれないけれども、それが属する米国政府は軍隊をそこに派遣していてプレゼンスもある中でありますから、私はそこの議論の整理をしっかりしないと、これは法律論的にも将来禍根を残すようなあいまいな政府見解に基づいてやるのはちょっといかがなものかと思っております。  その点だけ、ちょっと指摘をして、次にもう一回、条約局長、戻りますけれども、今、法制局の方からも話ありましたが、いわゆる国際機関であれば余り問題ないわけですね。あの法律、これは報道もされていますけれども、国際機関等に派遣される一般職の国家公務員の処遇等に関する法律に基づいて派遣できると。  どうも茂木外務大臣もこの論法で法的に問題ないんだというお話があるんですが、これは条約局長、そうなるためには、例えば国連安保理決議が採択されて、その決議によって米国のORHAにイラクの復興作業を委託しますというような趣旨の話が国連から出れば、私はもしかしたら先ほど申し上げたとおり国連自体が国際法上の交戦主体になり得ないという意味で、国連のオーソライゼーションを受けたという観点から、五十五年の政府解釈が現在も有効であっても、日本政府の要員、特に文民に関しての派遣は可能になるのかなと思っておりますけれども条約局長、簡潔にいかがですか。
  66. 政府参考人(林景一君)(林景一)

    政府参考人(林景一君) 我が国政府の基本的立場としては、御案内のとおり、大臣のあの五原則というものもございまして、国連の十分な関与を通じて国際協調の下で支援を実施すべきだというのが基本的考え方でございます。  このような国際協調を確保するという観点からは、安保理決議が採択されれば有意義だというふうに申し上げておるわけでございますけれども、他方、それじゃ、今おっしゃいました国際機関が、国際機関であれば非交戦国であることが明白であるから、その国際機関から委託されるという形を取らなければその交戦権との関係というものが疑義が生じるのかということがお尋ねでございますけれども。  そもそも伝統的な戦時国際法という観点で考えたといたしましても、交戦権、これは私は、先ほどそもそもORHAの今の行われる民生回復、治安維持等は必ずしもそういうことではなくて、関連の安保理決議に基づく武力行使の結果取るべき人道的な措置だということを申し上げたわけですけれども、仮に伝統的な戦時国際法における交戦権の在り方ということで考えたといたしましても、この交戦権が、戦時国際法における交戦権というものが非交戦国である例えば我が国によって行使されるということはできないものでございまして、要するに戦闘に参加する国にその交戦権ということが生ずるわけでございまして、武力の行使を行わない我が国はいかなる意味でも交戦国ではございませんので、そういう意味において、交戦権を、我が国が国際法にのっとった米軍等の暫定統治に対して協力するという場合に、そのことによって我が国が伝統的な戦時国際法において交戦国が有するとされておりました諸権利であります交戦権を行使するということには全くならないのではないかというふうに思っております。
  67. 遠山清彦君(遠山清彦)

    ○遠山清彦君 今の局長の御説明はある程度分かるんですけれども、ポイントは、政府昭和五十五年の見解で、交戦権の中に占領行政を含めちゃっているわけですね。だから、もし今回、だから、いや、それは米国が取った行動が国連決議に基づいている、そもそものこの占領行政を生んだ原因である戦争が国連決議に基づいているからという論法が今見え隠れしたお話だったんですけれども、それはそれで分かるんですが、しかし、そのORHAのみの作業に着目した場合、ちょっと今の御説明だと苦しいのかなと。  ですから、もうちょっと時間あるでしょうから議論を整理していただいて、いわゆるこういったケースが今後あるかどうか分かりませんよ、しかし、日本が非交戦国だと、しかし交戦権を持った国が国連のオーソライゼーションなしで仮に行政統治等を含めたいわゆる占領行政とも言っていいような作業をした場合に、そこに非交戦国、日本だけじゃないんですが、含めて、どうかかわるのかというところは、これはもしかしたら国際法の中で新しい事態なので、そういう観点からしっかり、条約局も存続しますし、勉強していただいて研究していただいて、いや、だから私、九・一一のテロのときから言っているんですけれども、今までの国際法で扱えない事態が起こったら、それはそうとしてちゃんと認めて、外務省として検討して、これは今までの従来の国際法の枠では扱えませんよと。それに対して、じゃ、日本政府として、外務省として、条約局としてどういう見解で臨むのかというのをやらないと、今までの国際法、扱えないのに今までの国際法に準拠させようとしちゃうと非常に無理が生ずるんじゃないかなというふうにちょっと私は思っています。  外務大臣、ちょっと今までの議論をお聞きになって、お聞きしますけれども、先ほど条約局長は、まだイラクの情勢が混沌としているので方針決めていないと言っているんですが、今日の今朝の新聞、一紙ですけれども、もう外務省、経済産業省両省の職員を月内にもこのORHAに、総括、エネルギー、公衆衛生の部門に派遣をするんではないか、そういう方針を政府で決めたという話があるわけですが、私がややしつこく議論していて、神学論争を遠山はやっているなと思っているかもしれませんけれども、この辺の基本的なスタンスというか、法的な解釈も含めて、しっかりと整理をされた上でこの要員派遣の問題に対処されるんでしょうか。外務大臣、お願いします。
  68. 国務大臣(川口順子君)(川口順子)

    国務大臣川口順子君) 要員派遣といったときに、どういう形で派遣をするかとか、そこでどういう仕事をするのかとか、いろいろ細かい議論はあると思いますが、基本的に、この問題についての法的な側面、今いろいろ御意見がございましたけれども、それについては、政府としてはきちんと詰めた上で決定をするということです。  ただ、申し上げたいのは、テレビを見ていていただいてもお分かりになると思いますけれども、治安、これは非常に大きな問題があります。私がヨーロッパを回ったときでも、みんな関心事は治安です。それから、水、食糧、医療、医薬品、病院が略奪をされているような状況、そういう状況に一刻も早く何かをしなければいけないという大変なニーズがあります。それで、この問題を、ですから議論議論として必要ですけれども、とにかく何か手を打たなければいけないという側面も同時にあります。  それで、私が回った欧米の、欧米じゃなくて欧州の三つの国、これについて言いますと、治安の問題、これを早速何かすることが必要ですが、これについては、現在、米英軍がいて、これは先ほど条約局長が言ったような論理であるかと思いますけれども、この人たちが治安に対応するということは当然であるということが、フランス、ドイツも含めて、そうみんな考えている、これに疑問を差し挟んでいるところはないということです。  それから人道上の問題、これも現にもう既にやっている。これは日本としても三千万ドルというのを支援しましたけれども、WFPあるいは赤十字、いろいろ動いているわけです。これは、別にORHAがどうであろうと国際社会としてやっている。これについて問題が、こういう活動が問題があると言っている国はどこにもいない。  ですから、やらなきゃいけないことは山ほどあって、それは国際社会としてやらなきゃいけないし、日本としてもそれに対応していくことが必要であるということです。ただ、ORHAについては、先ほど来申し上げているように、これは詰めるべき点を議論をして、その上で決定をすると、そういうことです。
  69. 遠山清彦君(遠山清彦)

