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細川委員 今、
国家公安委員長それから文科の
大臣から、その感想なりお聞きをしたわけですけれども、
少年犯罪が全
刑法犯の四割を占める、そして非常に事件も凶
悪化している、大変深刻なこの問題に対して、何とかして
少年犯罪を少なくしていこうという意欲がどうもちょっと感じられないですね、聞いていて。今まで大体こういうところで
議論をされて答えられたような話しか出てこない。これではやはり
少年犯罪というのは少なくならないと思いますよ。
もっと、今の
お話にしても、ここのみんなが、聞いている
委員が、なるほど、
少年犯罪、これは大変だ、だからみんなで力を合わせて少なくしていく、抑制していく、こういうような感じが受け取れないですね。もっと熱意を込めてこの問題に対して対応していくんだということを、私の方は期待したいですね、お二人に。
私は、
犯罪が
増加をしている、その
要因といいますか、
原因について三つばかりあるだろう、今お二人の
大臣の
指摘のところとも重なり合いますけれども、三つあるというふうに思っております。
少年犯罪だけではなくて、一般の
犯罪が今大変ふえている、こういう点についての
原因について三つばかり
考えるんですけれども、一つは、やはりこの長期の不況に伴う
国民の皆さんの大きな不安、あるいは
経済的、あるいは精神的ないろいろな困難がありますから、それが一つの大きな
原因になっているんではないか。自己破産なんかもたくさん、二十万件だとか、もう急激にふえております。そういうようなことも含めまして、いろいろな不安がある。
いわゆる
経済的な観点からの不安、精神的な困難、これは私は政治の責任でもあろうかと思いますけれども、こういう不安をいかになくしていくか、これが一つ大きなあれだ。これは、
経済の、景気回復というようなことが大きな論点になろうかと思います。
それから
二つ目は、
国民の
モラルの
低下あるいは
規範意識の
低下だというふうに思っております。
なぜこう急激にふえてきたのか。これは、バブル期の拝金主義といいますか、お金中心の価値観が
国民にマイナスの影響を与えた面が大いにあるんではないかというふうに思っております。加えて、競争原理を必要以上に重視いたしまして、勝者のみ、勝った人のみがすぐれているというような
考えが強くなってきておりまして、
人間の多様な価値を相互に尊重し合う、あるいは共生をしていこう、みんなで一緒に共生をしていこう、そういう価値観がだんだん薄れてきているんではないかというふうに思います。
何とかして、
人間関係とコミュニティーを大切にしていく、そういう価値観に変えていかないと、ますます、罪悪感といいますか、そういうのが
低下していく、あるいは
規範意識が
低下していくというふうに私は思っております。
それから三つ目は、やはり
犯罪の
国際化、
谷垣大臣の方も言われましたけれども、
国際化だというふうに思っております。
ピッキングなどの
外国人の
犯罪が
増加をしているということも見逃せないと思いますけれども、一つは
経済的な問題で
国民が大変苦しんでおられる、それから
モラルの
低下、そして国際的な問題、これらの
要因があって事件が激増している、それに
警察の対応が追いつかなくて、そこで
検挙率が下がっている、こういうことになっているんではないかというふうに思います。
それでは、これくらい
犯罪が
増加をしている、しかし、
検挙件数はそれに伴って多くなっていない、
対策ができていない、そこで、じゃ、どうしたらいいのかということについて、ここで
考えてみたいと思います。
まず、じゃ、どういう
対策があるかといえば、手短なことでいえば、それは、
警察官の増員と
警察力の強化、こういうことになろうかと思います。これは、ニューヨークで
警察力の強化によって
犯罪が激減したということで、そういうことを聞いておりまして、これは一つは手っ取り早い方法だろうというふうに思います。
そこで、例えば私の地元の、私は埼玉県なんですけれども、毎年、埼玉県では
警察官の増員を要望しております。しかし、埼玉県は
人口が物すごく
増加をいたしておりまして、既に七百万を超えましたけれども、この
人口の
増加に
警察力が追いつかなかった、こういう経過がありまして、
犯罪の多発地帯、こういう印象が強いところでもございます。
その
体感治安、先ほど申した
体感治安というのが非常に低くなっておりまして、つまり、
平成十四年におきましては、全
刑法犯の
検挙率、
検挙率が一体幾らだと思いますか。一二%まで下がっているんですよ、
検挙率が。
犯罪を百人が犯したって十二人、こういうところまで、八人に一人という数字になっておりまして、これでは、
犯罪はやり得だというような、そういう
感覚になってくるんではないかというふうに思います。
埼玉県は、ずっと、
警察官の一人当たりの負担
人口といいますか、
人口を
警察官で割った負担
人口、これが一番多いんですよ。
全国一、人数が多いところになっているんです。ここ数年、増員にはなっておりますけれども、それでも
全国第一位でございます。ちなみに、警視庁、東京都と比べますと、東京では警官一人について二百八十八人、警視庁の場合は。埼玉県では七百三十四人となっていますよ。だから、全然違う、差があるわけなんです。大体二・五倍になっております。
それじゃ、
検挙率はどうなのかということになってきますと、東京の方では埼玉県の約二倍の二五・二%の
検挙率になっている。ということは、警官が、
警察官が多ければやはり
検挙率が高くなっている、こういうことも言えるんではないかというふうに思います。
そういう意味では、やはり
警察官の増員それから
警察力の強化ということがまず第一に
考えられると思いますので、そこでお聞きをいたしますけれども、十五年度
予算では、地方の
警察官の増員について、昨年は四千五百人だったんですけれども、今度の
予算では四千人の人数が
確保されているということで、それはそれで評価をしたいと思いますけれども、これで、負担
人口、先ほど申し上げた警視庁と埼玉では大分違うわけなんですけれども、そういう負担
人口の平準化がこの四千人という増員でできるのかどうなのか。まず、これをお伺いいたしたいと思います。