○原口
委員 平成十五年度
一般会計予算、
平成十五年度
特別会計予算及び
平成十五年度
政府関係機関予算につき撤回のうえ編成替えを求めるの動議について、民主党・無所属クラブ、自由党、日本共産党、社会民主党・市民連合の野党四会派を代表し、その趣旨の弁明を行います。
予算の編成替えを求める第一の理由は、
政府の提出した
平成十五年度
予算に、
国民生活を破滅させかねない新たな
国民負担増が数多く含まれていることであります。
小泉政権発足以来、一年十カ月を経過いたしましたが、この間、
我が国の
経済状況は、株価などに代表されるように悪化の一途をたどっています。中でも、
国民生活は極めて厳しい状況に追い込まれ、これ以上のしわ寄せに耐えられる状態にはないのです。
政府が安易に
国民に痛みを押しつける前に、まず
政府として行うべきことは数限りなくあり、これを放置したまま数兆円もの新たな
国民負担増を押しつけることは、決して許されません。
よって、最低限、医療費患者負担増の引き上げ、
雇用保険給付のカット、たばこ、酒の増税は凍結・中止することは当然であります。医療費負担増についても、既に野党四会派で凍結法案を国会に提出済みであり、速やかに同法案の
審議、成立を図れば、凍結は十分に可能であると考えます。
第二の理由は、
政府予算が現下の深刻な状況にある
雇用及び
中小企業に対する施策が全く不十分なことであります。
そこで、
国民の安心を確保し、危機的な
経済状況からの脱却を実現するために、求職者の能力
開発を推進し、実際の
雇用に結びつくような失業給付制度の改善を行った上での給付延長、
雇用保険の財源安定化、就職支援体制の強化、失業者の生活を守るための子弟の教育費対策等、緊急地域
雇用創出特別交付金事業の積極的活用、労使協力による
雇用維持・創出に対する支援などの
雇用対策の抜本的拡充が必要であります。
また、
中小企業対策として、特別信用保証の時限的復活、連鎖倒産回避のための支援措置拡充、起業に対する強力な支援、不当な下請圧迫の防止措置等が必要であります。
さらに、
国民が現在必要とするサービスを十分に提供することによって安心感を高め、さらに将来への展望を生み出していくために、多様な子育て
支援策の拡充、小児医療体制の
整備、介護サービスの基盤拡充、障害者対策の推進、三十人学級の早期実現に向けた条件
整備、老朽化の進む教育施設の耐震化を含む速やかな改修などが必要であります。
第三の理由は、
予算を編成し、執行する
内閣そのものに大きな問題があることであります。証取法違反まがいの発言を平然と行われる竹中
経済財政・金融
大臣、全く顔の見えない二枚舌
外交の川口
外務大臣、部下が人をあやめた疑いを受けながら、みずからを含め
辞任という責任をとろうとしない森山
法務大臣、秘書疑惑、答弁問題で
大臣の資質のかけらさえ感じさせない
大島農水
大臣、そしてきわめつけは、公約破りを大したことないと公言し、
国民を破滅に追い込もうとする小泉
総理であります。
内閣を構成するすべての閣僚がみずからを真摯に反省した上で、新たな
国民負担増の凍結・中止など、真に
国民の立場に立った
予算へと組み替えることが、最低限の責任であります。
このほか、
我が国社会の新たな方向性を本
予算で示すために、環境政策、バリアフリー、食の安全確保などにも重点的な
予算配分を行うことが必要であります。
一方、これらの諸施策を行うに当たって、その財源は、
政府提出の
予算のむだを排除し、効率性を高めることによって見出すべきであります。
公共事業
関係費は、入札制度の改革、単価の
見直し等のみならず、自民党長崎県連事件で明らかとなっているように、不法な政治の介入が公共事業のコストを引き上げていることにかんがみれば、野党四会派で国会に提出している政治資金規正法改正案の速やかな
審議、成立を図ることによって、一層の削減が可能であると考えます。
また、何ら改革の実現ができていない外務省報償費及び官房報償費の大幅削減は当然のことであり、同時に、一層の行政経費の効率化、真の特殊法人改革に向けた
関係予算の
見直しが必要です。
以上のように、来年度
予算については、新たな
国民負担増の凍結・中止、危機に面した
雇用環境、
中小企業等に対する
支援策の拡充・追加、小泉
総理を筆頭とするすべての閣僚の真摯な反省と、真に
国民の立場に立った
予算への組み替え等の実現のため、抜本的改革が必要であります。
野党四会派は、以上のような見地から、二〇〇三年度
政府予算を、別途お配りしております重点事項に沿って組み替えるように要求するものであります。
政府・与党は、一昨年、昨年と続けて野党四会派の組み替え要求を受け入れず、その結果、景気を悪化させ、
国民生活を危機に追いやりました。そして、本年もまた、
政府は、同様の愚を繰り返そうとしています。かえって財政赤字を拡大させ、
国民生活をこれ以上追い込むことをどうかやめてほしい。
国民を真に代表し、賢明なる本議場の議員各位におかれましては、何とぞ、私たちの真意をお酌み取りいただき、御賛同くださいますようお願い申し上げ、趣旨の弁明といたします。
ありがとうございます。(拍手)