    ○遠山清彦君 分かりました。  是非このORHAに関しては議論を詰めていただきたいと思いますが、それで外務大臣外務大臣はフランスのドビルパン外務大臣との会見の中で国連安保理決議の必要性にも言及したというふうに外務省の報告で読んでおりますし、また五原則の中でも、五原則の中では国連の十分な関与という表現がされているわけですけれども、ここで、今国際社会でも一つ争点になっていると思うんですが、先ほど私申し上げたとおり、復興支援というのは、実は私は四本柱を言っています、人道支援とかいろいろ言ったわけですが。  それで、アメリカと、特にアメリカ政府の首脳の発言を聞いていると、国連の関与はありますよと。ありますが、この四本の柱でいうと人道支援に限られていくような感じの示唆を私は個人的に受けていまして、そうすると、日本として、外務大臣として国連安保理決議必要なんだといった場合に、それはこの包括的な復興支援全体に掛かる決議を要求されているのか、それとも人道支援のみに関する国連支援で、あとのほかの治安、治安はまあしようがない、アフガニスタンも多国籍軍やっていますからしようがないにしても、行政統治、ガバナンスの支援とか開発とか社会インフラ整備の支援とか、こっちは国連を関与させるような決議じゃなくてもいいというお考えなのか。  私の言っている趣旨、御理解いただいているかどうか分かりませんけれども、人道支援のみにかかわる国連決議を要求しているのか、全体にかかわる国連決議を要求しているのか、どちらですか。
  70. 国務大臣(川口順子君)(川口順子)

    国務大臣川口順子君) 一言でお答えすれば、そこまで限定をしていない、あるいは限定できる状況にないということだと思います。  何を申し上げているかといいますと、私が言いましたのは、国際社会が早く亀裂を直して傷をいやして協調してイラクの戦後復興に当たる必要がある、人道も含め、ということをするために、早期に合意をしやすい決議、これを追求したらどうだろうかということを言ってみんなの意見を引き出したということにあるわけです。その結果として、いろいろな議論が国際社会にはありまして、何らかの形で、それがバイタルという言葉であったりセントラルという言葉であったり十分なという言葉であったりしますけれども、決議があるということはどこかで必要であろうけれども、具体的に、いつ、どのような問題について、どのような形で決議をやっていくかということについては、これはまだ今後の問題として考えていくべきことである、まだ武力行使も終わっているわけではないのでと。  ちなみに、治安については、もう今既にやっているわけだからそれでやっていけばいいし、人道支援も今の枠組みでやっていけばいいではないかと。問題として生じてくるのは恐らく政府の統治の機構とかそういうことだろうけれども、まだそれは、どういう形でやるかということについては議論が必要だろうと。  ですから、早期に議論を、決議をするということを、イギリスも別にそういうことができればいいという考えを持っています。いろいろな意見が国際社会には今あるということです。
  71. 遠山清彦君(遠山清彦)

    ○遠山清彦君 もう時間になりますので、最後に外務大臣に一言申し上げたいのは、今、外務大臣、早期に合意しやすい国連決議というお話だったんですが、私は、先ほど私が質問させていただいたポイントというのは大きな火種だと思うんですね、正にこの国連決議得るための。  つまり、アメリカ、まあイギリスはちょっと中間なのかなと思っていますけれどもアメリカが、いや、人道支援は国連も大いにやってくださいよと。しかし、行政統治の問題、これイラク人による暫定統治機構作るなんていう話が、今日ですか、ナシリアで会議開くなんて話もありますけれども、ここの部分とか、あるいは開発、社会インフラ、特に石油の油田の問題ありますけれども、この辺で国連は余り関与させませんよという話になってくると、これフランス、ロシア、ドイツは、今までの論調を聞くと、とてもじゃないけれども早期に合意なんという話にならないと。かといって、包括的な国連決議出すという話になると、今度、アメリカが難色示すかもしれないということが専門家に指摘されているということでありますので、難しいとは思いますが。  ヨーロッパを回られた川口大臣、それから小泉総理もこれからゴールデンウイークにヨーロッパ回るということですので、是非この日本立場をフル活用して、ポテンシャルな対立ですけれどもアメリカと残りの国連安保理常任理事国との対立が何とか解消されて、イラクの復興がいい形になるような決議が出るように全力を尽くしていただきたいということを要望させていただいて、私の質問を終わります。
  72. 小泉親司君(小泉親司)

    ○小泉親司君 私は、イラクでのアメリカの大変無法な戦争について幾つ質問をさせていただきたいと思います。  この戦争は、私も繰り返し議論してきましたが、国連の安保理決議もない無法な戦争として始められたことはこれまでの私たちの議論でも明白だと思います。私は、始めたことも無法であれば、現実に行われている戦争も大変無法の限りを尽くしているのではないかと。アメリカは、先ほども議論にありましたが、世界で使用が禁止が求められているクラスター爆弾とか劣化ウラン弾とか非人道的な無差別兵器を使って攻撃して、罪のない子供たちや女性たちを攻撃していると。私、いろいろとイラクの戦争の実態を見てきますと、例えばクラスター爆弾でも、最近米軍は精密誘導の爆弾を使っていると、誘導のクラスター爆弾を使っていると。  この問題、私も川口外務大臣議論してきましたが、私の質問に対して川口外務大臣は、米軍は精密誘導兵器を多用して人的被害を少なくする努力をしているんだというふうに述べられましたが、こういうやはりクラスター爆弾や劣化ウラン弾の使用と、こういうものもこれ人的被害を少なくする努力というふうなことなのか、まずは外務大臣にお尋ねしたいと思います。
  73. 国務大臣(川口順子君)(川口順子)

