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海江田委員 今の、
国債を大量発行しますから、それをどう売りさばきをしなければいけないか、
国債管理政策でありますとか、それから、今
大臣お話しになりました、我が国の
個人の
国債所有が二から三%、欧米は大体七%から十何%あるから、
個人がもっと持つようにすべきではないだろうか、
個人が持てば
中途換金なんかは
余りないから、安定的な
国債の、例えば暴落だとかいうことに対するショックアブソーバーの
役割も果たすことができるんじゃないかとか、そういう点は
評価できるわけでございますが、やはり
資金の大きな
流れの
方向からいって、私は、
貯蓄から
投資へという
流れと、
公的セクターの
資金を
民間に回すというこの
流れ、これはやはり大切なんじゃないかなというふうに思うわけです。
そうすると、例えば、これから
税制なんかで、今度のこの
国債についても、
税制のところでの手当てはなかったわけですよね。
国債を
個人投資に向けるためには、例えば
相続の
評価のとき、これを軽くした方がいいんじゃないだろうか、実際の額面は百万円でも
相続の
評価を半分ぐらいにしろとか、七掛けにしろとか、いろいろな議論がありましたけれども、こういう制度はとらなかった。そのかわり、
国債を、例えば一年以上たって売ってもこれは
元本を保証しますよとか、
貯蓄の方に近づけたとか、そういういわばおまけをつけて売ったわけですけれども、
税制のところにまでは踏み込まなかったということ。これは私は、その
意味でいうと、
一つの、いわば
先ほどお話をした大きな
お金の
流れで、
貯蓄から
投資へ、それから
公的セクターから
民間へという
流れの中で、ぎりぎりの
一つの選択だったかなというふうに思って、その点は
評価するわけですよ。
ただ、問題は、そこからさらに、この
国債、しかも今度の
個人国債というのは、
債券の特徴であります、満期前に売買をしたらこれは時価になるよというリスクをなくしてしまったわけですから、これはより一層
貯蓄に近づいたわけですから、そうなっていくと、じゃ、
貯蓄から
投資という
流れを今後さらにもっと加速化するためにどんな
方法が
考えられるのかとか、あるいは、
資金を
公的部門から
民間へという
方向性の中でどんなことが
考えられるのかということもやはり
お尋ねをしておきたいわけですよ。
例えば、
証券税制について言うと、今回の
税制改正では、一応これは配当を一〇%にして、二〇%ですけれども向こう五年間は一〇%ですよということ、それから
株式の譲渡益も、二〇%ですけれども向こう五年間は一〇%ですよという手は
一つ打ちましたよね。ここでもう終わりなのか。さらにここからもう一歩進めるとすれば、配当課税の場合は、アメリカなんかでは、今度の
税制改正で実は配当課税は〇%にしたわけですよ。そういうような
方向にさらに動いていくのか。今の一〇%というのは五年間の暫定的な措置ですから、五年が終わったら二〇%になるわけですから、例えば、やはりこの五年間の一〇%というものを将来的にもう少しこの辺で据え置きという
考え方もあるでしょう。
あるいはもう
一つの観点でいうと、これはなかなか
財務省はうんと言わないんですけれども、配当の二重課税の問題、これはやはり残っているんじゃないですかとか、そういう問題はどういうふうにお
考えになっているのか。
あるいは、譲渡益の問題でいうと、これも二〇%で、一〇%にそろえましたけれども、それからもう
一つ大きなポイントとしては、譲渡損失の三年間の繰り越しということも、これは前の改正から入ってきたわけですけれども、この譲渡益の問題、譲渡益課税の問題を将来的にどういうふうにしていくのか。将来的には、利子配当、
株式譲渡益の課税の一体化に向けた今回の措置だということを
財務省は言っているわけですけれども、この一体化というのがどういうことをイメージしているのか。
例えば、今、
先ほどもお話をしましたけれども、一応譲渡益も二〇%、だけれども五年間は一〇%ですよ、株の配当も、二〇%、だけれども一〇%ですよ、それからあと、
株式投資信託なんかの譲渡損と
株式の譲渡益とを通算できるとか、そういうような形で、いわば暫定的な一体化というのは、前段階の一体化はできているんですよね。だけれども、ここをさらに、将来の一体化に向けた措置だということであれば、さらにここから進めて、これはよく二元所得論という話になるわけですけれども、そういう
金融性の所得を一本化して、そして今度は、例えば普通の勤労性所得だとかあるいは事業性の所得だとか、そういうものと通算のところにまで
考えを持っているのかとか、そういうことを少し
税制のところに踏み込んで、これは
大臣の今の段階でのお
考えでよろしいわけですが、そういうものをやはりお示しいただきたいというふうに思うわけでございます。