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中井政府参考人 いろいろな角度からの御質問を受けておりますので、場合によれば後でまた補足させていただきたいと
思いますけれ
ども、実は、
委員御
案内のとおり、法務省の組織自体の特殊性ということを前段に若干御説明させていただいた上で
経緯を御説明させていただいた方がよく御理解をしていただけるんじゃないかと思うので、お許し願えれば、それから話させていただきたいと
思います。
もちろん、検察を持っている、
法務大臣のもとに検察があることも事実でございますけれ
ども、余り私
どもの広報が十分でないためあれなのでございますけれ
ども、実は、刑務所における犯罪につきましては、刑務所の職員等が刑事訴訟法上の司法警察職員として捜査することができるということになっております。これも、法律上そうだということだけではございませんで、現に、先ごろ甲府刑務所の殺人未遂等事件を甲府刑務所の方で捜査して、立件送致したという記事が出たかと
思いますけれ
ども、実は、同じように私
どもの刑務所等の職員がその刑務所における犯罪を捜査して検察庁に送致する例は年間相当数、約二百件近くだと記憶しておりますけれ
ども、それぐらいあるわけでございます。したがいまして、いわゆる捜査情報あるいは調査情報、いずれのことでもございますけれ
ども、これをいかに取り扱うかにつきましては、矯正部内においては、これはある意味では警察、検察と同じように非常に慎重な配慮をしているということをまず大前提に
お話ししたいと
思います。
それから、ただいまの件でございますけれ
ども、いわば一部のマスコミにおいては内部告発があったのではないかという
報道がなされまして、それが
経緯で、今お尋ねのように、私
どものいわゆる記者に対する説明等で、矯正局の課長あるいは審議官といった者がいろいろなお答えをしているわけでございます。その際に、まずこの場できちんと申し上げたい点は、今のような前提がございますので、内部告発があったかどうかという点の御
指摘につきましては、情報提供者を保護いたしますとともに、その後の捜査、公判等も含めまして事実解明を円滑に徹底することが何より最優先なわけでございます。事実解明ができなければ、原因、対策、再発防止策もできません。まずこの大前提を御理解賜りたいと
思います。
したがいまして、私
どもが得た情報、その情報提供者の特定につながる事実
内容の開示は、その当該提供者が矯正内部であるかあるいは矯正外部の者であるかを含めまして、これは極力避けるべきものと考えておりまして、その旨私
どもは各
施設に指導し、矯正局内においてもその旨を徹底させているところなわけでございます。
したがいまして、まず、その問題の、あの一連の
報道その他も含めまして、情報提供に係る者が矯正内部か部外者であるかという点についてはお答えできないということを最初に申し上げたいと
思います。
ただし、事ここに至りまして、最終的に私
どもの特別調査チームの長であります審議官が申し上げましたけれ
ども、この一連の本件に係る案件におきまして、職員による暴行をうかがわせる
内容の情報提供があったこと自体は、これは申し上げたところでございます。
名古屋刑務所で起きました本件につきまして強制捜査がございましたのは今月十二日であります。その日の夕刻、
委員御
指摘のとおり、総務課長あるいは保安課長も同席していたかと
思いますけれ
ども、これが
記者会見に臨んだことは事実でありますけれ
ども、この両名は、今申し上げた極めて
機微にわたる極秘の情報の存在は承知していないと私は聞いております。(発言する者あり)ちょっとよろしいでしょうか。それで、でありますが、その際の答弁
内容その他のことにつきまして、翌十三日の
記者会見において、官房審議官みずからが出まして、今申し上げたような範囲で情報の提供はあった、ただし、その
内容は課長レベルにおろしていないという形の説明をしたというぐあいに聞いております。
昨年末でございます、一部マスコミで、名古屋地検が本件立件を視野に捜査する方針を固めたという
報道がなされております。もちろん私
どもも、当時はいろいろな事件が動いておりますけれ
ども、事件の行く末、特にその余の、いわば余罪に該当するものがどのようにあるかということについては、私
どもは
関心を持っておりました、それは事実でございます。
しかしながら、事態が急変いたしましたのはその十二日の
記者会見当日でございまして、当日の朝から、当局におきましては、名古屋地検から名古屋矯正管区へ通報、こういう事件があるよという通報もございましたし、それを受けまして告発をするということをやる、その
関係の報告あるいは連絡等もございました。また、強制捜査が着手されたわけでございますが、緊急対応をやっておるということで、矯正局内部が非常にそれぞれ多忙をきわめていたことは事実でございますが、その中で、できるだけ早い時間帯にマスコミ対応を行おうということで尽くした結果が夕刻の
記者会見に至ったものと私は承知しております。
今お尋ねありましたように、情報提供があったことに関し、総務課長に知らせなかったのはおかしいんじゃないか、こういう御趣旨でありますけれ
ども、私は、これは全くおかしいこととは思っておりません。当然のことであります。情報の秘匿をする際には、それを知り得る者は極力限定するのが、私も長い間情報に携わってまいりまして、これは原則であります。原則であります。しかも、冒頭申しましたように、私
どもは、検察の捜査に御協力する立場以外に、私
どもも、司法警察として今後は刑務所内における犯罪を捜査していかなければいけません。その際に、個々に仮に得た情報を私
どもが出したとするならばこれはどういうことになるか、御賢察賜りたいと思うんです。事件は立件できなくなります。
したがいまして、情報提供があったことに関して、総務課長等に私
どもの審議官の特別なチームが連絡しなかったということにつきましては、私は、そのような時間的なゆとりがない、そもそも私の許可を得ないといけない話であると私は理解しております。
私は、日ごろ、私が審議官以下に厳しく言っております情報の保秘体制、秘密保持をきちんとやれと言っていることが徹底していたということでなかろうかと思っておるのでありまして、私としては、当局が組織として、あるいは現場が組織として事実を隠ぺいする意図は全くなかった、かように考えております。
〔萩山
委員長代理退席、
委員長着席〕