    国務大臣川口順子君) 米軍が民間人及び相手軍ですね、自国軍はもちろんですけれども、全部、いずれにしてもその死傷者を少なくする、そういう努力をしているということは、私どもはそのように考えております。  それから、クラスター爆弾、それから劣化ウラン弾でございますけれども、クラスター爆弾も劣化ウラン弾も現在、特定通常兵器使用禁止制限条約というのがございますが、それの規制対象になっているわけではないということで、これらが国際法規上、禁止をされているということではないわけです。現に、我が国自衛隊もクラスター爆弾は持っております。ということで、ただ、はっきりしているのは、その使用に当たっては国際人道法を遵守をしなければならないということであるかというふうに考えます。
  74. 小泉親司君(小泉親司)

    ○小泉親司君 クラスター爆弾については先ほども言われましたが、もう御承知のとおりの集束爆弾で、一個の親爆弾から二百二個の子爆弾が出ると。私もこの前、自衛隊の百里基地行ってこのクラスター爆弾を実際に見てまいりましたけれども、こういう大変残虐な兵器を自衛隊も持っておりますが、こういうやはり私は、この国際赤十字も二〇〇一年の十二月に勧告出しまして、人口密集地へのクラスター爆弾を使用すると大変なことになるんだと。  これは、既にイラクの戦争でもユニセフのベルモンテ報道官が、実際にユニセフは人口密集地へのクラスター爆弾の使用を、事実をつかんでいる、これに大変懸念をしている、これらの残虐兵器は既にたくさんの子供の命を奪っていると、それらの使用は終了させる、終わらせるべきだということを大変強く指摘をされておる。  私、現段階で、外務大臣が言っているように、通常兵器禁止条約などで規制は確かにされていない。しかし、これからこのクラスター爆弾などは対人地雷と化す、こういう危険もあるし、通常兵器禁止協定の中でもこの使用を禁止する規制検討中であるということは、これは事実なわけで、そういう点では日本政府がこうした点での私はイニシアをしっかりと発揮をして、こういうクラスター爆弾の使用など、特に無差別の残虐兵器の使用などはやめるべきだと、こういう点を私はアメリカにしっかりと政府として要求すべきだというふうに思いますが、この点、外務大臣、いかがですか。
  75. 国務大臣(川口順子君)(川口順子)

    国務大臣川口順子君) 先ほど申しましたように、クラスター爆弾についての使用の規制はありませんけれども委員が言われたような不発弾、これが残る可能性があるわけですが、これ、その不発弾を含む爆発性戦争残存物の問題について、これは現在、国際社会において、特定通常兵器使用禁止制限条約の枠組みにおいてどうするかという取組がなされております。この取組には、我が国も積極的にこの取組を行っている、この取組に参加をしているわけです。
  76. 小泉親司君(小泉親司)

    ○小泉親司君 いや、そのことは私も知っているから言っているんですが、こういうイラク戦争で現実に使われ、現実に子供たちがこのクラスター爆弾の被害に遭っている、罪のない民間人や女性たちが被害に遭っていると。こういう犠牲の問題については、外務大臣、この点で、このイラク戦争において、特に戦争ということ自体の中でもこうした残虐兵器の使用という問題については、これは禁止すべきだと。  私はこの点、アフガニスタンの戦争の問題でもこの点、強く要求してまいりましたけれども、この点、私は、外務大臣ははっきりさせるべきなんじゃないでしょうか。いかがですか。
  77. 国務大臣(川口順子君)(川口順子)

    国務大臣川口順子君) こうした問題は、その特定の武力行使について、特定の国との間で話をするということではなくて、国際的な社会として取り組んでいくということが重要だと考えております。  先ほど言いましたように、我が国としては、米国に対してはできるだけ戦傷者を少なくするようにやってほしいということはずっと言っておりますし、米国米国が一番そうしたいと思っているという回答をいただいております。
  78. 小泉親司君(小泉親司)

    ○小泉親司君 クラスター爆弾をどういうふうにやはり見るべきかと。私は、この爆弾は大変無差別の非人道的兵器だという認識を私は持っておりますし、この点ではやはり、たとえ戦争であっても、当然、民間人、罪なき民間人を殺傷する可能性が高い極めて残虐兵器なので、こういう使用自体を、やはりきちんと外務大臣が私はアメリカに対して求めるべきだと。特に米英軍に対してこうした爆弾の使用を、求めるべきだということを要求しておきたいというふうに思います。  私は、先ほども議論がありましたが、この無法な戦争が行われている中で、日本政府の今度のイラクへの戦争の支持理由には、大量破壊兵器保有と、この大量破壊兵器テロ組織に渡るんじゃないかということで支持表明をしたと。しかし、その大量兵器がなかなか見付からないと。  外務大臣は先ほどの答弁でも、これから本格的に調べるということでありますけれども、私、この点についてはこの前の委員会で、実際に武力行使大量破壊兵器がなぜ廃棄できるのかということを外務大臣にお尋ねいたしました。  そのときの外務大臣は、武力行使をして、イラク米国を始めほかの国の軍が入って、それからできるだけ早く武装解除をする努力をする必要があると。これは今よりもはるかに容易にできるであろうということを考えていると。それはなぜかというと、恐らくイラクにたくさん廃棄をした証拠があるということでしょうから、もし全部を廃棄しているとしたらば。それから、していなければそれがあるでしょうから、それをできるだけ早く見付けて、その後で廃棄すると、そういうことをするんだと。言わば、簡単にこれできるんだということをあなたはおっしゃっていた。ところが、これ、なかなか大量破壊兵器は見付からないと。  ワシントンポストはアメリカ政府機関の情報として、米軍は三百か所のリストを、疑惑のリストを作っているんだと、そのうち疑惑の高い十か所はもう既に捜索しているんだと、しかしクロということが断定できなかったんだと。外務大臣はこういう情報アメリカから入手されているんですか。
  79. 国務大臣(川口順子君)(川口順子)

