○岡田克也君 民主党の岡田克也です。
本日昼に始まった
米国などによる
イラク攻撃に関し、我々の見解を述べつつ、小泉総理に質問します。(
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とうとう戦争が始まりました。この戦争によって、多くの犠牲が生まれ、罪のない命が奪われることは確実です。何とかこの戦争を回避し、
イラク問題の平和的な
解決ができなかったのか、本当に残念に思い、同時に、私自身、無力感を感じています。私だけではなくて、この議場の皆さんの気持ちも同じだと思います。一日も早く、戦争が終わり、平和が訪れることを強く願いつつ、質問します。(
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まず、民主党の基本的な
考え方を述べます。
民主党は、
イラクがこれまで累次の
国連決議を守らず、
大量破壊兵器に関する疑惑をみずから払拭してこなかったことを、強く批判してきました。同時に、査察を
強化し
継続することで
大量破壊兵器の完全廃棄を行うことは可能であるとし、そうすべきと主張してきました。しかし、今回、ブッシュ政権が
国連安保理での問題
解決を放棄し、単独主義的な
武力行使を開始したことは、
国連憲章など
国際法の原則に
違反する行動であり、これを容認することはできません。(
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武力行使の中止を強く求めます。小泉総理がブッシュ政権の
武力行使に支持表明したことは誤りであり、その撤回を強く求めます。(
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小泉総理、まず最初に率直にお聞きします。
あなたは、この数カ月、
イラク問題は
国際社会と
イラクの間の問題であるべきと主張されてきました。しかし、あなたが
一致して
イラク問題に
対応すべきと主張した
国際社会は、
米国の
武力行使をめぐり厳しく賛否が分かれ対立する最悪の
状況になっています。あなたは失敗したのです。
また、小泉総理は、かねがね、日米同盟と国際協調の両立を目指すことが重要だと言われてきました。しかし、小泉総理は、国際協調をあきらめ、日米同盟を選択しました。
小泉総理、あなたが目指してきた外交目標は、いずれも達成されず、大失敗に終わったのです。総理大臣として、外交に失敗したことについて、率直に反省し、
国民に対し謝罪すべきだと考えますが、いかがですか。答弁を求めます。(
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小泉総理、あなたは、外交に失敗しただけではありません。あなたは、
イラク問題について、先日のブッシュ大統領の
イラクへの
最後通告がなされるまでの間、
国民に対し、
説明責任を全く果たすことがありませんでした。
さきの党首会談で、
米国の新たな
国連決議なき
武力行使を認めるのかと問われて、そのときに考える、その場の雰囲気でなどと述べたのは、その典型であります。
国連安保理の非常任理事国に対しては、経済
協力などを背景に
米国支持を求めながら、
国内では全く
説明しない。そこにあるのは、小泉総理の
国民無視の姿勢であり、
国民の共感を得ながら外交を進めるという姿勢は全くありません。
英国のブレア首相が
国民に対して
理解を求めようと必死になって
説明する姿勢には、私も同じ政治家として共感を持ちます。総理は昨日の党首
討論でもいろいろ言いわけをしましたが、ブレア首相との違いは余りにも大きい。
国民への
説明責任を果たしてこなかったことを謝罪すべきです。答弁を求めます。(
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小泉総理、あなたは、
米国ブッシュ政権の決定した
イラク攻撃を支持すると表明されました。小泉総理は、その理由として三点挙げています。
第一に、
国連決議一四四一号を初めとする一連の
国連決議が
武力行使の根拠となっており、
国連憲章
違反との批判は当たらないこと。第二に、
大量破壊兵器が
独裁者や
テロリストの手に渡った場合、何十万人の生命が危機に直面すること。第三に、日米関係の信頼性を損なうことは国益に反する、その国益の中には北朝鮮問題も含まれる。
以上の三点です。いずれも説得力に乏しいと言わざるを得ません。(
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以下、それぞれについて質問するとともに、
米国の
イラク攻撃支持の撤回を求める我々の要求に対して、受け入れる意思があるかどうか、総理の見解を伺います。
まず、第一の問題についてお聞きします。
総理は、いつから、
国連決議一四四一号が
武力行使を容認しているとの考えに変わったのでしょうか。
総理、私は、二月三日のこの本
会議場での代表質問で、フランス、ドイツ、ロシアなどは、
国連決議一四四一号が
武力行使を容認するものではなく、
イラク攻撃を行う場合は新たな決議が必要との立場に立っている、日本も同じ立場に立つべきだと主張しました。総理に、再質問、再々質問、三度にわたり質問しました。総理は、当初は逃げの答弁に終始しましたが、三度目の私の質問に対して、一四四一号の決議を守らなかった場合に自動的に
武力行使を容認しているものではない、自動的に
武力行使を容認しているものではないと答弁されました。このときの答弁は誤りだったのでしょうか。いつ、なぜ、
考え方を変えられたのでしょうか。答弁を求めます。
安保理の理事国の多くやアナン
国連事務総長は、新たな
国連決議が必要であるとしています。総理は、新たな
国連決議は必要ないと言われますが、そのことを最終的に決めるのは、あなたではありません。
