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佐藤(公)
委員 内閣府
大臣官房
政府広報室が出している月刊世論調査五月号、こういったものがございますね。ここで今回出ているのは、子育てのつらさの内容、苦しさの内容という調査が出ています。何でつらいかと思う部分、感じる部分というのは、子供の将来の
教育にお金がかかること、つらいと思う人たちの半分以上がそこの部分を
指摘している、意識としてある。
本当に、こういった不安があることが、実際いろいろなことを引き起こしている。極論から言えば、家庭崩壊があったり、家庭不仲があったり、幼児虐待等々の心理
状況、ストレス
状況もあったりなんかする。
教育に関して、
山口委員もおっしゃられましたけれども、今いろいろな調査を見ていると、子供たちにお金がかかる、ここの部分というのを非常に問題視した
指摘というのが多いと思います。
そういう中で、まさに
大学、高校等々における
奨学金というものが、非常に今、実は社会に大きな安心感というものを与える大事なところなのかなと私はずっと考えている部分があります。この
奨学金というか
育英ということが、いかに
日本の根幹の考え方から出ているのかということが本当に大事になってくるというふうに私は思います。
そういう中で、今
議論を、
大臣、副
大臣の
答弁を聞かせていただきますと、副
大臣は、所得要件もしくは経済的要件というものを取っ払って、だれでもが、
意欲のある人が自主自立によってお金を借りて、そして自分の借りたお金で、自分のお金で高等
教育を受け、そして返していくという、まさに自主自立ということをよくおっしゃられます。
そして、先般の奥島座長を含めた参考人の方々もそういったことを強く主張している部分があるんですけれども、私は、本来、今回の
奨学金とか
育英に関して、この
制度に関して、自主自立、全部それを否定するわけじゃございません、大事なことです。でも、それは、あくまでも義務
教育、高等
教育の今のあり方、自主自立、まさに義務と責任を踏まえ権利を大事にするようなそういった
日本人になるべくという
教育を怠ってきて、そのままでもうどうしようもなくなっている中、
制度的な部分でそれをまたカバーしていく、押しつけていく、変えていくという
議論に聞こえるんですね。一回、全部
議事録を、また副
大臣、時間があったら読んでいただけたらありがたいと思いますけれども、それとこれとは別だと思うんですよ。
例えば、参考人の方がおっしゃっている部分、今の
大学というのは、どういった位置づけになっているかというと、まさに、いいところに就職するためのパス、パスポートみたいなものだ、こういうふうに今
大学生も親もみんな考えている。だから、いいパスポートを得ればいい就職ができる、こういう
大学の見方をしている。こういったところに問題点がある。
そして、
大学生が自主自立をしていない。まさにこの参考人の方がおっしゃられたように、
君はどうして今この
大学のここに座っているのかというような
質問をした場合、多分はっきり答えられないだろうと。じっと考えてみたら、子供のころから、いいところに就職するためにはいい
大学にということで、それがずっと順に来て、小
学校のときからそういう動機付けはされていると。しかし、何をやりたいか、何を勉強したいかというのは分からないままに来てしまうと。
自主自立、つまり今の
大学が本当は、高等
教育ということでありながら、非常にそういうていをなしていない。
まさに、もう御存じのように、ヨーロッパとかアメリカに比べたら、全くキャリア形成というか、
大学に入るときに、将来何をしたいのか、そのためにこの
学校に行って、この学部に行って勉強したい、よりよいところでやりたい、そういった
目的意識が
大学に行くに際してある、それが
一つには自主自立の
基本だと思うんですね、でも今の
大学生というのはそれがなかなかできない。ここが
一つの大きな問題点だと思います。幾ら
教育指導をいろいろとしても、なかなかそうはなっていかない。
私は、採用という面でこれが変わっていく可能性があるというふうにも、前に
委員会でも言ったんですけれども、そういう部分で変わるかもしれない。でも、それを何とか自主自立の方向にするために、今回の
育英というか
奨学金を、お金、
制度を使ってあえてそういったところに追い込もうというような考えが、私としては感じられるんです。それとこれとは別だと思うんですね。
副
大臣はそういうおつもりで使っているわけじゃないのかもしれませんが、やはりそこで
制度というのが、この国の
教育の
基本ということがどういうことかということを僕は問いただしたい、もう一回考えて
議論していく必要があるんじゃないかと思ったんですが、いかがでしょうか。