    国務大臣川口順子君) 先ほど引用なさった、私の前に申し上げたこと、小泉議員との間でそういうお話をあったということを私は記憶していますけれども、簡単に見付かるというトーンでそういうことを申し上げたつもりは全くない。  国連における査察においてイラクに期待されていたこと、イラクが要求されていたことは、破壊あるいは廃棄、武装解除をした証拠、これを積極的に見せていくということであったわけで、これをイラクが行わなかったということであるわけですね。したがって六八七に違反をしているということが決定され、その後イラクは更なる違反も行ったということであるわけです。  そして、したがって結果的に、実際的にサダム・フセイン政権がある以上はこれが行われないということにつながっていったわけですけれども、新しい政権の下で、そういったイラクの武装廃棄の結果、あるいは持っている大量破壊兵器、これはもうイラクは実際に使ったわけですから、過去において、そういったことがサダム・フセインのときには可能ではなかったけれども、それが出てくる。それから、米軍あるいは国連、どういう形になるかはまだはっきり分かりませんけれども大量破壊兵器について捜索が行われ、その結果として国連の六八七の決議が求めているようなことが可能になると、そういうことを申し上げたわけです。
  80. 小泉親司君(小泉親司)

    ○小泉親司君 これは理屈の問題じゃないんですよ。事実の大量破壊兵器が発見できているのかどうなのか、この点では発見できていないわけですから。アメリカからその情報をどういうふうなことを聞いているのか。  もう既にアメリカやイギリスのマスコミでもこぞって言っているのは、今度の大量破壊兵器は未発見であり、これは発見できない可能性も非常に高いということが指摘をされて、先ほども言っているように、米軍は三百か所の大変、リストを持っているけれども、十か所の疑惑の施設を捜索したけれども見付からなかったと。ですから、こういう情報外務大臣としてはアメリカ側から聞いているのかどうなのかと、ここを私はお聞きしているんです。  これは、あなた方の今度の戦争の支持理由の最大の根拠というのは、大量破壊兵器保有しているということなんだから、それが少なくとも実証されているかどうかというのは、支持表明した以上、今の局面に合わせて、大量破壊兵器は一体どういうふうな現状になっているのかというのを、アメリカに少しでも情報があってしかるべきなんじゃないですか。そういう情報をあなた方は聞かれているんですか。
  81. 国務大臣(川口順子君)(川口順子)

    国務大臣川口順子君) 前に別な委員の方の御質問お答えをいたしましたけれども、これについては、武力行使がほぼ最終的な局面に来て、今後そういった問題について対応していくと、そういう段階であるということであります。
  82. 小泉親司君(小泉親司)

    ○小泉親司君 ということは、アメリカからは何も聞いていないということなんですね。
  83. 国務大臣(川口順子君)(川口順子)

    国務大臣川口順子君) 先ほど私が述べたとおりです。
  84. 小泉親司君(小泉親司)

    ○小泉親司君 例えばラムズフェルドはこの前の記者会見で、大量破壊兵器はどこにあるか知っている、ティクリートかバグダッドか、まあ東西南北のどこかだと、こう言っているんですよ。実際にアメリカ政府はこう言って、言わば、言わばすぐにでも見付かるような話ししてる、こういう情報もあなた方は、こういうことについてもアメリカからは聞いていないんですか。これは大変おかしいと思いますよ。
  85. 国務大臣(川口順子君)(川口順子)

    国務大臣川口順子君) 今までに、武力行使に至るまでの間に国連において、イラクが過去に実際に大量破壊兵器を使った、そして幾つかの、引き続き持っているのではないかという懸念、そういうことが言われ、イラクの側において、国連決議があるにもかかわらず、そして防衛、防衛といいますか武力の圧力があるにもかかわらず、それについての懸念を晴らしてこなかったという現実があったわけですね。そういう、自国民まで、に対してまで大量破壊兵器を使ったというイラクでありまして、国際社会がイラクにおいて大量破壊兵器があるだろうということについて十分な懸念を持っている、このイラクはこれを晴らさなかったということであります。  こういったこれまでのフセイン政権の対応にかんがみ、これはアメリカもイギリスも想定し難い、そこに大量破壊兵器がないということは想定し難いということを言っているということは、十分にテレビ等で皆さんも、委員もごらんいただいているとおりです。
  86. 小泉親司君(小泉親司)

    ○小泉親司君 いや、あなたは何かというと大量破壊兵器イラクは使ったんだ、だから疑惑なんだと。先ほども議論ありましたけれども、実際に今一番問題になっているのは、現にイラク大量破壊兵器保有しているかどうかと、ここが一番大きなポイントなわけで、その点について、例えばあなた方、あなたは先ほども情況証拠だとおっしゃった。例えば、朝日の従軍記者のレポートなど大変生々しいんだけれども、例えばガスマスクがたくさん千個ぐらい落ちていたと、これは正に持っている証拠だと言うけれども、そんなこと言っていたら自衛隊だってガスマスクたくさん持っているわけで、そんな議論は私は情況証拠としては成り立たないもので、現実に、(発言する者あり)それは、自衛隊だって持っているんですよ、だから、そんな情況証拠で私は大量破壊兵器保有云々かんぬんを議論できないと思うんですよ。  現実にその問題についてアメリカで、アメリカからどういう情報を聞いているんですか。全く聞いていないんですか、それともこういう情報については米英軍から具体的な話があるんだということなんですか。どっちなんですか、はっきりさせてください。
  87. 国務大臣(川口順子君)(川口順子)

    国務大臣川口順子君) 大量破壊兵器の具体的な存在場所、あるいはどういうところ、どういう形で存在しているか、何があるかというようなことについて具体的にいろいろな情報アメリカは既に公開をしているわけです。  我々としては、これについては正に、さっき別な委員に申しましたように、武力行使の段階が最終的な局面になってようやく大量破壊兵器、これの本格的な捜索を行う、そういう段階になった、実施を行う状況ができたというふうに承知をしています。
  88. 小泉親司君(小泉親司)

    ○小泉親司君 例えば、ラムズフェルド国防長官は四月一日の会見では、サダム・フセイン政権が生き残る形での戦争終結はあり得ないと、米英軍が協議すればイラクの無条件降伏だけだというと。四月九日の会見では、サダム・フセイン政権が地方の隅々から除去されるまでやめないと。ウォルフォウィッツ国防副長官になりますと、イラク大量破壊兵器が発見されないという批判に対して、今の目標はイラクの支配の獲得にあるんだと。最近では、クラーク国防省副報道官も、大量破壊兵器の発見は二次的目標なんだと。  つまり、今度の戦争はこの大量破壊兵器の問題じゃないんだ、イラクの支配権の確保なんだと、こういうやはり政府見解なんですか。
  89. 国務大臣(川口順子君)(川口順子)