国連安保理であり、あなたが勝手に決めることはできないのです。今回の武力攻撃に正当性がないことは明らかです。もし、総理に異論があれば、明快に述べていただきたい。答弁を求めます。(
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次に、第二の点についてお聞きします。
大量破壊兵器が
テロリストや
独裁者の手に渡ることは、確かに大変な問題です。しかし、だからこそ、
イラクに対して
国連の査察団が査察を行ってきたのです。小泉総理は、
イラクの
大量破壊兵器が確実に存在し、それが今後、確実に
テロリストの手に渡るという確かな証拠をお持ちなのでしょうか。査察団が証明できていないことを、いかなる根拠で言われているのでしょうか。また、仮に確たる根拠があったとしても、そのことが直ちに
国連無視の
武力行使を正当化するものではないはずです。(
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先ほど、問題の先送りを許すべきでないと総理は述べられましたが、なぜ、査察
委員会のブリクス
委員長が言うように、数カ月の査察の
継続まで待てなかったのでしょうか。小泉総理の論理には飛躍があり、粗雑過ぎます。反論があれば述べてください。
第三に、日米関係の信頼性を損なうことは国益に反すると言われました。
確かに、日米同盟関係の信頼性を損なうことがあってはなりません。特に、九・一一
テロ事件以降の
米国国民の意識の
変化を十分に踏まえることは大切です。注意深く、慎重に行動しなければなりません。しかし、だからといって、
国連憲章に反し、大義なき戦争を始めていいはずはありません。
そして、日米間のきずなは、そんなにも弱いものなんでしょうか。
同盟国であればこそ、率直に語り、ブッシュ大統領を説得すべきだったのではありませんか。そして、
国連安保理の手続を無視し、
国連の権威と機能を弱めることこそ、国益に反するのではないでしょうか。答弁を求めます。(
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北朝鮮問題との関係についても、今回、
米国の単独
武力行使を認めたことは、北朝鮮問題の
解決をより困難にしたと思います。北朝鮮問題の
解決は、中国やロシアとの
協力が欠かせません。
国連安保理の取り組みも重要です。すなわち、重要なのは、国際協調の中で北朝鮮の問題を
解決するという姿勢です。ブッシュ政権とこれらの
国々や
安保理との間に重大な亀裂が入った
状況で、いかにして北朝鮮の問題を
解決するのでしょうか。答弁を求めます。(
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最後に、極めて重要なことを小泉総理にお聞きします。
ブッシュ政権が
イラクへの
武力行使を正当化する最大の根拠は、
国連決議ではありません。昨年九月に発表されたブッシュ・ドクトリンにあります。その中で、従来の自衛権の
考え方を大きく変え、単独行動、先制攻撃を認めています。先日のブッシュ演説でも、
米国は自国の安全を守るために
武力行使の権限を持つ、行動しないことによるリスクの方がはるかに大きいことから我々は今行動するのだ、敵が先に攻撃した後に反撃するのは自己防衛ではなく自殺行為だとまで述べています。
このようなブッシュ大統領の、従来の自衛権では
説明できない先制攻撃論を、小泉総理は認めるのですか、認めないのですか。答弁を求めます。(
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また、このような先制攻撃を認めることは、自衛権の行使と
国連安保理の決議がある場合を除いては
武力行使は認めないとする
国連憲章の考えを大きく変え、今までの平和維持のための国際的な仕組みの根本的な見直しにつながります。唯一の超大国アメリカが
国連を無視し、単独行動、先制攻撃を行うとすれば、
国連の権威は失われ、
世界は極めて不安定になります。
米国といえども国家である以上、自国の国益を基準にして
武力行使することになりかねません。
ブッシュ大統領は正義を掲げてみずからの戦争を正当化しようとしていますが、
国際社会において、正義は一つでは必ずしもありません。だからこそ、
国連という協議の場が設けられているのです。(
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私は、以上の点についても小泉総理と認識を共有していると期待しておりますが、いかがでしょうか。二月三日のこの場での代表質問で、この点、小泉総理に三度にわたり質問しましたが、全くお答えはありませんでした。責任ある答弁を今度こそ求めます。(
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小泉総理、あなたは、
同盟国の一員として、ブッシュ大統領と、このブッシュ・ドクトリンについて、昨年九月以降、意見交換をしたことがありますか。
国連を軽視する
米国の姿勢は、将来的には、日米同盟の本質をも大きく変えかねない重大な問題であります。そんな危機感を持って、ブッシュ大統領に、単独行動・先制攻撃論の問題点を指摘し、自重を求めるべきだと考えますが、いかがでしょうか。答弁を求めます。
小泉総理、我々は今、二十一世紀最初の大きな戦争の始まりに直面しています。戦争は多くの罪なき命を奪います。そして、
国連安保理の決議がないままの大義なき戦争が今後の
世界の平和に及ぼす
影響ははかり知れません。今日の
事態を招いたことについて、政治家として、そして一人の人間として、この議場にいる我々一人一人が大いなる反省を求められていると思います。とりわけ、日本国総理大臣の職にある者として、小泉総理、あなたの責任はとてつもなく重い。しかし、私には、あなたにその認識があるとは到底思えない。そのことを
最後に申し上げて、私の質問を終わります。(
拍手)
〔
内閣総理大臣小泉純一郎君
登壇〕