○
春名委員 役割が今果たせていないかのような発言をされるのは、それは心外でありますし、訂正していただきたいと思いますが、あなたは、西尾案をたたき台の一つだと言って、否定しておりませんね。たたき台の一つだと言われている。そこで、私は一つの作業をしてみました。かけがえのない役割を担っている小規模
市町村あるいは農山村がどんな実態になっているかということについて調べてみました。
これが、ちょっと見えやすいようにと思いまして、赤い地図でありますけれども、私も四国の出身なものですから、西尾私案とか自民党が
自治体でなくそうとしている一万人以下の
自治体は、全国で千五百四十六あるんですね。大きいですよね。
自治体数の四八%、それに上るわけですが、四国で見ますと、一万人以下がどういうところにあるかというのがこの図なんです。赤く塗った部分が人口一万人以下の
自治体で、二百十六
自治体のうち百二十五
自治体、五八%を占めているということになっているわけです。
もう一枚の図を見ていただきたいんですが、これはなかなかややこしいもので済みません。この二枚目の図ですが、これは同じ四国の
自治体が一九六五年、人口がわかる最古といいますか、統計なんですが、一九六五年から二〇〇二年までの三十七年間にどれほど人口が減少してきたかというのを調べたものなんですね。
それで、減少率五〇%以上を赤にしているわけです。それから、四〇%以上がダイダイ、三〇%以上が黄緑、それ以下は何も塗っておりません。
赤の五〇%以上が三十五
自治体ありまして、全
自治体数の一六%。それから、ダイダイの四〇%から五〇%未満が二十四
自治体ありまして一一%。それから、黄緑の三〇%以上四〇%未満が二十八
自治体ありまして
一三%。つまり、三割以上人口が減少している、そういう率が、その
自治体が、合計八十六にも上っておりまして、四国の全
自治体数の四割を占めるということになっています。
これは、比べてもらえばわかるように、大体共通している特徴がありまして、一つは、人口規模現在一万人以下の
自治体が四国の中央部、山間部、そのほとんど、島嶼部、半島などの多数を占めていて、面積も半分近く占めているということですね。これはおわかりいただけると思うんです、下で。
二つ目は、一万人以下の
自治体ほど、人口減少率が他の
自治体と比べて高いことがはっきりわかるわけですね。人口減少率三〇%以上の
自治体が全部で八十六ありますけれども、そのうち、八十二
自治体、実に九五%が人口一万人以下の
自治体になっているんですね。そして、一万人以下の百二十五
自治体のうち六六%、八十二
自治体が減少率三〇%以上の
自治体ということになっている。つまり、一万人以下の
自治体と人口減少が高い
自治体というのが完全にリンクしているということですね。
三つ目は、とりわけ五〇%以上大幅に減少している
自治体が、すべて現在人口一万人以下であって、山間部、島嶼部に位置して、面積は広大である。見ておわかりのとおりだと思います。
そこで、こういう現実があるわけです。こういう現実、
先ほど、小規模
市町村、農山村が大きな役割を果たしてきたし、今も果たしておるとおっしゃいましたけれども、こういう困難な
自治体の中で、特に人口一万人未満の農山村など、困難な中でも、非常に歯を食いしばって大きな役割を発揮してきたというのが、この図からもわかるわけですよね。
そうしますと、今
自治体の皆さんが言っているのは、一万人以下の
自治体をもし解消したり、合併してとにかく広範囲にしてしまうということになれば、身近な
自治体がなくなって、歯を食いしばって努力をしてきたこの中身が、坂道から、後ろから押されてしまうようなことになる、そんなことになったら大変なことになる、そういう現実感があるわけですね。だから、小規模
市町村を強制的に切り捨てるということは絶対やってはならないということが今大問題になっているわけです。
こういう図も見ていただいて、どうですか。