    国務大臣川口順子君) ちょっと一番最後のところがよく聞き取れなかったんですが、大量破壊兵器の廃棄ということが、我が国がこの武力行使を支持をした最大の一番大きなポイントであります。
  90. 小泉親司君(小泉親司)

    ○小泉親司君 いや、そんなこと分かっている。分かっている話じゃないですか。だから私はそのことを指摘して、アメリカ政府は実際には、大量破壊兵器は見付かるかどうかというより、今一番肝心なのはイラクに対してアメリカの支配権を確保することなんだということだけを言っている、イラク大量破壊兵器の発見の問題は二次的な目標なんだと。ということは、この点については日本政府もそういうふうな見解なんですかということをお聞きしているんです。
  91. 国務大臣(川口順子君)(川口順子)

    国務大臣川口順子君) 武力行使に至る前あるいはその最中において様々な発言米国の高官からなされたという報道がございます。今、委員がおっしゃった様々なこと、報道されていることであると思いますけれども米国において、大量破壊兵器を廃棄するということについては、正にそれを不可能にしているということがサダム政権の存在であったという意味で、実際的に大量破壊兵器の廃棄をすることとサダム政権をなくすということが重なってきているという認識を持っているということだと思います。そして、九・一一等の経験にかんがみれば、アメリカ国民をそういった将来の潜在的な脅威から守るべきであるという考え方がその背景にあるということであったかと思います。  それで、ということでありまして、様々いろいろな方がいろいろなところでコメントをしたという報道がなされているわけですが、それの一つ一つについて私の口からそれにコメントをするということは申し上げないということです。
  92. 小泉親司君(小泉親司)

    ○小泉親司君 先ほども紹介しましたけれども米英のマスコミは、大量破壊兵器はどこにあるのかと、アメリカは一万四千か所を目標にした、大量破壊兵器はどこにあるのかという、言わば、これはイギリスのインディペンデンスの記事ですが、こういう特集組んで、現在では、大量破壊兵器の捜索は戦争が終了した後に期待できるもので、外務大臣と同じですな、重要な結果を得るには数か月掛かるものだと言われるようになった、それなら査察をやった方がいい、哀れなクラーク国防省報道官は、これは困難な仕事だというふうに述べたと。また、ワシントンで匿名のアメリカ政府筋から売り込まれている最新の理屈は、イラク大量破壊兵器を国外に持ち出した、可能性が高いのはシリアだというふうに言っていると。これは私は、非常に的を得ていると言うとなんですが、大量破壊兵器が見付からないと、その理屈をアメリカ政府が様々にこじつけて何とかこれを乗り切ろうということをしていると。  私、この点は大変、日本政府としても大量破壊兵器が、保有しているということが最大の理由だったわけで、これが見付からないとなりますと、日本政府が一体、この支持表明どうなるのか、どういう責任がこれ問われるのか、この点について私は重大だというふうに思います。その点、外務大臣、いかがですか。
  93. 国務大臣(川口順子君)(川口順子)

    国務大臣川口順子君) 先ほど来申し上げていますように、これから武力行使が最終的な局面になって、これから本格的に捜索の実施が始まるということであると思います。現にイラクの国土、一・二倍あるわけですから、それならば、あるわけですから、それだけの期間が掛かるということになるだろうというふうに私も思いますし、いずれにしても、今度の軍事行動の結果、疑惑が解明をされて大量破壊兵器の廃棄が実効的に達成をされるということになると考えております。
  94. 小泉親司君(小泉親司)

    ○小泉親司君 だんだん怪しげな話に私はなってきたと思いますが、問題は大量破壊兵器をなくすという私は大義を示さないということになれば、当然やはり戦争が、即時中止を求めるべきだというふうに思います。  ただ、先ほどもお話ししましたように、今度の戦争は始めたことも私、無法だと思うんですが、戦争の中身も無法だと。私は、戦争がどんな形で終わろうとも、この無法な戦争という事実は私は消えないと思います。  そこで、ちょっと今戦後復興の問題が議論になっておりますが、もう戦争をやっておいて戦後復興というのも非常に理屈としては話が合わない理屈だと思いますが、私、その戦後復興への日本の参加問題が今議論になっていますけれども、私一番初めに、何といいますか、はっきりさせておきたいのは、米英軍の軍事占領の国際法上の根拠は一体どこにあるのかと。  米英首脳会談での共同声明は、米英イラクが、イラク国民が必要とする間イラクにとどまると、事実上の占領する、占領を続けると、軍事占領を続けるということを表明しているわけですが、これ政府の今までの説明ですと、今度の戦争というのは国連決議の一四四一、六七八、六八七とかいろいろ言っていますけれども、じゃ今度のこの軍事占領を容認する根拠というのは一体どこにあるんですか。先ほど条約局長は戦時国際法だと言ったけれども、そんなもので今度の問題について、これを私は軍事占領を認められるという国際法上の根拠は私はないと思いますが、外務大臣、いかがですか。
  95. 国務大臣(川口順子君)(川口順子)

    国務大臣川口順子君) 直接にお答えする前に一言申し上げておきたいのは、この武力行使がやむを得ない状況になった、これはひとえにサダム・フセインが決議にこたえるということをしなかった、ここに問題があったからであるということだということをはっきり申し上げておきたいと思います。  それから、御質問の占領の根拠ということでございますけれども、これは現在のイラクにおいて武力行使、国連安保理の決議に基づく武力行使の結果、権力の空白が生じているということである、したがって米軍あるいは英軍はこの地域の秩序を回復、維持する義務がありまして、この義務を果たすために必要な措置として国際法に従って今いるということであると思います。
  96. 小泉親司君(小泉親司)

    ○小泉親司君 全然国際法上の根拠は示しておらないと思います。  権力の空白ができるといったって、あなた方は武力攻撃やったんですよ。武力攻撃やってその政権倒したんだから権力の空白があるのは当たり前なんだけれども、実際に国際法上の軍事占領をできると、米英軍ができるという国際法上の根拠はどこなんですか。この戦争は、あなた方の論理でいっても、私たちは一四四一とか六七八とか一連の国連決議では今度のアメリカの戦争は肯定できないというふうに思いますが、もしあなた方のこの論拠でいったとしても、大量破壊兵器が発見され廃棄をされたという時点になれば、この点についてはアメリカ軍は撤退しなくちゃいけない、米英軍は撤退するという形になるわけですね。そうすると、その政権を、当然のこととして、これ極めて限定されるにもかかわらず、実際に米英軍が事実上こういう形で共同声明でずっと居座るという国際法上の根拠、国連憲章上の根拠、こういうものは一体どこにあるんですか。
  97. 国務大臣(川口順子君)(川口順子)

