○山内(惠)
委員 白表紙本が流れて、海賊版とも言える市販テストその他が出ていて、それでもなおかつできないとなれば、今回法案ができた意味がないじゃないですか。そこは問題ではありませんか。海賊版が出て、売られて、そしてその部数によってそれなりの収入があるわけです。そのときに、その収入が著作者にも行っていない状況につながっていく問題なわけです。それもどうすることもできないということで、調べる気もない、もしそういうふうになっても打つ手もない。法案の実施について、この実施をしっかりやってまいりますと
大臣はおっしゃったけれ
ども、これは海賊版だと私は思っています。
また、次に行きます。
日図協の創立三十周年記念誌「築く」というのがあって、前に皆さんに一部お渡ししてありますが、もし教科書出版社の業界団体から謝金の見返りに白表紙本が日図協に提供されていたとしたら、文科省はどのように対処するのか。
この謝金というのは、先ほど皆さんにお配りしました二十七億円というすごい額です。しかも、ここで白表紙本の見本本を提供したのではないかというのは、前にも申し上げましたように、全社全教科書に注文をとるということ。これは木下さんからも同じことを
質問されていたし、実は私、同じ
質問をされたことを知らないで私もこの場で
質問しましたが、今のような逃げ方をされたんですね。
これは、裁判その他のところでは、著作者にそのお金は全部行っているようなことを言っているんですけれ
ども、行ってはいないわけです。その意味で、こういう海賊版の問題があるということを考えたときに、新しく法案に百十四条を入れたわけです。これは計算方式まで出されたわけですね。
それで、ちょっとここで次のをごらんいただければ。お配りしましたこのテスト、これもこの間申し上げたものなんですけれ
ども、この一枚目の「わらぐつの中の神様」のこのテストは、私も似たようなのを
学校現場で使っていたときには、上の段に、教科書の中から物語文そのまま抜粋して載せられていました。私はこんなのを初めて見ました、ここで。初めてというのは、今回
調査をして初めて見ました。
これは実は、ことしの三月二十八日、東京地裁の判決で著作権侵害を認めて副教材の出版の差しどめなんかがあったわけですから、その前後に、これは問題だと思われたのか、教科書からの抜粋はやめた一例です。だからここでは、教科書六十二ページを見てテストに答えよと。だから、子供の側からいえば、いつも教科書を出してテストをしなければならない。市販テストを使っていない
学校もありますけれ
ども、使う場合はそうしなければならないという異常なプリントだと思います。
その次にもう一つございますが、これは、
学校で担任が
指導して子供たちの行ったテストに丸をつけていくわけですけれ
ども、参考資料として解答まで入れたものですが、ここの出版社は、ここに教科書の全文をまだ載せているわけです。ですから、手続をしっかりして自信を持って使われたのかもわかりません。そのところは私は
調査はしていませんけれ
ども、このような形になっています。
次の問題に行きます。
相当時間がありませんけれ
ども、大変大きな問題ですので、この二枚目の「きつつきの商売」というのをちょっと見ていただくとわかるんですけれ
ども、右下のところをごらんください。全国平均点八十二点というのが書かれています。これは、皆さん、だれがどのようにこの平均点、数字を出したと思われますでしょうか。これはもう既に、裁判の中ででしょうか、
お答えになっていらっしゃるので説明をしますと、四千というデータを、
学校現場でつけたものを集めて、そして平均点を出したのでこのように全国平均点が出せるんだということを
局長は
お答えになっていらっしゃるんですね。
お答えになっているのは、それもまた日図協からだったのでないでしょうか。私としては、そこのところをお聞きしたいと思います。
これは、裁判の中でです。それで、光文書院、これは教材出版社の名前なんですけれ
ども、このテストには、全国正答率、今こうやって皆さんごらんになったように、学期ごとに集計した約四千名に上る教師からの回答をもとにしており、信頼度の高いものである、これはセールスポイントなんです。信頼度が高い。ごらんになって、全国の人は八十二点とるんですからあなたの学級でも八十二点とれるように頑張りましょうという数字でもあるし、そうか、全国の人はこんなふうに頑張っているんだったらうちの子もそうしようと思うかもわからないんですね、塾なんかに通っていれば。これは本当に大変なことだと思います。
そこで
質問いたします。四千名に上る教師が
公立学校の教師であったとして、
学校で実施したテストの結果を、子供たちのテストの点数を、
教職員、教師が一民間企業のために流しているとしたら、それは公務員法で言う秘密を守る義務、第三十四条、それから職務に専念する義務、第三十五条に抵触するおそれがあると思いますが、
矢野局長、いかがでしょうか。