○木島
委員 結構です。
定期借家制度創設のための法律改正の法律案の作成、国会への提出、
委員会、本
会議審議経過、すべてを私は資料にして、配付資料4「審査経過」にしたためてまいりました。ごらんをいただきたい。これで全部であります。
最初に議員立法として衆議院に提出されたのが借地借家法の一部改正法案で、提出日は九八年、
平成十年六月五日であります。しかし、ごらんのように、この法案は、百四十二国会から百四十五国会まで、四国会にわたり一度も審議されず、衆議院
法務委員会に継続案件とされたまま、九九年、翌年、
平成十一年八月十三日、延長された国会の会期末の日、百四十五
通常国会会期末において、審議未了で廃案となったわけであります。
後から提出されたのが、良質な賃貸住宅等の供給の促進に関する特別措置法であります。百四十五
通常国会の延長国会の会期末直前の九九年七月三十日に議員立法として衆議院に提出され、百四十六臨時国会の九九年十二月九日、参議院本
会議で可決成立をいたしました。
この法案は、良質な賃貸住宅等の供給などと飾り物がついておりますけれども、その主な内容は、最初に提出され、衆議院
法務委員会に継続中の借地借家法の一部改正とほぼ同じ定期借家制度の創設でありました。
この審査過程は、まことに異常ずくめであります。私は、
三つの異常を
指摘します。
第一、提出の中心であった
自民党議員が、借地借家法の一部改正法案がいまだ
法務委員会に継続中であるにもかかわらず、装いを変えて、立法目的が同じ定期借家制度の創設であるにもかかわらず、看板をかけかえて、良質な賃貸住宅等の建設促進法案として提出していること。配付資料の2が自自社さの法案であります。配付資料の3が、後から出された自自公の法案であります。法律の中身は、大部ですからはしょりました。
第二の異常は、衆議院議院運営
委員会におきまして、良質な賃貸住宅等の建設促進法案の付託先を、
法務委員会に付託するのが当然本筋であるにもかかわらず、早期成立のために、この法案を建設
委員会に付託させたという異常さであります。
そして、第三であります。法案の審議は、まことに拙速きわまりないものでありました。私も
法務委員でありましたが、建設
委員会に出ていって質問をいたしましたが、借家権の根幹にかかわる、正当事由のない定期借家制度創設という重大法案でありながら、衆議院建設
委員会ではわずか二日間の審議、二日目の審議は参考人
質疑終了後、即時採決であります。参議院国土・
環境委員会では、わずか一日だけの
質疑で採決であります。
なぜこんな異常な状況が生まれたのか。その秘密を解くかぎが、東京都宅地建物取引業協会の発行している「月刊宅建」二〇〇〇年、
平成十二年三月号に書かれておると思いますので、配付いたしました。
配付資料の7、二枚目を見てください。最後の配付資料7。「定期借家制度創設報告会を開催 定期借家推進協議会」
平成十一年十二月九日の定期借家法案成立に伴い、定期借家推進協議会は昨年十二月二十日、霞ヶ関ビルで「定期借家制度創設報告会」を開催した。
冒頭、挨拶に立った代表世話人の藤田本会
会長は「念願の法案が成立したのは、付託先を
法務委員会より建設
委員会に変更したことであり、業界、
政治家、識者がガッチリ手を組んだ成果である。」
高らかに成果を誇っているわけであります。
配付資料の6を見てください。これは、東京不動産
政治連盟の発行した「第二十七回年次大会」、
平成十二年五月二十九日、京王プラザホテルで行われたものであります。
一枚めくってください。三ページ「
平成十一年度
活動報告書」、ちょうど中段、真ん真ん中のところです。
一昨年より、社団
法人東京都宅地建物取引業協会が中心となり推進してきた定期借家制度の創設に向けて、本連盟も組織を上げて支援するとともに、
関係議員等に対して陳情・請願
活動を強力に展開した結果、十二月九日、「良質な賃貸住宅等の供給の促進に関する特別措置法」として可決・成立した。
その下にちょっと重要な、おもしろいことが書いてあるんですが、本題と直接関連ありませんから、はしょります。
二枚めくって五ページ、上から三行目、
法務省の態度を批判しております。
しかし、我国の借家制度として昭和十六年より続いている正当事由を排除することが、法案の条文構成の主体であったこと、また所管する
法務省等が導入に消極的な姿勢であったこと等により、導入の本来の目的である経済的な効果等について、理解を得ることに時間を費やしたため早期導入に向けた陳情・請願
活動は、困難を極めた。
そして三行おいて下、次が重要なところです。
この状況を打開したのが、藤田
会長の獅子奮迅の陳情・請願
活動と業界の結束した支援
活動であった。「借地借家法の一部改正法案」を取り下げして、新たに法案を作成、提出し、付託先の
委員会を換えるという奇策に賭けるものであった。
奇策を賭けられたんです、国会は。それで、
新法案は、七月三十日、定期借家制度を盛り込む「良質な賃貸住宅等の供給の促進に関する特別措置法案」として、自民・自由・公明党の三党の議員提案により、第百四十五回
通常国会に提出され、会期末の八月十三日、
法務委員会から建設
委員会への付託換えが決定した。
云々と書かれているわけであります。
もう中身は問いません。
国土交通副
大臣にお聞きします。きょうは
大臣を呼んでいたんですが、いません。副
大臣は、これらの記事を読んだことありますか。イエスかノーかだけで結構です。