    国務大臣川口順子君) 今、委員がおっしゃっているずっと居座るかどうか、これらのことは今後どのように事態が動くかということによって、今はっきりまだ見えていない世界のことですから、そういう意味では仮定に基づいての議論をしているわけですけれども、先ほど申し上げたように、イラクにおいて言わば権力の空白が生ずるということになっているわけでして、このような状況下において米軍等が占領地域の秩序を回復して維持をする義務を持っている、このために必要な措置の一環として暫定的に占領行政を行うことは認められると我が国としては考えております。
  98. 小泉親司君(小泉親司)

    ○小泉親司君 だって、あなた方がやった目標というのは大量破壊兵器の廃棄なんでしょう。何でそれが軍事占領できるんですか。だから、そこの明確な根拠を示してくださいよ。あなたは今言っているのは全然、軍事占領できる、いや長期だとか短期だとか、そういう話しているんじゃないですよ、私は。米英軍が単独で軍事占領できる国際法上の根拠というのはどこにあるんですか、安保理決議などがあるんですか、あなた方言っている論拠でいったらどういうふうに整合付けるんですか、これ。
  99. 国務大臣(川口順子君)(川口順子)

    国務大臣川口順子君) ということでしたら初めからきちんと丁寧に申し上げますけれども、今般の米軍による武力行使、米軍等による武力行使ですけれども、これは安保理の決議六七八、六八七、一四四一、これを含む関連安保理決議に基づいてイラクの武装解除等の義務の実施を担保するということを目的としているわけです。サダム・フセイン独裁政権が十二年間にわたる非協力的な姿勢を抜本的に改めようとしない以上、サダム・フセイン政権が実際上イラクの武装解除を妨げていると断ぜざるを得ないということです。  このような意味において、イラクの武装解除という目的を実効的に達成するための必要な行動が取られた結果、サダム・フセイン政権が崩壊をしてイラクにおいて言わば権力の空白ができたということになりました。このような状況の下で、米軍等は占領地域の秩序を回復して維持する義務を有していて、このために必要な措置の一環として暫定的に占領行政を行うことが認められるというふうに考えております。
  100. 委員長(松村龍二君)(松村龍二)

    委員長松村龍二君) もう時間もございませんが。
  101. 小泉親司君(小泉親司)

    ○小泉親司君 はい、一言だけ。  私は、始めたことも無法だと言ったけれども、やっているものも無法、最後も、これ戦争終結が一体どういうふうになるのか、これもやはり無法なやり方だと私は思いますので、直ちにこれは米英軍はもう戦争をやめて直ちに撤退すべきだということを強く要求をして、私の質問を終わります。
  102. 田村秀昭君(田村秀昭)

    ○田村秀昭君 外務大臣にお尋ねをいたします。  まず、我が国は、このイラクの戦争が始まったときに米国を支持、すぐ支持したわけです。ですから、これはいいとか悪いとかいろんな議論がありますけれども内閣総理大臣米国を支持すると。これはやっぱり日米関係を重要視したからだと私は思うんですが、そういう選択をした。だから、余りふらふらしないで、政策をきちっと決めたらば、国連だとかなんとか、そういうことを言わないで、言うから、日本という国は何という国だと、信頼できなくなるわけですよ。だから、外務大臣がロンドンに行っても余り相手にされない結果になる。だから、きちっと決めたら、それで行けばいいんです。  それがいいか悪いかは、悪いと言っている人もたくさんいるんだけれども、それは今の、時の政府が決めたんだから、それでしようがないといえばしようがないけれども、そういうふうに米国を支持すると小泉さんは言ったわけですよ。それで、非常にアメリカも喜んだ。だけれども、支持すると言ったきり何もしない。一体何だと。支持するならちゃんと支持するようなことをしろよと。それもしない。前から行っている海上自衛隊の補給艦がガソリンをインド洋で入れている程度の話で、新しいことは何にもしていない。  それで、今度はイラクの復興問題などで、G7だかG8だか知らないけれども、わざわざ財務大臣が行って、国連の決議を経てやろうなんと言っている。どうして、アメリカとイギリスを支持したのに国連なんですか、そこのところへ来て。アメリカとイギリスの枠組みで復興すると言えばいいじゃないですか。そこだけ何か国連みたいな、言えば、ちょうど幣原内閣のときと同じですよ。日英同盟を破棄しておいて、破棄したから日本は負けたんだから、あれをずっとやっていれば。  それで、国際協調とか国際連盟とかというと、何となくそれがいいように思う。国連なんか、日本の国守ってくれませんよ。だれが守っているんだということをよく考えたら一番分かる。国連にいつか我々は守られたことはありますか。一つもないじゃないですか。国連が行くのは、こういうイラクみたいな、もう政府がなくなったときに国連が行くというのが一般的に国際社会で認められているけれども我が国は、国際連合が我が国を守るということは絶対ない。今までもかつてなかったし、これからもないと思う。  なぜ戦後復興もアメリカとイギリスの枠組みの中でやるときちっと言わないんですか。何かふらふらふらふらいろいろなことをそのとき調子良く言うものだから日本というのは信頼されない国になってしまうと私は思いますけれども外務大臣、いかがですか。
  103. 国務大臣(川口順子君)(川口順子)

    国務大臣川口順子君) 委員の御高見は御高見として承らせていただきましたし、あるいは時間が許せばもっとお伺いしたいというふうに思いますけれども、国際協調の必要性というのは、これは大量破壊兵器の問題一つ取っても、あるいは中東の平和と安定に大きな影響を与えるイラクの復興をやっていくためにはやはり国際社会が協調して行うということが大事であるということであるわけですから、我が国として国際協調をまた再構築をするということが必要だということを働き掛けたということでして、我が国としてイラクの問題に関連をして決めたことをまた変えたとかぐらぐらしているということは全くないということは申し上げたいと思います。  もう非常に単純に、費用の点で考えれば、これはイラクの復興に相当お金が掛かる。これは国際協調によって、国際社会として負担をしてやっていくべきものであるというふうに考えます。
  104. 田村秀昭君(田村秀昭)

