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佐藤(剛)
委員 自民党の
佐藤剛男でございます。
本日は、
参考人の
先生方には、お忙しい中、また、ただいまいろいろな面から有益な御
発言を賜りまして、ありがとうございました。
私は、まず
問題意識を御提示しながら、
先生方に御
質問させていただきたいと思っております。
御承知のように、今回は、
名古屋という
刑務所の中において、
一つの問題、現在係属中の問題が出た、その問題を、いろいろ今後の矯正問題を、政策を推進するためには
解明しなきゃいかぬ。
解明をしながらやっても、
解明だけをやっていたのでは始まりませんので、やはり
基本は、問題は、国家の
機能として、外交、防衛、
治安という問題は非常に重要な
課題を持っているわけでありますが、特に
刑務所の場合には
治安の
観点で重要でありまして、
名古屋の問題というのは、単に
刑務所の
行政だけの問題ではなくて、いわゆる
犯罪の取り締まりから、検挙から、釈放後の
更生保護に至る一連の中で私は考えていく
課題なんだろうと。
私は、
人権擁護を標榜している
政治家でございますが、そのような
観点から
本件の問題を突き詰めていきますと、どうしても
医療の問題にぶつかっちゃうんですね。それで、この
医療の問題について、ただいま
清水先生、それから
西島理事から重要な問題が指摘されたわけでございます。
繰り返すようでございますが、例えば
清水先生からは、調べてみると
カルテの
内容がなっておらぬという話、言い過ぎかもしれませんが、そういう
状況で、
貧困ではないかと、
刑務所の中ですね、
刑務所の中においての問題を見ると。また、なぜ
若者たちが非常に亡くなるのかという問題を指摘されました。そして、
受刑者の
一つの大きな
希望は、診てもらいたいと。それは、
心臓が痛くなれば
心臓を診てもらいたいし、肺が痛くはなるし、歯が痛くなれば歯にあれするし、目が痛くなれば目にあれする、私はそれは非常に
基本の
課題だろうと思っているわけであります。
この
意味において、これから
刑務所の問題、いろいろな
変死の数が、
変死というか、
刑務所の中で亡くなっている人が、簡単に言えば一年に百五十人ぐらいいるんです、アバウトで。十
年間で千五百人いるんです。これはちょっと、数字だけ見ますと、驚くんですね。それは、お年寄りの
人たちもいるでしょうし、いろいろな
ケースがあると思うんですが、やはりその問題は、当
委員会としましても、同僚の議員がいろいろな点で指摘されていますけれども、私は、しっかりとした形で持っていかなきゃいかぬと。
これは、最終的には、
監獄法という一九〇八年に、約百年前にできているもので、そのままずっと国会の方においても放置してきたという
責任の問題を感じながら、しかし、しっかりとした形で
刑務所の中における
医療体制問題というものを、いろいろな各方面、特に
先ほど西島先生から、
西島先生は特に
精神関係の問題について、
心神喪失等の重大な
犯罪を犯した者のという法案が今参議院で審議されていますけれども、私も党の
責任者としましてそれをまとめさせていただいたわけでありますが、
医師会の中で推進をせられてこられた方で、その面において非常に感謝をしながら、この
法律実現のことを考えながらあれしているんですが、その中で指摘された問題として、
精神科の問題がある。
つまり、私も心配している問題は、
刑務所の中において、普通だって、普通の正常の
人たちが
刑務所の中に入れられれば、密室の中でストレスもたまるだろうし、逆に
ノイローゼにもなるだろうし、また逆に、ある
意味では
ノイローゼの人が入ってくるかもしれないし、いろいろな問題を抱えていると私は思っております。
それで、私なりに調べてみますと、各
刑務所、
それなりのものは持っているんですが、
医療の
システムを持っているんですけれども、例えば
内科だから
内科に限られるとか、
外科に限られるとか、歯医者さんがあっても、あるいは眼科なんというのはまずないですね、見てみますと、余りない。そういうことを見ますと、これからの
矯正局全体の
体制として、少年院を加えて六十幾つあるわけですが、この
医療の問題は、金がかかるかもしれないけれども、きちんとした
システムをつくっていかなきゃいかぬ。
それには、
二村教授の
名古屋大学との
連携で
刑務所もそういうものはあるだろうし、あるいは私立の大学との
連携もあるだろう。私は、一番重要なことは、
西島先生、
地域の
医師会、その
医師会と
連携をする
システムがないと、今の
状況を見ますと、夕方の五時ごろから朝の九時ごろまで
無医村なんですね。そこのところを僕は
二村先生にお聞きしたいと思っているんですが、
先生は
経験されておるということですが、それは私もいかにもひど過ぎるという
観点なんです。
ですから、この
委員会、これから
先生方が御
質問されると思いますが、
刑務所問題というのは、やはり根底は、この
医療問題をきちんとしたルートに乗せていく、
医師会の協力を得る、
全国的な
立場でやる、そして、これは金がかかるかもしれないが、そういう問題についてしかるべき予算を獲得し、人員を配置し、そういう形が私は必要なんだろうと思っているわけでございます。
それでは、以上の
観点で
質問させていただきます。
まず、
二村参考人に御
質問させていただきます。
二村先生、
先生は一
年間名古屋におられた、それで
名古屋の方で
手術もせられた、十分ではないか、
透析関係のあれもあった、こうおっしゃられました。
それで、まず第一の
質問でございますが、私の知識とちょっと違うんじゃないかなと思っておるんですが、五時ですね、まず、お医者さんというのは何時から何時までおられて、何時から——大体亡くなる
ケースというのは
夜中なんですね。これを拝見いたしまして、この
資料は
法務省矯正局の
資料で、
清水先生の
配付資料に載っておりますけれども、やはり潮の満ち干に関係して、亡くなるときは潮が引くときに亡くなる、生まれるときは潮が満ちるとき、こういう
一つの例がありますが、そんな感じを見受けまして、一種の
無医村ですよね、五時から九時ぐらいまでというのは、そういうふうに僕は理解しているんです。
ですから、
夜中の一時とか
夜中の二時になったときにだれがいるんですか。ボタンを押してもだれもいない。
看護師がいるという
お話があったんですけれども、そこら辺の
事情を、
本件名古屋の
刑務所の問題でございますので、まず
二村先生、その実態。
それから、
先ほど、執行を停止されてほかの
病院に行かれたというのが数件ある、それから、中においては十分、集中管理もあって
手術も——集中管理も私ども拝見しました。拝見しましたが、そういうようなことで、ああいうものなのかなと僕は思ったりしていましたが、その点について、率直な、これは今
名古屋刑務所の問題が非常に
課題になっておるわけですし、
名古屋刑務所の中において、ごらんになるように、異状が発見されてから
死亡時間まで、かなり短いですよね、これ。だから、治療も何もやっておらないのか、何かあっという間に、もう死ぬ間際にやっと気がつくのかどうなのか。
そこら辺の
医療体制について、
先生は一
年間おられた。最近どのようになっておるかあれですけれども。率直に、私の
立場は申し上げましたように、これからよくしようとしておるわけですから、全然、
名古屋刑務所をかばう必要はありませんから、そういう面で建設的な御
意見を受けたい。