○石毛
分科員 ですから、申し上げましたように、
方式自体を外形的に理解すれば、合理性があるように聞こえますという表現はいささか過ぎる、過激かもしれませんけれ
ども、実際、住宅公団の賃貸住宅の住まいと比較考量に本当にたえ得るというような証明というのは、し得るか、し得ないかというのを実証を抜きにすれば水かけ論になるということは私もわかりますけれ
ども、ただ、多摩のいろいろな町の団地の実態を見ましても、そこの近傍に比較考量に該当するような民間住宅、特に築後何年というようなことでいいますと、実態的にはそういう民間住宅というのはなかなか見
当たりにくいのではないか。そうしますと、そこに何らかの理論的な操作がされているんだろうというふうに思うわけです。
その理論的な操作が適切であるのかどうかにつきまして、情報公開をされて、そして
住民の方が納得し得るようなところまでいっているのかどうかという、確かに、いただきました資料で、センターで
調査結果の最後のアウトプットについてはされているんだと思いますけれ
ども、そういうふうに思います。
時間の
関係がございますので、この点はこれからもっと詰めさせていただきたいと思いますけれ
ども、どうもこの近傍同種の住宅の家賃との比較というところは、やはりもっと考え直すべき中身があるのではないかということだけを御
指摘させていただきたいと思います。
もう一点、この家賃の決定ということに関しまして、私は、先ほどこの中で「
経済事情の変動等」の中身につきまして
お尋ねいたしました。
これはどうやら家賃の物価指数を勘案しているということでございますけれ
ども、私は、結論的に申しますと、そこに入居している方の
経済力、家賃の
負担能力ということもぜひとも勘案条件の中に加えていただきたい。実際的には加わっている部分が全くないというふうには言えないと思いますけれ
ども、もっと積極的に加えていただきたいということをこれから少し申し上げさせていただきたいと思います。
私の手元に、
東京多摩公団住宅自治会協議会が昨年の九月時点での団地の家賃ですとか居住
環境につきましてのアンケートをされました、その結果がございます。恐らく、
整備公団の方もお持ちでいらっしゃると思います。
これを拝見しますと、住宅公団が大量に日本の社会、特に
大都市部で
建築されましたのは、何しろ昭和暦でいいますと三十年代から四十年代、五十年代ということですから、この
東京多摩
地域での三十五団地の
調査結果ですけれ
ども、現在お住まいになっていらっしゃる方は大変もう高齢化が進んでおりまして、世帯主ですけれ
ども、六十歳以上の方で五三・一%ということで、半数以上が六十歳以上。六十五歳以上の方で三七・五%、こういう実情。
それから、これは今度は世帯の収入ですけれ
ども、世帯の収入でいきますと、年額四百六十九万円未満が五九・五%、六割が四百六十九万円未満ということで、これは、ほぼ、
公営住宅の入居の所得制限と同じラインで収入を比較考量しますと、それより下の方が既に六割ぐらい入っていらっしゃる、こういう実情ですよね。
ですから、一方で、日本の住宅政策の中で、
公営住宅法に基づきまして
公営住宅の供給が法定されているということですから、住宅政策全体とすれば、一〇〇%日本の住宅政策は民間持ち家制度あるいは民間賃貸住宅制度で動いているわけではない、
実施されているわけではない、やはり厳然と住宅政策の一翼に
公営住宅というのが位置づいていて、
公営住宅法が現に
機能している。今、住宅供給はなかなか難しい実情はあるにしても、
機能している。そこと、
経済力からいえば実質的に同等の方が、公団住宅居住者のほぼ六割に近い方がいらっしゃる。
そうしますと、その方たちがどれだけの
負担ができるのか、あるいは
負担をしていただくべきなのかということをもっと綿密に詰めていって、市場家賃をと言いつつも、市場家賃を基準にですから、やはり公団住宅の家賃は政策家賃の部分があるわけですから、その政策性の中で
負担力ということにつきましてもっと勘案すべきだというふうに私は申し上げたいのですけれ
ども、いかがでございましょうか。
ちなみに、もう時間がだんだんなくなって、最後に
大臣に
お尋ねしたいんですけれ
ども、いただきましたこの資料で、七十五万戸中、今回の値上げになる方、二十三万戸。その値上げ額は、確かに勘案していますから、市場家賃は五万四千五百円で、値上げは五万五百円にとどめますという御説明になるんですけれ
ども、これで計算しましても、総収入に占める家賃割合は約二〇%です。ですから、消費支出に占める割合は恐らく二五%を超えることになるだろうと思いますし、私の友人は実に総収入の二九・七%、三割が家賃で占められている。もしこれが高優賃、省略してしまいますけれ
ども、高優賃に移動できるんだったらば、その
負担は恐らく二七%ぐらいに下がるんだろうけれ
ども、なかなかそれも実現できないというふうに言われているわけです。
いろいろ申し上げましたけれ
ども、家賃の決定のところで、
経済事情のところに関しまして、あるいは総体の
考え方としまして、
負担能力、入居者の方の
経済力をもっと注目した家賃の決め方、
公営住宅とも比較考量をしながら家賃の決め方をとっていただきたいということでございますけれ
ども、いかがでございましょうか。