    ○田村秀昭君 私は、こういう戦争を支持した限り、以上、支持した上では、我が国の取るべき方向は戦後復興についても米国主導による復興事業に積極的に支持、汗を流し、金も出すべきだ、こういうふうに私は思っておりますので、国の政策なりスタンスというのをふらふらさせないで、きちっと決めたことをおやりになることがその国の信頼をかち得る方向だと私は思いますので、それだけ申し上げて、質問を終わります。
  105. 大田昌秀君(大田昌秀)

    ○大田昌秀君 これは質問通告していないので大変恐縮ですが、我が政府アメリカの対イラク戦争に関連することと考えますので伺います。  一九九五年にマクナマラ元国防長官が「マクナマラ回顧録 ベトナムの悲劇と教訓」という本を出しております。これは二年後に日本の訳書も出ておりますが、外務大臣はこの書を読んだことがございますでしょうか。
  106. 国務大臣(川口順子君)(川口順子)

    国務大臣川口順子君) マクナマラ長官はかつて私の上司だったことがありますけれども、この著書については読んだことはございません。
  107. 大田昌秀君(大田昌秀)

    ○大田昌秀君 沖縄に関する特別行動委員会、すなわちSACOが設置される直接のきっかけとなった凶悪な犯罪を犯した三人の米兵はその後どうなっているのでしょうか。なお、被害者への対応はどうなっているのでしょうか。防衛施設庁にお伺いいたします。外務省でも結構ですけれども
  108. 政府参考人(冨永洋君)(冨永洋)

    政府参考人冨永洋君) 米軍人等によります公務外の事件、事故につきましては、原則としまして加害者本人が賠償責任を負うということで、当事者間の示談により解決することになります。  しかしながら、加害者が資力がないといったような場合など、示談による解決が困難というような場合には、地位協定の十八条六項の規定によりまして米国政府が補償金額を決定し、被害者の同意を得た上で支払うということになっております。その際に、防衛施設庁としましては、被害者から補償請求を受けましてその内容を審査した結果を米国政府に送付しているということでございます。  御質問の件につきましては、この十八条六項に基づきまして被害者に補償金が支払われているということでございます。
  109. 大田昌秀君(大田昌秀)

    ○大田昌秀君 もう一度お伺いします。  犯罪を犯したその三人の米兵はその後どうなっているんですか。
  110. 政府参考人(海老原紳君)(海老原紳)

    政府参考人海老原紳君) 今お尋ねの三名につきましては、一名につきまして懲役六年六か月、二名につきまして懲役七年の判決が昭和、八年に下されて、それぞれ服役をしていたということは御案内のとおりでございますけれども、いずれも、三名とも服役を終えまして、米軍によりますれば、これらの三名は米国に帰国させられた後、米軍より除隊させられたというふうに聞いております。
  111. 大田昌秀君(大田昌秀)

    ○大田昌秀君 政府は常々、SACOの最終報告を忠実に実行することが沖縄の基地の整理、縮小につながるということをおっしゃっておられます。  SACOの合意から去る四月十二日で丸七年がたちました。SACOの最終報告は、米軍普天間飛行場の返還の時期は五年ないし七年となっていますが、現状はどうなっていますか。この返還の遅れについて、沖縄県民に対してどのように説明されていますか。また、今後の返還の見通しについて、外務大臣はどのように認識されておりますか。
  112. 国務大臣(川口順子君)(川口順子)

    国務大臣川口順子君) 取りあえず、まず現状について北米局長から御説明を申し上げます。
  113. 政府参考人(海老原紳君)(海老原紳)

    政府参考人海老原紳君) それでは、私の方から現状について、それから今、先生から元々五年、七年という話がございましたので、その経緯につきまして簡単に御答弁を申し上げますけれども平成八年四月十二日の橋本総理とモンデール大使との間で五年から七年の間に普天間飛行場が全面返還されることが合意されたという事実でございます。その後、SACO最終報告が取りまとめられたということでございますけれども、その後、当初の海上へリポート案がとんざするというような経緯もありまして、平成十一年になりまして、稲嶺知事による移設候補地の表明、岸本名護市長による受入れ表明等を受けまして、平成十一年の閣議決定に従って、現在、その代替施設の建設に向けて、地元の御理解も得ながら進められているということでございます。
  114. 大田昌秀君(大田昌秀)

    ○大田昌秀君 普天間飛行場の返還の見通しについてはどのように認識されておられますか。
  115. 国務大臣(川口順子君)(川口順子)

    国務大臣川口順子君) この普天間飛行場は、町の中にあって、びっしり市街地に囲まれたところであるわけです。それで、政府としては一日も早く周辺の住民の方の不安、これを解消する必要があると考えております。  引き続き、沖縄県等の地元地方公共団体と十分に協議を行いまして、普天間飛行場の移設、返還の問題に全力で取り組んでいきたいと考えております。
  116. 大田昌秀君(大田昌秀)

    ○大田昌秀君 あらましで結構ですが、大体返還までどのくらいの年数がたつとお考えですか。
  117. 政府参考人(海老原紳君)(海老原紳)

    政府参考人海老原紳君) これにつきましては防衛施設庁の方から御答弁いただいた方がいいと思うんですけれども、我々としては、いずれにしろ何年というようなことではなくて、これから環境アセスをなるべく早く始めて、その後に具体的な代替施設の設置場所というようなことを決めて建設に取り掛かるということで、なるべく早く進めたいというふうに考えております。
  118. 大田昌秀君(大田昌秀)

    ○大田昌秀君 今、外務大臣が、地元とよく協議をしてという趣旨お話がございましたけれども、去る四月九日付けの沖縄地元紙は、那覇防衛施設局が八日、普天間飛行場代替施設の建設予定地の海底地形測量調査に着手したと報じています。しかし、建設予定地の環境影響調査は今年の夏から実施する予定になっているはずです。その調査も完了しないのに、建設に向けた測量調査を先にするのは問題になっております。  今回の調査は名護市議会には説明もなかったとして、先日四月十四日に名護市議会は、事前通知がなかったことに抗議し、調査に当たっては環境の影響を監視する仕組み作りを求めた意見書を全会一致で可決しておりますが、この点はどうしてこのような事態になったのですか。
  119. 政府参考人(生澤守君)(生澤守)

