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上田(勇)
委員 公明党の
上田勇でございます。
総理、
日米首脳会談、また中東諸国歴訪、お疲れさまでございました。それぞれの
外交の中で相当な成果が上がったものだというふうに思っておりますけれども、きょうは、特に
ブッシュ大統領との
会談の内容を踏まえた上で、我が国にとって
安全保障上の
最大の懸案であります
北朝鮮の問題と、それから
経済関係に関する問題につきまして、何点か御
質問させていただきたいというふうに思っております。
日米首脳会談では、
北朝鮮問題についていろいろな角度から論議をされて、幾つもの重要な点で
意見が一致をしたというふうに承知をいたしております。平和的な解決が重要であるということ、そのためには
対話と
圧力が重要であるということ、そして日米韓が協調する、そしてマルチの協議の場には
日本と
韓国も参加をするということ、また
拉致問題解決の重要性について問題意識を共有できたということも重要な
意見の一致じゃないかというふうに思っております。
さらに、
総理からは
北朝鮮の
違法行為の規制、取り締まりを一層強化するということを提案されて、
ブッシュ大統領からも、とりわけその中でも麻薬の拡散については容認しないというふうな発言があったというふうに伺っております。
北朝鮮による麻薬の輸出というのは非常に
世界的な問題になっておりまして、きょう、ちょっと皆さんにも配付もさせていただいているんですけれども、テレビのためにこれを用意させていただきましたが、これを見ていただくとわかるんですが、我が国に入ってくる
覚せい剤、そのうちの過去五年間を見てみますと、ずっと三割から四割が
北朝鮮ルートのものである。押収されたものだけでありますけれども、この過去五年間の平均をとってみますと、三五%が
北朝鮮ルートであるということが、これは警察庁の資料からまとめたものでございますけれども、まさに我が国にとっても非常に深刻な問題になっているということでございます。
このデータというのは押収量でありますので、実際にはこの何倍もの数量が
北朝鮮ルートから我が国に入ってくるわけでありまして、この
覚せい剤の末端価格というのが何かグラム当たり三千円から五千円というようなことも言われていますので、この押収されている量だけでも四十億から五十億円に上るというものでございます。実際に出回っている数量がどのくらいなのか、あるいはそのうち何%が
北朝鮮の取り分なのかということはわかりませんけれども、少なくとも相当な不正な
資金が
北朝鮮の金正日政権のところに回っているということはもう明らかなのではないかというふうに思います。
こうした不正な
資金を取り締まっていく、これは
北朝鮮の必ずしも
国民を苦しめるということではなくて、やはり政権の中枢にいるそうした金正日さん初め、その取り巻きが大変これで困るということでありますので、そういう
意味でもこれは社会正義にかなうことであろうというふうに思っております。
麻薬取引などのこうした不法行為に対して、
関係国も協力して取り締まりを強化していこうということは、大変私はすばらしいことであるというふうに思いますし、我が国としてもこの点しっかりと対処していくべきだろうというふうに
考えております。
これは、警察庁や
厚生労働省、海上保安庁など、いろいろな省庁にまたがる課題でございますけれども、
総理に、この問題についてどういうふうに対処されていくのか、また、そういう
関係省庁にどういうような御指示を出されるお
考えか、御見解を伺いたいというふうに思います。