    政府参考人(生澤守君) お答えいたします。  当庁といたしましては、昨年七月二十九日に決定しました普天間飛行場代替施設の基本計画に従いまして、環境影響評価、護岸構造の検討等を含め、基本計画の着実な実施に取り組むこととしております。  現地技術調査につきましては、代替施設の護岸構造の検討に必要な地形、海象、気象及び地質のデータを収集するために実施するためのものであり、そのデータは環境影響評価等にも活用するものと考えております。また、調査に当たりましては、地域住民の生活環境及び自然環境に十分配慮しながら進めてまいりたいと考えているところでございます。  現地技術調査の実施につきましては、本年一月二十二日に契約手続を開始すると公表しており、また一月二十八日、政府、沖縄県及び地元地方公共団体の代表が参画した代替施設建設協議会においては、四月初旬から現地における地形調査を開始する予定である旨を含め説明し、防衛庁において地元地方公共団体等による地元説明等に協力しつつ本調査を進めることとされたところでございます。その後、名護市からの要請による市の地元説明会におきまして現地技術調査について日程を含めてより詳細な説明を行うなど、地元地方公共団体と相互に協力しつつ、地元説明を行ってきたところでございます。  このように、地元説明を行い、作業の準備も整ったことから、四月八日、現地における地形調査に着手したものでございます。
  120. 大田昌秀君(大田昌秀)

    ○大田昌秀君 名護市議会が全会一致で意見書を採択したというのはなぜですか。
  121. 政府参考人(生澤守君)(生澤守)

    政府参考人(生澤守君) ちょっとここはよく分からないですが、名護市市議会の方々に対しましては、市当局の要請に応じまして四月七日に現地技術調査説明を行い、また現地における地形調査の開始日につきましても市当局にお知らせしたと承知しております。  当庁といたしましても、名護市市議会議員の方々に適切な情報が伝わることは重要と考えておりまして、今後とも、那覇防衛施設局におきまして、名護市当局とよく相談し、適切な対応に努めてまいりたいと考えております。
  122. 大田昌秀君(大田昌秀)

    ○大田昌秀君 沖縄県と名護市側は、十五年使用期限問題の解決なしには代替施設の着工はあり得ないと繰り返し表明しています。しかし、今日に至るまで、十五年使用期限問題はまだ決着が付いておりません。県や名護市の意思を無視して工事の着工を強行なさるおつもりですか。川口外務大臣石破防衛庁長官からお願いします。
  123. 国務大臣(川口順子君)(川口順子)

    国務大臣川口順子君) この点につきましては、名護市長それから沖縄県知事からお話はきちんと伺っております。政府といたしましては、代替施設の問題については、平成十一年末の閣議決定及び昨年七月の基本計画に基づきまして、引き続き、地元の公共団体の方々とお話を、協議を十分に申し上げながら、着実な実施に取り組んでまいりたいというふうに思っております。
  124. 国務大臣(石破茂君)(石破茂)

    国務大臣石破茂君) ただいま外務大臣から答弁があったとおりでありますが、強行とかそのようなことは一切考えておりません。よく地元とも協議をし、調整をしながら進めていくべきものというふうに考えておるところでございます。
  125. 大田昌秀君(大田昌秀)

    ○大田昌秀君 一つだけ防衛庁長官にお伺いします。  イラクの戦後の復興に当たって自衛隊の派遣を検討なさっておりますか。
  126. 国務大臣(石破茂君)(石破茂)

    国務大臣石破茂君) 今日もいろんな議論が当委員会でもございましたが、どういう形で終わるのかということもまだ明確ではありません。そして復興がどういう形で行われるか、その点もまだ明確ではございません。  私どもといたしましては、どういう形で終わるのか、そういうことをきちんと見極めながら、そして現行法でできること、そしてできないこと、いろんなことがあろうかと思います。いずれにいたしましても、どういう形で終わるかということをよく見ながら、検討はいたしますが、現段階において自衛隊を派遣するというようなことを具体的に行っておるわけではございません。
  127. 大田昌秀君(大田昌秀)

    ○大田昌秀君 最後の質問になりますが、財務省、おいででございますか。  沖縄科学技術大学院大学、これは仮称でございますけれども、これが建設されるということで、その位置も決定して、県民は非常に喜んでおります。ただ、建設費に八百億の金が要るし、それから年間の運営費に二百億ということが言われておりまして、しかもその運営は民間がやるということでございますが、この建設の問題について、財務省では納得しておられるわけですか。
  128. 政府参考人(勝栄二郎君)(勝栄二郎)

    政府参考人(勝栄二郎君) お尋ねの沖縄新大学院大学の設立構想につきましては、平成十五年度の予算におきまして新規に十四億二千万円を計上いたしたところでございます。ただ、この本構想につきましては、まだ、今後具体的な事業計画とかその中長期的な採算性等を、検討が進められる段階にまだあるというふうに伺っております。  財務省としましては、本件に関しましては、幾つかこれから議論しなければならない点があると思っています。  例えば、一つは、欧米から日本にノーベル賞級の教授陣やスタッフが多数集まって在住してもらえるかどうかというような実現可能性の点が一つございます。もう一つは、世界最高水準と言われる大学院大学の構想を具体化する場合に当たりましては、文部科学省とも相当連携を進める必要があると思っています。三点目は、現下の厳しい財政上の下では、既存の沖縄振興策との優先度合い、それをどう考えるかと、それを十分に吟味する必要があると思っています。  そういう点を含めて、今後きちんと細部を積み上げて検討してまいりたいと思っています。
  129. 大田昌秀君(大田昌秀)

    ○大田昌秀君 最後の短い質問です。  新たな立法措置が必要だという議論も始まっておりますが、新たな立法、この大学院大学を作るためには新たな立法措置も必要だと言われておるんですが、この点はいかがでございますか。どなたでも結構ですので。
  130. 政府参考人(武田宗高君)(武田宗高)

    政府参考人武田宗高君) 沖縄科学技術大学院大学に関しましては、今後、フリードマンMIT教授を議長とします評議会を中心に全体計画あるいは基本計画の策定を進めてまいるつもりでございますけれども、その中で、その運営とか組織とか、そういったものについて具体的なものが明らかになってくると。そのそれぞれの段階におきまして、例えば国内のいろいろな法令あるいは通達等の規制等、よく照合しながら、どういった措置が必要になるのか、その点も含めて検討してまいりたいというふうに考えておるところでございます。
  131. 大田昌秀君(大田昌秀)

    ○大田昌秀君 ありがとうございました。  終わります。
  132. 委員長(松村龍二君)(松村龍二)

    委員長松村龍二君) 本日の質疑はこの程度にとどめ、本日はこれにて散会いたします。    午後零時五十二分散会